JP2701982B2 - アクリル接着剤中の過酸化ベンゾイル溶液の黄変を予防するための方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 1.発明の分野 本発明はプラスチック基板または同等物を接合するた
めに用いられる二成分アクリル反応性接着剤に関し、そ
してさらに特定的には二成分アクリル反応性接着剤中で
使用されるときの有機過酸化物の分解及び変色を防止す
ることによりそのような過酸化物の安定性及び透明な中
性色を延ばすための方法及び装置に関する。

2.先行技術の記載 過去においてアクリル接着剤は、充填剤入りアクリル
板、ポリエステル板及び同等物を接合するのに広く使用
されてきている。そのような材料は台所用カウンター天
板及び浴室表面として個人家屋または産業的設備におい
てありふれている。板材料を接合するために二成分アク
リル接着剤を用いる製品は、商標CORIAN、SURELL、AVON
ITE、及びFOUNTAINHEADで製造されている。

上述のカウンター天板材料は、それらの機能性及び審
美的品質の故に強い需要がある。審美的なアピールは、
板またはパネルを接着された領域や接ぎ目が比較的目立
たないようなやり方で接合する方法における成功に直接
関係している。カウンター天板のシームレス外観は、個
人家屋及び産業現場の両方のために高度に望ましい。連
続的なシームレス表面の外観は、カウンター天板材料に
正しく適合した接着剤を必要とする。

望ましくは、固体プラスチック板を一緒に継ぎ合わせ
るために用いられるアクリル接着剤は、継ぎ合わせられ
る板の色を正しく適合するような顔料配合で調製され
る。しかしながら、二成分接着剤の反応を開始させる有
機過酸化物について問題が存在することが見出された。
過酸化物溶液は、時間及び温度の関数として色が黄に変
わる。この黄色は、次いで、継ぎ目とプラスチック板表
面との間の色適合の問題を越生させ、望ましくない目立
つ継ぎ目をもたらす。消費者の要求により導入される、
より明るいそしてより輝く表面の出現によって、これら
の表面は、有機過酸化物溶液中の黄変された開始剤に対
してなお一層感受性である。

概して、二成分アクリル反応性接着剤は、樹脂を含む
第１成分を、開始剤を納めた第２成分に混入することに
より形成される。この混合工程は数分間内で生じる。混
合された接着剤は、ただちに重合し始め、そして終局的
には、ほとんどの場合に、１時間以内で固化する。

通常、第１成分は、接着剤の適時の重合を助長するア
ミンプロモーターを用いて処方される。そのプロモータ
ーはモノマーのポリマーへの添加のための活性源として
作用する。好ましくは、第２成分は、第１成分よりも大
きな容器に収容されて、第１成分が第２成分に対して転
化されうるようにする。普通は、第２成分は、有機過酸
化物の形の反応開始剤を溶液として使用する。過酸化物
は反応混合物に対して遊離ラジカルまたは荷電水素及び
酸素イオンを容易に供与する高度に不安定な化合物であ
るので、過酸化物によって反応は開始される。従って、
有機過酸化物が重合体ブレンドに添加されるとき重合は
進む。これらの遊離ラジカルはモノマーと反応し、かく
してモノマーの反応性を高めそして長鎖またはポリマー
を形成するためのモノマーへのモノマーの結合のプロセ
スを迅速化する。

これらのすぐれた接着剤の利点すべてをもっても、溶
液が透明な有機液から黄色液に変わるような有機過酸化
物の制御不能な分解のためになおも基本的な問題が存在
する。生じる黄色は、不可能ではないにしても、接着剤
の色を基板に適合させるのを困難にする。

この色変化は、有機過酸化物中の有機ラジカル源の固
有な不安定性によるものであり、そして時間及び温度の
関数である。従って透明から黄への変化は、より長い時
間及び／またはより高い温度により大きくなる。また光
は有機過酸化物の分解を加速し、過酸化物の不安定化に
より色を透明から黄色へ移行せしめうる。

3.発明の概要 本発明により与えられる新規な方法及び装置は、溶液
中の有機過酸化物を、接着剤の混合がなされるまでは、
空気及び光から絶縁することによって、先行技術の欠陥
を克服する。過酸化物は、不活性ガスで満たされた容器
中に封入される。任意の適当なガスを使用することがで
き、好ましくは窒素ガスを用いる。望ましくは、過酸化
物溶液及びガスの容器は、内容物を光から防御するため
に不透明材料でカバーされる。二成分物質を反応性接着
剤中へ混入しようとするときに、過酸化物容器を開封し
てガスを逃散させ、他の容器から、液体樹脂を収受する
ための区割室を備える。混合すると重合が生じて、接着
剤を生成させ、このものは過酸化物溶液の時期尚早な分
解により黄色に変わらない。望ましくは、過酸化物用の
容器は、混合操作中に材料の混合を観察可能とするよう
に透明ないし半透明の材料から作られる。

