JP2693493B2 - テトラフェニルボレートイオンを含むグアニジン関連化合物及びその製法 - Google Patents

テトラフェニルボレートイオンを含むグアニジン関連化合物及びその製法

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JP2693493B2 JP63152079A JP15207988A JP2693493B2 JP 2693493 B2 JP2693493 B2 JP 2693493B2 JP 63152079 A JP63152079 A JP 63152079A JP 15207988 A JP15207988 A JP 15207988A JP 2693493 B2 JP2693493 B2 JP 2693493B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、グアニジン基を含む物質に結合されるテト
ラフェニルボレートイオンを含むグアニジン−関連化合
物並びにかかる化合物の製法に係り、該化合物はグアニ
ジン基の保護を保証する物質を溶解する手段として、特
にアミノ酸またはペプチドからペプチドを合成する際に
使用できる。
ドイツ特許出願(DOS)第2,716,477号は、特に以下の
一般式: (但し、R1〜R4は脂肪族、環式、アリール化脂肪族、芳
香族または複素環式基を表し、またR1のみは水素原子で
あってもよい) で示されるN,N′,N″−置換グアニジン塩を開示してい
る。
置換グアニジン基の炭素原子上でプロトン化されてい
るこれらの物質はカルバミン酸のハロゲン化誘導体か
ら、および置換チオ尿素から合成され、触媒、植物保護
剤および製薬用染料として使用できる。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、構造式は上記物質と似ているが、グアニジ
ン基の窒素原子のすべての原子価(一つを除く)が水素
原子で飽和されている新しい部類の化合物を提供するこ
とを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明の化合物はグアニジン基およびテトラフェニル
ボレートイオンを含み、以下の一般式に相当する: 該一般式において、Rは少なくとも一つの他のアミノ基
を含む有機基を表す。Rは、一般に一つのアミノ基の他
にカルボキシル基をも含む残基を表し、該アミノ基、カ
ルボキシル基は場合により置換されていてもよい。
通常、Rは以下の一般式: (ここで、X、AおよびYは夫々独立に直鎖、分岐鎖ま
たは環状の、飽和または不飽和の、置換または未置換の
脂肪族基、芳香族基、アリール化脂肪族基または複素環
式基を表し、Aは更に水素原子であってもよく、かつY
はヒドロキシル基またはハロゲン原子であってもよい。
一般に、Xは直鎖、分岐鎖または環式の、置換または
未置換の、飽和もしくは不飽和の、炭素原子数25までの
脂肪族基を表し、 Aは水素原子、脂肪族または芳香族基(複素原子を含
む)あるいはまた例えば保護基または活性化基、ペプチ
ド結合により結合した1またはそれ以上のアミノ酸残基
を表し、いくつかのアミノ酸残基は場合により保護基ま
たは活性化基で置換されている、 Yはヒドロキシル基、ハロゲン原子、場合により複素
原子を含む脂肪族または芳香族基、例えば保護基または
活性化基、アミノ基、アミノ酸またはペプチド(いくつ
かの基は場合により保護基または活性化基並びに一般
式:NR1R2(ここでR1およびR2は各々独立に水素原子ま
たは炭素原子数1〜3のアルキル基である)によって置
換されていてもよい)を表す。
好ましくは、Xは一般式:CH2 n(ここでnは1〜
10の整数である)のアルキレン基を表し、 Aは水素原子、アミノ酸残基、ペプチド残基または保
護基を表し、 Yはヒドロキシル基、保護基、活性化基、アミノ酸残
基またはペプチド残基を表す。
特に好ましくは、Xは基:CH2 n(但し、nは1〜
6である)であり、 Aは水素原子、保護基例えば特にベンジルオキシカル
ボニル(Z)またはt−ブチルオキシカルボニル(t−
Boc)、アミノ酸またはペプチド残基(これらは場合に
より上記と同様の保護基で置換されていてもよい)を表
