JP2699131B2 - 液晶セルの洗浄方法 - Google Patents

液晶セルの洗浄方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、OA機器、時計、電算
機器、玩具、家電機器等で使用される液晶表示装置用の
液晶セルの洗浄方法に関し、更に詳しくは、洗浄液中の
水分濃度及び汚れである液晶の濃度を素早く測定し、洗
浄液中の液晶濃度等の制御を自動的に速やかに行うこと
により、安全に優れた洗浄効果が得られる洗浄方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般に
液晶表示装置としては、対向面に電極の設けられた2枚
のガラス基板の間に液晶を充填してなる液晶セルが用い
られている。このような液晶セルは、製造工程において
液晶を充填する際に、ガラス基板の外側に液晶が付着す
る場合があり、これが付着したままであると鮮明な表示
画面が得られないばかりでなく、他の電子部品に悪影響
を及ぼすこともあるため、このような液晶セルの汚れを
除去しなければならない。
【0003】一方、精密部品、治工具類の固体表面に存
在する油脂等の有機物を主体とする汚れの除去には、ケ
ロシン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素系溶剤;トリ
クロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系溶
剤;トリクロロトリフルオロエタン等のフロン系溶剤;
オルソケイ酸ソーダや苛性ソーダに界面活性剤やビルダ
ーを配合した水系の洗浄剤等が従来より使用されてい
る。特に電子、電気、機械等の部品に対しては、高洗浄
性、難燃性等の特性を有するフロン系溶剤又は塩素系溶
剤が使用されている。
【0004】しかしながら、塩素系及びフロン系の溶剤
を用いる洗浄剤は、安全性、毒性、環境汚染性等に大き
な問題を有している。また、炭化水素系溶剤、特にベン
ゼン、キシレン等は毒性が高く、労働安全衛生上の有害
物に指定されている化合物であり、これを取り扱う作業
の危険性及び煩雑さを考慮すると、これらの洗浄剤を用
いることは好ましくない。
【0005】そこで、近年、環境汚染が少なくかつ安全
性の高い洗浄剤として、米国特許第4,511,488
号明細書、同第4,640,719号明細書、同第4,
740,247号明細書等に見られるようなリモネン、
ピネン、ジペンテン等のテルペン類が提案されている。
これらリモネンに代表されるテルペン類は、安全性と洗
浄性を両立させ得る化合物であるが、引火点が低く、使
用時の設備が大がかりとなる。又、天然物由来のために
安定品質の物が得難く、供給量に限界があり、工業用洗
浄剤として実際的ではない。
【0006】一方、含水系洗浄剤は、溶剤系洗浄剤に比
較して洗浄力において劣っているものの、危険性と毒性
が低い点で優れる。このため、洗浄力を改良した含水系
洗浄剤としてアルキレンオキサイド化合物を含有する組
成物が提案されている(特開平4─57898)。ま
た、プリント基板上のハンダフラックス残渣を除去する
方法として、水溶性溶剤により疎水性溶剤と水を均一化
した洗浄剤を用いる洗浄方法等が提案されている(特開
平2−294093)。
【0007】これらの含水系洗浄剤は一定組成が保たれ
ている間は、非引火性で、かつ高い洗浄力を有する。し
かしながらこれらを液晶セルの洗浄に用いる場合、多数
の液晶セルを洗浄するに際し、繰り返し使用するうちに
引火性が発現して作業上の危険が出て来ると共に、洗浄
力が低下し、洗浄液としての機能に大きな問題の生じる
ことが分かった。これは、洗浄液中の水分濃度と液晶濃
度が、洗浄液の繰り返し使用につれて変化する為であ
り、洗浄液中の水分及び除去された汚れの濃度を一定範
囲に保って洗浄を行うことにより解決できると考えられ
る。しかしながら、液晶表示装置に用いられる液晶セル
の洗浄においては、通常、汚れである液晶は複数の成分
よりなり、又、セルの種類によってもその成分、組成比
が異なる為、これらの汚れが混ざり合う洗浄液中の水分
