JP2695377B2 - ベリリウム薄板と銅部材との複合部材、およびベリリウム薄板と銅部材との接合方法 - Google Patents
ベリリウム薄板と銅部材との複合部材、およびベリリウム薄板と銅部材との接合方法Info
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Description
材との複合部材、およびベリリウム薄板と銅部材との接
合方法に関するものである。
方法によるベリリウム薄板と銅部材との複合部材をX線
管球に適用した例を図3に示す。リテーナ21は熱伝導
性に優れかつガス吸収の少ない無酸素銅で形成され、X
線透過窓22はX線透過性の良いベリリウムからなる薄
板である。リテーナ21とX線透過窓22とはロウ付け
により直接接合することが一般的である。ロウ材23
は、銀および銅を主成分とするBAg−8(以下、「B
Ag−8」を銀ロウという)が使用されている。
示すような従来のベリリウム薄板と銅部材との接合方法
によるベリリウム薄板と銅部材との複合部材のように、
リテーナ21とX線透過窓22とをロウ材23で直接接
合すると、X線透過窓22の侵食が起こる。これは、リ
テーナ21およびロウ材23を構成する銀および銅がベ
リリウムと親和性が高いため、ロウ材23を加熱してリ
テーナ21とX線透過窓22とを接合するとき、X線透
過窓22のベリリウムがロウ材23およびリテーナ21
に拡散するからである。この拡散が起こると、リテーナ
21とX線透過窓22との接合部分にベリリウム、銅お
よび銀からなる低融点の共晶成分が生成されることによ
り、X線透過窓22が侵食され、接合が完了しても接合
部分の強度が低下してX線管球20の気密性を保持でき
なくなるため、使用中にリークが発生するという問題が
生じる。
になされたもので、接合強度および気密性の高いベリリ
ウム薄板と銅部材との複合部材、およびベリリウム薄板
と銅部材との接合方法を提供することを目的とする。
の本発明の第1発明によるベリリウム薄板と銅部材との
複合部材は、ベリリウム薄板と銅部材とがロウ材で接合
されている複合部材において、ベリリウム薄板と銅部材
との間にクロム層が介在していることを特徴とする。
明によるベリリウム薄板と銅部材との接合方法は、ベリ
リウム薄板と銅部材とをロウ材で接合する接合方法にお
いて、銅部材のベリリウム薄板との接合面にクロムから
なるクロム層を形成し、該クロム層の上にクロムと親和
性のある金属からなる金属層を形成する第1工程と、前
記クロム層および前記金属層の形成された銅部材とベリ
リウム薄板とをロウ材で接合する第2工程と、を備えた
ことを特徴とする。
ニッケル、チタン、鉄または金であることが望ましい。
材との複合部材では、ベリリウム薄板と銅部材との間に
クロム層を介在させているため、ロウ材を加熱してベリ
リウム薄板と銅部材とを接合するとき、ベリリウム薄板
から銅部材に拡散しようとするベリリウムがベリリウム
と親和性の低いクロム層により遮断され、それ以上のベ
リリウムの拡散即ち侵食が防止される。
銅部材との接合方法では、ベリリウム薄板と接合する銅
部材の接合面に、まずベリリウムと親和性の低いクロム
からなるクロム層を形成し、さらに、このクロム層の上
にクロムと親和性の高い金属からなる金属層を形成して
いる。そのため、ベリリウム薄板およびロウ材を銅部材
に強固に固着させることができる。また、ロウ材を加熱
してベリリウム薄板と銅部材とを接合するとき、ロウ材
成分である銀および銅とベリリウムとが共晶反応を起こ
すことにより低融点生成物を生成するものの、ベリリウ
ム薄板から銅部材に拡散しようとするベリリウムはベリ
リウムと親和性の低いクロム層により遮断され、それ以
上のベリリウムの拡散即ち侵食は防止される。
明する。本発明のベリリウム薄板と銅部材との接合方法
によるベリリウム薄板と銅部材との複合部材をX線管球
に適用した一実施例を図1および図2に示す。X線管球
1は、リテーナ11とX線透過窓12から構成される。
X線管球1の内部の真空度は10-8〜10-6Torrで
ある。
の少ない無酸素銅から形成されている。リテーナ11を
このような特性を有する無酸素銅で形成するのは、次の
およびの理由からである。X線がX線透過窓12
を透過するとき、X線の一部がX線透過窓12に吸収さ
れて熱が発生するので、この熱をリテーナ11に伝達し
て放熱するため、熱伝導性の高い材質が必要である。
X線管球1の内部の真空度を保持するためガス吸収の少
ない材質が必要である。
端面11aには、まずベリリウムと親和性の低いクロム
から形成される厚さ5μmのクロム層13と、このクロ
ム層13の上にクロムと親和性の高いニッケルから形成
される厚さ15μmのニッケル層14とが積層鍍金され
ている。クロム層13の上にニッケル層14を鍍金する
のは、クロム層13とニッケル層14の界面にニッケル
−クロム合金層を形成させ、ベリリウムからなるX線透
過窓と、後述するロウ材15および無酸素銅からなるリ
テーナ11との接合を強固にするためである。
リウムからなる薄板状に形成されている。X線透過窓1
2は、X線透過率を向上させるためできるだけ薄くする
ことが望ましいが、X線管球1の内部の真空度を10-8
〜10-6Torrに保持する強度を確保するため、厚さ
0.2mm程度のものが多く使用される。ロウ材15
は、銀:72%、銅:18%の重量比率の銀ロウからな
り、クロム層13およびニッケル層14の鍍金されたリ
テーナ11とX線透過窓12とを接合している。
れる。 第1工程 リテーナ11にクロム層13とニッケル層14とを電気
メッキ等で積層鍍金する。 第2工程 クロム層13およびニッケル層14が積層鍍金されたリ
テーナ11とX線透過窓12との間にロウ材15を挿入
し、X線透過窓12を上から重し等で押さえながら高周
波または赤外線によりロウ材15を加熱し、ロウ材15
が溶融してリテーナ11とX線透過窓12との接合面が
十分にロウ材15で覆われたら瞬時に冷却する。ロウ材
15の加熱温度が高過ぎるとX線透過窓12を形成する
ベリリウムの拡散を助長するので、ロウ材15の加熱温
度はロウ材15が溶融する温度に達すればそれ以上上げ
る必要はない。また、ロウ材15の量が多過ぎると溶融
したロウ材15がリテーナ11の表面を覆ってしまうの
で、適度な量のロウ材15を挿入する必要がある。
とき、ベリリウムと銅、銀およびニッケルとは親和性が
