JP2704934B2 - 立体カメラの位置決め調整装置 - Google Patents

立体カメラの位置決め調整装置

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JP2704934B2
JP2704934B2 JP6022706A JP2270694A JP2704934B2 JP 2704934 B2 JP2704934 B2 JP 2704934B2 JP 6022706 A JP6022706 A JP 6022706A JP 2270694 A JP2270694 A JP 2270694A JP 2704934 B2 JP2704934 B2 JP 2704934B2
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一幸 糸川
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  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)
  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2台のカメラを用いて
立体感を有する映像を撮影する立体カメラにおいて、被
写体位置に応じて2台のカメラ位置を調整する装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、人間の目で捉える映像に
立体感があるのは、左右の目で異なる方向から捉えた映
像が脳により合成された映像として捉えられるためであ
る。このことを利用して、2台のカメラを左右に設け、
夫々被写体に向けて撮影した映像を合成することによ
り、平面に映し出された映像であっても立体感を有する
映像を得ることができる。
【0003】そこで、2台のカメラを1つの台に支持し
て、相対位置を調整しつつ立体撮影を行うことのできる
立体カメラが提案されている。即ち、図5に示すよう
に、等倍で撮影する場合、人間の目で捉える映像と同様
の立体感を得るためには、左右のカメラのレンズ位置を
人間の左右の目の間隔 (65mm程度) 離した上で、夫々被
写体に向けて撮影を行えばよい。また、ズームレンズを
用いれば、人間と被写体との距離より後方に離れた位置
にあっても、左右をカメラの距離を大きくして人間の左
右の目が被写体を向く方向と同一方向に各カメラを向け
てズーム撮影を行うことで、近くで人間が捉えた映像と
同一感覚の立体像を得ることができる。
【0004】このように、2台のカメラを1台に組み込
んだ立体カメラにおいては、左右のカメラの間隔を調整
する機構と、被写体に向けての角度を調整する機構とが
要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の立体
カメラにおける被写体に応じた位置決め調整は、1台の
カメラは固定しておき、他の1台のカメラを水平移動し
て間隔を調整すると共に角度を調整して行う構成となっ
ていた。しかしながら、かかる従来の立体カメラの位置
決め調整機構では、2台のカメラの中心を通る線がカメ
ラマンに対してその度に変化し、被写体を捉えにくいと
いう問題があった。また、特に近距離撮影では被写体と
各カメラとの距離が異なるため、正確に正面で見たとき
の映像とは異なるものとなることがあった。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
なされたもので、基準線に対して左右のカメラを逆向き
に等量ずつ移動させて間隔を変えられ、かつ、被写体へ
指向させる角度調整も逆向きに等角度ずつ変化させて調
整できるようにして、前記問題点を解決した立体カメラ
の位置決め調整装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため請求項1に係る
発明は、2台のカメラを用いて立体撮影する立体カメラ
において各カメラを被写体位置に応じて位置決め調整す
る装置であって、基台と、該基台上に支持される左右一
対の中間部材と、基台と前記一対の中間部材との間に配
設され、被写体方向に向けられる基準軸に対して中間部
材を夫々左右逆向き方向に等量ずつ平行移動させる平行
移動機構と、前記一対の中間部材上に夫々揺動自由に支
持されて夫々カメラを支持する一対の支持部材と、前記
一対の中間部材上に両端部を支持され左右方向相対移動
自由であって、かつ、軸周り方向には相対回転不能に連
結された一対の軸部材と、これら各軸部材に夫々係合し
軸部材の回転に対して互いに左右逆向きに移動する移動
部材と、これら移動部材に係合して前記支持部材を中間
部材に対して揺動させる係合部とからなる揺動機構と、
