JP2695142B2 - リラクセーション誘導装置とこれを利用した学習方法 - Google Patents

リラクセーション誘導装置とこれを利用した学習方法

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JP2695142B2 JP7291256A JP29125695A JP2695142B2 JP 2695142 B2 JP2695142 B2 JP 2695142B2 JP 7291256 A JP7291256 A JP 7291256A JP 29125695 A JP29125695 A JP 29125695A JP 2695142 B2 JP2695142 B2 JP 2695142B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脳波誘導によって
身心を解放するリラクセーション誘導装置とこの原理を
応用した学習方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現代社会における生活はストレスに満ち
ている。本来人間は、サーカディアンリズムと呼ばれる
一種の体内時計によって生体のバランスをとっており、
その周期は25時間といわれる。このリズムは別名、光
周性ともいわれ、日の出の太陽光による刺戟によって一
日の生体リズムがスタートする。しかし、社会生活は震
動、騒音、人為光をはじめ様々な刺戟にあふれており、
また社会環境の複雑化や日常の不規則な生活によってサ
ーカディアンリズムは大きく狂わされている。このため
身心がストレスに満ち、動物としての自律性が大きく損
なわれている。このようなストレス解消のためには、適
度に五感(視覚、聴覚、触覚、臭覚、味覚)を刺戟して
快適性を引き出すことが有効である。リラクセーション
の方法として、指圧やマッサージと音楽や香りを併用す
る療法も広く普及している。
【0003】しかし、前記したようにサーカディアンリ
ズムを支配する最大の要因は太陽光であり、その刺激を
脳神経に作用させることがもっとも効果的な自律性の回
復につながると考えられる。また、脳は外部環境に同化
しようとする周波数追随反応(FFR;Frequen
cy Following Response)を示すこ
とが以前から知られている。例えば周期的な聴覚神経作
用である水車小屋の番人の居眠りや周期的な視覚神経作
用である木漏れ陽の中での居眠り、周期的な震動及び聴
覚神経作用である乗り物でのうたたねなどがあげられ
る。
【0004】本発明者は、これら光や音に対する脳波の
同調特性に着目して光と音の信号を同期させながら脳波
を誘導しつつリラクセーションを行わせるシステムを既
に開示した(特開平5−349220号)。脳波は通常
以下のように周波数によって分類されている。 β波 17Hz 気が散っており、ストレスでイライラしている状態 α波 7〜16Hz α1 12〜16Hz 緊張しながらも物事に集中している状態 α2 9〜11Hz 心身共リラックスし、集中力が非常に高い状態 α3 7〜8Hz 非常にリラックスした安らかな状態 θ波 4〜6Hz 深くリラックスし、まどろみや軽い睡眠の状態 δ波 1〜3Hz 夢もみない熟睡状態
【0005】本発明者のリラクセーション誘導装置は、
同期した光と音の信号を視聴覚神経に作用させ、そのパ
ルス周波数をβ波状態から特定の脳波帯、例えばα3と
なるように変化させることによって脳波誘導を行いリラ
クセーションを図るものである。
【0006】さらに本発明者は、前記のようにしてリラ
クセーションを行った後再び脳波を集中力の高い状態、
例えばα2の状態に誘導してこの状態で効果的に学習を
行わせるリラクセーション応用学習方法及び装置につい
ても既に開示した(特願平7−169322号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記した本発明者のリ
ラクセーション誘導装置は、光と音とを同期させてパタ
ーン化した断続信号として脳神経に作用させるものであ
るが、これをより効率的に行って脳波誘導を確実なもの
にするためには、より詳細な刺激方法の検討が必要であ
ることが本発明者によって見出された。特に、光刺激を
サーカディアンリズムの原点である太陽光と視感度との
関係でスペクトル的に再検討を行うこと、及び被験者の
体感快適性を増す検討を加えることが重要であることが
わかった。
【0008】本発明の目的は、脳波誘導によるリラクセ
