JP2701076B2 - リン酸エステル - Google Patents
リン酸エステルInfo
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- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
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- A61K9/10—Dispersions; Emulsions
- A61K9/127—Liposomes
- A61K9/1271—Non-conventional liposomes, e.g. PEGylated liposomes, liposomes coated with polymers
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なリン酸エステルに関し、更に詳細には
優れた界面活性能、乳化能、リポソーム形成能を有し、
かつ皮膚刺激性が低く生分解性も良好な新規リン酸エス
テルに関する。
優れた界面活性能、乳化能、リポソーム形成能を有し、
かつ皮膚刺激性が低く生分解性も良好な新規リン酸エス
テルに関する。
リン酸エステルは、洗浄剤、繊維処理剤、乳化剤、防
錆剤、液状イオン交換体、医薬品等として幅広い分野で
利用されている。近年、特に洗浄剤の場合において低刺
激性のものが望まれる傾向にあることから、リン酸モノ
エステル塩等が広く用いられるようになっている。
錆剤、液状イオン交換体、医薬品等として幅広い分野で
利用されている。近年、特に洗浄剤の場合において低刺
激性のものが望まれる傾向にあることから、リン酸モノ
エステル塩等が広く用いられるようになっている。
しかしながら、これら従来のリン酸モノエステル塩
は、一方の置換基がアルキル基であるため生体内にこれ
を代謝する加水分解酵素が存在せず、生分解性が悪いと
いう問題があった。
は、一方の置換基がアルキル基であるため生体内にこれ
を代謝する加水分解酵素が存在せず、生分解性が悪いと
いう問題があった。
これに対し、レシチンをはじめとする種々リン脂質は
細胞膜構成成分であることから、低刺激性でかつ生分解
性も良いことが期待され、天然物からの抽出、あるいは
化学合成、酵素利用合成により多くのリン脂質及び誘導
体が合成されている。
細胞膜構成成分であることから、低刺激性でかつ生分解
性も良いことが期待され、天然物からの抽出、あるいは
化学合成、酵素利用合成により多くのリン脂質及び誘導
体が合成されている。
しかしながら、これらのリン脂質誘導体は界面活性
能、皮膚刺激性などを充分に満足できるものではなかっ
た。一方、これら従来のリン脂質はそのほとんどがホス
ファチジル基を1個有する化合物であって、ホスファチ
ジル基を2個有する化合物については物性等がほとんど
知られていない。すなわち、天然においては、ジホスフ
ァチジルグリセロール(カルジオリピン)が知られてい
るものの、その含有率が低いため大量に得ることは極め
て困難であった。また、合成品においてもごく一部の化
合物が知られているだけであり(特開昭63−263089
号)、物性等についてはほとんど知られていなかった。
能、皮膚刺激性などを充分に満足できるものではなかっ
た。一方、これら従来のリン脂質はそのほとんどがホス
ファチジル基を1個有する化合物であって、ホスファチ
ジル基を2個有する化合物については物性等がほとんど
知られていない。すなわち、天然においては、ジホスフ
ァチジルグリセロール(カルジオリピン)が知られてい
るものの、その含有率が低いため大量に得ることは極め
て困難であった。また、合成品においてもごく一部の化
合物が知られているだけであり(特開昭63−263089
号)、物性等についてはほとんど知られていなかった。
このような実情において、優れた界面活性能を有し、
低刺激性で生分解性の良好な新規リン酸エステルの開発
が望まれていた。
低刺激性で生分解性の良好な新規リン酸エステルの開発
が望まれていた。
そこで本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討
を行なった結果、安価かつ容易に入手可能な原料を使用
し、簡単な操作で高純度かつ高収率で下記一般式(I)
で表わされる新規なリン酸エステルを得ることができる
こと、及び当該リン酸エステルが皮膚や毛髪に対して刺
激性が少なく、優れた洗浄性、生分解性を有することを
見いだし、本発明を完成した。
を行なった結果、安価かつ容易に入手可能な原料を使用
し、簡単な操作で高純度かつ高収率で下記一般式(I)
で表わされる新規なリン酸エステルを得ることができる
こと、及び当該リン酸エステルが皮膚や毛髪に対して刺
激性が少なく、優れた洗浄性、生分解性を有することを
