JP2695604B2 - 光電子増倍管 - Google Patents
光電子増倍管Info
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Description
ら入射するいわゆるサイドオン型の光電子増倍管に関す
るものである。
の横断面図は、従来の一般のサイドオン型光電子増倍管
を示している。このサイドオン型光電子増倍管では、透
明な密閉容器であるガラスバルブ1の側面から測定対象
の光が入射される。ガラスバルブ1を透過して入射した
光が反射型光電陰極2の光電面に当たると、その光電面
から光電子が放出され、複数段のダイノード3a,3
b,3c…から成る電子増倍部に送られる。光電子はこ
の電子増倍部において順次増倍され、増倍された光電子
は出力信号として陽極4で収集される。
子を第1段のダイノード3aに導くために、ガラスバル
ブ1の光入射部分5と光電陰極2との間には格子電極6
が配置され、光電陰極2と同電位にされている。格子電
極6の形式には種々あり、細い導線を文字通り格子状に
配置したもの(図示しない)や、同図(a)に示すよう
に、2本の支持棒6a,6bに1本の細い導線6cを螺
旋状に巻付けて構成したもの等がある。
光電子増倍管においては、光電陰極2の前面に格子電極
6を配置しているため、ガラスバルブ1を透過して光電
陰極2に入射される光の一部が格子電極6の導線6cに
より散乱・吸収を受ける。よって、入射光が均一であっ
ても、光電陰極2に到達しない光がある。一般的に、格
子電極6の透過率は75%のものが使われているので、
25%は光電陰極2に到達しないことになる。
し、特公昭53−18864号公報に記載の解決手段が
知られている。同公報に記載の手段は、図10に示すよ
うに、前記の格子電極6の替わりに、透明導電膜を表面
に形成したガラス板7を用いるものである。
収ないしは散乱によりロスが生ずるため、ガラスバルブ
1内にガラス板7を配置すると、光が2回ガラス材を透
過することになり、ロスが2倍となるという問題点があ
る。また、製作上の問題もある。すなわち、従来、光電
陰極2の製造工程において、光電面作成用のアルカリ金
属が図10の点線のように流れて光電面に到達していた
のであるが、そのアルカリ金属の移動経路にガラス板7
を配置すると、アルカリ金属を均一に誘導することがで
きない。従って、均一な光電面を形成することは極めて
困難となる。
は、電子レンズとしての役割の他、ヒステリシス特性を
向上させる役割もある。ここで、ヒステリシスとは、光
電子増倍管にパルス光を入射したとき、出力信号が急激
に立ち上がらずに徐々に立ち上がって安定する現象をい
う。このヒステリシスは、ガラスバルブ1の光入射部分
5に光電陰極2からの光電子が衝突してその部分を帯電
し、その部分の電位が不安定となって光電子の軌道に影
響を与えるものと考えられている。よって、従来の格子
電極6は、導線6cを光電陰極2の前面全体に張り巡ら
すことで、光電陰極2から光入射部分5に向かう光電子
を遮ることとしている。
を抜けて光入射部分5に到達する光電子もあり、ヒステ
リシス特性の向上には限度があった。このため、このヒ
ステリシス特性の改善を期す技術として、特開平4−2
92843号公報に記載された手段が提案されている。
同公報には、ガラスバルブの光入射部を除く内壁面にア
ルミニウム蒸着膜といった導電部が形成された構造が開
示されている。また、この導電部が透明体からなるとき
には光入射部にも導電部が形成される構造も開示されて
いる。この導電部によってガラスバルブ内壁面の抵抗値
は減少させられ、バルブ内壁面の表面抵抗と浮遊容量と
で形成される時定数は小さくなっている。時定数が小さ
いとバルブ内壁面での電位の不安定さが解消され、光電
子の電子軌道に与える影響が減少し、ヒステリシス特性
の向上が図られる。
善された光電子増倍管においても、光電陰極の前面に格
子電極を配置しているため、前述した光透過率の低下と
いう弊害が生じる。
であり、光電子増倍管に入射される光の透過率を向上さ
せると共に、ヒステリシス特性の向上が図れる光電子増
倍管を実現することを目的とする。
するため、光入射部分を備えた透光性の密閉容器と、光
入射部分からの光入射に応じて光電子を発生させる密閉
容器内に設けられた反射型光電陰極と、光入射部分の密
閉容器内壁に形成され所定の電位が与えられる透明導電
膜と、この透明導電膜によって集束される光電子を電子
