JP2693210B2 - 微粉燃料バーナ - Google Patents

微粉燃料バーナ

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JP2693210B2 JP7642989A JP7642989A JP2693210B2 JP 2693210 B2 JP2693210 B2 JP 2693210B2 JP 7642989 A JP7642989 A JP 7642989A JP 7642989 A JP7642989 A JP 7642989A JP 2693210 B2 JP2693210 B2 JP 2693210B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はバーナに関する。更に詳述すると、本発明は
微粉炭や微粉コークス等の微粉燃料を燃料とするバーナ
に関する。
(従来の技術) 従来の微粉燃料バーナとしては、第7図に示すよう
に、微粉燃料を一次空気(全燃焼用空気量の約20〜30
%)で搬送して炉内へ吹込み、その周囲から二次空気を
供給して燃焼させるものが一般的である。このバーナ10
1は、高温の炉内の放射熱や他のバーナの干渉で火炎を
安定させ完全燃焼させるもので、中心に助燃用の油ノズ
ル102を備えているものが多い。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来のバーナは、石炭粉砕機(ミル)
からの微粉燃料をそのまま直接バーナに供給して燃焼さ
せることから、微粉燃料の搬送と逆火の防止のためには
一次空気にある程度の流速(例えば15〜30m/s)を必要
とする。このため、燃焼量を大幅に下げ低負荷とすると
きには、搬送に必要な最小限の搬送空気量を維持したま
ま燃料の量だけを絞らざるを得ず、微粉燃料流の濃度
(一般に搬送用空気量と微粉燃料量の比A/Cで表され
る)が薄くなって燃焼を不安定なものとしている(第6
図参照)。したがって、微粉燃料だけを使用する場合に
は大幅なターンダウンの実施が不可能であり、それを実
現するには助燃油を必要としている。例えば、火力発電
所等においては、微粉燃料だけを使用する場合、現状で
は120〜50%の範囲で負荷変化が可能であるが、深夜に
おける電力量の需要が少ないことから20〜30%程度の負
荷に変更することが求められ、助燃油を必要としてい
る。したがって、燃料量を絞る場合、燃料コストが上が
るという不利がある。このような微粉燃料バーナの現状
から、石油火力なみの最低負荷運用並びに低負荷時にお
ける助燃油の低減を目的として低負荷対応微粉燃料専用
バーナの開発が要望されている。
本発明は、石油火力なみに最低負荷を低減しても安定
燃料が確保できかつ助燃油の節減ができる微粉燃料バー
ナを提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) かかる目的を達成するため、本発明の微粉燃料バーナ
は、微粉燃料の流れと直交する分配円板を内周面に形成
した第1円筒体と、軸方向に移動可能な円錐体を同心上
に内蔵した第2円筒体とを平行に配置する一方、これら
を接線方向に開口する連通管で連結し、前記第2円筒体
の出口に同心状に2本以上の分配管を配置すると共に、
この分配管の中央の管の入口に対し接近離反移動し中央
の管に流入する空気の量を調整する流量可変弁を設ける
ようにしている。
また、この微粉燃料バーナは、分配管の上流側に流路
断面縮小部を設け、この流路断面縮小部の出口側に第2
の管の入口を径方向に開口し、流路断面縮小部の入口側
の第3の管の入口を径方向に開口するようにしている。
更に、この微粉燃料バーナは、分配管と平行に同数の
管を同心状に配置した反転管を設置し、前記分配管の外
側の管と反転管の中央の管とを、分配管の中央の管と反
転管の外側の管とを、またそれらの間の対応する管同士
を各管に対し接線方向に開口する連通管で連結し、中央
