JP2692637B2 - バスドライバ - Google Patents

バスドライバ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、出力波形の立ち上がり
及び立ち下がりのスルーレート調整を可能としたバスド
ライバに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のバスドライバの基本的な構成を図
5に示す。図5に示すように、従来のバスドライバは、
入力端子52と出力端子53の間にバッファ回路51を
接続した構成である。このような構成のバスドライバに
おいては、バッファ回路51がオープンドレイン構造と
なっているため、出力波形の立ち上がり及び立ち下がり
時の何れにおいてもスルーレート調整(立ち上がりと立
ち下がり時間の調節)を行なうことができない。
【0003】このようなバスドライバのスルーレート調
整を改善するために、GTL(ガニング・トランシーバ
ー・ロジック)というテクノロジーが提案されている
が、このGTLについても、出力波形の立ち上がり時の
みのスルーレート調整を可能としており、出力波形の立
ち下がりに関してはスルーレート調整ができないのが現
状であった。に
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
バスドライバは、オーブンドレイン構造となっているこ
とから、出力波形の立ち上がり及び立ち下がり時のスル
ーレート調整(立ち上がりと立ち下がり時間の調節)が
困難である。このために、バス上に大きなノイズが生じ
る原因となり、伝送波形の周波数を大きくすることがで
きず、高速伝送を行うのが困難ととなる問題点があっ
た。また、GTL(ガニング・トランシーバー・ロジッ
ク)を適用しても、出力波形の立ち上がり時のみのスル
ーレート調整となるため、立ち下がりに関してはスルー
レート調整が困難であった。従って、バス上に大きなノ
イズを生じ、伝送波形の周波数を大きくすることができ
ないという同様の問題点を有していた。
【0005】本発明は、上記従来の欠点を解消し、出力
信号の立ち上がり及び立ち下がり時間を調節して適切に
設定することにより、バス伝送路におけるノイズの発生
を防止し、伝送波形の周波数を大きくした高速伝送を可
能とするバスドライバを提供することを目的とする。
【0006】
【間題点を解決するための手段】上記目的を達成する本
発明によるバスドライバは、入力信号を入力する入力端
子と、前記入力端子からの前記入力信号を入力する第1
から第m(mは1より大きい整数)の複数のバッファ回
路と、前記入力端子からの入力信号を所定時間だけ遅延
させて遅延信号として出力する遅延回路と、前記遅延回
路からの前記遅延信号を入力する第n(nはmより大き
い整数)のバッファ回路と、前記第1から第mのバッフ
ァ回路の出力を入力する容量性部品と、前記容量性部品
の出力と前記第nのバッファ回路の出力の合成信号を出
力する出力端子を備える構成としている。
【0007】また、好ましい態様によれば、前記第1か
ら第mのバッファ回路の少なくとも1つに、出力を許可
又は禁止する制御手段を設け、前記制御手段によって前
記第1から第mのバッファ回路から前記容量性部品に出
力される信号を複数通りに切り換える構成としている。
【0008】さらに、好ましい態様では、前記第1から
第mのバッファ回路の出力を前記容量性部品に出力する
か又は前記出力端子にそのまま出力するかを選択的に切
り換える選択手段を備える構成としている。また、前記
nのバッファ回路に、前記選択手段が前記第1から第m
のバッファ回路の出力を前記出力端子にそのまま出力す
る場合に、前記nのバッファ回路の出力を禁止する制御
手段を設けた構成とする。
【0009】
【作用】本発明では、第1から第mのバッファ回路から
の出力が所定の組み合わせで合成されて複数通りの信号
として容量性部品に入力する。そして、容量性部品から
出力される複数通りの信号と、第nのバッファ回路から
出力される信号とが合成される結果、立ち上がり時間と
立ち下がり時間の異なる複数通りの出力信号が出力端子
から出力されるようになる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施例による
バスドライバの構成を示す回路図である。
【0011】図1において、本実施例のバスドライバ
は、第1のバッファ回路11、第2のバッファ回路1
2、第3のバッファ回路13、遅延回路14、コンデン
サ15、入力端子16及び出力端子17とで構成され
る。
【0012】入力端子16は、第1のバッファ回路11
の入力部と第2のバッファ回路121の入力部と遅延回
