JP2692917B2 - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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JP2692917B2
JP2692917B2 JP63324931A JP32493188A JP2692917B2 JP 2692917 B2 JP2692917 B2 JP 2692917B2 JP 63324931 A JP63324931 A JP 63324931A JP 32493188 A JP32493188 A JP 32493188A JP 2692917 B2 JP2692917 B2 JP 2692917B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、フィンに熱交換パイプを挿通させてなる
熱交換器に関する。
(従来の技術) 空気調和装置等に用いられる蒸発器,擬縮器などで
は、従来より、第8図に示されるように多数枚のフィン
aに複数本の熱交換パイプbを挿通させてなるフィンド
チューブ式の熱交換器cが用いられている。
ところが、こうした熱交換器cは、熱交換器cに風が
通るとき、熱交換パイプbの下流側直後の部分、すなわ
ち第8図中、二点鎖線で囲まれた部分に、風速がよどむ
領域、いわゆる死水域dが生じる問題をもっている。こ
のため、死水域dでの局所熱伝達率は極めて悪く、その
分、熱交換器cの性能低下ならびに大形化を招いてい
る。
そこで、従来、フィンド式の熱交換器では、第9図お
よび第10図に示される熱交換器e,あるいは第11図および
第12図に示される熱交換器fなどのように、スリットg
に帯状の切起し部hを形成したフィンiを用いることが
行ナわれている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、従来の切起し部hには死水域dの熱伝達率
を向上させる機能はない。そのため、以前として死水域
dでの問題は改善されておらず、その点が性能および小
形化の支障となっている。
この発明はこのような事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、死水域での熱伝達率を飛
躍的に向上させることができる熱交換器を提供すること
にある。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するためにこの発明は、熱交換パイプ
で挟まれるフィン部分に、熱交換パイプ側に鋭角に傾斜
した脚を形成して帯状に切起し、かつ切起し方向を正逆
交互にして並列に連ねてなる切起し列を通風方向に沿っ
て並設し、さらに当該切起し列は、前記熱交換パイプの
中央を境に、通風方向上流側が、切起し部の長さ寸法を
同じ長さに定めた平行な切起し列で形成され、通風方向
下流側が、切起し部の長さ寸法を下流にいくにしたがい
暫時、前記熱交換パイプの通風方向後側へ長くした切起
し列で形成され、この長くした切起し部の脚を熱交換パ
イプ側に斜めとした。
(作用) この発明の熱交換器によると、フィン間に通風されて
くる空気は、フィンの両側に形成された平行な切起し列
により直線状の整流されて、熱交換パイプの下流側の切
起し列に至る。
このとき、下流側の切起し列を構成する切起し部は、
熱交換パイプの中央から下流にいくにしたがい、暫時、
熱交換パイプの通風方向後側へ延びる長さ寸法に設定さ
れ、脚部がフィンに対して鋭角に傾斜しているとともに
熱交換パイプ側に斜めに傾いている(2方向に傾斜)。
これにより、脚部付近を通過する空気流は、脚部の傾
斜の規制を受けて、フィン間の中央に向かいつつ熱交換
パイプの直後に向かう空気流に変更される。
ここで、熱交換パイプの上/下流側の切起し列は、死
水域が生じるパイプ部分を挟むフィンの対向面にそれぞ
れ形成されている。
それ故、熱交換パイプの直後に向かう空気流が、向き
合うフィンの対向面でそれぞれ生じ、フィン両側から同
フィン間で生じている死水域全体へ空気が送り込まれる
ようになる。
したがって、死水域でも、他の部分と同様、強制対流
熱伝達が行われ、死水域での熱伝達率が飛躍的に高めら
れる。
そのうえ、熱交換パイプの下流側の平行な切起し列で
空気流を直線状に整流し、これを熱交換パイプの中央付
近から始まる脚部の2方向の傾きで死水域全体に空気流
を導くので、余分な通風抵抗の増大をきたさずに、効率
良く死水域全体へ熱交換のための空気が導ける。
この結果、熱交換器の高性能化および小形化の双方が
実現される。
(実施例) 以下、この発明を第1図ないし第7図に示す一実施例
にもとづいて説明する。第5図は例えば空気調和装置を
示し、1は圧縮機である。そして、この圧縮機1に、四
方弁2,室外側熱交換器3,膨張弁4(減圧装置),室内側
熱交換器5が順次連結され、ヒートポンプ式冷凍サイク
ルを構成している。なお、3aは室外側熱交換器3の室外
ファン、5aは室内側熱交換器5の室内ファンである。
そして、上記室外側熱交換器3および室内側熱交換器
5の各熱交換器にこの発明が適用されている(以下、室
外側熱交換器,室内側熱交換器を熱交換器7と称するこ
とにする)。
熱交換器7は、第2図ないし第4図に示すように二列
千鳥状の貫通孔(図示しない)をもつ並行な多数枚のフ
ァン8に複数本の熱交換パイプ9を順次挿通した構造と
なっている。また各熱交換パイプ9,9で挟まれる間のフ
ィン部分には、熱交換器7の通風方向に沿って略ラッパ
状の切起し列15が並設されている。
切起し列15は、いずれも次のような構造となってい
る。すなわち、これは矢印で示す通風方向とは直角な方
向のスリット10を通風方向沿いに複数設ける。各スリッ
ト10の長さは、例えば熱交換パイプ9の中心を境とし
て、通風方向上流側を同じ長さに定め、下流側を下流に