を含んで構成したことを特徴とする。
【0008】また、請求項2に係る発明は、前記支持部
材の揺動支点を、カメラの前端より前方に位置させたこ
とを特徴とする。また、請求項3に係る発明は、前記平
行移動機構を、前記基準軸と平行な軸周りに回転するピ
ニオンギアと、該ピニオンギアの上下両側に係合して左
右逆向きに移動するラックとにより構成したことを特徴
とする。
【0009】また、請求項4に係る発明は、前記一対の
軸部材をキーとキー溝との係合を介して連結したことを
特徴とする。また、請求項5に係る発明は、前記一対の
移動部材を、各軸部材に対して逆向きのボールネジ機構
を介して係合したことを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1に係る発明において、左右のカメラの
間隔を調整するときは、前記平行移動機構を駆動するこ
とにより、基台に対して一対の中間部材を左右逆向きに
移動させれば、該中間部材に対して支持部材を介して支
持されている左右のカメラも一体に移動するから、左右
方向に等量ずつ移動させながら調整することができ、被
写体に対する中心線を一定に保持しつつ、容易に調整す
ることができる。
【0011】また、左右のカメラの角度を調整するとき
は、前記揺動機構を駆動することにより、各カメラは中
間部材に対して逆向きに等角度ずつ変化させて調整する
ことができ、やはり、被写体に対する中心線を一定に保
持しつつ、容易に調整することができる。また、近距離
撮影においても、左右のカメラと被写体との距離を略同
一に保持できるので、正確に正面から捉えた映像を得る
ことができる。
【0012】更に、前記平行移動機構と、揺動機構と
は、互いに拘束されることなく独立に駆動することが可
能であり、同時に駆動して素早く調整することもでき
る。また、請求項2に係る発明では、前記支持部材の揺
動支点を、カメラの前端より前方に位置させたため、調
整によりカメラ同士が当たることを防止できる。また、
請求項3に係る発明では、ピニオンギアを回転させるだ
けで、上下のラックを左右逆向きに移動させることがで
きる。
【0013】また、請求項4に係る発明では、キーとキ
ー溝との係合を介して一対の軸部材が軸方向には相対移
動自由で、軸周りには相対回転不能で駆動側の回転力を
被駆動側に伝達することができる。また、請求項5に係
る発明では、前記一対の移動部材を、各軸部材に対して
逆向きのボールネジ機構を介して左右逆向きに高精度に
等量ずつ移動させることができる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。尚、前後,左右の位置関係については、カメラの後
方に位置して操作するカメラマンから見たときの位置関
係に合わせて説明する。基台としてのベースプレート1
上には、中間部材としての中間プレート2,3が左右に
設けられ、これら中間プレート2,3の下面に固定され
たレール溝部材4,4と、ベースプレート1上面に固定
されたレール部材5,5とが係合して、中間プレート
2,3を夫々ベースプレート1に対して左右方向移動自
由に装着されている。
【0015】前記各中間プレート2,3の後端には、夫
々ブラケット6,7が連結され、各ブラケット6,7の
後方に向かって夫々上側及び下側に屈曲された部分に左
右方向に延びるラック8,9が夫々歯面を下側,上側に
向けて間隙を隔てて固定されている。前記各ラック8,
9の間には、ベースプレート上に軸支されたピニオンギ
ア10が歯合されている。そして、該ピニオンギア10をモ
ーター51と連結して回転させることにより、ラック8,
9が駆動され、一体の中間プレート2,3が前記レール
溝部材4,4とレール部材5,5との係合で案内され
て、中間プレート2,3の間を中心として左右に等量ず
つ平行移動する。即ち、前記ラック8,9とピニオンギ
ア10とで平行移動機構が構成される。
【0016】前記各中間プレート2,3の上方には、夫
々テレビカメラ (鎖線図示) Cを支持する支持部材とし
ての支持プレート11,12が、夫々中間プレート2,3に
対して支軸13,14を介して水平方向揺動自由に装着され
ている。尚、各支持プレート11,12の下面には、中間プ
レート上を摺動して滑らかに移動できるように、スラス
トベアリング52が固定されている。また、左側のカメラ
は支持プレート11上に直接固定して取り付けられるのに
対し、右側のカメラは第2の支持プレート15上に取り付
けられ、該第2の支持プレート15を介して上下位置を調
整できるようになっている。詳細には、前後2箇所ずつ
調整機構は16が設けられ、該調整機構は、個々に上下位
置を調整する際に第2の支持プレート15が支持プレート
12に対して傾斜するのを許容できるように構成されてい
る。