見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は次の一般式(I) [式中、Aは下記(i)及び/または(ii)の基を示
し、 〔ここでR1及びR2は、それぞれ、同一もしくは異なっ
て、−OCOR3及び/または−OR4(R3及びR4は同一もしく
は異なって、それぞれ炭素数6〜32のアルキル基または
アルケニル基)を示すか、(i)の場合には、R1とR2が
一緒になって次の基 を形成してもよい〕 Mは水素原子、アルカリ金属、アルカル土類金属、アン
モニウム、アルキルアンモニウムまたはアルカノールア
ンモニウムを示し、 Xは下記(1)〜(3)のいずれかの化合物HO−X−OH
の残基である。
し、 〔ここでR1及びR2は、それぞれ、同一もしくは異なっ
て、−OCOR3及び/または−OR4(R3及びR4は同一もしく
は異なって、それぞれ炭素数6〜32のアルキル基または
アルケニル基)を示すか、(i)の場合には、R1とR2が
一緒になって次の基 を形成してもよい〕 Mは水素原子、アルカリ金属、アルカル土類金属、アン
モニウム、アルキルアンモニウムまたはアルカノールア
ンモニウムを示し、 Xは下記(1)〜(3)のいずれかの化合物HO−X−OH
の残基である。
(1) HOY−OmH〔ここでmは2〜50の整数、Y
は炭素数2〜4のアルキレン基もしくは置換アルキレン
基を示す〕で表わされるモノ又はポリエーテル (2) 縮合度2〜50のポリグリセリン (3) 分子内に一級アルコール基2個以上を有する炭
素数4〜7の単糖類又は二糖類] で表わされるリン酸エステルを提供するものである。
は炭素数2〜4のアルキレン基もしくは置換アルキレン
基を示す〕で表わされるモノ又はポリエーテル (2) 縮合度2〜50のポリグリセリン (3) 分子内に一級アルコール基2個以上を有する炭
素数4〜7の単糖類又は二糖類] で表わされるリン酸エステルを提供するものである。
上記一般式(I)中、Aで示される基は前記(i)、
(ii)いずれでもよいが、これらの混合物であってもよ
い。またR3、R4で示されるアルキル基またはアルケニル
基としては、例えば、ヘキシル、オクチル、デシル、ド
デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、
エイコシル、ドコシル、テトラコシル、ヘキサコシル、
オクタコシル、トリアコンチル、ドトリアコンチル、2
−エチルヘキシル、オクタジエニル、デカジエニル、ド
デカジエニル、テトラデカジエニル、ヘキサデカジエニ
ル、オクタデカジエニル、エイコサジエニル、ドコサジ
エニル、テトラコサジエニル、ヘキサコサジエニル、オ
クタコサジエニル、トリアコンタジエニル、ドトリアコ
ンタジエニル、ヘキサデカトリエニル、オクタデカトリ
エニル、エイコサトリエニル、ドコサトリエニル、テト
ラコサトリエニル、ヘキサコサトリエニル、オクタコサ
トリエニル、トリアコンタトリエニル、ドトリアコンタ
トリエニル、エイコサテトラエニル、ドコサテトラエニ
ル、テトラコサテトラエニル、ヘキサコサテトラエニ
ル、オクタコサテトラエニル、トリアコンタテトラエニ
ル、ドトリアコンタテトラエニル、ドコサペンタエニ
ル、テトラコサペンタエニル、ヘキサコサペンタエニ
ル、オクタコサペンタエニル、トリアコンタペンタエニ
ル、ドトリアコンタペンタエニル、ドコサヘキサエニ
ル、テトラコサヘキサエニル、ヘキサコサヘキサエニ
ル、オクタコサヘキサエニル、トリアコンタヘキサエニ
ル、ドトリアコンタヘキサエニル等が挙げられる。
(ii)いずれでもよいが、これらの混合物であってもよ
い。またR3、R4で示されるアルキル基またはアルケニル
基としては、例えば、ヘキシル、オクチル、デシル、ド
デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、
エイコシル、ドコシル、テトラコシル、ヘキサコシル、
オクタコシル、トリアコンチル、ドトリアコンチル、2
−エチルヘキシル、オクタジエニル、デカジエニル、ド
デカジエニル、テトラデカジエニル、ヘキサデカジエニ
ル、オクタデカジエニル、エイコサジエニル、ドコサジ
エニル、テトラコサジエニル、ヘキサコサジエニル、オ
クタコサジエニル、トリアコンタジエニル、ドトリアコ
ンタジエニル、ヘキサデカトリエニル、オクタデカトリ
エニル、エイコサトリエニル、ドコサトリエニル、テト
ラコサトリエニル、ヘキサコサトリエニル、オクタコサ
トリエニル、トリアコンタトリエニル、ドトリアコンタ
トリエニル、エイコサテトラエニル、ドコサテトラエニ
ル、テトラコサテトラエニル、ヘキサコサテトラエニ
ル、オクタコサテトラエニル、トリアコンタテトラエニ
ル、ドトリアコンタテトラエニル、ドコサペンタエニ
ル、テトラコサペンタエニル、ヘキサコサペンタエニ
ル、オクタコサペンタエニル、トリアコンタペンタエニ