から濃縮微粉燃料流を噴射するようにしている。
(作用) したがって、第1円筒体の気流分配円板に衝突した微
粉燃料流は、各円板において分流された直交方向に方向
を転換して第2円筒体に接線方向に吹き出され、第2円
筒体内において旋回流を形成する。この微粉燃料の旋回
流は、幾つもの旋回流を次々に合成するため次第に力を
増して減速することなく噴射口側へ移動し、その間に遠
心力によって気流中の微粉燃料を周囲に集める。このた
め、ノズルから噴射される微粉燃料流は、全体としては
A/C比が変わらないが微粉燃料を濃縮した領域即ちA/C比
が低い領域と全体としてのA/C比よりも高いA/C比の領域
とを形成する。この微粉燃料が濃縮された領域と、空気
を主体とする領域とは分配管において分離された別々に
噴射される。
また、燃料量の変更に伴ない円錐体を移動させて第2
円筒内の流路断面積を変化させ、微粉燃料流の旋回力を
一定に維持する。一方、搬送用空気を維持しつつ微粉燃
料だけを少なくしてターンダウンする場合、流量可変弁
を移動させて分配管の中央の管に流入する空気量を変え
ることによって、濃度を一定に保つ。このとき、一番外
側の管から最も濃度の濃い(A/C比の低い)微粉燃料
が、一番内側から最も濃度の薄い(A/C比の高い)微粉
燃料流が噴射される。更に、分配管の上流側に流路断面
積縮小部を配置する場合、旋回流が更に増速され遠心力
を増すため、微細粒子と粗粒子との分級効果が増す。
更に、多重管によって分配された微粉燃料流を反転管
を介して噴射する場合、一番内側から最も濃度の濃い微
粉燃料流が、外側になる程濃度の薄い微粉燃料流が噴射
される。
(実施例) 以下、本考案の構成を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。
第1図に本発明の微粉燃料バーナの基本構造を概略図
で示す。このバーナは、微粉燃料の流れと直交する分配
円板4を内周面に形成した第1円筒体1と、軸方向に移
動可能な円錐体5を同心上に内蔵した第2円筒体2とを
平行に配置する一方、これらを接線方向に開口する連通
管3で連結し、前記第2円筒体2の出口に分配管8を配
置し、かつこの分配管8の中央の管9の入口13に対し接
近離反移動可能な流量可変弁7を設け、第1円筒体1に
微粉燃料流を供給し分流すると共に第2円筒体2に接線
方向から噴射させて旋回させ、周辺側に微粉燃料が濃縮
された流れを中央側に搬送用空気を主体とする流れを形
成して分けて噴射するようにしたものである。
前記気流分配円板4は、管軸方向に流れる微粉燃料流
をそれと直交する径方向に向きを変えさせかつ分流する
ためのものである。この円板4は上流分の他の円板との
面積の差(投影面積の差)Sが等しくなるように、下流
側に向うほど面積が大きな所望数例えば本実施例の場合
5枚、第1円筒体1の内周面に設けられている。したが
って、微粉燃料流は各分配円板4の衝突面積に応じて流
れを変え、ほぼ同じ流量の5つの流れに分配される。
尚、第1円筒体1は流量供給系23に接続され、破砕機等
から微粉燃料を一次空気によって搬送するように設けら
れている。
前記第2円筒体2は同軸上に円錐体5を内蔵し、この
円錐体5との間に環状の流路6を形成している。前記円
錐体5は軸方向に移動可能に設けられており、適宜アク
チュエータ24あるいは手動によって、第2円筒体2内に
出入れ可能に設けられている。この円錐体5の第2円筒
体2への挿入量をコントロールすることによって、第2
円筒体2との間に形成される流路断面積を変更可能とし
ている。この円錐体5の挿入量は搬送空気量と微粉燃料
の変化に対応させて制御される。
また、第2円筒体2内には分配管8の中央管9に流入
する空気量を制御する流量可変弁7が設けられている。
この流量可変弁7は、円錐体5の内部を貫通して軸方向
移動可能に設けられ、分配管8の中央の管9の入口13に
近接しあるいは入口13から離れることによって中央の管
9の入口13の近傍の流路抵抗を変化させ、中央の管9に
流入する空気の量を調整するものである。この流量可変
弁7は第2円筒体2の外部に設けられているアクチュエ
ータ25あるいは手動によって移動可能に設けられてい
る。この流量可変弁7はその位置が供給微粉燃料流の濃
度に応じて制御される。
第2円筒体2の出口には同心状に2本以上の管9,10,1
1を配置した分配管8が設置されている。この分配管8
は第2円筒体2から噴射される旋回流を分配し、そのま
まの濃度を維持して火炉内に噴射させるためのものであ
る。例えば本実施例の場合、3重管から成り、第3の管
11から微粉燃料の量が多い濃縮された微粉燃料流を噴出
させ、中央の管9から燃焼用空気を主体とする即ち微粉
燃料の少ない(A/Cの高い)微粉燃料流を噴射し、第2
の管10から第3の管11より微粉燃料が少ない微細粒子が
多いものを噴射するようにしている。
第2図に他の実施例を示す。この実施例は分配管8の
上流側に流路断面縮小部(スロート)12を設け、微粉燃
料の旋回流を更に増速させ微細粒子と粗粒子との分級効
果を高めるようにしたものである。この流路断面縮小部
12の出口側には分配管8の第2の管10の入口14が径方向
に開口され、入口側には第3の管11の入口15が径方向に
開口されている。第2、第3の管10,11の入口部14,15に
は接線方向に流れを案内して旋回流を付勢するガイド板
26が円周方向に多数設けられている。この実施例の場
合、第2図(A)に示すように、第2の管10から濃縮さ
れた微粉燃料流が噴射される。但し、旋回流を更に増速
させることにより、第3の管11から高濃度の微粉燃料流
を噴射させることができる。この場合、短炎が形成され
る。
第3図及び第4図に他の実施例を示す。この実施例は
分配管8と同数の管17,18,19を同心状に配置した反転管
16を分配管8と平行に配置し、分配管9で分けられた微
粉燃料流の噴射位置を、内側のものを外側に、外側のも
のを内側に反転して噴射させるようにしたものである。
例えば本実施例の場合、分配管8の第3の管11と反転管
16の中央の管17、分配管8の中央の管9と反転管16の第
3の管19、また第2の管10,18同士をそれぞれ各管に対
し接線方向に開口する連通管20,21,22で連結し、最も濃
縮された燃料流を反転管16の中央の管17から噴射するよ
うにしたものである。この場合、火炎が安定する濃縮微
粉燃料流が中央から噴射されるため長炎が形成される。
また、安定火災を形成する燃料流の外に旋回を与えた搬
送用空気を主体とする燃料流を噴射して、火炎を包みな
がら段階的に燃焼用空気の投入が行なわれるため低NOx
化が可能となる。
以上のように構成したので、本発明のバーナは次のよ
うに燃焼量を変更し安定燃焼させ得る。
まず、第5図に本発明のバーナを応用した燃焼システ
ムの一例を示す。この燃焼システムは、燃料である石炭
を燃焼可能な粒径までミルで破砕し、燃焼用空気の30%
程度の一次空気を搬送用空気としてバーナ側へ搬送し燃
焼させるものである。この微粉燃料流の供給系23の途中
に設置されている微粉炭濃度測定装置27からの測定結果
に基づいてアクチュエータ25を駆動し流量可変弁7を移
動させ、微粉燃料濃度を一定に維持する。このとき円錐
体5の位置は負荷と燃焼用空気の量との関係から決定さ
れ、旋回力を一定に保つようにコントロールされる。こ
こで濃度測定装置27としては、例えば流れ方向の2点で
の粒子による負荷圧力損失が混合比に比例することから
流量を求めら差圧式ニューマライン粉粒体流量計、ある
いは相関式粉粒体流量計やマイクロ波粉粒体流量計を利
用したものが使用可能である。
この燃焼システムにおいて、搬送用空気と燃料との比
が比較的に変更可能な範囲での燃焼量変更(約120〜50
%負荷)には、第2円筒体2への円錐体5の挿入量を搬
送空気の供給量の変動に対応させて変えることにより流
路断面積を変更して微粉燃料流の旋回力を一定に保つこ
とによって対応する。例えば、80%に燃焼量をターンダ
ウンするときは100%負荷時の流路断面積の80%となる
ように円錐体5を第2円筒体2の中に挿入する。
また、A/C比が急激に高まる負荷範囲まで変更する場
合には、微粉燃料の濃度及び粒径を濃度センサ27で測定
しこの値に基づいて流量可変弁7が分配管8の中央の管
9の入口13を塞ぐ量を制御することによって、濃度を一
定に維持するようにしている。即ち、燃料濃度が薄くな
ると(A/C比が高くなる)、これを濃度センサ27で検出
して流動可変弁7をアクチュエータ25を駆動させて分配
管8から離し、中央の管9を流入する搬送用空気量を増
やす。これによって分配管9の第3の管11あるいは反転
管16の中央の管17から噴射される微粉燃料粒の濃度を高
め安定燃焼域の値に維持する。
(発明の効果) 以上の説明より明らかなように、本発明のバーナは、
第1円筒体に供給される微粉燃料流の第2円筒体に移し
変える際に旋回させてその旋回力によって微粉燃料が濃
縮された領域と搬送用空気を主体とする領域とに分けか
つ分配管の中央に流入する空気量を調整することによっ
て濃度を一定にコントロールして分配噴射するようにし
たので、微粉燃料流全体のA/C比が高くとも、安定燃焼
させるに十分な低いA/C比まで微粉燃料を濃縮した噴流
を形成し、燃焼を安定させる。即ち、石油火力並の20〜
30%のターンダウンが可能となり、広い負荷範囲で燃焼
量を変更できる。しかも助燃油を必要としない。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は本発明の微粉燃料バーナの基本構造の概
略を示す中央縦断面図、第1図(B)は第1図(A)の
I−I線断面図、第2図は他の基本構造の概略を示すも
ので、(A)は中央縦断面図、(B)はII−II線断面図
である。第3図は更に他の基本構造の例を示す中央縦断
面図、第4図は第3図のバーナの外観を示す斜視図、第
5図は本発明の微粉燃料バーナを応用した燃焼システム
の一例を示す概略図である。第6図はバーナ入口の空気
と微粉燃料量の比と安定燃焼範囲の関係を示すグラフで
ある。第7図は従来の微粉燃料バーナの概略図である。 1……第1円筒体、2……第2円筒体、3……連通管、 4……分配円板、5……円錐体、6……環状流路、 7……流量可変弁、8……分配管、9……中央の管、 10……第2の管、11……第3の管、 12……流路断面縮小部、16……反転管。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微粉燃料の流れと直交する分配円板を内周
    面に形成した第1円筒体と、軸方向に移動可能な円錐体
    を同心上に内蔵した第2円筒体とを平行に配置する一
    方、これらを接線方向に開口する連通管で連結し、前記
    第2円筒体の出口に同心状に2本以上の分配管を配置す
    ると共に、この分配管の中央の管の入口に対し接近離反
    移動し、中央の管に流入する空気の量を調整する流量可
    変弁を設けたことを特徴とする微粉燃料バーナ。
  2. 【請求項2】前記分配管の上流側に流路断面縮小部を設
    け、この流路断面縮小部の出口側に第2の管の入口を径
    方向に開口し、流路断面縮小部の入口側に第3の管の入
    口を径方向に開口したことを特徴とする請求項1記載の
    微粉燃料バーナ。
  3. 【請求項3】前記分配管と平行に同数の管を同心状に配
    置した反転管を設置し、前記分配管の外側の管と反転管
    の中央の管とを、分配管の中央の管と反転管の外側の管
    とを、またそれらの間の対応する管同士を各管に対し接
    線方向に開口する連通管で連結し、中央から濃縮微粉燃
    料流を噴射することを特徴とする請求項1記載の微粉燃
    料バーナ。
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