JP2703387B2 - 放射光発生装置 - Google Patents
放射光発生装置Info
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- JP2703387B2 JP2703387B2 JP13246890A JP13246890A JP2703387B2 JP 2703387 B2 JP2703387 B2 JP 2703387B2 JP 13246890 A JP13246890 A JP 13246890A JP 13246890 A JP13246890 A JP 13246890A JP 2703387 B2 JP2703387 B2 JP 2703387B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、自由電子レーザ等に用いられる放射光
(シンクロトロン放射)リング挿入光源としての放射光
発生装置(例えばウィグラやアンジュレータ)に関する
ものである。
(シンクロトロン放射)リング挿入光源としての放射光
発生装置(例えばウィグラやアンジュレータ)に関する
ものである。
[従来の技術] 第7図は例えばトーマス・シー・マーシヤル(Thomas
C−,Marshall)による「フリー・エレクトロン・レー
ザ(Free−Electron Lasers)」に示された従来のアン
ジュレータ(放射光発生装置)の構造を示す斜視図であ
り、図において(1)は矢印方向の磁極を有する一対の
磁石、(2)は各磁石(1)の間を通過する相対論的電
子ビーム、(3)は電子ビーム(2)の軌道、(4)は
放射光である。又、直交座標x,y,sのうち、sは電子ビ
ーム(2)の進行方向、xは電子ビーム(2)の振動方
向、yは磁石(1)の磁極方向を示す。
C−,Marshall)による「フリー・エレクトロン・レー
ザ(Free−Electron Lasers)」に示された従来のアン
ジュレータ(放射光発生装置)の構造を示す斜視図であ
り、図において(1)は矢印方向の磁極を有する一対の
磁石、(2)は各磁石(1)の間を通過する相対論的電
子ビーム、(3)は電子ビーム(2)の軌道、(4)は
放射光である。又、直交座標x,y,sのうち、sは電子ビ
ーム(2)の進行方向、xは電子ビーム(2)の振動方
向、yは磁石(1)の磁極方向を示す。
従来のアンジュレータは上記のように構成され、磁石
(1)の作る垂直方向の磁場は周期λuごとに極性が交
代している。これにより電子ビームの軌道(2)は上記
磁場に対し直角な方向に偏向された軌道(3)を取るよ
うになる。また、磁石(1)には進行方向sの磁極が交
互に挿入されているが、これは軌道(3)を滑らかな正
弦波にするためのものであり、省略することもできる。
その際、シンクロトロン軌道放射により、電子の進行方
向に、電子の偏向に応じた光(4)が放射される。この
放射光(4)のスペクトル成分は電子ビーム(2)の軌
道(3)をフーリェ変換することにより得られる。
(1)の作る垂直方向の磁場は周期λuごとに極性が交
代している。これにより電子ビームの軌道(2)は上記
磁場に対し直角な方向に偏向された軌道(3)を取るよ
うになる。また、磁石(1)には進行方向sの磁極が交
互に挿入されているが、これは軌道(3)を滑らかな正
弦波にするためのものであり、省略することもできる。
その際、シンクロトロン軌道放射により、電子の進行方
向に、電子の偏向に応じた光(4)が放射される。この
放射光(4)のスペクトル成分は電子ビーム(2)の軌
道(3)をフーリェ変換することにより得られる。
[発明が解決しょうとする課題] 上記のように、従来の放射光発生装置は、磁場分布の
フーリェスペクトルが単一になるように構成されてお
り、放射光のスペクトルは単一の波長およびその高調波
成分のみしか得られないという問題点があった。
フーリェスペクトルが単一になるように構成されてお
り、放射光のスペクトルは単一の波長およびその高調波
成分のみしか得られないという問題点があった。
この発明はこのような問題点を解決するためになされ
たもので、複数の波長を有する放射光を発生できる放射
光発生装置を得ることを目的とする。
たもので、複数の波長を有する放射光を発生できる放射
光発生装置を得ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明に係る放射光発生装置は、荷電粒子の進行方