及び汚れの濃度を一定に保つのは難しく、上述の問題を
解決することができなかった。この為、液晶セルを安全
かつ経済的に、効果的な洗浄を行う方法が当業界では強
く望まれていた。
【0008】本発明の目的は、かかる課題を解決すべ
く、安全かつ経済的に洗浄液の組成を常に最適な状態に
維持することにより、優れた洗浄力で液晶セルを洗浄す
ることのできる液晶セルの洗浄方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を行った結果、近赤外線吸収スペ
クトル分光分析で特定の液晶セルの洗浄液中の水分濃度
及び汚れである液晶の濃度を極めて定量的に測定できる
こと、更に得られた測定値を用いて、洗浄液の排液量、
水分の補給量および新洗浄液の補給量を自動的に制御す
ることにより極めて安全に、かつ効果的に液晶セルの洗
浄が行えることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】即ち、本発明の要旨は、 (1) 洗浄液を用いて液晶セルを洗浄する方法におい
て、洗浄液中の水分濃度及び液晶濃度を近赤外線吸収ス
ペクトル分光分析法により測定し、得られた測定値に基
づいて洗浄液の排液、水分の補給および新洗浄液の補給
を調整することにより洗浄液中の水分濃度を5〜90重
量%、及び液晶濃度を0〜15重量%の範囲に制御する
ことを特徴とする液晶セルの洗浄方法 (2) 1200〜2000nmの波長で測定を行う
記(1)記載の洗浄方法 (3) 洗浄液が洗浄剤の有効成分として、次の一般式
(I)、(II)、及び(III)で表わされる化合物
からなる群より選ばれる少なくとも一種のアルキレンオ
キサイド化合物を0.1重量%以上含有するものである
上記(1)又は(2)記載の洗浄方法、に関する。
【0011】
【化2】
【0012】〔式中、R1 は炭素数1〜22の炭化水素
残基を示し、R2 及びR3 は同一又は相異なって、炭素
数2〜4のアルキレン基を示し、Yは水素原子又は炭素
数1〜4のアルキル基もしくはアシル基を示す。mは1
〜15の整数を、n、x、及びyはそれぞれ0〜15の
整数を示す。〕
【0013】本発明で使用される洗浄液としては、液晶
セルのガラス基板等に付着した液晶が洗浄可能なもので
あれば特に限定されることはなく、例えば水溶性溶剤に
より疎水性溶剤と水を均一化させたもの、あるいはアル
キレンオキサイド化合物の含水物等が用いられる。この
うち、洗浄性及び液晶をセル内に封入する封止材等の部
材への影響が少ないという点からアルキレンオキサイド
化合物の含水物が好ましい。
【0014】アルキレンオキサイド化合物としては、例
えば前記の一般式(I)、(II)又は (III)で表わされ
た化合物等が挙げられる。一般式(I)、(II)又は
(III)に関して、R1 は炭素数1〜22の炭化水素残基
であることが必要であるが、特に炭素数4〜14の炭化
水素残基であることが好ましい。R1 が炭化水素残基で
なかった場合、汚れである液晶との親和性が低下し、ま
た、R1 の炭化水素残基の炭素数が22を超えると洗浄
液中に固形分が析出しやすくなり、洗浄液自体の粘度も
上昇するため、作業性及び洗浄性が低下する。また、m
は1〜15、n、x及びyはそれぞれ0〜15の整数で
あることが必要である。m+nは1〜15の範囲である
ことが洗浄液の粘度上昇による作業性及び洗浄性の低下
を抑えるため好ましく、特にm+n及びx+yがそれぞ
れ1〜10の範囲のものが優れた洗浄効果を示す。
【0015】かかるアルキレンオキサイド化合物の具体
例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プ
ロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアル
コール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ラ
ウリルアルコール、オレイルアルコール、炭素数18の
ゲルベアルコール等の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有