ーションを効果的に行いうるリラクセーション誘導装置
を開示することである。本発明の別の目的は、誘導され
たリラクセーション状態を利用して効果的に学習させる
方法を開示することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】視覚信号による右目から
の刺激及び左目からの刺激は、それぞれ左右の後頭部へ
分かれて伝達され、聴覚信号による右耳からの刺激は左
前・側頭部へ、左耳からの刺激は右前・側頭部へとクロ
スしながら伝達されることが明らかになっている。従っ
て、適当に信号をパターン化しながら左右の目及び耳に
別個に信号を入力してやることが脳波全体の誘導には必
要となる。
【0010】本発明では、左右の眼に対してそれぞれ別
個光信号を入力しうる第1の入力装置と、左右の耳に対
してそれぞれ別個に音信号を入力しうる第2の入力装置
と、前記第1、第2の入力装置のそれぞれに、互いに同
調させて光または音の断続信号を送付しうる制御装置
と、前記制御装置を制御する信号プログラム発生装置と
を備えたリラクセーション誘導装置において、前記第1
の入力装置に備えられ且つ前記光信号を発生する素子
が、その輝度スペクトルにおいて500乃至550nm
の範囲に輝度ピークを有し、且つ400乃至730nm
の可視波長範囲のみにスペクトルを有すると共に、当該
スペクトルは前記輝度ピークを境とする長波長側で短波
長側よりも高い積分強度を示す非対称性を有する電光変
換素子で構成される。ここに積分強度とは、輝度ピーク
の長波長側または短波長側における波長と分光輝度との
面積積分値をさす。
【0011】本発明のリラクセーション誘導装置におい
ては、さらに、複数個の突起状遠赤外放射媒体を被験者
の経絡に沿って当該被験者に圧接する如く配置し、且つ
当該突起状遠赤外放射媒体の各々を一定温度に加熱する
手段を具備して成り、加熱によって波長5μm以上の遠
赤外線を50℃以下の低温で効率よく放射せしめる遠赤
外経絡用刺激装置を付加した。ここに経絡とは、東洋医
学でいう経穴(ツボ)を連結する生体回路網の形成腺で
ある。
【0012】本発明のリラクセーション誘導装置におい
ては、さらに、前記断続信号の周波数をfとする時前記
光信号及び音信号の強度を1/fに比例する如く制御す
る機能を前記制御装置に付加する。さらに、前記信号プ
ログラム発生装置のプログラムにおいて、誘導脳波がほ
ぼ一定の周波数fcを示す中心過程を経過する際、前記
同期させた光または音の被験者への入力信号の強度が1
/fc′(fc′<fc)のゆらぎを有する如く前記制御
装置3を制御する機能を付加する。
【0013】また、本発明では前記誘導装置を用いた脳
波誘導の過程もしくは脳波誘導完了後の状態で、被験者
に予め用意された学習プログラムを与えて学習せしめる
リラクセーション誘導型の学習方法を開示する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の考え方を先ず説明する。
人間の網膜には棹状と錐状の視細胞が分布しており、入
光した光信号を受けて視神経で電気信号に変換して脳へ
刺激として伝達する。光は物理的なエネルギーとして網
膜まで到達するが、ここで視神経によって測光量に変換
される。即ち、測光量とは、物理的エネルギー(放射
量)に心理量である眼の視感度を掛けたものである。錐
状体では自然光の直射下など明視野の測光を主に受持ち
視力や色覚を司る。一方棹状体は一本の視神経に多数連
結しているため解像力は悪いが一本の神経を興奮させる
能力が大きく暗所がよく見え、光覚を司っている。従っ
て、明視野と暗視野では異なる視細胞が働いて異なる比
視感度を示す。標準観測者による比視感度曲線が測定さ
れており、暗所視では507nm、明所視では555n
mに視感度のピークがある。
【0015】本発明等で用いられるリラクセーション誘
導装置の光信号は脳波誘導を目的としたもので比較的高
い輝度を示し、前記した明所視(555nmピーク)に
相当する。しかし、被験者は開眼して光信号を受けるの
ではなく瞼を閉じて受光する。このために光信号を放射
する装置の光源スペクトルに比べて、視細胞(主として
錐状体)に到達した光信号スペクトルは皮下組織のフィ
ルタ作用によって長波長側にシフトしている。この点か
ら、光源スペクトルとして500〜500nmの範囲に
ピークを有する発光素子を用いるならば、視感度が最も
高くなり省エネルギーとなる。