高いため、X線透過窓12のベリリウムがロウ材15お
よびニッケル層14に拡散する。しかし、ベリリウムと
クロムとは親和性が低いため、ニッケル層14まで拡散
したベリリウムはクロム層13にほとんど拡散しない。
これにより、X線透過窓12を形成するベリリウムがク
ロム層13を介してリテーナ11に拡散することは減少
し、X線透過窓12の侵食が防止される。
ル層14をメッキによりリテーナ11に形成したが、本
発明では、蒸着によって形成することは可能である。ま
た、本実施例では、クロム層13の上にクロムと親和性
のあるニッケル層14を形成したが、本発明では、ニッ
ケルに代えてクロムと親和性のある金属として、チタ
ン、鉄または金等からなる金属層をクロム層の上に形成
することは可能であるが、ベリリウムおよびクロムとの
親和性、コスト等から考慮してニッケルが最も好まし
い。
リリウム薄板と銅部材との複合部材によると、ベリリウ
ム薄板と銅部材との間にベリリウムと親和性の低いクロ
ムからなるクロム層を介在させていることにより、ロウ
材によりベリリウム薄板と銅部材とを接合するとき、ベ
リリウムが銅部材に拡散即ち侵食することが防止され
る。そのため、ベリリウム薄板と銅部材との強固な接合
が形成できる。
薄板と銅部材との接合方法によると、ベリリウム薄板と
接合する銅部材の接合面に、まずベリリウムと親和性の
低いクロムからなるクロム層を形成し、このクロム層の
上にクロムと親和性のある金属からなる金属層を形成す
ることにより、クロム層が金属層により強固に銅部材と
接合するとともにベリリウムが銅部材に拡散することが
防止されるため、ベリリウム薄板と銅部材との強固な接
合が形成できる。
によるベリリウム薄板と銅部材との複合部材の一実施例
を示す模式的断面図である。
よるベリリウム薄板と銅部材との複合部材の一例を示す
模式的断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ベリリウム薄板と銅部材とがロウ材で接
合されている複合部材において、 ベリリウム薄板と銅部材との間にクロム層が介在してい
ることを特徴とするベリリウム薄板と銅部材との複合部
材。 - 【請求項2】 ベリリウム薄板と銅部材とをロウ材で接
合する接合方法において、 銅部材のベリリウム薄板との接合面にクロムからなるク
ロム層を形成し、該クロム層の上にクロムと親和性のあ
る金属からなる金属層を形成する第1工程と、 前記クロム層および前記金属層の形成された銅部材とベ
リリウム薄板とをロウ材で接合する第2工程と、 を含むことを特徴とするベリリウム薄板と銅部材との接
合方法。 - 【請求項3】 前記クロムと親和性のある金属が、ニッ
ケル、チタン、鉄または金であることを特徴とする請求
項2記載のベリリウム薄板と銅部材との接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26847893A JP2695377B2 (ja) | 1993-10-27 | 1993-10-27 | ベリリウム薄板と銅部材との複合部材、およびベリリウム薄板と銅部材との接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26847893A JP2695377B2 (ja) | 1993-10-27 | 1993-10-27 | ベリリウム薄板と銅部材との複合部材、およびベリリウム薄板と銅部材との接合方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07120600A JPH07120600A (ja) | 1995-05-12 |
JP2695377B2 true JP2695377B2 (ja) | 1997-12-24 |
Family
ID=17459055
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26847893A Expired - Lifetime JP2695377B2 (ja) | 1993-10-27 | 1993-10-27 | ベリリウム薄板と銅部材との複合部材、およびベリリウム薄板と銅部材との接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2695377B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100773766B1 (ko) * | 2006-11-09 | 2007-11-12 | 한국원자력연구원 | 물리 증기 증착 일괄처리를 이용한 베릴륨과 구리 합금의고온등방가압 접합방법 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2999760B2 (ja) * | 1998-02-05 | 2000-01-17 | 日本碍子株式会社 | ベリリウムと銅合金のhip接合体の製造方法およびhip接合体 |
JP3799391B2 (ja) | 2001-10-01 | 2006-07-19 | 日本碍子株式会社 | ベリリウムと銅または銅合金の接合体の製造方法およびその接合体 |
JP4601939B2 (ja) * | 2003-10-31 | 2010-12-22 | 株式会社東芝 | 電子管の気密接合構造 |
CN103715045B (zh) * | 2013-12-31 | 2016-06-08 | 中国科学院西安光学精密机械研究所 | 一种铍窗及其封接方法 |
-
1993
- 1993-10-27 JP JP26847893A patent/JP2695377B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100773766B1 (ko) * | 2006-11-09 | 2007-11-12 | 한국원자력연구원 | 물리 증기 증착 일괄처리를 이용한 베릴륨과 구리 합금의고온등방가압 접합방법 |
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JPH07120600A (ja) | 1995-05-12 |
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