するアルコール類;フェノール、クレゾール、ノニルフ
ェノール、スチレン化フェノール等のフェノール類;シ
クロヘキサノール等の脂環族のアルコール類;酢酸、プ
ロピオン酸、ヘキサン酸、イソオクチル酸、ラウリン
酸、オレイン酸、ステアリン酸、炭素数22のゲルベ酸
等の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有する脂肪酸;メタ
アクリル酸、安息香酸等の有機カルボン酸;エチルアミ
ン、ジエチルアミン、ヘキシルアミン、ジブチルアミ
ン、オクチルアミン、ラウリルアミン、オレイルアミ
ン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミン等の直鎖、
分岐鎖、芳香族又は脂環族の炭化水素残基を有するアミ
ン類などにアルキレン(例えばエチレン、プロピレン、
ブチレン)オキサイドを単独又は複数付加させたものが
挙げられ、更に、これらのアルキレンオキサイド付加物
の末端水酸基をアルキルクロライド等によりメチル化、
エチル化又はブチル化したり、酢酸やプロピオン酸等で
エステル化した化合物等が挙げられる。アルキレンオキ
サイド化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせ
て配合することができ、洗浄性を維持し、かつその持続
性を確保する目的で洗浄液中に通常0.1重量%以上、
好ましくは5〜95重量%配合される。
【0016】本発明で使用される洗浄液には、さらに洗
浄剤の有効成分として安全性や洗浄性を損なわない範囲
の量の炭化水素系溶剤(例えば炭素数8〜18のオレフ
ィン、パラフィン、アルキルベンゼン等)やエステルや
ケトンあるいは水酸基等の極性基を含む極性溶剤を添加
することができる。本発明における洗浄液中の洗浄剤の
有効成分濃度は、前記のアルキレンオキサイド化合物を
含め通常10〜95重量%であるのが好ましい。また、
本発明においては、洗浄液に適宜酸化防止剤、防錆剤、
消泡剤等を加えることができる。
【0017】本発明の洗浄方法においては、以上の洗浄
液を用いて浸漬法、超音波洗浄法、揺動法、スプレー法
等、各種の洗浄方法によりガラス基板等に付着した液晶
の洗浄を行うことができる。洗浄された液晶成分は、洗
浄液中に溶解又は分散するため、洗浄液中の液晶濃度は
洗浄の進行に伴い次第に増加する。本発明では後述のよ
うにして液晶及び洗浄剤の濃度を所定の範囲に制御する
が、そうしない場合には引火性成分の濃度が増加するこ
とにより前述のように引火性が発現したり、液晶濃度が
増加することにより洗浄力が低下したりする。
【0018】本発明の洗浄方法は、このような洗浄液中
の水分濃度及び液晶濃度を近赤外線吸収スペクトル分光
分析法により測定し、得られた測定値に基づいて新洗浄
液の補給等を調整することにより洗浄液中の水分濃度及
び液晶濃度を所定の範囲に制御することを特徴とする。
即ち、本発明は近赤外線吸収スペクトル分光分析法によ
り測定した、水分及び複数の液晶組成の吸収スペクトル
と、それらの濃度がある波長において優れた相関性を有
していることを見い出し、これにより各濃度を迅速かつ
正確に測定し、この測定値に基づいて洗浄液の排液、水
分の補給および新洗浄液の補給を調整することにより洗
浄液中の水分濃度及び液晶濃度を所定の範囲に制御して
安定な洗浄力を維持するものである。
【0019】以下、具体的に説明すると、上記の近赤外
線吸収スペクトル分光分析法に用いられる分光分析装置
としては、例えば食料品中のグリコールを測定するため
の装置として販売されている市販の近赤外線吸収スペク
トル分光分析装置等が使用できる。なかでも、600〜
2500nmの近赤外波長領域で波長精度0.1nmで
連続的に吸収スペクトルを測定できるものが最適波長を
選択することができるため有用である。更に、吸収スペ
クトルデータを数値演算処理できるものがより有効に用
いられる。これらは市販されているのでそれを用いるこ
とも出来る。測定に用いられる近赤外線の波長は液晶の