増倍する複数段のダイノードから成る電子増倍部と、増
倍された電子を収集する陽極とを備え、光電子増倍管を
構成した。
面全体に形成して光電子増倍管を構成した。
在しないため、入射光は何らの妨害も受けることなく光
電陰極に達する。
電極が存在せず、しかも、光入射部分の密閉容器内壁面
に形成された透明導電膜が集束電極として機能するた
め、電子増倍部の初段のダイノードと光電陰極との間に
形成される光電子集束用電界は、光入射部分の密閉容器
内壁面に近い位置まで広がる。
子電極が存在しないため、光電陰極の光入射側の端部
は、格子電極が障害になることなく密閉容器の内壁面近
傍にまで延ばせる。
された透明導電膜には所定の電位が与えられるため、密
閉容器内壁面の電位の不安定さはなくなり、密閉容器内
壁面の電位は直ちに所定電位に戻り、電位変化は高速に
行われる。
に形成することにより、透明導電膜を光入射部分の内壁
面に選択形成する工程が簡略される。
ゆるサイドオン型の光電子増倍管を示している。ガラス
バルブ11は透光性の密閉容器であり、具体的には、上
下両端が閉鎖された透明な円筒形状をしている。このガ
ラスバルブ11の内部には、上下にセラミック等の絶縁
体基板12a,12bが設けられ、この絶縁体基板12
a,12bにて各種の電極が支持されている。これら各
種の電極は、底部の口金13に設けられた端子14を介
して外部に導出されている。上下の絶縁体基板12a,
12b間には、ガラスバルブ11の光入射部分15に対
して一定の角度をもって傾斜配置された光電陰極16
と、この光電陰極16から放出された光電子を順次増倍
するための複数段のダイノード17a,b,c…から成
る電子増倍部17と、出力信号を収集する陽極18とが
支持されている。
面には透明導電膜19が部分的に形成されている。この
透明導電膜19は種々の方法により形成することが可能
であるが、クロム(Cr)をガラスバルブ11の内壁面
に選択的に蒸着して形成するのが好適である。この透明
導電膜19は光入射部分15のガラスバルブ11の内壁
面に接着されたパッド20と電気的に接触しており、こ
のパッド20は端子14を介して外部に導出されてい
る。
し、光電陰極16には例えば−1KVの電位が与えら
れ、陽極18には例えば接地電位が与えられる。そし
て、複数段の各ダイノード17a,b,c…には光電陰
極16および陽極18間の電位を分割する適当な電位が
端子14を介して与えられる。また、透明導電膜19は
端子14およびパッド20を介して例えば光電陰極12
と同じ電位、つまり−1KVの電位が与えられる。この
ような状態において、入射光は光入射部分15のガラス
バルブ11および透明導電膜19を経て直接光電陰極1
6に入射される。この際、光入射部分15と光電陰極1
6との間には従来のように格子電極が存在しないため、
入射光は何らの妨害も受けることなく光電陰極16に達
する。また、透明導電膜19がクロムからなる蒸着膜で
ある場合には、透明導電膜19の光透過率は98%の高
い透過率であるため、入射光が透明導電膜19を通過し
ても光の損失は極めて小さい。このため、光電子増倍管
への入射光の光透過率は極めて向上する。
間には従来の格子電極が存在せず、しかも、光入射部分
15の所定電位が与えられた透明導電膜19が集束電極
として機能するため、電子増倍部17の初段のダイノー
ド17aと光電陰極16との間に形成される光電子集束
用電界は、光入射部分15のガラスバルブ11内壁面に
近い位置まで広がる。このため、光電陰極16で生じ、
光電陰極16の近傍に存在する光電子は、この集束用電
界に導かれて初段のダイノード17aへ向けて加速され
る。よって、光電子増倍管の光電感度は向上し、図9に
示す従来の光電子増倍管の感度に比較して20%以上向
上する。この結果、入力信号の雑音に対する比率である
SNが向上する。
の内壁面に形成された透明導電膜19には所定の電位が
与えられているため、ガラスバルブ11内壁面の電位の
不安定さはなくなる。従って、ガラスバルブ11の内壁
面に光電子が衝突しても、ガラスバルブ11の内壁面の
電位は直ちに所定電位つまり−1KVに戻り、バルブ内
壁面の電位変化は高速に行われる。このため、光電子増
倍管のヒステリシスは極めて小さくなる。
導電膜19を光入射部分15の前面に部分的に形成した
場合について説明したが、図2に示すように、光入射部
分15を含むガラスバルブ11の円周に沿った側部に透