ル、ドトリアコンタペンタエニル、ドコサヘキサエニ
ル、テトラコサヘキサエニル、ヘキサコサヘキサエニ
ル、オクタコサヘキサエニル、トリアコンタヘキサエニ
ル、ドトリアコンタヘキサエニル等が挙げられる。
また水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ア
ンモニウム、アルキルアンモニウムまたはアルカノール
アンモニウムであるMとしては、例えば、カリウム、リ
チウム、ナトリウム、ベリリウム、マグネシウム、カル
シウム、ストロンチウム、バリウム、アンモニウム、ト
リエタノールアンモニウム、トリメチルアンモニウム、
トリエチルアンモニウム等が挙げられる。
ンモニウム、アルキルアンモニウムまたはアルカノール
アンモニウムであるMとしては、例えば、カリウム、リ
チウム、ナトリウム、ベリリウム、マグネシウム、カル
シウム、ストロンチウム、バリウム、アンモニウム、ト
リエタノールアンモニウム、トリメチルアンモニウム、
トリエチルアンモニウム等が挙げられる。
一方、(1)に記載の化合物に於いて、Yは置換基を
有してもよい炭素数2〜4のアルキレン基で、例えばエ
チレン、プロピレン、ブチレン、1−メチルプロピレン
等が挙げられ、mは2〜50の整数であるが、4〜50、特
に4〜20が好ましい。特に好ましいものとしては、例え
ば、平均分子量400のポリエチレングリコール(以下PEG
400と記す)、平均分子量600のポリエチレングリコール
(以下PEG600と記す)、平均分子量200のポリプロピレ
ングリコース(以下PPG200と記す)等が挙げられる。
有してもよい炭素数2〜4のアルキレン基で、例えばエ
チレン、プロピレン、ブチレン、1−メチルプロピレン
等が挙げられ、mは2〜50の整数であるが、4〜50、特
に4〜20が好ましい。特に好ましいものとしては、例え
ば、平均分子量400のポリエチレングリコール(以下PEG
400と記す)、平均分子量600のポリエチレングリコール
(以下PEG600と記す)、平均分子量200のポリプロピレ
ングリコース(以下PPG200と記す)等が挙げられる。
(2)に記載のポリグリセリンに於いて、ポリグリセ
リンの縮合度は2〜50であるが、4〜50、特に4〜20が
好ましい。特に好ましいポリグリセリンとしては例え
ば、平均分子量500のポリグリセリン(PG500と記す)、
平均分子量750のポリグリセリン(PG750と記す)等が挙
げられる。また、本発明に用いられる単糖類としては、
例えばキシルロース、リブロース、フラクトース、ソル
ボース、プシコース、タガトース、セドヘプツロース、
グルコヘプツロース、マンノヘプツロース等が例示で
き、また、二糖類としてはスクロース、マルトース、セ
ロビオース、トレハロース、ラクトース等が例示でき
る。
リンの縮合度は2〜50であるが、4〜50、特に4〜20が
好ましい。特に好ましいポリグリセリンとしては例え
ば、平均分子量500のポリグリセリン(PG500と記す)、
平均分子量750のポリグリセリン(PG750と記す)等が挙
げられる。また、本発明に用いられる単糖類としては、
例えばキシルロース、リブロース、フラクトース、ソル
ボース、プシコース、タガトース、セドヘプツロース、
グルコヘプツロース、マンノヘプツロース等が例示で
き、また、二糖類としてはスクロース、マルトース、セ
ロビオース、トレハロース、ラクトース等が例示でき
る。
特に好ましい本発明のリン酸エステルとしては、前記
式(I)中、Aが前記式(i)で表わされ、しかも、R1
及びR2が、例えば、ラウロイル、ミリストイル、パルミ
トイル、ステアロイル、オレオイル、リノレオイル、リ
ノレノイル、アラキドノイル、ドコサヘキサノイル、エ
イコサペンタノイル等の組み合わせからなるか、また
は、前記式(I)中、Aの組成が、例えば、卵黄組成ま
たは大豆組成等、天然リン脂質由来の分布を持つ、ジホ
スファチジルPEG400、ジホスファチジルPEG600、ジホス
ファチジルPPG200、ジホスファチジルPG500及びジホス
ファチジルPG750等が挙げられる。
式(I)中、Aが前記式(i)で表わされ、しかも、R1
及びR2が、例えば、ラウロイル、ミリストイル、パルミ
トイル、ステアロイル、オレオイル、リノレオイル、リ
ノレノイル、アラキドノイル、ドコサヘキサノイル、エ
イコサペンタノイル等の組み合わせからなるか、また
は、前記式(I)中、Aの組成が、例えば、卵黄組成ま
たは大豆組成等、天然リン脂質由来の分布を持つ、ジホ
スファチジルPEG400、ジホスファチジルPEG600、ジホス
ファチジルPPG200、ジホスファチジルPG500及びジホス
ファチジルPG750等が挙げられる。
本発明のリン酸エステル(I)は、例えばホスファチ
ジル基転移活性を有するホスホリパーゼD(EC.3.1.4.