【0017】また、前記各支持プレート11,12と中間プ
レート2,3との間に、支持プレート11,12を中間プレ
ート2,3に対して、前記支軸13,14周りに左右逆向き
に等角度ずつ揺動させるための揺動機構が介装されてい
る。前記揺動機構について説明する。前記中間プレート
2,3の左右両側部に夫々軸部材21,22が同心上に軸受
されている。軸部材21の右端部には軸方向にキー溝23a
を形成した筒状の軸部材23が連結され、軸部材22の左端
部には前記筒状の軸部材23に嵌挿され、かつ、キー溝23
aと係合するキー24aが連結された軸部材24が連結して
構成されている。したがって、軸部材21,23と軸部材2
4,22とは、軸方向には相対移動自由であるが、軸周り
相対回転不能に連結される。
【0018】また、前記軸部材21,22の中間部外周には
夫々互いに逆向きにネジ切りされたボールベアリング2
5,26が係合されており、それにより、各ボールベアリ
ング25,26のハウジングは、回転軸部材21,22の同一軸
周り方向の回転に対して軸方向左右逆向きに等量ずつ移
動することとなる。該ボールベアリング25,26のハウジ
ングにブラケット27,28を連結し、該ブラケット27,28
の頂壁に上方に突出するピン29,30を固定し、該ピン2
9,30を、支持プレート11,12に形成した前後方向に長
い長孔31,32に嵌入してある。したがって、軸部材21,
22が軸周りに回転すると、ボールベアリング25,26のハ
ウジング,ブラケット27,28を介してピン29,30が軸方
向左右逆向きに等量ずつ移動し、該ピン29,30に長孔3
1,32を介して係合する支持プレート11,12が、支軸1
3,14周りに左右逆向きに等角度ずつ揺動することとな
る。
【0019】前記左側の軸部材21の左端部にはスプロケ
ット33が固定され、中間プレート2の後端部左側に固定
されたモーター34の回転軸にチェーン35を介して駆動力
を伝達されるようになっている。尚、モーターの回転を
ギア機構を介在させて減速させるようにしてもよい。ま
た、ベースプレート1の後端部に第1目盛板41、該第1
目盛板の直上の中間プレート3の後端部に第2目盛板4
2、該第2目盛板42の直上の第2の支持板15の後端部に
基準線を記した基準板43が固定されており、中間プレー
ト3のベースプレート1に対する水平移動量 (カメラ間
隔) を第2目盛板42の左端の基準線が第1の目盛板41の
指す目盛位置を読み取ることで把握でき、第2の支持プ
レート15の中間プレート3に対する揺動量 (カメラ角
度) を前記基準板43の基準線が第2の目盛板42の指す目
盛位置を読み取ることで把握できる。
【0020】この他、中間プレート2,3相互の接近量
を規制するため、図示しないマイクロスイッチを設けて
モーター51への通電を遮断する電気回路、更に電気系統
の故障も考慮してストッパを設けて二重の安全構造とし
てある。次に、本実施例装置による一連の位置決め調整
について説明する。撮影時は、立体カメラを被写体の正
面に向け、等倍撮影を行うときは、モーター51を駆動し
(リモコン等で遠隔操作する構成としてもよい) 、中間
プレート2,3を介して左右のカメラを左右逆向きに等
量ずつ移動させ、前記第1の目盛板41により、左右のカ
メラ間隔が約65mm程度となるようにセットする。次に、
各カメラの光軸を被写体方向に向けるように、モーター
34を駆動する。すると、チェーン35を介して軸部材21が
回転駆動すると共に、該駆動力が右側の軸部材22にも伝
達されて回転し、それによって、既述したようにボール
ベアリング25,26を介して支持部材11に支持された左側
のカメラと、第2の支持部材15を介して支持部材12に支
持された右側のカメラとが、中間プレート2,3に対し
て左右に等角度ずつ揺動される。この状態で撮影映像を
モニターしながら目的の被写体が映し出されるように、
カメラの角度をセットする。予め、被写体に対する角度
がわかっているような撮影時には、前記第2の目盛板42
で指示される目盛位置を目標値にセットすればよい。
【0021】また、ズーム撮影のときは、前記したよう
に、被写体との距離に応じてカメラ間隔をより拡げつつ
被写体に向けられるようにセットする。かかるカメラ位
置調整方式とすれば、左右のカメラを左右方向に等量ず
つ移動させ、かつ、左右逆向きに等角度ずつ変化させて
調整することができるため、、被写体に対する中心線を
一定に保ちながら容易に調整することができ、また、近
距離撮影時、左右のカメラと被写体との距離を略同一に
保持できるので、正確に正面から捉えた歪みのない映像
を得ることができる。
【0022】また、前記揺動機構において、左右の軸部
材をキーとキー溝との係合を介して軸方向相対移動自由
に連結した構成としたため、カメラ間隔の調整に拘束さ