4.図面の記載 かくして、本発明を一般的に記載して、今や添付図面
を参照することにする： 図１は本発明による包装装置のある特定の細部を示す
ために二成分接着剤の包装装置の一部切り欠き立面図で
ある。

5.発明の詳細な記載 図１を参照すると、本発明による二成分アクリル反応
性接着剤を調製するのに使用される包装装置10が示され
ている。第２容器12は混合操作中に重合される液状樹脂
を詰められている。これらの材料は本発明の部分ではな
いのでいずれかの適当な材料を使用できる。典型的な材
料は約15％ないし約45％のアクリル及び／またはメタク
リルポリマー、約25％ないし約75％のアクリル及び／ま
たはメタクリルエステルモノマー、約0.1％ないし約2.0
％のアミン、約１％ないし約５％の顔料、及び約５％な
いし約45％の不活性充填剤である。

本発明による第１密閉容器14は、溶液状の有機過酸化
物16を収容している。過酸化物溶液16より上では、容器
14は、過酸化物溶液を絶縁し、かくして酸素との接触か
らの分解によるその黄変を防止する働きをする窒素ガス
18で満たされている。任意の適当な有機過酸化物溶液が
使用されうる。好ましくは、フタル酸ジブチルまたはフ
タル酸ジメチルのような任意の適当な可塑剤中の約１重
量％ないし約10重量％の過酸化ベンゾイル溶液。好まし
くは容器14は、混合操作中に混合物の観察ができるよう
に透明または半透明の材料から作られる。望ましくは、
容器14は、混合操作の直前に取り除かれる不透明材料20
で覆われる。このようにすると、過酸化物溶液16が、貯
蔵状態にある間光から遮断される。

本発明によれば不透明材料は容器14から取り除かれ、
そして容器は開封されて、窒素ガス18を逃散させる。容
器12の内容物は、容器14中へ空けられ、ここで適切な混
合が、変色または黄変なしで形成された所望の接着剤を
もたらす。透明または半透明の容器14を通して観察して
適切な混合がなされると、完成した接着剤は容器から分
配できる状態にある。適切な混合比は容器14の約１部に
対して、容器12からの材料約10ないし約20重量部である
ことが判明した。

当業熟練者にとって明らかであり、そして以下の添付
請求の範囲によって画定される発明の精神及び範囲から
逸脱することなく行える本発明の種々のその他の変形は
意図されている。

Claims (10)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】不活性ガスで満たされた密閉容器中に溶液
   状の有機過酸化物を含む第１成分を形成し； 液状のアクリル系重合可能樹脂を含む第２成分を形成
   し； その密閉容器を破ってそのガスを逃散せしめ、そしてそ
   の容器に第２成分を詰めて、その混合を生じさせて色の
   黄変なく接着剤を生成させる； 工程からなる二成分反応性アクリル接着剤を調製する改
   良方法。
2. 【請求項２】該ガスが窒素である請求の範囲１の方法。
3. 【請求項３】該容器が透明材料製である請求の範囲１の
   方法。
4. 【請求項４】該容器が半透明材料製である請求の範囲１
   の方法。
5. 【請求項５】該容器が混合の直前まで不透明材料でカバ
   ーされている請求の範囲１の方法。
6. 【請求項６】予め定めた量の溶液状の有機過酸化物及び
   不活性ガスを収容した第１密閉容器（14）；及び 該第１容器を開封後に該第１容器内の有機過酸化物と混
   合するための予め定めた量の液状重合可能樹脂を収容し
   た第２容器（12）； からなる二成分反応性アクリル接着剤用包装装置。
7. 【請求項７】該不活性ガスが窒素である請求の範囲６の
   装置。
8. 【請求項８】該第１容器が透明材料製である請求の範囲
   ６の装置。
9. 【請求項９】該第１容器が半透明材料製である請求の範
   囲６の装置。
10. 【請求項１０】該第１容器が貯蔵中に不透明材料でカバ
    ーされている請求の範囲６の装置。