向に垂直な磁場成分のフーリェスペクトルが複数の異な
る基本周波数成分を含むように磁場分布を発生する磁石
を設けたものである。
向に垂直な磁場成分のフーリェスペクトルが複数の異な
る基本周波数成分を含むように磁場分布を発生する磁石
を設けたものである。
[作 用] この発明においては、電子ビームの軌道が、そのフー
リェスペクトルが複数の異なる基本周波数成分を有する
ように設定される。従って、複数のスペクトル(波長)
を有する放射光が得られ、一方の波長をクーリングに用
いることができる。
リェスペクトルが複数の異なる基本周波数成分を有する
ように設定される。従って、複数のスペクトル(波長)
を有する放射光が得られ、一方の波長をクーリングに用
いることができる。
[実施例] 第1図はこの発明の一実施例を示す斜視図であり、
(2)〜(4)は上記従来装置と同様のものである。
(2)〜(4)は上記従来装置と同様のものである。
(5)は複数の異なる周波数成分を含むように磁場分
布を発生する磁石であり、ここでは垂直磁場のピッチを
異なうせている。
布を発生する磁石であり、ここでは垂直磁場のピッチを
異なうせている。
上記のように構成された放射光発生装置において、磁
石(5)のアンシュレータ磁場は、第2図のように分布
しており、フーリェ変換すると複数の成分を持ってい
る。これにより、電子ビーム(2)はローレンツ力を受
け、その進行方向sに対して垂直方向(y方向)の力を
受けて偏向される。従って、電子ビーム(2)は、図示
したように、蛇行した軌道(3)を描いて運動する。こ
の場合、電子ビーム(2)は、相対論的速度を有してお
り、電子ビーム(2)の進行方向sには制動放射により
放射光(4)が放出される。この放射光の波長λlは上
記アンジュレータ磁場の周期流λuおよび電子のローレ
ンツ因子γを用いると、 λl∝λu/2γ2 で表わされる。これは、更にアンジュレータ磁場のフー
リェ成分ωuとの間に λl∝1/ωu の関係を有している。従って、磁場のフーリェ成分ωu
が複数存在するとき得られる放射光の波長も複数存在す
ることになる。
石(5)のアンシュレータ磁場は、第2図のように分布
しており、フーリェ変換すると複数の成分を持ってい
る。これにより、電子ビーム(2)はローレンツ力を受
け、その進行方向sに対して垂直方向(y方向)の力を
受けて偏向される。従って、電子ビーム(2)は、図示
したように、蛇行した軌道(3)を描いて運動する。こ
の場合、電子ビーム(2)は、相対論的速度を有してお
り、電子ビーム(2)の進行方向sには制動放射により
放射光(4)が放出される。この放射光の波長λlは上
記アンジュレータ磁場の周期流λuおよび電子のローレ
ンツ因子γを用いると、 λl∝λu/2γ2 で表わされる。これは、更にアンジュレータ磁場のフー
リェ成分ωuとの間に λl∝1/ωu の関係を有している。従って、磁場のフーリェ成分ωu
が複数存在するとき得られる放射光の波長も複数存在す
ることになる。
第3図は第2図磁場分布によるフーリェスペクトルを
示す特性図、第4図は第1図のアンジュレータにより得
られる放射光のスペクトルを示す特性図である。
示す特性図、第4図は第1図のアンジュレータにより得
られる放射光のスペクトルを示す特性図である。
このように、2つの波長λl1およびλl2の放射光を得
ることにより、一方の波長をクーリング(電子ビーム
(2)のエネルギ分布のくずれを復帰させる)に用いる
ことができる。
ることにより、一方の波長をクーリング(電子ビーム
(2)のエネルギ分布のくずれを復帰させる)に用いる
ことができる。
なお、上記実施例では放射光光源に用いたものを示し
たが、第5図または第6図に示すように自由電子レーザ
用アンジュレータとして用いても同様の動作を期待でき
る。第5図において、(11)は電子ビーム(2)の軌道
(3)の両側に配置された一対の鏡、また、第6図にお
いて、(12)はレーザ装置、(13)はレーザ装置(12)
からのレーザ光を鏡(11)に向ける反射鏡である。第5
図の場合、複数の発振波長を有するレーザ光が得られ、
一方がクーリングに用いられる。また、第6図の場合波
長λl2のレーザ光がクーリングに用いられる。
たが、第5図または第6図に示すように自由電子レーザ
用アンジュレータとして用いても同様の動作を期待でき
る。第5図において、(11)は電子ビーム(2)の軌道