し、および Yはヒドロキシル基、保護基例えばベンジルエステ
ル、活性化基例えばN−ヒドロキシサクシンイミド、ま
たはアミノ酸もしくはペプチド残基(保護基および/ま
たは活性化基またはアミノ基によって置換されていても
よい)を表す。
最後に、良好な結果は以下のような場合に得られた。
即ち、Xが基:CH2 3であり、Aが水素原子、場合に
より置換されたアミノ酸残基または保護基、例えばベン
ジルオキシカルボニルまたはt−ブチルオキシカルボニ
ルであり、かつYがヒドロキシル基または場合により置
換されたアミノ酸残基である場合に良好な結果が得られ
た。
アミノ酸とは、少なくとも一つのカルボキシル基と少
なくとも一つの第1または第2アミノ基を含む任意の有
機酸、例えば公知の天然または合成アミノ酸を意味し、
ペプチドとは天然または合成アミノ酸の任意の組合せか
ら得られる任意のペプチドを意味する。
保護基とは、文献、より詳しくは エム.ボダンスキー(M.Bodanszky),ペプチド合
成の原理(Principles of Peptide Synthesis)、198
4、第16巻、有機化学における反応性と構造の概念(Rea
ctivity and Structure Concepts in Organic Chemistr
y); エム.ボダンスキー、エー.ボダンスキー(A.Boda
nszky),ペプチド合成の実際(The Practice of Pepti
de Synthesis),1984、第21巻、有機化学における反応
性と構造の概念(Reactivity and Structure Concepts
in Organic Chemistry)、 に保護の目的で述べられている任意の化合物を意味す
る。
例として、以下の保護基を本発明の化合物で用いるこ
とができる。
アシル型保護基、例えば特にホルミル、トリフルオ
ロアセチル、フタロイル、4−トルエンスルホニル、ベ
ンゼンスルホニルおよび2−ニトロフェニルスルフェニ
ル; 芳香族ウレタン型保護基、例えば特に置換または未
置換ベンジルオキシカルボニル、例えばp−クロロベン
シルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカル
ボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、p−メ
トキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキ
シカルボニル、2−(4−ビフェニルイル)−プロピル
(2)−オキシカルボニル、2−(3,5−ジメチルオキ
シフェニル)−プロピル(2)オキシカルボニル、およ
びトリフェニルホスホノエチルオキシカルボニル; 脂肪族ウレタン型保護基、例えば特にt−ブチルオ
キシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、
イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、
アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキ
シカルボニル、2−メチルスルホニルエチルオキシカル
ボニルおよび2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニ
ル; シクロアルキルウレタン型保護基、例えば特にシク
ロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカル
ボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、t−アミル
オキシカルボニルおよびイソボルニルオキシカルボニ
ル; チオウレタン型保護基、例えば特にフェニルチオカ
ルボニル: アルキル型保護基、例えば特にトリフェニルメチル
(トリチル)およびベンジル; トリアルキルシラン基、例えばトリメチルシラン;
および アルコキシ基、例えば特にメチルエステル、エチル
エステル、t−ブチルエステルおよびベンシルエステ
ル。
活性化基とは文献、特に上で述べたエム.ボダンスキ
ーおよびエム.ボダンスキー、エー.ボンダスキーによ
る論文に記載されているような、公知のまたは未知の任