明導電膜19aを形成してもよい。ただし、絶縁基板1
2aをガラスバルブ11に固定する板バネ41(図1
(a)参照)はダイノード17の支持棒の端部に固定さ
れ、板バネ41とダイノード17とは電気的に接してい
るため、透明導電膜19aが板バネ41に接しないよ
う、ガラスバルブ11の上部には透明導電膜19aは形
成されない。このような透明導電膜19aであっても上
記実施例と同様な効果が奏される。なお、同図において
図1と同一部分には同一符号を付してその説明は省略す
る。
増倍管について説明する。
の横断面図であり、図1と同一部分には同符号を付して
その説明は省略する。本実施例と上記の第1実施例との
相違点は、光電陰極21の形状が異なっている点であ
る。つまり、本実施例における光電陰極21の光入射部
分15側には支持棒がなく、光電陰極21の光入射側の
端部はシールド板22に溶接されて固定されている。よ
って、光電陰極21がシールド板を兼用した構造になっ
ている。また、光入射部分15と光電陰極21との間に
は従来の格子電極が存在しないため、光電陰極21は、
従来格子電極に遮られていた部分にまで拡げられる。つ
まり、光電陰極21の光入射部分15側の端部は、ガラ
スバルブ11の内壁面に極近い位置まで延ばして形成す
ることが可能となり、光電陰極21の有効受光面積は広
がる。例えば、本実施例では、図9に示す従来の光電子
増倍管の光電陰極2に比較し、光入射方向に対して垂直
な方向の幅が3mm程度広がる。このため、光電子増倍
管の光電感度はさらに向上する。
用電界は、図4に示すように極めて広く形成されてい
る。同図(a)は図9に示した従来の光電子増倍管に形
成される集束用電界を示しており、同図(a)において
図9と同一または相当する部分には同符号を付してその
説明は省略する。また、同図(b)はこの第2の実施例
による光電子増倍管に形成される集束用電界を示してお
り、同図(b)において図3と同一または相当する部分
には同符号を付してその説明は省略する。
束用電界は光電陰極2、格子電極6、ダイノード3aお
よびダイノード3bによって形成され、この電界によ
り、光電陰極2およびダイノード3a間の電子レンズが
形成されて光電子は図示の電子軌道を辿っていた。しか
し、この従来構造では光入射部分と光電陰極2との間に
格子電極6が存在するため、光電陰極2のガラスバルブ
1の内壁面近傍領域Aでは電界の染み込みが弱い。従っ
て、光電陰極2から放出された光電子のうち、電界の染
み込みの弱いこの領域Aに存在する光電子は効率よく初
段のダイノード3aにまで導かれなかった。
造においては、光入射部分および光電陰極21間に従来
のように格子電極が存在しないため、上述のように光電
陰極21の端部をガラスバルブ11の内壁面近傍にまで
形成することが可能になっている。従って、光電子集束
用電界はガラスバルブ11の内壁面近傍にまで広がって
形成され、電界がよく染み込んで図示の電子軌道が形成
される。このため、広い有効受光面積を持つ光電陰極2
1で生じた光電子のほとんどが効率よく初段のダイノー
ド17aにまで導かれ、光電子増倍管の光電感度はさら
に向上してSNは極めてよくなる。
増倍管について説明する。
増倍管の側断面図であり、同図(b)はその横断面図で
ある。なお、図1および図3と同一または相当する部分
には同一符号を付してその説明は省略する。本実施例と
上記の第2実施例との相違点は、電子増倍部17の構造
が異なっている点である。つまり、電子増倍部17を構
成する第1段,第2段,第3段および第4段のダイノー
ド17A,17B,17Cおよび17Dは、図6に示す
ように、2本の支持棒31a,31bのうちの一方の支
持棒31aの中間部が除去されている。なお、同図では
ダイノード17Aをこれらの代表として示している。こ
のように支持棒31aの中間部が除去されることによ
り、図4(a)に示す従来構造のように、集束用電界に
よって加速される光電子がそのドリフト途中で支持棒に
吸引され、その電子軌道が曲げられることがなくなる。
従って、光電陰極21で生じた光電子および各ダイノー
ドで2次電子増倍された光電子は集束用電界に導かれて
次段のダイノードにまで確実に到達するようになる。こ
のため、本実施例による光電子増倍管構造によれば、光
電感度はさらに向上する。
増倍管について説明する。
の側断面図であり、同図において図1および図3と同一
または相当する部分には同一符号を付してその説明は省
略する。本実施例と前述の第2実施例との相違点は、光