【0016】また、人間の眼に光として感知できる波長
範囲は、前記明所視の場合比視感度曲線から400乃至
730nmであるため、光源の全スペクトルがこの波長
範囲に入ることが省エネルギーの観点から好ましい。さ
らに太陽光スペクトルは可視領域で検討すると前記視感
度ピーク(555nm)より長波長側(赤成分側)で短
波長側(青成分側)よりも大きな積分強度を示してい
る。従って、光源スペクトルとしては前記ピークよりも
長波長側で高い積分強度を示す非対称性を有するもので
あることが、光刺激の目的からは好ましい。
【0017】一方、赤外線領域の光は、いわゆる熱であ
る。熱は皮膚を介して体内に進入し、末梢神経(温感神
経)に作用して熱刺激を大脳へ伝える。この結果、快適
性が加速されリラックスが促進される。血管が拡張し筋
肉が弛緩して血流量が増大する。赤外線を発する領域が
セラミクスの適当な形状を有しており、経絡経穴を押圧
で刺激すれば快適性はさらに倍加する。赤外光は皮膚表
面で一部反射し、一部透過する。透過率は赤外光の波長
が長くなる程大きくなる。従って遠赤外線になる程熱は
皮膚を通過して温感神経を直撃することができる。即
ち、低いエネルギーでも同じ温かさ感が得られるので省
エネルギーとなる。また低温でも同じ温かさ感が得られ
るので安全性が高い。
【0018】本発明のリラクセーション誘導装置はスト
レス状態(β波過剰脳波)からストレス解放状態(α波
過剰脳波)まで比較的短時間に光及び音の刺激によって
誘導しようとするもので、典型的には図2で示す如く脳
波の周波数を下げる「導入過程」、ほぼ一定の周波数で
経過する「中心過程」、そして最終的な生活復帰状態で
ある脳波周波数まで高める「エンディング過程」からプ
ログラム構成される。このうち脳波をストレス解放状態
に誘導する「導入過程」では、図2に示すように意図的
に周波数fにゆらぎを与えるのが普通である。なお、図
2でWは脳波誘導プログラムの周波数ラインを指す。
【0019】脳波は、脳神経線に情報が電気信号として
伝達される際の測定位置における生体電位変動であり、
もともと生体の他の部位同様そのパワースペクトルは1
/fのゆらぎをもっている。そこで外部から入力する刺
激を1/fの強度分布を持つようにして導入してやれ
ば、よりスムーズに脳神経系を同調させることが可能と
考えられる。
【0020】また、ストレス解放状態でほぼ一定の周波
数fcを示す「中心過程」ではα波が出ている状態であ
る。快適な気分のα波においては、その周波数ゆらぎは
1/fであることが知られている。従って外部の誘導刺
激、即ち同期させた光または音の被験者への入力信号の
強度を1/fc′(fc′はゆらぎ周波数でα波の波形が
ゼロを切る時間間隔の周波数、fc′<fc)に比例する
ように調節してやれば被験者の快適性はより高まり、脳
波同調の安定性が高まる効果が期待される。
【0021】以下、本発明をなお詳しく述べる。図1は
一実施の形態におけるリラクセーション誘導装置の構成
を示す図である。図1(A)は装置全体の関連を示す模
式図であり、(B)は光信号を被験者の眼に入力するた
めの装置の構成を示す断面図である。図において、1は
左右の眼に対してそれぞれ別個に光信号を入力しうる装
置(光信号入力装置)、2は左右の耳に対してそれぞれ
別個に音信号を入力しうる装置(音信号入力装置)、3
は1と2のそれぞれ互いに同期させて光または音の断続
信号を送付しうる制御装置(信号制御装置)、4は3を
制御するプログラム信号発生装置である。また、11は
ゴーグルの突部(ボス)、12は外部音声入力端子、1
3は発光ユニット、14は投光板、15は鼻当て、16
は止め部材(ねじ)、17と18は当板、31は取付
板、32は電光変換素子である。
【0022】光信号入力装置1は図1(B)に示すよう
な光ゴーグル(光アイマスク)であり、光信号の強弱や
周波数は信号制御装置3によって音信号と同期して行わ
れる。その電源も信号制御装置3に内蔵されており、両
者はケーブルで接続されている。また、音信号入力装置
2はヘッドホンであり、音信号の強弱や周波数は信号制
御装置3によって光信号と同期して行われる。信号制御
装置3には、外部音声入力端子12が備えられており、
この端子から例えばBGMや指示音声などを取り込み、
前記音信号とミキシングしたり機能選択する機能があ
る。これら音声信号はケーブルによって音信号入力装置
に伝送される。プログラム信号発生装置4は、ストレス
解消や集中力着成、創造力開発、睡眠促進、瞑想、学習
