JP2696918B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光ディスク装置に関するものであり、特に
光により情報の記録および再生を行う光ディスク装置に
関するものである。

〔従来の技術〕

光を利用した記録媒体である光ディスクにおいては、
目的のトラックを追従するために、ディスクからトラッ
クエラー信号を得る必要がある。かかるトラックの追従
のための方式としては、記録可能な光ディスクにおいて
は、連続的なプリグルーブを形成し、このプリグルーブ
からの回折光を利用してトラックエラー信号を得る方式
が主流である。

この方式によれば、光ディスクに設けたプリグルーブ
によって、光ディスク装置へ装着し回転駆動して使用す
るとき、集光スポットをして目的のトラックを追従制御
せしめることができる。

〔発明が解決しようとする課題〕 ところが、この方式の問題となる点は、使用時のディ
スクの傾きに対しトラックエラー信号に誤差を生じ易い
ことである。すなわち、トラッキングが、装置に装着さ
れた光ディスクの傾斜によって左右され易く、ディスク
傾斜の程度によっては、トラックエラー信号に大きな影
響を与え、これによってトラッキング制御が阻害される
おそれがある。

そこで、ディスク傾斜に起因するトラックエラー信号
の誤差があってもトラッキング制御を行えるよう、ディ
スク傾きに対する誤差を補正する方法として、第５図の
ように、プリグルーブ１を所定の間隔で埋めてミラー面
２を設けて集光スポット３を照射し、このミラー部でデ
ィスク傾きをサンプリングで検出してエラー信号を補正
するようにするものが提案されている。この方式では、
プリグルーブ１からの回折光分布の検出と同様にして、
反射光分布の偏りを２分割光検出器で検出すればよいた
め、光学系の変更はせずに電気的に処理が可能である。

しかし、この方式において、サーボの安定性を上げよ
うとして、補正の精度を高めるとき、次のような問題が
生ずる。

すなわち、補正の精度は、ミラー面２のサンプリング
周期に依存する。

ミラー面２は、プリグルーブ１上に設けられ、補正の
ために一定の間隔でサンプリングを行うため、補正精度
を高めるためには、そのミラー面２の間隔をつめ、サン
プリング周波数を上げる必要があり、情報の記録が可能
な領域、すなわちデータ領域がミラー面２を形成する分
だけ少なくなるという欠点がある。

このように、上述の方式では、補正の精度はミラー面
２のサンプリング周期に依存するが、ミラー面２を増す
と情報を記録することが可能な領域が制約を受けること
になるという問題が生じる。

本発明の目的は上記のような問題を生じることのない
光ディスク装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、複数の集光スポットを同時に形成すること
ができるマルチビーム型の光ヘッドと、プリグルーブに
沿って所定の間隔をおいてミラー面が設けられた同心円
状またはスパイラル状のトラックを有する光ディスクと
を用いる光ディスク装置であって、 光ヘッドによって形成される集光スポットの個数を
ｎ、ミラー面の間隔をＬとしたとき、ｍをｍ≦ｎなる整
数として、ミラー面の位置が、隣接トラック間または所
定の数のトラックを１ブロックとする隣接ブロック間
で、トラック方向に略L/mずれていることを特徴として
いる。

〔作用〕

隣接トラック間または隣接ブロック間においてトラッ
ク方向に略L/mずれているミラー面を、ｎ個の集光スポ
ットで照射すれば、プリグルーブに沿うミラー面の間隔
がＬであっても、そのＬに相当する周期よりも短い周期
でサンプリングが可能である。

例えば、第２図のように、ミラー面がプリグルーブ上
に間隔Ｌごとに形成されていて、光ヘッドにより形成さ
れる集光スポットを３個とすると、隣接トラック間でミ
ラー面の位置をL/3だけ順次ずらしておくと、L/3の周期
でサンプリングが可能となり、ミラー面の間隔を短縮す
ることなくサンプリング周期を上げることができる。

〔実施例〕

次に、本発明について図面を参照して説明する。

第１図は本発明の一実施例を示す。光ディスク装置
は、第１図に示すように、アレイLD5と、ハーフミラー
６と、集光レンズ８とを備えている他、複数の光検出器
13と、各光検出器13の出力が供給されるマルチプレクサ
10と、エラー検出回路11と、レンズ駆動回路12を備えて
いる。

アレイLD5等は、複数の集光スポットを同時に形成す
ることができるマルチビーム型の光ヘッドを構成してい
る。

本実施例の装置に装着された光ディスク９は、プリグ
ルーブに沿って所定の間隔をおいてミラー面が設けられ
た同心円状またはスパイラル状のトラックを有する型式
のものである。

上述の光ヘッドと、光ディスク９との関係は、次のよ
うになっている。

すなわち、第２図に示すように、例えば、光ヘッドに
よって形成される集光スポット３を３つとし、ミラー面
２の間隔をＬとした場合において、隣接トラック間（ま
たは、後述するように、一定の数のトラックを１ブロッ
クとする隣接ブロック間）で、ミラー面２の位置が、ト
ラック方向に略L/3だけずれているような関係に設定さ
れている。

