JP2692339B2 - 車体パネル継ぎ目部分の平滑化方法 - Google Patents

車体パネル継ぎ目部分の平滑化方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
(産業上の利用分野) 本発明は、自動車ボディの組立てにおいて、例えばル
ーフとリアフェンダ,ルーフとピラーなどの車体パネル
をスポット溶接等により接合したあとその継目部分を平
滑にしてパネルの一体感を出し、外観を向上させるのに
利用される車体パネル継ぎ目部分の平滑化方法に関する
ものである。 (従来の技術) 従来、上記のような車体パネルの継ぎ目部分を平滑化
するに際して、例えば昭和58年5月31日に社団法人自動
車技術会が発行した「新編 自動車工学便覧<第9偏
>」の第1−43頁右欄に記載されているように、黄銅ろ
うを用いたブレージング(硬ろう付け)によって前記パ
ネルの継ぎ目を埋めるようにしていた。 すなわち、第2図は車体パネル継ぎ目部分の平滑化過
程を示す断面図であって、第2図(a)に示すように、
亜鉛めっき鋼板からなる一方のパネル11には段差部分が
設けてあり、この上に同じく亜鉛めっき鋼板からなる他
方のパネル12を重ね、この状態で両パネル11,12は、例
えばスポット溶接によって接合されている。 そして、この両パネル11、12の間に生じるジョグル部
(継ぎ目)13を平滑化するには、黄銅ろうを用いたブレ
ージングによって前記ジョグル部13を埋め、黄銅からな
る溶着部14を形成させた後、当該溶着部14の余盛部分を
グラインダあるいはサンダ等によって研削し、第2図
(b)に示すような平滑状にするようにしていた。 このようにしてジョグル部13が平滑化され、一体化さ
れた両パネル11,12にはこの後、塗装に備えて塗装前処
理が施されるようになっている。 なお、この塗装前処理は、パネル素地面に化成皮膜を
形成させて防錆力の強化を行うと共に、前記素地面への
下塗塗料の密着力の強化を目的に行われるものである。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記のような黄銅ろうを用いたブレー
ジングによって車体パネルのジョグル部を平滑化させる
方法では、黄銅からなる前記溶着部14の切削粉がパネル
上に付着したままりん酸亜鉛系化成膜剤による塗装前処
理を受けると、銅を含む前記切削粉とパネルの亜鉛めっ
きとの間で電池が形成され、化成皮膜がその部分だけに
異常析出して化成皮膜の緻密性や均一性が損なわれるた
め、塗装外観が劣化するという問題点がある。 すなわち、塗装前処理における化成皮膜の生成反応
は、次式によるものであり、 Zn→Zn2++2e- ・・・ 2H++2e-→H2 ・・・ 3Zn(H2PO42+4H2O →Zn3(PO42・4H2O+4H3PO4 ・・・ まず、および2式によりZnが溶出し、界面のpHが
上昇する反応が起る。次にこのpH上昇により、式の反
応が右に進み、ホパイトと呼ばれる不溶性の化成皮膜
[Zn3(PO42・4H2O]が生成されるものである。 ところが、Cuの自然電極電位は0.34V(25℃)であ
り、Znのそれは−0.76Vであるため、前述のようにCuを
含有する切削粉が亜鉛めっき鋼板パネルに付着すると、
この大きな電位差によって電池が形成され、これによっ
てpHが急上昇する結果、式により皮膜生成反応が急速
に進み、前記化成皮膜の異常析出が生じるために前記切
削粉の付着部分に塗装むらが発生するものと考えられ
る。 また、上記問題点に加え、ブレージングによる溶着部
が固いため切削に要する工数が増すと共に、ブレージン
グ時の熱によってパネルのジョグル部が700℃以上にも
加熱されるためにパネルにひずみが生じるという問題点
があり、これら問題点の解消が自動車ボディの組立て、
および塗装における課題となっていた。 (発明の目的) 本発明は、上記のような従来の課題を解決するために
なされたものであって、パネルにひずみが生じることな
く、溶着部の余盛切削が容易で、しかも塗装前処理にお
いて化成皮膜の異常析出が発生せず、塗装外観を損なう
ようなことのない車体パネル継ぎ目部分の平滑化方法を
提供することを目的としている。
【発明の構成】
(課題を解決するための手段) 本発明に係わる車体パネル継ぎ目部分の平滑化方法
は、亜鉛めっき鋼板からなり、塗装に先立ってりん酸亜
鉛系化成膜剤による前処理を施す自動車ボディの隣接す
るパネル同士の継ぎ目部分を平滑化するに際し、亜鉛系
金属の低温溶射によって前記両パネルのジョグル部を平
滑化する構成とし、本発明に係わる車体パネル継ぎ目部
分の平滑化方法の実施態様として請求項2に係わる平滑
化方法においては、亜鉛系金属の低温溶射に際して常温
溶射装置を用いる構成といたものであり、車体パネル継
ぎ目部分の平滑化方法における上記構成を前述した従来
の課題を解決するための手段としたことを特徴としてい
る。 本発明においては、車体パネルのジョグル部を平滑化
するのに用いる溶射方法として、例えば以下に述べるよ
うな構造の常温溶射装置を用いて低温溶射するようにし
ており、これによって、パネルに生ずるひずみの防止効
果をより高めることができる。 すなわち、この常温溶射装置は、高速運動中の金属粒