意の活性化基を意味する。
通常、オキシカルボニル、オキシカルボキシル、N−
オキシイミドイル、イミダゾイル、例えば特にピバロイ
ルオキシカルボニル、N−ヒドロキシサクシンイミドイ
ル、ジシクロヘキシルカルボジイミドイルまたは4−ニ
トロフェニルエステル基が活性化基として用いられる。
本発明の好ましい化合物は以下の式で示されるものに
相当する。
上記一般式において、aaはペプチド結合によってアル
ギニンに結合したアミノ酸またはペプチド残基を表し、
かつアミノ基およびカルボキシル基は場合により保護ま
たは置換されていてもよい。この種の保護は以下のよう
な場合に必要となる。即ち、いくつかの官能基、特にア
ミノ基またはカルボキシル基をブロックして、この化合
物を使用する後の反応にこれら基が関与するのを防止す
る必要がある場合に必要とされる。いくかつのアミノ酸
またはペプチドのカルボキシル末端は更にアミノ基、例
えば−NH2または−NHCH2CH3によって置換されていても
よい。
特に好ましくは、aaはアミノ酸残基を表す。
本発明の化合物は、公知または未知の反応を組合せ、
かつ一般にもしくは特別に単一の特定の化合物もしくは
一群の化合物に応用される任意の適当な有機合成により
調製できる。
本発明の化合物の調製において良好な結果を与えた方
法はテトラフェニルボレート塩およびグアニジン基を含
む物質を用いることからなる。
本発明の化合物の合成のために用いられるテトラフェ
ニルボレート塩は任意の無機または有機塩基から形成で
きる。
有機塩基、より詳しくは窒素含有有機塩基、例えば2
級、3級または複素環式アミンが通常使われる。良好な
結果は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミ
ン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N
−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、トリ−n
−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミンおよびイミダ
ゾールによって得られた。
テトラフェニルボレート塩は溶媒またはその混合物の
存在下での反応に使われる。単一の極性有機溶媒、例え
ば特にジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドンまたはア
セトニトリルが一般に使われる。良好な結果を与える溶
媒はN,N−ジメチルホルムアミドである。
使用するテトラフェニルボレート塩の量は広い範囲で
変えることができる。一般に、グアニジン基含有物質1
モルにつき20〜1モル、好ましくは10〜1モル、特に好
ましくは1モルのテトラフェニルボレート塩を使用す
る。
本発明の化合物の製法で使用する他の操作条件は、本
発明において臨界的ではない。かくして、この方法を実
施する圧力は、一般に0.1〜10バールであり、かつ、良
好な結果は大気圧下で得られた。この方法を行う温度
は、通常−60〜100℃であり、これは最終的に調製しよ
うとする化合物および反応試薬の性質に応じて変えるこ
とができる。
この方法はそのために設計された任意の装置内で行え
る。
本発明の化合物は化学合成における中間体として使用
できる。
これら化合物の有機溶媒に対する溶解度のために、特
にこれら化合物自身が他の物質とカップリングする場合
に、特に欧州特許出願第0,184,243号(トリアルキルシ
アノシランに係る方法に関する)に記載されているよう
な、アミノ酸からのペプチドの合成において特に使用で
きる。
更に、グアニジン基を保護するテトラフェニルボレー
トイオンが該グアニジン基の対イオンであるという事実
のために、選択的カップリングの形成の際にこのグアニ
ジン基の保護が保証され、かくして高純度の生成物を該
合成中に得ることが可能となる。事実、ペプチド合成の
終了時において、このテトラフェニルボレートイオン
は、任意の公知の方法、例えば水の添加によって、グア
ニジン基含有生成物から容易にはずすことができ、かつ
このことはグアニジン基を遊離できるばかりでなく、初
めのテトラフェニルポレートイオンの再形成をも可能と