4)を用いることにより製造することができる。すなわ
ち、下記反応式で表わされるように、天然に存在する、
あるいは合成された原料リン脂質(II)と、多価アルコ
ールとを、ホスホリパーゼD存在下、好ましくは溶媒中
で接触させて、ホスファチジル基転移反応をさせるもの
である。
ジル基転移活性を有するホスホリパーゼD(EC.3.1.4.
4)を用いることにより製造することができる。すなわ
ち、下記反応式で表わされるように、天然に存在する、
あるいは合成された原料リン脂質(II)と、多価アルコ
ールとを、ホスホリパーゼD存在下、好ましくは溶媒中
で接触させて、ホスファチジル基転移反応をさせるもの
である。
〔式中、Bは炭素数4以下の1級水酸基含有塩基より水
酸基1個を除いた有機残基を示し、A、M及びXは前記
と同じ意味を示し、HO−はホスファチジル基の転移反応
が生起し得る第一級のアルコール基を示す〕 ここで、原料リン脂質(II)及び多価アルコールは、
目的物に応じて選択されるもので特に限定されるもので
はない。原料リン脂質の例としては大豆レシチン、卵黄
レシチン、合成レシチン等があり、多価アルコールの例
としては、PEG400、PEG600、PPG200、PG500、PG750、フ
ルクトース等が挙げられる。
酸基1個を除いた有機残基を示し、A、M及びXは前記
と同じ意味を示し、HO−はホスファチジル基の転移反応
が生起し得る第一級のアルコール基を示す〕 ここで、原料リン脂質(II)及び多価アルコールは、
目的物に応じて選択されるもので特に限定されるもので
はない。原料リン脂質の例としては大豆レシチン、卵黄
レシチン、合成レシチン等があり、多価アルコールの例
としては、PEG400、PEG600、PPG200、PG500、PG750、フ
ルクトース等が挙げられる。
ホスホリパーゼDの由来は特に限定されないが、例え
ば、ノカルディオプシス属由来のホスホリパーゼDM(特
開昭58−63388号)、アクチノマデューラ属由来のホス
ホリパーゼDM(特開昭58−67183号)などを用いること
ができる。
ば、ノカルディオプシス属由来のホスホリパーゼDM(特
開昭58−63388号)、アクチノマデューラ属由来のホス
ホリパーゼDM(特開昭58−67183号)などを用いること
ができる。
用いられる溶媒としては、エーテル、ベンゼン、クロ
ロホルム等の有機溶媒と適当な水性溶媒との混合溶媒を
例示することができる。水性溶媒にはホスホリパーゼD
の作用を促進したり、酵素の安定化に役立つ適当な添加
を加えることができる。例えば、アルブミン、カゼイン
等の蛋白質や、酢酸、クエン酸、リン酸等の緩衝剤、塩
化カルシウムその他の中性塩を挙げることができる。
ロホルム等の有機溶媒と適当な水性溶媒との混合溶媒を
例示することができる。水性溶媒にはホスホリパーゼD
の作用を促進したり、酵素の安定化に役立つ適当な添加
を加えることができる。例えば、アルブミン、カゼイン
等の蛋白質や、酢酸、クエン酸、リン酸等の緩衝剤、塩
化カルシウムその他の中性塩を挙げることができる。
反応モル比、ホスホリパーゼDの使用量、溶媒の使用
量等は、適宜に選択できる。例えば、反応モル比として
は、原料リン脂質(II)1モルに対して通常、多価アル
コール約0.1〜100倍モル、好ましくは0.1〜10倍モルを
用いることが好ましい。ホスホリパーゼDの使用量は、
原料リン脂質(II)1g当り約10〜100000単位、好ましく
は約100〜1000単位を例示することができる。さらに、
溶媒の使用量としては、原料リン脂質(II)に対して約
2〜100倍程度を例示できる。
量等は、適宜に選択できる。例えば、反応モル比として
は、原料リン脂質(II)1モルに対して通常、多価アル
コール約0.1〜100倍モル、好ましくは0.1〜10倍モルを
用いることが好ましい。ホスホリパーゼDの使用量は、
原料リン脂質(II)1g当り約10〜100000単位、好ましく
は約100〜1000単位を例示することができる。さらに、
溶媒の使用量としては、原料リン脂質(II)に対して約
2〜100倍程度を例示できる。
反応温度、反応時間も適宜に選択できるが、好ましく
は、約20〜80℃、約1〜72時間を例示できる。