路14の入力部に接続され、第1のバッファ回路11の
出力部と第2のバッファ回路12の出力部は、それぞれ
コンデンサ15の一方の端子に接続されている。また、
遅延回路14の出力部は第3のバッファ回路13の入力
部に接続され、第2のバッファ回路12の出力制御端子
には制御信号GSが入力され、コンデンサ15の他方の
端子と第3のバッファ回路13の出力部が出力端子17
に接続されている。
【0013】第2のバッファ回路12は、入力する制御
信号GSの制御によって出力部がイネーブル状態又はデ
ィセーブル状態に変化する。イネーブル状態の場合、第
2のバッファ回路12の出力部から出力波形が出力され
るが、ディセーブル状態の場合には、出力部から出力波
形が出力されない。
【0014】次に、上記のように構成される第1実施例
のバスドライバの動作について、図2を参照して説明す
る。ここでは、第1のバッファ回路11と第2のバッフ
ァ回路12と第3のバッファ回路13のゲート遅延時間
がそれぞれ等しく「Tg」であり、これらのバッファ回
路からの出力波形の立ち上がり時間が等しく「Tr」で
あり、これらのバッファ回路からの出力波形の立ち下が
り時間が等しく「Tf」であると仮定する。また、遅延
回路14の遅延時間が「Td」であると仮定する。
【0015】まず、第2のバッファ回路12の出力部が
制御信号GSによってイネーブル状態の場合における各
回路部分の波形を図2に示す。図2(a)に示すような
波形の信号S1が入力端子16に入力すると、この信号
S1が第1のバッファ回路11と第2のバッファ回路1
2と遅延回路13にそれぞれ入力され、第1のバッファ
回路11の出力部からは、図2(b)に示すような波形
の信号S2が出力される。
【0016】この信号S2は、入力端子16の信号S1
の波形に比べて時間「Tg」だけ遅れている。また、遅
延回路14の出力部からは、図2(c)に示すような波
形の信号S3が出力される。この信号S3は、入力端子
16の信号S1の波形に比べて遅延時間「Td」だけ遅
れている。第3のバッファ回路13の出力部からは、図
2(d)に示すような波形の信号S4が出力され、この
信号S4は入力端子16の信号S1の波形に比べて時間
「Td+Tg」だけ遅れている。
【0017】ここで、第2のバッファ回路12は制御信
号GSが入力されることによって出力部がイネーブル状
態となっているので、第2のバッファ回路12の出力部
には、図2(b)に示すような波形の信号S5が出力さ
れる。この信号S5の波形は第1のバッファ回路11か
ら出力される信号S2の波形と同じである。
【0018】このとき、第1のバッファ回路11と第2
のバッファ回路12とから出力される信号S2とS5と
が合成され、コンデンサ15の一方の端子には、図2
(e)に示すような波形の信号S6が入力される。この
信号S6が入力することにより、コンデンサ15の他方
の端子からは、図2(f)に示すような波形の信号S7
が出力される。そして、出力端子17においては、コン
デンサ15から出力される図2(f)に示す信号S6と
第3のバッファ回路13から出力される図2(d)に示
す信号S4とが合成される結果、図2(g)に示すよう
な信号S8が出力されることになる。
【0019】次に、第2のバッファ回路12の出力部が
制御信号GSによってディセーブル状態の場合における
動作を説明する。図2(a)に示すような波形の信号S
1が入力端子16に入力すると、この信号S1が第1の
バッファ回路11と第2のバッファ回路12と遅延回路
13にそれぞれ入力され、第1のバッファ回路11の出
力部からは、図2(b)に示すような信号S1の波形に
比べて遅延時間「Tg」だけ遅れ波形の信号S2が出力
される。
【0020】また、遅延回路14の出力部からは、図2
(c)に示すような信号S1の波形に比べて遅延時間
「Td」だけ遅れた波形の信号S3が出力される。第3
のバッファ回路13の出力部からは、図2(d)に示す
ような信号S1の波形に比べて時間「Td+Tg」だけ
遅れた波形の信号S4が出力される。
【0021】ここで、第2のバッファ回路12は制御信
号GSが入力されることによって出力部がディセーブル
状態となっているので、第2のバッファ回路12の出力
部からは信号S5が出力されない。従って、第1のバッ
ファ回路11から出力された信号S2と同じ図2(b)
に示すような波形の信号S6がコンデンサ15の一方の
端子に入力される。このとき、コンデンサ15の他方の
端子からは、図2(h)に示すような波形の信号S7が
出力される。
【0022】そして、出力端子17においては、コンデ
ンサ15から出力される図2(h)に示す信号S6と第
3のバッファ回路13から出力される図2(d)に示す
信号S4とが合成される結果、図2(i)に示すような
信号S8が出力されることになる。
【0023】図2(g)に示す出力信号S8と図2
(i)に示す出力信号S8を比べると、図2(g)に示
す出力信号S8よりも図2(i)に示す出力信号S8の
方が、立ち上がり及び立ち下がり時間が長くなっている
ことが分かる。このように、制御信号GSによって第2
のバッファ回路12の出力部をイネーブル状態又はディ
セーブル状態に切り換えることにより、出力信号波形の
立ち上がり及び立ち下がり時間の調節(スルーレート調
整)を行なうことが可能となる。これにより、出力信号
波形の立ち上がり及び立ち下がり時間を適切に調整する
ことにより、バス伝送路におけるノイズ発生を防止でき
るので、伝送周波数を大きくして高速伝送バスが実現で
きる。
【0024】図3は本発明の第2の実施例によるバスド
ライバの構成を示す回路図である。図3において、本実
施例のバスドライバは、第1のバッファ回路31、第2
のバッファ回路32、第3のバッファ回路33、第4の
バッファ回路34、遅延回路35、コンデンサ36、入
力端子37及び出力端子38とで構成される。
【0025】入力端子16は、第1のバッファ回路31
と第2のバッファ回路32と第3のバッファ回路33と
遅延回路35の入力部に接続され、第1のバッファ回路
31と第2のバッファ回路32と第3のバッファ回路3
3の出力部は、それぞれコンデンサ36の一方の端子に
接続されている。また、遅延回路35の出力部は第4の
バッファ回路34の入力部に接続され、コンデンサ36
の他方の端子と第4のバッファ回路34の出力部が出力
端子38に接続されている。第1から第3のバッファ回
路31,32,33の出力制御端子にはそれぞれ制御信
号GSが入力されている。第1から第3のバッファ回路
31,32,33は、入力する制御信号GSの制御によ
って出力部がイネーブル状態又はディセーブル状態に変
化する構成となっている。
【0026】第2の実施例が第1の実施例と相違するの
は、コンデンサ36に接続されるバッファ回路を1つ追
加し、かつ第1のバッファ回路31の出力部を制御信号
GSによってイネーブル状態又はディセーブル状態に変
化させるように構成した点である。
【0027】この第2の実施例においては、第1から第
3のバッファ回路31,32,33のゲート遅延時間、
出力波形の立ち上がり時間、出力波形の立ち下がり時間
をそれぞれ等しく設定した場合、制御信号GSによって
各出力部を制御することにより、第1から第3のバッフ
ァ回路31,32,33の何れか1つから出力される信
号、第1から第3のバッファ回路31,32,33のう
ち2つから出力される信号の合成信号、第1から第3の
バッファ回路31,32,33の3つから出力される信
号の合成信号の3通りの信号がコンデンサ36に入力す
る。
【0028】このように、立ち上がり時間と立ち下がり
時間の異なる3通りの出力信号がコンデンサ36に入力
することにより、コンデンサ36からの3通りの出力信
号と第4のバッファ回路34の出力信号が合成される結
果、立ち上がり時間と立ち下がり時間の異なる3通りの
出力信号が出力端子38から出力されることになる。よ
って、第1の実施例よりも、細かなスルーレート調整が
可能である。
【0029】図4は本発明の第3の実施例によるバスド
ライバの構成を示す回路図である。図4において、図1
の第1実施例と同一の構成については共通の参照番号を
付している。従って、同一の構成部分については説明を
省略する。
【0030】本実施例は、図示のように第1のバッファ
回路11と第2のバッファ回路12の出力を切り替えて
出力するセレクタ40を設け、さらに第3のバッファ回
路13aの出力部を制御信号GSによってイネーブル状
態又はディセーブル状態に変化させるように構成とし
た。
【0031】セレクタ40には、第1のバッファ回路1
1の出力又は第1のバッファ回路11の出力と第2のバ
ッファ回路12の出力の合成出力が入力する。また、セ
レクタ40は、選択信号SLによって入力した信号をコ
ンデンサ15側に出力するか又はそのまま出力端子17
に出力する。第3のバッファ回路13aは、制御信号G
Sによって制御され、セレクタ40からコンデンサ15
に出力された場合に、イネーブル状態となり、セレクタ
40から直接出力端子17が出力される場合には、ディ
セーブル状態となる。第1から第3のバッファ回路1
1,12,13aのゲート遅延時間、出力波形の立ち上
がり時間、出力波形の立ち下がり時間はそれぞれ等しく
設定されているのもとする。
【0032】上述した構成により、第3の実施例におい
ては、まず、第1のバッファ回路11の出力信号をその
ままセレクタ40を介して出力端子17に出力し、又は
第1のバッファ回路11と第2のバッファ回路12の出