する。このようにして、この塩を回収し、反応媒質が酸
性でない場合には再循環し得る。
更に詳細には、本発明はアルギニンおよびアルギニン
含有ペプチドを溶解するための手段としてこのテトラフ
ェニルボレートイオンを用いることに関連する。ここ
で、該アルギニンおよびペプチドは有機溶媒中で遊離し
ているが、側鎖においてプロトン化されている。
(実施例) 以下の記載する実施例は本発明を例示するためのもの
である。
以下の実施例においては、下記の如き略号を用いた。
−Arg :アルギニン −Gly :グリシン −Leu :ロイシン −Pro :プロリン −O−Piv :ピバロイルオキシ(トリメチルアセチルオ キシ) −O−Succ:N−ヒドロキシサクシンイミド −Z :ベンジルオキシカルボニル型保護基 −t−Boc :t−ブチルオキシカルボニル型保護基 −DMF :N,N−ジメチルホルムアミド −Et :エチル基:−CH2-CH3 実施例1 アルギニンとテトラフェニルボレートから形
成される化合物の合成 8.71g(0.050モル)のプロトン化アルギニン(H−Ar
g OH)、23.18g(0.055モル)のトリエチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレートおよび次に100mlのDMFを、冷
却器と撹拌機とを備え温度調節された容量250mlの反応
器に順次導入する。
この混合物を、激しく撹拌しつつ大気圧下で25℃にて
5分間保った。
この混合物1kg当たりの、アルギニンとテトラフェニ
ルボレートとから形成された化合物の濃度は0.397モル
である。
この混合物はペプチド:t-Boc-Leu-Arg-OHの合成に直
接用いることができる。
実施例2 アルギニンとテトラフェニルボレートとから
形成された化合物の、ペプチド:t-Boc-Leu-Arg OHの合
成での利用 a) ペプチド:t-Boc-Leu-Arg OHの合成 アミノ基をt−Bocで保護し、かつカルボキシル基を
O−Succで活性化した17.57g(0.054モル)のLeuを固体
として実施例で得た混合物に加え、25℃に保つ。
25℃で4時間保った後、この反応溶液はカップリング
度100%で得られたジペプチド:t-Boc-Leu-Arg OHを含
む。
b) トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート
の単離 900mlの水を、冷却器、滴下ロートおよび撹拌機を備
えた容量2lの反応器に導入する。温度を5℃にする。
滴下ロートを用いて、ジペプチド:t-Boc-Leu-Arg OH
を含む上記反応溶液を、激しく撹拌しつつ30分間に亘り
加え、一方で温度は5〜10℃に保つ。
トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレートは5
℃にて1時間に亘り徐々に沈澱する。この沈澱を、多孔
率4の焼結円板を通して濾過することにより分離し、次
いで50mlずつの水で4回洗浄する。
1mbの減圧下にて50℃で乾燥した後、22.95gのトリエ
チルアンモニウムテトラフェニルボレートを回収する。
即ち、使用した量の99%を回収する。
c) ペプチド:t-Boc-Leu-Arg OHの抽出および精製 t-Boc-Leu-Arg OHを含む濾液および洗液を、60℃で1m
bの減圧下でロータリーエバポレータで濃縮して、約20g
の残留物とする。
この残留物を、撹拌機付反応器内で周囲温度には400m
lのアセトンで処理する。この残留物は徐々に分散し、
白色沈澱を生ずる。
激しい撹拌下で2時間処理した後、得られる懸濁液を
5℃にて24時間保つ。
次に、多孔率4の焼結円板を介して濾過して形成した
沈澱を分離し、20mlずつのアセトンで4回洗浄する。
1mbの減圧下で、40℃にて乾燥した後、粉末状の白色
固体17.5gが回収され、そのジペプチド:t-Boc-Leu-Arg
含有率は95%、即ち純ジペプチドの収率は86%である。
実施例3 ベンジルオキシカルボニル基で保護されたア
ルギニンとテトラフェニルボレートから形成される化合
物の合成 1500mlのDMF、154g(0.5モル)のアルギニン(そのα
−アミノ基はベンジルオキシカルボニル基で保護されて