いくにしたがって長さ寸法を暫時長くしている。そし
て、第1図に示されるようにスリット10で囲まれる帯板
部分を台形状で、かつ切起し方向が正逆(内外)交互に
なるように切起している。これにより、熱交換パイプ9
側に脚12,12を形成してなる台形の切起し部11が通風方
向沿い連なっていく。
また切起し部11のうち、長さ寸法が長い切起し部11の
脚12a,12aは、それぞれ熱交換パイプ9側の方向に鋭角
に傾斜して起きている。これにより、下流側の切起し部
11の脚全体は熱交換パイプ9側に傾斜している。またこ
れら傾斜した脚12a,12aは、いずれも熱交換パイプ9側
へ約30゜の角度で傾斜していて、熱交換器7を通る空気
を熱交換パイプ9の下流側直後の部分に効率良く導ける
ようにしている。
しかして、このように構成された熱交換器7は、室外
ファン3aあるいは室内ファン5aの運転により、第1図お
よび第2図中の矢印で示す方向から送風すると、空気が
フィン8の間を通過していく。
このフィン8間を流れる空気は、熱交換パイプ9の上
流側の平行な切起し列により直線状の整流されて、熱交
換パイプ9の下流側の切起し列に至る。
ここで、下流側の切起し列を構成する切起し部11は、
熱交換パイプ9の中央から下流にいくにしたがい、暫
時、熱交換パイプ9の通風方向後側へ延びる長さ寸法に
設定され、脚部12aがフィン8に対して鋭角に傾斜して
いるとともに熱交換パイプ9側に斜めに傾いている(2
方向に傾斜)。
これにより、図1および図4に示されるように脚部付
近を通過する空気流は、熱交換パイプ9を中心を過ぎた
ところで、脚部12aの傾斜(2方向)の規制を受けて、
フィン8間の中央に向かう方向に曲げられつつ熱交換パ
イプ9の直後に向かう方向に曲げられる。
こうした空気の流れを変える上/下流側の切起し列
は、死水域が生じるパイプ部分を挟む各フィン8の対向
面にそれぞれ形成されているから、熱交換パイプ9の後
部に導かれる空気流は向き合うフィン8の対向面でそれ
ぞれ生じる。
これにより、フィン両側から同フィン8間で生じる死
水域全体へ空気が送り込まれる。
かくして、死水域となる部分でも、他の部分と同様、
強制対流熱伝達が行なわれていく。
それ故、他の部分の熱伝達率を高めると同時に、死水
域における熱伝達率を飛躍的に高めることができ、ネッ
クであった熱交換器7の高性能化および小形化を実現す
ることができる。しかも、熱交換パイプ9の下流側の平
行な切起し列で空気流を直線状に整流し、これを熱交換
パイプ9の中央付近から始まる脚部12aの2方向の傾き
で死水域全体に空気流を導くので、余分な通風抵抗の増
大をきたさずに、効率良く死水域全体へ熱交換のための
空気が導くことができる。特に、上記実施例のように複
数列の熱交換パイプ9を千鳥状に配置した熱交換器7で
は通風抵抗が一定のままで、熱伝達率を高めることがで
きる効果をもたらす。実験によれば、第6図に示される
ように熱交換器7の正方向からの通風抵抗と逆方向から
の通風抵抗は同じで、かつ第7図に示されるように熱交
換器7の正方向からの通風による空気側熱伝達率の方
が、逆方向からの通風の空気側熱伝達率よりも向上して
いることが確認された。
[発明の効果] 以上説明したようにこの発明によれば、フィン両側か
ら同フィン間の熱交換パイプの後部で生じている死水域
全体へ空気を送り送り込むので、死水域となる部分に他
の部分と同様、強制対流熱伝達を行なわせることができ
る。
それ故、他の部分の熱伝達率を高めると同時に、死水
域での熱伝達率を飛躍的に向上させることができる。し
かも、熱交換パイプの下流側の平行な切起し列で空気流
を直線状に整流し、これを熱交換パイプの中央付近から
始まる脚部の2方向の傾きで死水域全体に空気流を導く
ので、余分な通風抵抗の増大をきたさずに、効率良く死
水域全体へ熱交換のための空気が導くことができ、熱交
換器の高性能化および小形化の双方を実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図はこの発明の一実施例を示し、第1
図は切起し列廻りの構造を示す斜視図、第2図は熱交換
器の側断面図、第3図は第2図中A−A線に沿う断面
図、第4図は熱交換パイプ廻りを拡大して示す側断面
図、第5図はこの発明の熱交換器を適用した冷凍サイク
ルを示す概略構成図、第6図は正逆通風方向に対する通
風抵抗特性を示す線図、第7図は正逆通風方向に対する
熱伝達率を示す線図、第8図は従来の問題点を説明する
ための熱交換器の側断面図、第9図は従来の熱交換器を
示す側断面図、第10図はその平面図、第11図はその異な
る従来の熱交換器を示す側断面図、第12図はその第11図
中B−B線に沿う断面図である。 3,5……室外側熱交換器,室内側熱交換器(熱交換
器)、8……フィン、9……熱交換パイプ、11……切起
し部、15……切起し列、12a……切起し部の傾斜した
脚。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の熱交換パイプを多数枚のフィンに挿
    通させてなる熱交換器において、前記熱交換パイプで挟
    まれるフィン部分に、熱交換パイプ側に鋭角に傾斜した
    脚を形成して帯状に切起し、かつ切起し方向を正逆交互
    にして並列に連ねてなる切起し列を通風方向に沿って並
    設し、さらに当該切起し列は、前記熱交換パイプの中央
    を境に、通風方向上流側が、切起し部の長さ寸法を同じ
    長さに定めた平行な切起し列で形成され、通風方向下流
    側が、切起し部の長さ寸法を下流にいくにしたがい暫
    時、前記熱交換パイプの通風方向後側へ長くした切起し
    列で形成され、この長くした切起し部の脚を前記熱交換
    パイプ側に斜めしてなることを特徴とする熱交換器。
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