JP2699793B2 - 過酸化水素の製造方法 - Google Patents

過酸化水素の製造方法

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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、過酸化水素の製造方法
に関する。更に詳しくは、中、低濃度の過酸化水素を含
有し、かつアルカリ濃度の比較的低い水溶液を電気化学
的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】過酸化水素は漂白剤、酸化剤として古く
から有用であり、現在ほとんどはアンスラキノンの水
添、酸化により製造されている。しかし、過酸化水素の
輸送は通常、高濃度(約50〜60%)で行われてお
り、そのため消防法の危険物に該当する。しかるに、使
用時には必ずしも高濃度である必要はない。むしろ、
中、低濃度でも使用時に使用場所で簡便に生産できる方
法があれば、特に多量に使用する場合には有用である。
そこで、上記アンスラキノンを用いる方法以外に、比較
的濃度の低い過酸化水素の製造法として電解法がある。
【0003】過酸化水素はアルカリ側において分解し易
く、酸性側においては安定である。そのため、ガス拡散
電極を用いた電解槽で酸素を電気化学的に還元して過酸
化水素を製造する装置としては酸性水溶液を用いるもの
が多く知られている。例えば特開平1−42590号に
は水/陽極/カチオン交換膜/酸水溶液/アニオン交換
膜/アルカリ水溶液/ガス拡散電極よりなる陰極/酸素
の順に構成された電解槽が記載されている。米国特許4
384931号には陽極/酸水溶液/カチオン交換膜/
アルカリ水溶液/ガス拡散電極よりなる陰極/酸素の順
に構成された電解槽が例示されている。又、Kuhnら
のJ.Electrochem.Soc.130 巻. 117p(1983)
には、陽極/酸水溶液/カチオン交換膜/酸水溶液/ア
ニオン交換膜/アルカリ水溶液/ガス拡散電極よりなる
陰極/酸素の順に構成された電解槽が記載されている。
このように、陽極側に水または酸水溶液を使用した例が
多い。
【0004】一方、陽極側に酸水溶液を使用しない例と
して、OlomanらのJ. Appl.Electrochem.9巻117p
(1979)に陽極/有孔隔離板/ガス拡散電極による
陰極/アルカリ水溶液、酸素の例が開示されている。
又、特公昭59−15990号には陽極/アルカリ水溶
液/液体浸透性隔離板/ガス拡散電極よりなる陰極/酸
素の例が記載されている。
【0005】さらにM.SUDOH ら、Journal of Chemical
Eugineering of Japan, Vol. 24, p165-170(1991) に
は、電解液としてアルカリ水溶液(NaOH水溶液)を
用い、フェルト状のグラファイト陰極上で酸素を還元し
て過酸化水素を製造する方法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、拡散電極に
おける反応は、ガスと電解液と固体電導体との間の三相
が接触する点において起こる。そのため、電流効率を最
大にするためには、三相接触区域の面積を最大にする必
要がある。拡散電極中の空間が電解液で満たされてしま
うと電導体へのガスの物質移動速度が遅くなりすぎて電
流効率は悪くなる。逆に拡散電極中の空間がガスで満た
されていると電解液が存在しないために電解反応はほと
んど起こらない。そこで、三相の接触を良好に保つ方法
として、固体電導体をポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)で処理する方法が知られている〔例えば、堀田
紀好ら、材料、第40巻、第448号、84〜88
頁〕。しかしながら、固体電導体を均一にPTFE処理
して、PTFE被覆によって導電性を損なうことなく、
適度なぬれ性を付与することは技術的には難しい。
【0007】ところで、本発明者らは、先に、陰極室へ
供給されるアルカリ水溶液濃度を、陽極室へ供給される
アルカリ水溶液濃度より低くすることにより、中、低濃
度の過酸化水素を含有し、かつアルカリ濃度の比較的低
い水溶液を電気化学的に製造できることを見出して、特
許出願した。この方法は、高い電流効率で過酸化水素水
溶液を製造できる優れた方法である。しかるに、実用的
な観点からは、長時間電流効率を高く維持することが容
易でないという問題点が、さらに明らかになった。そこ
で、本発明者らは、その原因が陰極におけるガスと電解
液と固体電導体との間の三相の接触の不良にあるのでは
ないかと考えた。
【0008】そこで、本発明の目的は、長時間高い電流
効率を維持しつつ、パルプの漂白等の用途に適した過酸
化水素のアルカリ水溶液を製造できる方法を提供するこ
とにある。さらに本発明の目的は、長時間高い電流効率
を維持しつつ、過酸化水素のアルカリ水溶液を電気化学
的に製造するために、ガスと電解液と固体電導体との間
の三相の接触を長時間良好に保てる陰極を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、陰極において
アルカリ水溶液中の酸素を還元して過酸化水素を製造す
る方法であって、陰極が充填密度0.3以上の炭素繊維
材料であり、かつ陰極室へ供給されるアルカリ水溶液濃
度を、陽極室へ供給されるアルカリ水溶液濃度より低く
することを特徴とする過酸化水素の製造方法。
【0010】以下、本発明の方法を、図3に基づいて説
明する。図3は本発明の方法に用いる電解槽10の断面
説明図である。電解槽10は、イオン交換膜40により
分けられた陰極室20と陽極室30を有する。陰極室2
0には、陰極21である炭素繊維材料が充填されてい
る。また、陰極室20の下部には、陰極液24と酸素2
5の供給口22及び23があり、上部には電解生成液2
7の排出口26がある。一方、陽極室30内には陽極
(例えば、ニッケル板)34が設けられ、陽極室30の
下部には、陽極液32の供給口31があり、上部には排