いる(Arg−Z)、および210.5g(0.5モル)のトリエチ
ルアンモニウムテトラフェニルボレートを、冷却器と撹
拌機とを備え温度調節された容量2lの反応器に順次導入
する。
この混合物を激しく撹拌しつつ大気圧下で40℃に1時
間加熱し、次いで得られる溶液を−20℃に冷し、この温
度で保存する。
混合物1kg当たり、α−アミノ基がベンジルオキシカ
ルボニル基で保護されたアルギニンとテトラフェニルボ
レートとで形成される化合物を0.280モルの濃度で得
る。
実施例4 ジペプチド:Z-Arg-Proの合成:実施例3で得
た化合物の利用 a) ジペプチド:Z-Arg-Proの合成 69g(0.6モル)のプロリンと119g(1.2モル)のトリ
メチルシアノシランとを容量250mlの温度調節された反
応器に順次導入する。この反応器は冷却器、撹拌機およ
び窒素ガスブランケットを保ちかつ水酸化ナトリウムス
クラバーに連結することを可能とする装置を備えてい
る。
この混合物を撹拌しつつ40℃にて5分間加熱する。得
られる溶液(Sol I)は均一であり、周囲温度下で保存
する。
200mlのDMF、67g(0.55モル)の塩化ピバロイル(Piv
−Cl)および44g(0.55モル)のピリジンをもう一つの
容量3lの温度調節された反応器に順次導入する。この反
応器(II)も冷却器、撹拌機、窒素ガスブランケットを
保ちかつこれを水酸化ナトリウムスクラバーに連結する
ことを可能とする装置および滴下ロートを備えている。
この溶液を−30℃にする。
次に、実施例3で得た溶液を、滴下ロートにより10分
間に亘り、激しく撹拌しつつ導入し、一方でこの反応混
合物の温度を−30〜−15℃に維持する。
この反応混合物を−15℃にて5分間保つ。
次に、溶液(Sol I)を5分間かけて導入する。この
反応溶液を−15℃で1時間撹拌し、次いで0℃にて2時
間撹拌する。
カップリング度は85%程度である。
b) トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート
塩の単離 5℃に冷した水5lを、反応器(II)と同様な部品を備
えた温度調節された容量10lの反応器(III)に導入し、
次いで60分かけて上記反応液を導入する。
この混合物を十分撹拌しつつ5℃に保つと、トリエチ
ルアンモニウムテトラボレート塩が徐々に沈澱する。
1時間後に、この沈澱を、多孔率4の焼結円板を通し
て濾過することにより分離し、250mlずつの水で4回洗
浄する。
1mbの減圧下で、50℃にて乾燥した後、209gのトリエ
チルアンモニウムテトラボレート塩が回収される。即
ち、使用量の99%以上が回収される。
c) ジペプチドの抽出および精製 濾液および洗液を1mbの減圧下で、40℃にてロータリ
ーエバポレータにより濃縮して、約300gの残留物と得
る。
この残留物を1の水に溶解し、周囲温度にて徐々に
トリエチルアミンを、pHが安定するまで加えることによ
り、pHを7.5に調節する。
このジペプチド:Z-Arg-Proは双極イオン形状で徐々に
沈澱する。
2時間後、この沈澱を多孔率4の焼結円板を介して濾
過することにより分離する。
この沈澱を20mlずつの水で4回洗浄し、次いで1mbの
減圧下で乾燥する。
このようにして130gの粉末状白色固体を回収する。そ
のジペプチド:Z-Arg-Pro含有率はほぼ100%に当たり、
即ち純生成物の収率は85%である。
実施例5 テトラフェニルボレートと保護ジペプチド:Z
-Arg-Proとで形成される化合物の合成 200mlのDMF、20.3g(0.050モル)の実施例4で得た保
護ジペプチド:Z-Arg-Proおよび19.4g(0.050モル)のイ
ミダゾリジニウムテトラフェニルボレートを、冷却器お
よび撹拌機を備えた容量500mlの反応器に順次導入す
る。
周囲温度かつ大気圧下で1時間撹拌すると、この溶液
と透明となる。
この溶液1kg当たり、テトラフェニルボレートと保護
ジペプチド:Z-Arg-Proとで形成される化合物を、0.220
モルの濃度で得る。
実施例6 Z-Arg-Pro-NH-Etの合成;実施例5で得た化
合物の利用 60mlのDMFに溶解した10.1g(0.063モル)のカルボニ