(3)の両側に配置された一対の鏡、また、第6図にお
いて、(12)はレーザ装置、(13)はレーザ装置(12)
からのレーザ光を鏡(11)に向ける反射鏡である。第5
図の場合、複数の発振波長を有するレーザ光が得られ、
一方がクーリングに用いられる。また、第6図の場合波
長λl2のレーザ光がクーリングに用いられる。
更に、一部の発振周波数の一部の帯域において電子ビ
ーム(2)の加速を行うことにより、高利得の自由電子
レーザを得ることができる。
ーム(2)の加速を行うことにより、高利得の自由電子
レーザを得ることができる。
また、荷電粒子として電子ビーム(2)を用いたが、
磁場により軌道を偏向可能な陽電子または他の荷電粒子
を用いてもよい。
磁場により軌道を偏向可能な陽電子または他の荷電粒子
を用いてもよい。
[発明の効果] 以上のとおり、この発明によれば荷電粒子の進行方向
に垂直な磁場成分のフーリェスペクトルが複数の異なる
基本周波数成分を含むように磁場分布を発生する磁石を
設けたので、複数の波長を有する放射光を発生すること
のできる放射光発生装置が得られる効果がある。
に垂直な磁場成分のフーリェスペクトルが複数の異なる
基本周波数成分を含むように磁場分布を発生する磁石を
設けたので、複数の波長を有する放射光を発生すること
のできる放射光発生装置が得られる効果がある。
第1図はこの発明の一実施例を示す斜視図、第2図は第
1図内の磁石の磁場分布を示す特性図、第3図はこの発
明の一実施例によるアンジュレータ磁場のフーリェスペ
クトルを示す特性図、第4図はこの発明の一実施例によ
り得られる放射光のスペクトルを示す特性図、第5図お
よび第6図はそれぞれこの発明の他の実施例を示す斜視
図、第7図は従来の放射光発生装置を示す斜視図であ
る。 図において、(2)は電子ビーム、(3)は軌道、
(4)は放射光、(5)は磁石である。
1図内の磁石の磁場分布を示す特性図、第3図はこの発
明の一実施例によるアンジュレータ磁場のフーリェスペ
クトルを示す特性図、第4図はこの発明の一実施例によ
り得られる放射光のスペクトルを示す特性図、第5図お
よび第6図はそれぞれこの発明の他の実施例を示す斜視
図、第7図は従来の放射光発生装置を示す斜視図であ
る。 図において、(2)は電子ビーム、(3)は軌道、
(4)は放射光、(5)は磁石である。
Claims (1)
- 【請求項1】シンクロトロン放射光を利用する蓄積リン
グ中に挿入される放射光発生装置において、荷電粒子の
進行方向に垂直な磁場成分のフーリエスペクトルが複数
の異なる基本周波数成分を含むように磁場分布を発生す
る磁石を設けたことを特徴とする放射光発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13246890A JP2703387B2 (ja) | 1990-05-24 | 1990-05-24 | 放射光発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13246890A JP2703387B2 (ja) | 1990-05-24 | 1990-05-24 | 放射光発生装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0427900A JPH0427900A (ja) | 1992-01-30 |
JP2703387B2 true JP2703387B2 (ja) | 1998-01-26 |
Family
ID=15082083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13246890A Expired - Fee Related JP2703387B2 (ja) | 1990-05-24 | 1990-05-24 | 放射光発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2703387B2 (ja) |
-
1990
- 1990-05-24 JP JP13246890A patent/JP2703387B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0427900A (ja) | 1992-01-30 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |