JP2693342B2 - 車載用スピーカの取付構造 - Google Patents

車載用スピーカの取付構造

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JP2693342B2 JP4165038A JP16503892A JP2693342B2 JP 2693342 B2 JP2693342 B2 JP 2693342B2 JP 4165038 A JP4165038 A JP 4165038A JP 16503892 A JP16503892 A JP 16503892A JP 2693342 B2 JP2693342 B2 JP 2693342B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のスピーカで構成
される車載用スピーカの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来の車載用スピーカのドア1
における取付構造を示す。ドア1にスピーカ2とスピー
カ3が取付けられている。このスピーカシステムは、2
つの異なった再生周波数特性のスピーカで構成されてい
る。これは1つのスピーカでは、広い周波数帯域を音質
よく再生することが困難であるからである。そのため、
再生周波数帯を分割し、再生音質の向上を図っている。
しかし、スピーカ2とスピーカ3とを、同一の空間をバ
ックキャビティ4として使用する場合には、スピーカ3
のコーン振動が参照符5で示される方向に行われると、
キャビティ4内の圧力変動は、参照符6で示されるよう
にスピーカ2のコーンに伝わる。スピーカ2は、スピー
カ3からの背圧によって変調を受け、コーンの振動の直
線性が劣化して、再生される音響出力がひずむことにな
る。
【0003】図7は、従来から用いられている一般オー
ディオ用のスピーカボックスの概略的な構造を示した図
である。スピーカ10の背面側には、バックキャップ1
2を取付けている。バックキャップ12によってスピー
カ10のバックキャビティ13とスピーカ11のバック
キャビティ14の空間を分離しているので、一方のスピ
ーカコーンによる空気振動15は、他のスピーカに伝わ
らない。したがって、図6に示されるスピーカシステム
のように、再生された音響出力がひずむことはない。そ
こで、車載用においてもバックキャップを取付けること
が考えられる。しかし、ドア内構造が複雑であれば、バ
ックキャップの大きさが制限されてバックキャビティの
容積が充分確保できず、スピーカの再生周波数特性を低
域側に延ばすことができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来からの車載用スピ
ーカの取付構造においては、複数のスピーカを車両の外
周を構成する外板、内板および内装材間に形成される同
一の空間に取付け、その同一の空間をバックキャビティ
としている。このため、一方のスピーカが他方のスピー
カのコーン振動による空気振動の影響を受け、スピーカ
の音響再生特性が劣化する。また、高音側のスピーカに
バックキャップを取付けて空間を仕切り、他方のスピー
カのバックキャビティと分離することによって、他方の
スピーカのコーン振動による空気振動の影響をなくすこ
とができるけれども、車両の外周の構造上、バックキャ
ップの大きさが制限されて、スピーカの再生周波数帯域
が狭くなる。
【0005】したがって、本発明の目的は、車両のドア
部の外周を構成する外板、内板および内装材間の空間に
取付けられた複数のスピーカにおいて、一方のスピーカ
のコーン振動による空気振動が他方のスピーカに影響す
ることをなくし、スピーカから再生される音質の向上を
図ることができる車載用スピーカの取付構造を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両のドア部
の外周を構成する外板、内板および内装材間の空間に複
数のスピーカを取付けるための車載用スピーカの取付構
造において、外板および内板間に形成される空間と内板
および内装材間に形成される空間とを分離させ、外板お
よび内板間に形成される空間がバックキャビティとなる
ように第1スピーカを取付け、内板および内装材間に形
成される空間がバックキャビティとなるように第2スピ
ーカを取付けることを特徴とする車載用スピーカの取付
構造である。
【0007】
【作用】本発明に従えば、車両のドア部の外周を構成す
る外板、内板および内装材間の空間に取付られた複数の
スピーカにおいて、一方のスピーカのコーン振動による
空気振動が他方のスピーカに影響することをなくし、ス
ピーカの再生音質特性の向上を図るために、外板および
内板間に形成される空間と内板および内装材間に形成さ
れる空間とを分離させ、外板および内板間に形成される
空間がバックキャビティとなるように第1スピーカを取
付け、内板および内装材間に形成される空間がバックキ
ャビティとなるように第2スピーカを取付ける。したが
って、バックキャビティはスピーカ毎に分離され、一方
のスピーカのコーン振動による空気振動が他方のスピー
カに影響することはなくなり、スピーカの再生音質の向
上を図ることができる。
【0008】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の車載用スピーカ
の取付構造の断面を示す。ドア21は、外板26、内板
28および内装材27で構成される。また、図2に斜線
を施している孔29が設けられた内板28にスペーサ3
0を取付けることによって、ドア21内の空間を2つに
分離している。また、図2に斜線を施している他の孔4
7が内板28にあるので、それをふさぐシール材48に
より空間を24と25に分離する。この2つの空間をス
コーカ22と呼ばれる中音用のスピーカのバックキャビ
ティ25とウーファ23と呼ばれる低音用のスピーカの
バックキャビティ24として使用する。スコーカ22
は、内装材27に取付用の孔を加工して取付ける。ウー
ファ23は、内装材27に取付用の孔を加工して、スペ
ーサ30に取付ける。参照符31はドアウィンドを示
す。
【0009】一般にスピーカは、再生特性の向上を図る
ために、再生周波数を高域、中域および低域に分けて、
各々に適したツィータ、スコーカおよびウーファと呼ば
れるスピーカから構成される。また各スピーカには、バ
ックキャビティが必要であるが、再生周波数が低域にな
るほど、バックキャビティの容積を大きくする必要があ
る。これは、小さなバックキャビティでは、低域側の大
きな振動が抑えられてしまうからである。ドア21には
スコーカ22とウーファ23が取付けられている。ウー
ファ23は再生周波数帯域が低域用のスピーカなので、
ウーファ23のバックキャビティ24は、スコーカ22
のバックキャビティ25に比べて容積が大きくなってい
る。高音用のツィータは、バックキャビティの容積が小
さくてもよく、特にその容積を確保する必要がないの
で、ドア21以外の場所に取付けられている。
【0010】図2は、図1図示の車載用スピーカの取付
構造の分解斜視図である。ドア21の内板28に孔29
を加工し、孔29の外周にスペーサ30を取付け、スペ
ーサ30にはウーファ23を取付ける。内装材27には
ウーファ23を取付けるための孔32を設ける。また内
装材27には、スコーカ22を取付けるための孔を設
け、スコーカ22を取付ける。
【0011】図3は、一般的な車両のドア21の断面構
造を示す。図1図示のドアと対応する部分には同一の参
照符を付す。内部は内板28によって、外板26と内板
28とに囲まれる空間34と、内装材27と内板28と
に囲まれる空間33に分離されている。図1図示の実施
例においては、この2つの空間33および34を、スピ
ーカのバックキャビティとして有効に利用している。
【0012】図4は、本発明の他の実施例における車載
用スピーカの取付構造の断面を示した図である。図1図
示の実施例に対応する部分には同一の参照符を付す。図
1図示の実施例ではスペーサ30を取付け、バックキャ
ビティ24とバックキャビティ25とを分離しているけ
れども、本実施例ではスペーサ30が不用である。内板
40を内装材27に取付けられたウーファ23の外周上
に外接するように絞り加工する。内装材40の突出成形
部によってウーファ23のバックキャビティ35とスコ
ーカ22のバックキャビティ36とを分離している。
【0013】図5は、本発明のさらに他の実施例におけ
る車載用スピーカの取付構造の断面を示した図である。
図1図示の実施例と対応する部分には同一の参照符を付
す。図1図示の実施例ではスペーサ30を取付け、バッ
クキャビティ24とバックキャビティ25を分離してい
るけれども、本実施例では、ウーファ23を内板28に
取付け、内装材45のウーファ取付部前面付近を加工す
る。したがって、内装材45によってウーファ23のバ
ックキャビティ38とスコーカ22のバックキャビティ
37とを分離していることになる。
【0014】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、車両のド
ア部の外周を構成する外板、内板および内装材におい
て、外板および内板間に形成される空間と、内板および
内装材間に形成される空間を、各々のスピーカのバック
キャビティとして使用することによって、一方のスピー
カのコーン振動による空気振動が他方のスピーカに影響
することがなくなる。さらに、バックキャップが不用と
なるので、バックキャップによるキャビティ容量制限が
緩和され、キャビティ容量を大きくとることができる。
したがって、スピーカから再生される音質の向上を図る
ことができる。また、車両のドア部の2つの既存の空間
部をバックキャビティとして利用するのでスピーカケー
スが不要となり、スピーカの取付けスペースのみでよ
く、取付けの制約の必要がなくなる。さらにまた、スピ
ーカケースを必要としないので、コストを低減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の車載用スピーカの取付構造
の断面図である。
【図2】図1図示の車載用スピーカの取付構造の分解斜
視図である。
【図3】一般的な車両のドアの構造を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の他の実施例における車載用スピーカの
取付構造の断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例における車載用スピ
ーカの取付構造の断面図である。
【図6】従来の車載用スピーカのドア部における取付構
造の断面図である。
【図7】従来から一般で用いられているスピーカボック
スの断面図である。
【符号の説明】
21 ドア 22 スコーカ 23 ウーファ 24,25,33,34,35,36 バックキャビテ
ィ 26 外板 27 内装材 28 内板 29 孔 30 スペーサ 31 ドアウィンド 32 孔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のドア部の外周を構成する外板、内
    板および内装材間の空間に複数のスピーカを取付けるた
    めの車載用スピーカの取付構造において、 外板および内板間に形成される空間と内板および内装材
    間に形成される空間とを分離させ、 外板および内板間に形成される空間がバックキャビティ
    となるように第1スピーカを取付け、 内板および内装材間に形成される空間がバックキャビテ
    ィとなるように第2スピーカを取付けることを特徴とす
    る車載用スピーカの取付構造。
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