電陰極21やダイノード17を支持している絶縁体基板
12a,12bをガラスバルブ11へ固定する構造が異
なっている点である。つまり、図1の構造では、絶縁体
基板12aの基板円周方向に沿った形状の板バネ41の
一部がダイノード17の支持棒の端部に固定されてい
る。この板バネ41はガラスバルブ11の内壁と複数箇
所で当接しており、絶縁体基板12aの半径方向で外側
に向かう板バネ41の弾性力により、ダイノード17の
支持棒つまりこの支持棒に固定されている絶縁体基板1
2aはガラスバルブ11の内壁面に支持固定されてい
る。
増倍管においては、2枚の絶縁体基板12a,12b間
にわたってスプリング板51が複数箇所に設けられてい
る。各スプリング板51の両端部は絶縁体基板12a,
12bのそれぞれの円周部に係止されており、ガラスバ
ルブ11の長手方向の中心軸から外側に向かう各スプリ
ング板51の弾性力により、各絶縁体基板12a,12
bはガラスバルブ11の内壁面に支持固定されてる。
るため、本実施例においては、集束用電極を構成する透
明導電膜がスプリング板51に電気的に接触しても光電
子増倍機能になんら影響を与えない。すなわち、本実施
例においては、図8(a)に示すように前述の第2実施
例と同様に光入射部分15にだけ透明導電膜19を部分
的に形成してもよく、また、同図(b)に示すようにガ
ラスバルブ11の内壁面全体に透明導電膜19bを形成
してもよい。なお、同図において図3と同一または相当
する部分には同一符号を付してその説明は省略する。同
図(b)のように内壁面全体に透明導電膜19bを形成
することにより、光入射部分15にのみ透明導電膜を選
択的に形成する製造工程は不要になる。よって、同図
(b)に示す光電子増倍管の構造によれば、前述の第2
実施例と同様な効果が奏されるばかりでなく、製造工程
が簡略されるという効果がさらに奏される。
分と光電陰極との間には格子電極が存在しないため、入
射光は何らの妨害も受けることなく光電陰極に達し、入
射光の光透過率は向上する。
電極が存在せず、しかも、光入射部分の密閉容器内壁面
に形成された透明導電膜が集束電極として機能するた
め、電子増倍部の初段のダイノードと光電陰極との間に
形成される光電子集束用電界は、光入射部分の密閉容器
内壁面に近い位置まで広がる。このため、光電陰極で生
じ、光電陰極近傍に存在する光電子のほとんどはこの集
束用電界に導かれて初段のダイノードへ向けて加速され
る。よって、光電子増倍管の光電感度は向上する。
子電極が存在しないため、光電陰極の光入射側の端部
は、格子電極が障害になることなく密閉容器の内壁面近
傍にまで延ばせる。このため、光電陰極の受光面積は広
がり、光電子増倍管の光電感度はさらに向上する。
された透明導電膜には所定の電位が与えられるため、密
閉容器内壁面の電位の不安定さはなくなり、密閉容器内
壁面の電位は直ちに所定電位に戻り、電位変化は高速に
行われる。このため、ヒステリシスは極めて小さくな
る。
に形成することにより、透明導電膜を光入射部分の内壁
面に選択形成する工程が簡略される。このため、光透過
率が良好で光電感度が高く、しかも、ヒステリシス特性
の良好な光電子増倍管を容易に製造することが可能にな
る。
す図である。
す横断面図である。
す横断面図である。
子の各電子軌道を比較した図である。
す図である。
斜視図である。
す側断面図である。
横断面図である。
である。
基板、13…口金、14…端子、15…光入射部分、1
6,21…光電陰極、17…電子増倍部、17a〜c…
ダイノード、18…陽極、19,19a,19b…透明
導電膜、20…パッド、22…シールド板、41…板バ
ネ、51…スプリング板。
Claims (2)
- 【請求項1】 光入射部分を備えた透光性の密閉容器
と、前記光入射部分からの光入射に応じて光電子を発生
させる前記密閉容器内に設けられた反射型光電陰極と、
前記光入射部分の前記密閉容器内壁に形成され所定の電
位が与えられる透明導電膜と、この透明導電膜によって
集束される光電子を電子増倍する複数段のダイノードか
ら成る電子増倍部と、増倍された電子を収集する陽極と
を備えて構成された光電子増倍管。 - 【請求項2】 前記透明導電膜は、前記密閉容器の内壁
面全体に形成されていることを特徴とする請求項1記載
の光電子増倍管。
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