出口33がある。
【0011】本発明においては、陰極として充填密度
0.3以上の炭素繊維材料を用いる。充填密度は好まし
くは0.4以上である。炭素繊維材料の充填密度を上記
範囲にすることにより、長時間電流効率を高く維持する
ことができる。一方、充填密度の上限は、充填密度が高
くなればそれだけ電極面積も大きくなるが、高くなり過
ぎるとガス拡散電極である陰極中の空間におけるガス及
び電解液の流れが妨げられてしまう。そこで、ガス及び
電解液の流れを妨げないという観点からは、充填密度は
1.5以下、好ましくは1.0以下とすることが適当で
ある。炭素繊維材料としては、炭素繊維同志が密着する
ことなく炭素繊維の間隙を維持できる材料であること
が、長時間電流効率を高く維持することができるという
観点からより好ましい。そのような材料として、炭素繊
維の編物を例示することができ、炭素繊維の編物として
は、例えば市販のグラファイトクロスを挙げることがで
きる。尚、グラファイトクロス以外でも、充填密度0.
3以上に充填でき、かつ炭素繊維の間隙を維持できる炭
素繊維材料であれば、同様に好ましく用いることができ
る。
【0012】イオン交換膜は、カチオン交換膜及びアニ
オン交換膜のいずれを使用することもできる。耐薬品性
を考慮するとフッ素樹脂系のイオン交換膜を使用するこ
とが好ましい。陰極室及び陽極室に供給されるアルカリ
水溶液としては、通常水酸化ナトリウム水溶液が用いら
れるが、他に水酸化カリウム等の水溶液を用いることも
できる。供給される酸素としては、酸素以外に、酸素を
含有する空気等の酸素混合ガスであってもよい。
【0013】本発明においては、陰極室に供給されるア
ルカリ水溶液濃度を、陽極室に供給されるアルカリ水溶
液濃度より低くすることにより、陰極室の電解生成液中
の過酸化水素に対するアルカリの濃度を所定の範囲に制
御する。より具体的には、陰極室へ供給されるアルカリ
水溶液濃度を0.6モル以下、好ましくは0.5モル以
下、より好ましくは0.4モル以下とし、陽極室へ供給
されるアルカリ水溶液濃度を0.9モル以上、好ましく
は1.4モル以上、より好ましくは、1.9モル以上と
することが、高い電流効率で過酸化水素に対するアルカ
リの濃度を所定の範囲に制御できることから適当であ
る。
【0014】電解液の濃度及び供給量、酸素の供給量並
びに電流は、電解槽の規模により適宜設定することがで
きる。また、電圧は、1.5〜2.5ボルト、好ましく
は1.7〜2.3ボルトとすることができる。さらに、
電解液の温度は、電解による発熱を考慮して、供給液は
高温にならないようにすることが好ましい。特に、陰極
室の電解生成液の温度は、過酸化水素を含有することか
ら、40℃以下の温度になるように制御することが好ま
しい。
【0015】
【発明の効果】本発明の方法によれば、パルプ漂白等の
用途に適したNaOH/H2 2 重量比が2前後である
過酸化水素のアルカリ水溶液を高い電流効率を長時間維
持しながら製造することができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明する。 実施例1 陽極にNi板を用い、0.98molのNaOH水溶液
を陽極側アルカリ水溶液として3.07ml/分で陽極
室に供給した。カチオン交換膜としてデュポン製ナフィ
オン117(膜厚0.3mm)を用いた。陰極には面積
50cm2 の日本カーボン製グラファイトクロスGF−
20−P−21E(多孔質電極の充填密度が0.44と
なるように充填した)を用いた。アルカリ水溶液として
は、0.10molのNaOHを用い0.70ml/分
で陰極室に供給した。さらに、陰極室には、酸素を1.
5リットル/分で供給した。両極に2.18Vで1.5
0Aかけて電解を行った。その結果、電解をはじめてか
ら3時間後にH2 2 22.32g/リットル及びNa
OH1.05モル/リットルを含む陰極生成液を得た。
この陰極生成液のNaOH/H2 2 重量比は1.88
であった。また、この時の電流効率は98.53%であ
った。尚、実験条件及び結果は、まとめて表1に示す。
【0017】上記の条件でさらに電解を続け、電解をは
じめてから50時間後、101時間後及び300時間後
の電流効率は、それぞれ98.37%、96.08%、
97.08%であった。実験条件及び結果は、まとめて
表1及び図1に示す。
【0018】比較例1 陰極に面積50cm2 の日本カーボン製グラファイトフ
ェルトGF−20(多孔質電極は充填密度が0.14と
なるように充填した)を用いた以外は、実施例1とほぼ
同じ条件で電解を行った。その結果、電解をはじめてか
ら3時間後の電流効率は98.31%であった。同じ条
件でさらに電解を続け、電解をはじめてから50時間後
及び101時間後の電流効率はそれぞれ75.96%、
53.24%であった。実験条件及び結果は、まとめて
表1及び図2に示す。
【0019】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の実験結果(電流効率の推移)を示
す。
【図2】比較例1の実験結果(電流効率の推移)を示
す。
【図3】本発明の方法に用いる電解槽の断面説明図であ
る。
【符号の説明】
10 電解槽 20 陰極室 21 多孔質電極 30 陽極室 40 イオン交換膜

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極においてアルカリ水溶液中の酸素を
    還元して過酸化水素を製造する方法であって、陰極が充
    填密度0.3以上の炭素繊維材料であり、かつ陰極室へ
    供給されるアルカリ水溶液濃度を、陽極室へ供給される
    アルカリ水溶液濃度より低くすることを特徴とする過酸
    化水素の製造方法。
  2. 【請求項2】 陰極室へ供給されるアルカリ水溶液濃度
    を0.6モル以下とし、陽極室へ供給されるアルカリ水
    溶液濃度を0.9モル以上とする請求項1記載の方法。
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