種類及び組成によって異なるが、通常1200〜200
0nmであり、この範囲内であると水分及び複数の液晶
組成の吸収スペクトルと、それらの濃度の相関性が高い
ものとなる。濃度の算出は、標準試料により予め検量線
を求めておき、試料の近赤外線吸収スペクトルを測定す
ることにより迅速かつ正確に水分濃度及び液晶濃度を求
めることができる。
【0020】水分濃度及び液晶濃度の測定は、洗浄槽又
は配管中から洗浄液を一定時間の間隔で、もしくは不規
則にサンプリングすること、あるいは連続的に測定する
ことにより行う。一定間隔で測定する場合、測定間隔は
一般に1時間以内、好ましくは20〜40分である。2
0分未満では、濃度変化が少なくあまり意味がない。1
時間を越えると濃度変化が大きくなることがあり、安全
性、洗浄効果の点から好ましくない。なお、測定は自動
又は手動のいずれでもよい。また正確に洗浄液全体の濃
度を測定するためには、洗浄液全体を均一な濃度にする
必要があり、そのため例えば攪拌機、循環ポンプ、超音
波振動子等により洗浄液を攪拌することが望ましい。
【0021】本発明においては、このように一定時間の
間隔で測定したデータに基づき洗浄液中の各成分の濃度
が所定の範囲になるように濃度を制御する。制御する濃
度は、洗浄液中の引火性を減じるか、あるいは消失さ
せ、かつ高い洗浄力を維持するため水分濃度を5〜90
重量%、好ましくは10〜50重量%に、そして汚れで
ある液晶の濃度を0〜15重量%、好ましくは0〜3重
量%にすることが好ましい。水分濃度が5重量%以下で
あると洗浄液の引火性が高まり、液晶濃度が15重量%
以上であると洗浄力の低下を招くからである。このよう
に、水分濃度及び液晶濃度を所定の範囲に制御すること
により、洗浄液の洗浄剤の有効成分濃度を10〜95重
量%の範囲に保つことができる。
【0022】水分濃度及び液晶濃度の制御手段として
は、洗浄液中の各濃度データに基づき水分濃度及び液晶
濃度が調整できるものであれば特に限定されることはな
いが、例えば各種電磁弁の開閉等により洗浄液の排液、
水分の補給および新洗浄液の補給を調整する方法を用い
てもよい。即ち、水分の補給は主に水分濃度を高め、洗
浄液の排液は主に液晶濃度を低下させ、新洗浄液の補給
は水分濃度、液晶濃度を低下させるため、これらを調整
することによって、各濃度を所定の範囲に制御できる。
【0023】以上のようにして、洗浄液中の水分濃度及
び液晶濃度を近赤外線吸収スペクトル分光分析法により
測定し、各成分の濃度を所定の範囲に制御することによ
り、安全かつ経済的に優れた洗浄力で液晶セルを洗浄す
ることができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定される
ものではない。
【0025】実施例1 厚さ1.1mmのガラス板にスペーサーを設け、これに
もう一枚のガラス板をかぶせ、10〜20μの空隙をも
つサンドイッチ構造とし、この中に液晶を入れ封じ、液
晶セルを作製した。作製された液晶セルは、一般の製造
工程により作製された場合と同様に一定量の液晶が外部
に付着したものであった。液晶は、TN(Twiste
d Nematic)型、及びSTN(Super T
wisted Nematic)型のものを用いた。以
下、図1により本発明の洗浄方法の一例を説明する。洗
浄はまず表1に示す洗浄液組成からなる洗浄液の入っ
た洗浄槽2(アルキレンオキサイド化合物の含有量は6
0重量%)に上記TN型液晶セル6枚を互いに接触し合
わないように入れ、50℃で1分間浸漬し、更に同槽で
5分間超音波洗浄を行った。
【0026】
【表1】
【0027】次いで、114枚のTN型液晶セルを6枚
づつ、同様に洗浄し、続いてこの洗浄液を用いて120
枚のSTN型液晶セルを同様に浸漬し、超音波洗浄し
た。この間、洗浄液の水分濃度及び液晶濃度は、近赤外
線吸収スペクトル分光分析装置7(島津製作所(株)
製,UV−3100)を用いて、20分毎に測定し、こ
の測定値をもとに各電磁弁8を開閉して洗浄液の排液、
水分の補給および新洗浄液の補給を調整することにより
洗浄液中の水分濃度及び液晶濃度を所定の範囲に制御し