力を合成した出力をそのままセレクタ40を介して出力
端子17に出力することにより、2通りの出力信号が出
力端子17から出力される。
【0033】次に、第1のバッファ回路11の出力信号
又は第1のバッファ回路11と第2のバッファ回路12
の出力を合成した出力がコレクタ40を介してコンデン
サ15に入力されると共に、コンデンサ15から出力さ
れる2通りの出力信号と第3のバッファ回路13aから
の出力信号が合成されることにより、立ち上がり時間と
立ち下がり時間の異なる2通りの出力信号が出力端子1
7から出力されることになる。すなわち、立ち上がり時
間と立ち下がり時間の異なる合計4通りの出力信号が出
力端子17から出力されることになる。よって、第1及
び第2の実施例よりも、細かなスルーレート調整が可能
である。
【0034】以上好ましい実施例をあげて本発明を説明
したが、本発明は必ずしも上記実施例に限定されるもの
ではない。例えば、各実施例において、コンデンサに接
続されるバッファ回路の数をさらに増加させることも可
能である。この場合、コンデンサに接続されるバッファ
回路の出力を任意の組み合わせで合成させれば、立ち上
がり時間と立ち下がり時間の異なる出力信号がより多数
出力させるようになり、さらに詳細なスルーレート調整
が可能となる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明のバスドライ
バは、第1から第mのバッファ回路からの出力が所定の
組み合わせで合成されて複数通りの信号として容量性部
品に入力し、容量性部品から出力される複数通りの信号
と、第nのバッファ回路から出力される信号とを合成す
ることにより、立ち上がり時間と立ち下がり時間の異な
る複数通りの出力信号を出力する構成としたので、出力
端子における波形の立ち上がり時間と立ち下がり時間を
適切に調節することが可能となる。これによって、バス
伝送路におけるノイズの発生が防止され、高速バスが実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例によるバスドライバの
回路図である。
【図2】 本発明の第1の実施例によるバスドライバの
動作を説明する波形図である。
【図3】 本発明の第2の実施例によるバスドライバの
回路図である。
【図4】 本発明の第3の実施例によるバスドライバの
回路図である。
【図5】 従来のバスドライバの一例を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
11,31 第1のバッファ回路 12,32 第2のバッファ回路 13,13a,33 第3のバッファ回路 14,35 遅延回路 15,36 コンデンサ 16,37 入力端子 17,38 出力端子 34 第4のバッファ回路 40 コレクタ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を入力する入力端子と、 前記入力端子からの前記入力信号を入力する第1から第
    m(mは1より大きい整数)の複数のバッファ回路と、 前記入力端子からの入力信号を所定時間だけ遅延させて
    遅延信号として出力する遅延回路と、 前記遅延回路からの前記遅延信号を入力する第n(nは
    mより大きい整数)のバッファ回路と、 前記第1から第mのバッファ回路の出力を入力する容量
    性部品と、 前記容量性部品の出力と前記第nのバッファ回路の出力
    の合成信号を出力する出力端子を備えることを特徴とす
    るバスドライバ。
  2. 【請求項2】 前記第1から第mのバッファ回路の少な
    くとも1つに、出力を許可又は禁止する制御手段を設
    け、前記制御手段によって前記第1から第mのバッファ
    回路から前記容量性部品に出力される信号を複数通りに
    切り換えることを特徴とする請求項1に記載のバスドラ
    イバ。
  3. 【請求項3】 前記第1から第mのバッファ回路の出力
    を前記容量性部品に出力するか又は前記出力端子にその
    まま出力するかを選択的に切り換える選択手段を備える
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のバスドライ
    バ。
  4. 【請求項4】 前記nのバッファ回路に、前記選択手段
    が前記第1から第mのバッファ回路の出力を前記出力端
    子にそのまま出力する場合に、前記nのバッファ回路の
    出力を禁止する制御手段を設けたことを特徴とする請求
    項3に記載のバスドライバ。
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