などの仕様目的別に複数の誘導プログラムを内蔵してお
り、被験者が選択して装置を稼働することができる。4
は3に接続しており、3の駆動を制御するものである。
【0023】光信号入力装置1で使用される電光変換素
子32は、その発光が閉じた瞼を通して視細胞、視神経
を経由して大脳に刺激を与えるインターフェースであ
り、発光特性が極めて重要である。
【0024】従来は白熱ランプや赤色発光ダイオードが
用いられていた。しかし、白熱ランプは寿命が短く、ま
た赤外線の放射割合が高いためゴーグル内に熱がこもり
不快感が高まるという不都合があった。一方、赤色発光
ダイオードは青緑色成分が欠如しているため、サーカデ
ィアンリズムの原点である太陽光スペクトルとは異質で
あり、脳波に与える影響が必ずしも充分ではないという
欠点があった。これらに代わって本発明者は蛍光表示管
を使うことを提唱したが、これまではスペクトル的検討
が不十分であった。
【0025】図3は、本実施の形態における電光変換素
子の輝度スペクトルを示す。横軸は分光波長、縦軸は発
光強度(相対輝度)を示す。電光変換素子32はZn
O:Znを蛍光体とする蛍光表示管であり、その輝度ピ
ークは実線で示されたスペクトルから507nm付近に
あることがわかる。また、発光領域は400〜730n
mの範囲(可視領域)全体に亘り、非可視領域では発光
しないため視神経刺激目的の電光変換素子としては経済
的である。被験者が瞼を閉じてこの素子の放出光を受け
た場合、毛細血管の多数分布する皮下組織のフィルタを
透過して視神経に至るので、そのスペクトルは、大略図
3の点線表示のように長波長側にシフトする。即ち、ピ
ーク波長は535nm付近となり赤色光の成分が強くな
る。この電光変換素子のピークより短波長側の積分輝度
(積分強度とも呼ぶ。以下同じ)(A領域と図示)はピ
ークより長波長側の積分輝度(B領域と図示)より小さ
く、発光スペクトルが太陽光のように赤成分のやや強い
光になっていることを示しているが、点線表示の曲線は
一層赤色成分を多く含み、より太陽光スペクトルに近い
ことを示す。また、点線表示曲線のピーク波長(535
nm)は、明視野の視感度ピーク波長555nmに近
く、視細胞に光信号として認識されやすい輝度スペクト
ルとなっている。
【0026】以上の点から本実施の形態の電光変換素子
は効率的にサーカディアンリズムを誘発する光信号源と
して有効な省エネルギー型デバイスであると云える。図
3ではZn0:Zn蛍光表示管の例を示したが、この他
3Al512:Ce光励起管、GaP:N緑色発光ダイ
オードも本発明の電光変換素子の要件を満たしており、
用いて好適である。
【0027】一方、被験者の体感快適性を高めるための
リラクセーション誘導装置について、以下に2つの実施
の形態を述べる。図4(A)は、図1(A)に示したリ
ラクセーション誘導装置の制御装置3に接続して遠赤外
経絡刺激装置5を付加した構成例を示す。遠赤外経絡刺
激装置5は、図4(B)に断面図を示したように直径1
5〜25mm程度の半球状セラミクス21の中空内部に
発熱体、例えばニクロム線22を配置し、半球状セラミ
クス21の裏面で端子24によりニクロム線22を絶縁
固定した後隣接する半球状セラミクス21とケーブル2
3によって直列接続し、これを複数個連結した構造とな
っている。通常は図4(A)で示したように半球状セラ
ミクス群を2列にし、被験者が長椅子等に仰臥した時に
その背骨の両側にある経穴に各半球状セラミクス21が
当接するように配置する。このためにケーブル23はフ
レキシブルとするのが便利である。最も柔らかな長寝椅
子の背に半球状セラミクス群を埋め込んで固定して使用
することも可能である。
【0028】半球状セラミクス21は、例えばAl23
系セラミクスを成形焼結したものであり、波長5μm〜
30μmの遠赤外領域の熱放射効率が極めて高い。また
電気絶縁性を有すると共に熱伝導率が極めて大きいとい
う特徴をもつ。ニクロム線22は端子24を介してケー
ブル23によって最終的には制御装置3内の通電制御器
(図示せず)に接続されている。そして、センサー(図
示せず)によって半球状セラミクス21表面の温度を検
出し、50℃以下の定温(通常は35〜40℃)になる
ようにニクロム線22を通電加熱する。
【0029】この結果、被験者の経絡に沿う経穴が心地
よく加温され、温感神経の作用で筋肉が弛緩すると共に
血管が拡張して血流量が増大する。この状態は身体が入