子の過冷却現象を利用することによって室温での溶射を
可能としたものであって、ガン先端部の周囲に円周状に
形成されたスリットから中心部前方に向って噴射するエ
アーで形成される円錐形減圧層内で、ガンの後方から送
給される2本の線状材料(この場合は亜鉛系金属ワイ
ヤ)が交差して発生するアークによって当該線状材料が
溶融される構造を有している。 上記により溶融された溶融金属は、噴射気流によって
微粒化され素材表面に溶射されることになるが、前記減
圧層内でアーク電流を低く抑えることによって溶融温度
が著しく低下しているうえに、微粒子化される間に溶融
温度の10分の1程度に急冷却され、さらに素材表面に到
達するまでの間にも冷却されるため、亜鉛溶射の場合、
20℃前後の温度で素材表面に衝突する。このとき、前記
粒子は秒速200m以上で高速運動しているため変態温度に
ずれが生じ、素材表面に衝突する直後まで溶融あるいは
半溶融状態を維持しているため上記のような低温での溶
射が可能となるものである。 (発明の作用) 本発明に係わる車体パネルの継ぎ目部分の平滑化方法
は、黄銅にくらべ融点が低く、しかも切削性に優れた亜
鉛系金属を前記パネルのジョグル部に低温溶射すること
によって当該ジョグル部を平滑化するようにしたもので
あり、黄銅のブレージングにくらべて極めて低温で溶着
部が得られるためパネルにひずみが生じることなく、溶
着部が亜鉛系金属で形成されているためその余盛切削が
容易となる。 さらに前記溶着部には実質的に銅が含まれていないの
で、余盛切削時の切削粉がパネル表面に付着したままで
りん酸亜鉛系化成膜剤による塗装前処理を実施したとし
ても化成皮膜の異常析出が起らず、塗装外観を損なうこ
とはない。 (実施例) 以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。 まず、暑さ0.8mmの亜鉛めっき鋼板を2枚用意し、一
方の鋼板2の端部に段差を設けて他方の鋼板3を重ね合
わせたのちスポット溶接することによって、第1図に示
すような車体パネルのジョグルテストピース1を作成し
た。 次いで、前記テストピース1のジョグル部4の近傍
に、下地処理としてサンドブラストを行ない、Rz100の
表面粗さとした後、前記室温溶射装置を用いて1.1mm径
の亜鉛ワイヤによって低温溶射を行ない前記ジョグル部
4に第2図(a)に示すような溶射積層部(溶着部)5
を得た。なお、このときの溶射条件は、アーク電流100
A,アーク電圧13V,搬線速度7m/min,エアー圧7.5kg/cm2
吐出量1.1m/min,ガン距離30cmであった。 その後、前記溶射積層部5の余盛部をグライドおよび
サンダで研削した後、バフ仕上げを行なって第2図
(b)に示すように平滑にして、りん酸亜鉛系化成膜剤
による塗装前処理を行なった。 その結果、化成皮膜の異常析出は発生せず、溶射部や
境界部を含めた鋼板面全体に均一な化成皮膜が形成され
て不具合のない一体面として仕上がり、続いて行なわれ
た塗装テストにおいても良好な結果が得られた。 また、前記ジョグルテストピース1のジョグル部4の
周辺温度は溶射中にも約30℃までしか上昇せず、テスト
ピーク1にひずみは全く生じなかった。 さらに、溶射積層部5の余盛切削においても、当該積
層部5が亜鉛であるため切削性が良好で、研削工数が低
減できることが確認された。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わる車体パネル継ぎ
目部分の平滑化方法は、亜鉛めっき鋼板からなり、塗装
に先立ってりん酸亜鉛系化成膜剤による前処理を施す自
動車ボディの隣接するパネル同士の継ぎ目部分を平滑化
するに際し、亜鉛系金属の低温溶射によって前記両パネ
ルのジョグル部を平滑化する構成としたものであるか
ら、パネルにひずみが生じることがなく、溶着部の余盛
切削が容易で、しかも前記余盛部の切削粉が付着したま
まで塗装前処理を行なった場合でも化成皮膜の異常析出
が発生せず、塗装外観を劣化させることがないという優
れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係わる車体パネル継ぎ目部分の平滑化
方法の実施例に用いたジョグルテストピースの形状を示
す斜視図、第2図(a)(b)はいずれも従来および本
発明方法における車体パネル継ぎ目部分の平滑化過程を
説明する断面図である。 2,3…亜鉛めっき鋼板(パネル)、4…ジョグル部。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛めっき鋼板からなり、塗装に先立って
    りん酸亜鉛系化成膜剤による前処理を施す自動車ボディ
    の隣接するパネル同士の継ぎ目部分を平滑化するに際
    し、亜鉛系金属の低温溶射によって前記両パネルのジョ
    グル部を平滑化することを特徴とする車体パネル継ぎ目
    部分の平滑化方法。
  2. 【請求項2】亜鉛系金属の低温溶射に際して常温溶射装
    置を用いる請求項1記載の車体パネル継ぎ目部分の平滑
    化方法。
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