一般的にいえば、本発明に従う光ディスク装置は、複
数の集光スポット３を同時に形成することができるマル
チビーム型の光ヘッドと、プリグルーブ１上に所定の間
隔をおいてミラー面２が設けられた同心円状またはスパ
イラル状のトラックを有する光ディスク９とを備えた光
ディスク装置において、前記光ヘッドによって形成され
る集光スポット３の数をｎ個とし、ｍをｍ≦ｎなる整数
とし、ミラー面２の間隔をＬとすると、隣接トラック間
または一定の数のトラックを１ブロックとする隣接ブロ
ック間でミラー面２の位置がトラック方向に略L/mだけ
順次ずれているようにする。

マルチプレクサ10は、上述の複数の集光スポット３の
反射光を各光検出器13で光電変換して得られる出力の選
択的な切換えに使用され、その出力をエラー検出回路11
に供給することによってトラッキング制御が行われる。

トラッキング制御は、具体的には、以下のようにして
これを行うことができる。

第１図に示すように、アレイLD5よりの出射光は集光
レンズ８によってマルチスポットとして光ディスク９に
集光される。ディスクからの反射光はハーフミラー６に
よって分離され、光検出器13でそれぞれのスポットから
の反射光が検出される。

各光検出器13の出力は、マルチプレクサ10に与えられ
るが、ここで、それぞれのスポットからの反射光の検出
出力は選択的に切り換えられてエラー検出回路11に供給
される。

この場合、エラー検出回路11への入力は、次のような
周期で与えることが可能である。

すなわち、第２図に示すように、ミラー面２はプリグ
ルーブ１上に間隔Ｌごとに形成されている。光ヘッドに
より形成される集光スポット３を既述の如く３個とする
と、図のように隣接トラックに並列に並べることによ
り、３トラックを同時に記録再生することが可能であ
る。このような並列動作において、図示の場合は、隣接
トラック間でミラー面２の位置をL/3だけ順次ずらして
おく。

このようにずらされているので、サンプリングは、ミ
ラー面２の同一トラック上での間隔がＬであっても、L/
3の周期で行うことが可能なのである。

このようにして、各光検出器13からの出力はマルチプ
レクサ10によりサンプリングを行うスポットが検出さ
れ、エラー検出回路11に入力される。このエラー検出回
路11の出力信号によってレンズ駆動回路12を駆動してト
ラック中心をスポットが通るように制御を行う。

トラッキング制御は、以上のようにして行うことがで
き、上述の如く、ディスクの傾きの補正信号を得る集光
スポットを順次切り換えれば、L/3の周期でサンプリン
グが可能となり、ミラー面２の間隔を短縮することなく
サンプリング周期を上げることができ、トラックエラー
信号の精度を改善することができる。

このようにして、データ領域を犠牲にすることなく、
サーボの安定性の向上を実現できるが、これについて
は、以下のようにしても行うことができる。

例えば、第２図では３つの集光スポットのすべてより
補正信号を得ることを考えたが、３つの内で２つを使う
ならば、ミラー面はL/2だけずらして形成してもよく、
この場合には２倍のサンプリング周期が得られる。

また、光ヘッドの光源としてアレイLDを用いるような
場合には、光ディスク上での集光スポット間隔をあまり
小さくできないため、隣接トラック間でのスポット位置
が第３図のようにずれることが考えられる。この場合で
も第２図のようなミラー面配置でサンプリングが可能で
あるが、サンプリング間隔が不均一になる。そこで、第
３図のようにミラー面位置の変化に隣接トラック間での
スポット間隔ｌを加え（L/3＋ｌ）とすれば均一なサン
プリング間隔を得ることができる。

更に、光ヘッドによる集光スポットの形成は、前述で
も触れたように、隣接トラックごとに形成する方法に限
らない。

すなわち、集光スポットが隣接トラックではなく一定
のトラック数だけ間をおいて設けるような場合、例えば
第４図のように１つおきに集光スポット３を設けること
も考えられる。この場合には、２本のトラックを１つの
ブロック４としてブロック間でミラー面２の位置を変化
させればよい。

更にまた、上記の各例は、３個のスポットについて述
べたが、他の数でも同時に考えられる。

従って、本発明は、ｎが２以上の場合に適用できる。

また、本発明は、記録および再生の装置に適用できる
のは勿論であるが、いわゆる再生のみで足りるような用
途に用いられる再生専用機の場合にも適用することを妨
げない。記録専用機の場合にも同様のことがいえる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば、データ領域を
減少させることなくサーボの安定性を向上させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す図、 第２図は集光スポットと光ディスクとの関係の一例を示
す図、 第３図は同じく他の例を示す図、 第４図は同じく更に他の例を示す図、 第５図は従来技術を示す図である。 １……プリグルーブ ２……ミラー面 ３……集光スポット ４……ブロック ５……アレイLD ６……ハーフミラー ８……集光レンズ ９……光ディスク 10……マルチプレクサ 11……エラー検出回路 12……レンズ駆動回路 13……光検出器

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の集光スポットを同時に形成すること
   ができるマルチビーム型の光ヘッドと、プリグルーブに
   沿って所定の間隔をおいてミラー面が設けられた同心円
   状またはスパイラル状のトラックを有する光ディスクと
   を用いる光ディスク装置であって、 光ヘッドによって形成される集光スポットの個数をｎ、
   ミラー面の間隔をＬとしたとき、ｍをｍ≦ｎなる整数と
   して、ミラー面の位置が、隣接トラック間また所定の数
   のトラックを１ブロックとする隣接ブロック間で、トラ
   ック方向に略L/mずれていることを特徴とする光ディス
   ク装置。