浴時などにリラックスした場合に相当し、脳波誘導に大
きなプラス効果をもたらす。図示してないが、半球状セ
ラミクス21は、さらに被験者の足裏に当接して加温す
ると、より高い効果が得られることがわかった。
【0030】図4では遠赤外経絡刺激装置5として電気
加熱型半球状セラミクス群をあげたが、本発明の遠赤外
経絡刺激装置はこれにとどまるものではない。例えばN
iOやTiO2などのセラミクス粉ねり込みプラスチッ
ク板や黒色塗装した金属片などを用いて突起形状に加工
することも可能である。
【0031】さらに、本発明の別の体感快適性を与える
実施の形態について述べる。今、図1で構成を示したリ
ラクセーション誘導装置を用いて、図2に示す誘導プロ
グラムに沿って脳波をHiβ波の状態(被験者がイライ
ラして疲れている状態)からLowα波の状態(ゆった
りした気分で半覚醒の状態)を経てβ波の状態(眼が醒
めて仕事に取り組める意欲ある状態)に誘導する過程に
ついて説明する。導入過程では周波数を30HzからL
owαの7Hzまで次第に下げていくが、周波数逓減は
高低を何度も繰り返しながら行う。このようなプロセス
は脳波を誘導波に同調しやすくするために設けられてお
り、経時的に周波数の高低差を次第に小さくしていく。
この時光信号入力装置1と音信号入力装置2からの同期
した被験者への信号入力を、信号パルス周波数fに対し
てパワーが1/fに比例するように信号制御装置3で調
整して与える。即ち信号パルス周波数が高い時は低いエ
ネルギーの刺激を、逆に信号パルス周波数が低い時は高
いエネルギー刺激を与えるのである。これは、人間の神
経系を刺激パルスが伝搬する時そのパルスのパワースペ
クトルが1/fのゆらぎを持つようにして大脳に伝わる
ことが明らかにされているためである。生体情報をパル
ス密度で読み取る場合1/fゆるぎを持って伝搬する
と、情報をカウントする平均時間(情報読み取りの基本
時間)がどれだけであってもパルス平均値のばらつきは
一定になる、つまり情報の質が一定に保たれているため
大脳にとって好ましいという事情によると説明されてい
る。
【0032】本発明は、神経系への刺激に関するこの性
質を巧みに利用したものであり、誘導刺激波に最初から
この性質を付与しておくことによって、この性質を付与
しない場合の刺激波に比べて数分の1という短時間のう
ちに脳波がHiβ波状態からLowα波状態まで誘導で
きことがわかった。さらに脳内血流値が大幅に増加する
ことがわかった。
【0033】さらに同様の原理を応用して、本発明では
図2の中心過程、即ち誘導脳波がほぼ一定(周波数
c)のLowα波の状態で時間経過している過程に被
験者への入力信号の強度が1/fc′(fc′<fc)の
ゆらぎを有するように制御装置3を機能させる。ただし
ここでfc′はゆらぎの周波数である。1/fc′のゆら
ぎは次のようにして定めることができる。即ち音または
光の強弱を示すエネルギー波(横軸は時間)の中央線を
横切る時間幅(ゼロクロス幅)を各波毎にとりその逆数
からfcを求める時fcがfc′だけゆらぐように、即ち
光や音の刺激値に強弱をつけそのパワースペクトルが1
/fc′に比例するように定めるのである。これは、名
曲(心地よい音楽)の強弱のリズムが1/fゆらぎをも
っていることが指摘されているのでそのリズムを利用し
て構成してもよい。
【0034】いずれにしてもLowα波(7Hz近辺)
の刺激に1〜2Hzのゆらぎを与えてそのパワースペク
トルがゆらぎ周波数の逆数に比例するようにして中心過
程を進めるならば、被験者の快適性はさらに高まりリラ
クセーションがより深まることが確認された。この時脳
の血流値がさらに増大することがわかった。
【0035】本発明の上記した1/f刺激過程を経た後
図2のエンディング過程に至り、α波〜β波で誘導プロ
グラムを終了するならば心身のストレスが心地よく解消
され、高い意欲で仕事や学習に取り組むことができる。
脳波計測を行いながら被験者の学習意欲、学習成績をチ
ェックすると、上記した本発明のリラクセーション誘導
装置を用いて図2の導入過程及び中心過程を経てエンデ
ィング過程を終えた時、最終脳波が12〜16Hzのα
1波状態にある時は最も学習意欲、成績共にすぐれてお
り、速く深く記憶できることがわかった。また、最終脳
波が17〜18Hzのβ波状態にある時は最も行動意
欲、成績にすぐれ心地よい緊張感の中で能率の高い仕事
ができることがわかった。
【0036】以上の説明では述べなかったが、本発明の