ルジイミダゾールを実施例5で得た溶液に加える。この
混合物を撹拌しつつ90分間周囲温度に保つ。
次に、DMF100mlに溶した12.2g(0.150モル)のエチル
アミン塩酸塩を加える。この反応溶液を撹拌しつつ周囲
温度に15時間保つ。次いで反応を停止させる。
次でい、この反応溶液を1mlの減圧下で50℃にて、ロ
ータリーエバポレータで濃縮して、約100gの残留物とす
る。
この残留物を水800mlに溶解する。得られる溶液を350
cm3の酢酸エチルと150cm3のエチルエーテルとの混合物
で2回抽出する。相分離後、有機相を1mlの減圧下で40
℃にてロータリーエバポレータで蒸発乾固する。
残渣34.3gが回収される。これは本質的にペプチド:Z-
Arg-Pro-NH-Etとテトラフェニルボレートとで形成され
る化合物からなり、従ってカップリング効率は90%以上
である。
テトラフェニルボレートアニオンとアセテートアニオ
ンとの交換は、アセテート型の、バイオラド(Bio Ra
d)AG1×8型アイニオン樹脂上で、溶液中の該ペプチド
を、水−メタノール混合物(1/2の割合)中で処理する
ことにより行える。
実施例7 テトラフェニルボレートとペプチド:t-Boc-L
eu-Arg-Proとで形成される化合物の合成 300mlのDMF、50.8g(0.105モル)のペプチド:t-Boc-L
eu-Arg-Proおよび40.6g(0.105モル)のイミダゾリジニ
ウムテトラフェニルボレートを、冷却器および撹拌機を
取付けた容器1の反応器に順次導入する。
この混合物を周囲温度、大気圧下で10分間撹拌する。
こうして、均一な溶液が得られる。
これは、混合物1kg当たり、テトラフェニルボレート
とペプチド:t-Boc-Leu-Arg-Proとで形成される化合物を
0.280モルの濃度で含んでいる。
実施例8 ペプチド:t-Boc-Leu-Arg-Pro-Gly-NH2の合
成:実施例7で得た化合物の利用 19.5g(0.120モル)のカルボニルジイミダゾール(10
0mlのDMFに溶解)を実施例7で得た均一溶液に加える。
この混合物を周囲温度にて100分間撹拌する。
200mlのDMFに溶した82.8g(0.210モル)のプロトン化
グリシンアミドのテトラフェニルボレート塩をこれに加
える。この反応溶液を周囲温度にて15時間撹拌する。
3lの水に溶した57.8g(0.420モル)のトリエチルアミ
ン塩酸塩を冷却器、撹拌機および滴下ロートを備え、温
度調節された容量5lの反応器に導入する。
滴下ロートを用いて、この反応溶液を激しく撹拌しつ
つ30分かけて加え、一方で温度を5〜10℃に保った。ト
リエチルアンモニウムテトラフェニルボレートが次第に
沈澱する。
5℃で1時間維持した後、多孔率4の焼結円板を通し
て濾過することによりこの沈澱を分離し、30mlずつの水
で4回洗浄した。
1mbの減圧下で、50℃にて乾燥すると131.3gのトリエ
チルアンモニウムテトラフェニルボレートが回収され、
これは使用したテトラフェニルボレートイオンの量の99
%に相当する。
上記濾液および洗液を、1mbの減圧下で50℃にてロー
タリーエバポレータにより濃縮して、残留物200gを得
る。
この残留物は49.4g(0.091モル)のペプチド:t-Boc-L
eu-Arg-Pro-Gly-NH2を含む。即ち、カップリング効率は
87%である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 5/068 C07K 5/068 5/103 5/103

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式で表されるテトラフェニルボレ
    ートイオンを含むグアニジン関連化合物。 〔式中、Rは一般式: (Xは一般式:CH2 n(nは1〜10の整数である)で
    示されるアルルキレン基を表し、 Aは水素原子、ペプチド合成反応におけるアミノ基の保
    護基又は活性化基、又はペプチド結合を介して結合した
    アミノ酸もしくはペプチド(これらのアミノ酸又はペプ
    チドにおいてアミノ基又はカルボキシル基は、ペプチド
    合成反応におけるそれらの保護基又は活性化基により置