た。なお、洗浄液の濃度を均一にするため循環ポンプに
よる洗浄液の攪拌を行い、サンプリングはその配管から
行った。その時の典型的な経時の水分濃度及び液晶濃度
の分析結果を表2に示す。なお、洗浄後の洗浄液は引火
性を示さなかった。
【0028】
【表2】
【0029】この後、6枚づつの液晶セルの中から任意
の一枚、従ってTN型液晶セル20枚及びSTN型液晶
セル20枚につき、液晶セルのガラス板上及び液晶セル
周囲の液晶の残着を偏光顕微鏡により観察し、下記評価
基準により洗浄性を評価した。これらの結果を表3に示
す。
【0030】
【表3】
【0031】(評価基準) ◎:液晶残着なく非常に良好 ○:液晶残着ほとんどなく良好 △:液晶残着がわずかにあり、やや悪い ×:液晶が残着し悪い
【0032】実施例2 洗浄液の代わりに表1に示す洗浄液を用いる以外
は、実施例1と同様にして液晶セルの洗浄を行い、同様
にして濃度測定、洗浄性の評価を行った。その結果を表
2〜3に示す。なお、洗浄後の洗浄液は引火性を示さな
かった。
【0033】比較例1 近赤外線吸収スペクトル分光分析に基づく水分の補給、
洗浄液の排液と新洗浄液の補給を行わない以外は実施例
2と同様に洗浄液を用いて液晶セルの洗浄を行った。
洗浄中の各濃度を表4に、洗浄性の評価結果を表3にそ
れぞれ示す。なお、洗浄後の洗浄液は水分濃度の低下の
ため引火性を示した。
【0034】
【表4】
【0035】以上の結果より、液晶等の濃度を所定の範
囲に制御した実施例1〜2の洗浄方法は、いずれの液晶
セルに対しても優れた洗浄性を示すことがわかった。こ
れに対して、濃度を制御しない比較例1の洗浄方法で
は、洗浄液中の液晶濃度が増加し、STN型液晶セルに
対して洗浄性が劣るものであった。
【0036】
【発明の効果】本発明の液晶セルの洗浄方法によれば、
安全かつ経済的に洗浄液の組成を常に最適な状態に維持
して洗浄を行うことができる為、優れた洗浄力で液晶セ
ルを洗浄することができる。このため洗浄後の液晶セル
の品質に高い信頼性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に使用する装置の一例の概略図で
ある。
【符号の説明】
1 温度調節用ジャケット 2 洗浄槽 3 超音波振動子 4 循環ポンプ 5 温度コントロール部 6 コンピューター 7 近赤外線吸収スペクトル分光分析装置 8 電磁弁 A 水 B 新洗浄液 C 洗浄廃液

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄液を用いて液晶セルを洗浄する方法
    において、洗浄液中の水分濃度及び液晶濃度を近赤外線
    吸収スペクトル分光分析法により測定し、得られた測定
    値に基づいて洗浄液の排液、水分の補給および新洗浄液
    の補給を調整することにより洗浄液中の水分濃度を5〜
    90重量%、及び液晶濃度を0〜15重量%の範囲に制
    御することを特徴とする液晶セルの洗浄方法。
  2. 【請求項2】 1200〜2000nmの波長で測定を
    行う請求項1記載の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 洗浄液が洗浄剤の有効成分として、次の
    一般式(I)、(II)、及び(III)で表わされる
    化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のアルキ
    レンオキサイド化合物を0.1重量%以上含有するもの
    である請求項1又は2記載の洗浄方法。 【化1】 〔式中、Rは炭素数1〜22の炭化水素残基を示し、
    及びRは同一又は相異なって、炭素数2〜4のア
    ルキレン基を示し、Yは水素原子又は炭素数1〜4のア
    ルキル基もしくはアシル基を示す。mは1〜15の整数
    を、n、x、及びyはそれぞれ0〜15の整数を示
    す。〕
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