リラクセーション誘導装置に音声や画像による学習プロ
グラムを組み込むことが可能であることは云うまでもな
い。このような付加機能を設ければ、受験生の勉強や自
己能力の開発にも大きく役立つ。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、脳波
誘導による心身のリラクセーションを能率的に且つ効果
的に行うことができる。即ち、より短時間により深くス
トレスから解放された状態を作り出すことができ、心身
の不調回復に寄与することができる。脳内血流値が大幅
に増大するので、脳疾患の治療にも応用できると期待さ
れる。また本発明によれば、高い集中心をもって能率的
に学習や仕事をこなすことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態におけるリラクセーション誘導装置
の構成を示すための図である。図1(A)基本構成図、
(B)は光信号入力装置の構造を示す図である。
【図2】リラクセーションのために本発明で用いられる
誘導プログラム例を示す。
【図3】実施の形態の電光変換素子の輝度スペクトルを
示す図である。
【図4】別の実施の形態におけるリラクセーション誘導
装置の構成を示す図である。図4(A)は基本構成図、
(B)は遠赤外経絡刺激装置の構造例を示す図である。
【符号の説明】
1 光信号入力装置 2 音信号入力装置 3 信号制御装置 4 プログラム信号発生装置 5 遠赤外経絡刺激装置 11 突部(ボス) 13 発光ユニット 14 透光板 15 鼻当て 16 止め部材(ねじ) 17、18 当板 21 半球状セラミクス 22 ニクロム線 23 ケーブル 24 端子 31 取付板 32 電光変換素子

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の眼に対してそれぞれ別個に光信号
    を入力しうる第1の入力装置と、左右の耳に対してそれ
    ぞれ別個に音信号を入力しうる第2の入力装置と、前記
    第1、第2の入力装置のそれぞれに、互いに同期させて
    光または音の断続信号を送付しうる制御装置と、前記制
    御装置を制御する信号プログラム発生装置とを備えたリ
    ラクセーション誘導装置において、 前記第1の入力装置に備えられ前記光信号を発生する素
    子が、その輝度スペクトルにおいて500乃至550n
    mの範囲に輝度ピークを有し、且つ400乃至730n
    mの可視波長範囲のみにスペクトルを有すると共に、当
    該スペクトルは前記輝度ピークを境とする長波長側で短
    波長側よりも高い積分強度を示す非対称性を有する電光
    変換素子で構成されることを特徴とするリラクセーショ
    ン誘導装置。
  2. 【請求項2】 更に複数個の突起状遠赤外放射媒体を被
    験者の経絡に沿って当該被験者を圧接する如く配置し、
    且つ当該突起状遠赤外放射媒体の各々を一定温度に加熱
    する手段を具備して成り、加熱によって波長5μm以上
    の遠赤外線を50℃以下の低温で効率よく放射せしめる
    遠赤外経絡刺戟装置を付加したことを特徴とする請求項
    1記載のリラクセーション誘導装置。
  3. 【請求項3】 更に、前記断続信号の周波数をfとする
    時前記光信号及び音信号の強度を1/fに比例する如く
    制御する機能を前記制御装置に付加して成る請求項1ま
    たは2記載のリラクセーション誘導装置。
  4. 【請求項4】 更に、前記信号プログラム発生装置のプ
    ログラムにおいて、誘導脳波がほぼ一定の周波数fc
    示す中心過程を経過する際、同期させた光または音の被
    験者への入力信号の強度が1/fc′(fc′<fc)の
    ゆらぎを有する如く前記制御装置を制御する機能を付加
    したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    のリラクセーション誘導装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のリラク
    セーション誘導装置を用いた脳波誘導の過程もしくは脳
    波誘導完了後の状態で、被験者に予め用意された学習プ
    ログラムを与えて学習せしめるリラクセーション誘導型
    の学習方法。
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