れることなく、カメラ角度の調整を独立して行うことが
できる。したがって、カメラ間隔の調整とカメラ角度の
調整とを同時に行うことができ、迅速な調整が行え、特
に、動きのある被写体に対して素早い撮影動作が保証さ
れるものである。
【0023】尚、実施例では、カメラ間隔調整,角度調
整を共にモーターを用いて行うものを示したが、簡易的
には手動で行うものであってもよいことは勿論である。
【0024】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に係
る発明によれば、左右のカメラの間隔調整と角度調整と
を被写体に対する中心線を一定に保ちながら容易に調整
することができ、近距離撮影時でも正確に正面から捉え
た歪みのない映像を得ることができる。また、これらの
調整を同時に行え、短時間で調整を終えることができる
また、請求項2に係る発明では、前記支持部材の揺動支
点を、カメラの前端より前方に位置させたため、調整に
よりカメラ同士が当たることを防止できる。
【0025】また、請求項3に係る発明では、ピニオン
ギアを回転させるだけの動作で、上下のラックを左右逆
向きに移動させることができ、精度も良好に維持でき
る。また、請求項4に係る発明では、キーとキー溝との
係合を介して一対の軸部材が軸方向には相対移動自由
で、軸周りには相対回転不能で駆動側の回転力を被駆動
側に伝達することができ、カメラの間隔調整に影響され
ずに角度調整を行う機構とすることができる。
【0026】また、請求項5に係る発明では、前記一対
の移動部材を、各軸部材に対して逆向きのボールネジ機
構を介して左右逆向きにバックラッシュなく等量ずつ移
動させることができるため高精度な調整が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる立体カメラの位置決
め調整装置の平面図。
【図2】同じく右側面図。
【図3】同じく後方から見た図。
【図4】同じく前方から見た図。
【図5】立体カメラの位置決め調整方法を説明するため
の図。
【符号の説明】
1 ベースプレート 2,3 中間プレート 8,9 ラック 10 ピニオンギア 11,12 支持プレート 13,14 支軸 15 第2の支持プレート 21〜24 軸部材 23a キー溝 24a キー 25,26 ボールベアリング 29,30 ピン 31,32 長孔

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2台のカメラを用いて立体撮影する立体カ
    メラにおいて各カメラを被写体位置に応じて位置決め調
    整する装置であって、 基台と、 該基台上に支持される左右一対の中間部材と、 基台と前記一対の中間部材との間に配設され、被写体方
    向に向けられる基準軸に対して中間部材を夫々左右逆向
    き方向に等量ずつ平行移動させる平行移動機構と、 前記一対の中間部材上に夫々揺動自由に支持されて夫々
    カメラを支持する一対の支持部材と、 前記一対の中間部材上に両端部を支持され左右方向相対
    移動自由であって、かつ、軸周り方向には相対回転不能
    に連結された一対の軸部材と、これら各軸部材に夫々係
    合し軸部材の回転に対して互いに左右逆向きに移動する
    移動部材と、これら移動部材に係合して前記支持部材を
    中間部材に対して揺動させる係合部とからなる揺動機構
    と、 を含んで構成したことを特徴とする立体カメラの位置決
    め調整装置。
  2. 【請求項2】前記支持部材の揺動支点は、カメラの前端
    より前方に位置することを特徴とする請求項1に記載の
    立体カメラの位置決め調整装置。
  3. 【請求項3】前記平行移動機構は、前記基準軸と平行な
    軸周りに回転するピニオンギアと、該ピニオンギアの上
    下両側に係合して左右逆向きに移動するラックとにより
    構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載の立体カメラの位置決め調整装置。
  4. 【請求項4】前記一対の軸部材はキーとキー溝との係合
    を介して連結されていることを特徴とする請求項1〜請
    求項差のいずれか1つに記載の立体カメラの位置決め調
    整装置。
  5. 【請求項5】前記一対の移動部材は、各軸部材に対して
    逆向きのボールネジ機構を介して係合していることを特
    徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の立
    体カメラの位置決め調整装置。
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