は、約20〜80℃、約1〜72時間を例示できる。
このようにして得られたリン酸エステル(I)は、分
液法、シリカゲルクロマトグラフィー、高速液体クロマ
トグラフィー等の適当な方法を利用して分離精製するこ
とができる。
液法、シリカゲルクロマトグラフィー、高速液体クロマ
トグラフィー等の適当な方法を利用して分離精製するこ
とができる。
以下、実施例を示して本発明を説明する。
実施例1 ジパルミトイルホスファチジルコリン(日本精化製)
12gに、PEG400(和光純薬製ポリエチレングリコール40
0)を25g、NaCl4.8g、ジエチルエーテル120ml、ホスホ
リパーゼDM1200U、及び水100mlを添加し、30℃、24時間
振とうしながら反応させた。反応終了後、有機層をと
り、冷アセトンにて沈殿する不純物を除去し、濃縮乾固
した。さらにシリカゲルクロマトグラフィーにて、薄層
クロマトグラフィーで単一スポットを与えるまで精製を
行ない、目的物であるジホスファチジルPEG400を7g得た
(収率25%)。
12gに、PEG400(和光純薬製ポリエチレングリコール40
0)を25g、NaCl4.8g、ジエチルエーテル120ml、ホスホ
リパーゼDM1200U、及び水100mlを添加し、30℃、24時間
振とうしながら反応させた。反応終了後、有機層をと
り、冷アセトンにて沈殿する不純物を除去し、濃縮乾固
した。さらにシリカゲルクロマトグラフィーにて、薄層
クロマトグラフィーで単一スポットを与えるまで精製を
行ない、目的物であるジホスファチジルPEG400を7g得た
(収率25%)。
得られたジホスファチジルPEG400についてNMR、IR、
元素分析を行ない、構造を確認した。以下にそのデータ
を示す。1 H−NMR(第1図) 〔270MHz,日本電子社製;CDCl3,TMS基準,ppm〕 0.9(t,12H,a),1.3(bs,96H,b),1.6(m,8H,c),2.3
(m,8H,d),3.7(bs,32.5H,h),4.0(m,8H,g),4.2(d
−d,2H,e),4.4(d−d,2H,e),5.2(m,2H,f) 元素分析: 実施例2 実施例1のジパルミトイルホスファチジルコリンの代
りに、大豆由来のホスファチジルコリン(ルーカスマイ
ヤー社製Epikuron200)12gを、PEG400の代りに、(和光
純薬製ポリエチレングリコール600)を25g用いて、以下
実施例1と同様の操作を行ない、脂肪酸鎖が大豆由来の
組成をもつジホスファチジルPEG600を10g得た(収率32
%)。
元素分析を行ない、構造を確認した。以下にそのデータ
を示す。1 H−NMR(第1図) 〔270MHz,日本電子社製;CDCl3,TMS基準,ppm〕 0.9(t,12H,a),1.3(bs,96H,b),1.6(m,8H,c),2.3
(m,8H,d),3.7(bs,32.5H,h),4.0(m,8H,g),4.2(d
−d,2H,e),4.4(d−d,2H,e),5.2(m,2H,f) 元素分析: 実施例2 実施例1のジパルミトイルホスファチジルコリンの代
りに、大豆由来のホスファチジルコリン(ルーカスマイ
ヤー社製Epikuron200)12gを、PEG400の代りに、(和光
純薬製ポリエチレングリコール600)を25g用いて、以下
実施例1と同様の操作を行ない、脂肪酸鎖が大豆由来の
組成をもつジホスファチジルPEG600を10g得た(収率32
%)。
元素分析: 実施例3 実施例1のジパルミトイルホスファチジルコリンの代
りに、卵黄由来のレシチン(キューピー社製PL−100H)
12gを、PEG400の代りに、PG750(阪本薬品製ポリグリセ
リン#750)を12g用いて、以下実施例1と同様の操作を
行ない、脂肪酸鎖が卵黄由来の組成をもつジホスファチ
ジルPG750を6.7g得た(収率20%)。
りに、卵黄由来のレシチン(キューピー社製PL−100H)
12gを、PEG400の代りに、PG750(阪本薬品製ポリグリセ
リン#750)を12g用いて、以下実施例1と同様の操作を
行ない、脂肪酸鎖が卵黄由来の組成をもつジホスファチ
ジルPG750を6.7g得た(収率20%)。
元素分析: 〔発明の効果〕 本発明のリン酸エステル(I)は2個のホスファチジ