    換されていてもよい)を表し、 Yはヒドロキシル基、ハロゲン原子、ペプチド合成反応
    におけるカルボキシル基の保護基又は活性化基、アミノ
    基、又はペプチド結合を介して結合したアミノ酸もしく
    はペプチド(これらのアミノ酸又はペプチドにおいてア
    ミノ基又はカルボキシル基は、ペプチド合成反応におけ
    るそれらの保護基又は活性化基により置換されていても
    よく、カルボキシル基は一般式:−NR1R2(R1及びR2
    各々独立に水素原子、又は炭素原子数1〜3のアルキル
    基である)のアミノ基で置換されていてもよい)を表
    す。)で示される基である。〕
  2. 【請求項2】式中XがCH2 n(nは1〜6の整数であ
    る)を表し、Aが水素原子、ペプチド反応におけるアミ
    ノ基の保護基、又はペプチド結合を介して結合したアミ
    ノ酸もしくはペプチド(これらのアミノ酸又はペプチド
    においてアミノ基又はカルボキシル基は、ペプチド合成
    反応におけるそれらの保護基により置換されていてもよ
    い)を表し、Yがヒドロキシル基、ペプチド合成反応に
    おけるカルボキシル基の保護基又は活性化基、又はペプ
    チド結合を介して結合したアミノ酸もしくはペプチド
    (これらのアミノ酸又はペプチドにおいてアミノ基又は
    カルボキシル基は、ペプチド合成反応におけるそれらの
    保護基又は活性化基により置換されていてもよく、カル
    ボキシル基は一般式:−NR1R2(R1及びR2は各々独立に
    水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基である)のア
    ミノ基で置換されていてもよい)を表す、請求項1記載
    の化合物。
  3. 【請求項3】式中XがCH2 3を表し、Aが水素原子、
    ベンジルオキシカルボニル基、t−ブチルオキシカルボ
    ニル基、又はペプチド結合を介して結合したアミノ酸も
    しくはペプチド(これらのアミノ酸又はペプチドにおけ
    るアミノ基はベンジルオキシカルボニル基又はt−ブチ
    ルオキシカルボニル基により保護されていてもよい)を
    表し、Yがヒドロキシル基、又はペプチド結合を介して
    結合したアミノ酸もしくはペプチド(これらのアミノ酸
    又はペプチドにおいてアミノ基又はカルボキシル基は、
    ペプチド合成反応におけるそれらの保護基又は活性化基
    により置換されていてもよく、カルボキシル基は一般
    式:−NR1R2(R1及びR2は各々独立に水素原子、炭素原
    子数1〜3のアルキル基である)のアミノ基で置換され
    ていてもよい)を表す、請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】グアニジン基含有化合物とテトラフェニル
    ボレート塩を使用することを特徴とする請求項1記載の
    化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】テトラフェニルボレート塩が窒素含有有機
    塩基から形成される請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】窒素含有有機塩基がトリエチルアミン、ジ
    イソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N
    −エチルモルホリン、N−メチルピペリジン、N−エチ
    ルピペリジン、トリ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキ
    シルアミンおよびイミダゾールからなる群から選ばれる
    請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホ
    ルムアミド、N−メチルピロリドン及びアセトニトリル
    から選ばれる溶媒を用いる請求項4〜6のいずれか1項
    に記載の方法。
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