ル基を有するリン脂質誘導体であり、従来知られている
リン脂質及び誘導体に比べ非常に優れた界面活性能を有
し皮膚刺激性が低く、かつ生分解性が良好であるため、
例えばベビーシャンプー、ボディーシャンプー等の洗浄
剤、あるいは化粧品乳化剤等として有用である。また、
リポソーム形成能も有しており、薬物のキャリヤーとし
ても利用できる。
ル基を有するリン脂質誘導体であり、従来知られている
リン脂質及び誘導体に比べ非常に優れた界面活性能を有
し皮膚刺激性が低く、かつ生分解性が良好であるため、
例えばベビーシャンプー、ボディーシャンプー等の洗浄
剤、あるいは化粧品乳化剤等として有用である。また、
リポソーム形成能も有しており、薬物のキャリヤーとし
ても利用できる。
第1図及び第2図は実施例1で得られたジホスファチジ
ルPEG400の核磁気共鳴スペクトル及び赤外線吸収スペク
トルをそれぞれ示す図面である。
ルPEG400の核磁気共鳴スペクトル及び赤外線吸収スペク
トルをそれぞれ示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 光晴 和歌山県和歌山市府中187―5 (72)発明者 黒崎 富裕 大阪府泉南郡岬町淡輪1465
Claims (1)
- 【請求項1】一般式(I)で表わされるリン酸エステ
ル。 [式中、Aは下記(i)及び/または(ii)の基を示
し、 〔ここでR1及びR2は、それぞれ、同一もしくは異なっ
て、−OCOR3及び/または−OR4(R3及びR4は同一もしく
は異なって、それぞれ炭素数6〜32のアルキル基または
アルケニル基)を示すか、(i)の場合には、R1とR2が
一緒になって次の基 を形成してもよい〕 Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アン
モニウム、アルキルアンモニウムまたはアルカノールア
ンモニウムを示し、 Xは下記(1)〜(3)のいずれかの化合物HO−X−OH
の残基である。 (1) HOY−OmH〔ここでmは2〜50の整数、Y
は炭素数2〜4のアルキレン基もしくは置換アルキル基
を示す〕で表わされるモノまたはポリエーテル (2) 縮合度2〜50のポリグリセリン (3) 分子内に一級アルコール基2個以上を有する炭
素数4〜7の単糖類又は二糖類]
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1261030A JP2701076B2 (ja) | 1989-10-05 | 1989-10-05 | リン酸エステル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1261030A JP2701076B2 (ja) | 1989-10-05 | 1989-10-05 | リン酸エステル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH03123789A JPH03123789A (ja) | 1991-05-27 |
JP2701076B2 true JP2701076B2 (ja) | 1998-01-21 |
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ID=17356076
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1261030A Expired - Fee Related JP2701076B2 (ja) | 1989-10-05 | 1989-10-05 | リン酸エステル |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2701076B2 (ja) |
-
1989
- 1989-10-05 JP JP1261030A patent/JP2701076B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03123789A (ja) | 1991-05-27 |
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