JP2690180B2 - パケット補間方式 - Google Patents

パケット補間方式

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JP2690180B2 JP20827490A JP20827490A JP2690180B2 JP 2690180 B2 JP2690180 B2 JP 2690180B2 JP 20827490 A JP20827490 A JP 20827490A JP 20827490 A JP20827490 A JP 20827490A JP 2690180 B2 JP2690180 B2 JP 2690180B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、パケット通信において、高能率符号化によ
る帯域圧縮を用いて有効に適用される音声パケット通信
における廃棄パケットのパケット補間方式に関する。
(従来の技術) 現在音声、オーディオ、画像、データ信号などを一元
的に扱うパケット通信方式が検討されている。CCITT
(国際電信電話諮問委員会)でも将来の広帯域ISDNを実
現するための技術として、発生する情報をセルと呼ばれ
る固定長のパケットにより伝送する非同期転送モード
(ATM)の研究が進められている。パケット通信方式
は、異なる速度を有する様々な信号を一元的に処理する
ことができる。これとともに、例えば、パケット通信に
よる音声通信では、バースト的に発生する音声信号の有
音区間のみを伝送することにより伝送効率の向上が期待
できる。また、所望の品質に応じて伝送レートを柔軟に
設定することが可能となる利点を有する。しかし、パケ
ット通信においては、パケット網内でのトラフィックの
ふくそう等によりパケットが廃棄され、音声、オーディ
オ、画像通信などにおいて受信側で再生信号の劣化が引
き起こされるという問題がある。ふくそうとは、パケッ
ト通信において、パケット網の伝送量が許容量を超える
ことをいう。
一方、CCTIIでは、電話帯域である3.4kHz帯域の音声
信号を32kbit/sで伝送するADPCM符号化としてG.721“32
kbit/s Adaptive Differential Pulse Code Modulation
(ADPCM)”が勧告されている。また、7.0kHz帯域の信
号を伝送するサブバンド(帯域分割)ADPCM符号化とし
てG.722“7kHz Audio−Coding within 64kbit/s"が勧告
されている。さらに、20kHz帯域のオーディオ信号を効
率的に伝送するためにサブバンドADPCM符号化を適用す
ることが研究されている。
これらの高能率符号化方式を前述のパケット通信方式
に適用する場合には、パケット廃棄の発生時に符号器と
復号器の内部状態の不一致である非同期状態が発生する
ために再生信号の品質が著しく劣化する。このパケット
廃棄に起因する品質劣化を抑制するパケット補間方式と
して従来からエンベデット符号化方式の導入が検討され
ている。特に、勧告G.722のサブバンドADPCM符号化に
は、すでにエンベデッド符号化が用いられており、これ
を利用することにより品質劣化の抑制が可能となる。G.
722符号化をパケット通信に適用した場合の従来のパケ
ット補間方式を以下に説明する。
第2図は、従来のパケット通信システムの一構成例を
示す図である。
図示のシステムは、パケット送信端末25と、パケット
受信端末30とから成る。尚、以下の説明において、kは
難散時刻を示す。
パケット送信端末25は、フィルタ21と、低域符号器22
と、高域符号器23と、パケット組立部24とを有する。
フィルタ21は、入力信号S(k)を入力し、低域入力
信号SL(k)と高域入力信号SH(k)とを出力する。即
ち、フィルタ21は、0〜8.0kHz帯域の入力信号S(k)
を、0〜4.0kHz帯域の低域入力信号SL(k)と、4.0〜
8.0kHz帯域の高域入力信号SH(k)とに分割する。この
フィルタ21は、24タップのQMF(Quadrature Mirror Fil
ter)により構成されている。
低域符号器22は、低域入力信号SL(k)を入力し、低
域符号ILS(k)を出力する。
高域符号器23は、高域入力信号SH(k)を入力し、高
域符号IHS(k)を出力する。
パケット組立部24は、低域符号ILS(k)と高域符号I
HS(k)とを入力し、優先パケットPPSと非優先パケッ
トPNPSとをパケット網に出力する。
パケット受信端末30は、パケット分解部26と、低域復
号器27と、高域復号器28と、フィルタ29とを有する。
パケット分解部26は、パケット網からの優先パケット
PPRと非優先パケットPNPRとを入力し、低域符号I
LR(k)と高域符号IHR(k)とを出力する。
低域復号器27は、低域符号ILR(k)を入力し、低域
再生信号SL′(k)を出力する。
高域復号器28は、高域符号IHR(k)を入力し、高域
再生信号SH′(k)を出力する。
フィルタ29は、低域再生信号SL′(k)と高域再生信
号SH′(k)とを入力し、再生信号S′(k)を出力す
る。
第3図は、低域符号器のブロック図である。
図示のように、低域符号器は、加算器31と、適応量子
化器32と、ビット削減部33と、スケールファクタ更新部
34と、適応逆量子化器35と、加算器36と、適応予測器37
とから成る。
加算器31は、低域入力信号SL(k)と、符号反転され
た予測信号SL (k)とを入力し、残差信号eL(k)を
出力する。
適応量子化器32は、残差信号eL(k)と、スケールフ
ァクタ△(k)とを入力し、低域符号ILS(k)を出
力する。この適応量子化器32のレベル数は60であり、低
域符号ILS(k)は6ビットで、これがパケット組立部2
4に入力される一方、ビット削減部33に入力される。
ビット削減部33は、低域符号ILS(k)を入力し、ビ
ット削除された符号ILTS(k)を出力する。ここに、符
号ILTS(k)は、低域符号ILS(k)のLSB側2ビットが
削除された4ビット符号である。この符号ILTS(k)が
スケールファクタ更新部34と適応逆量子化器35とに入力
される。
スケールファクタ更新部34は、符号ILTS(k)を入力
し、スケールファクタ△(k)を出力する。
適応逆量子化器35は、符号ILTS(k)と、スケールフ
ァクタ△(k)とを入力し、ループ内量子化残差信号
eLT′(k)を出力する。この適応逆量子化器35は、レ
ベル数が15である。従って、スケールファクタ△
(k)及び適応予測器37の予測係数の更新は、すべて
低域符号ILS(k)ではなく、符号ILTS(k)に基づい
て行なわれる。
加算器36は、ループ内量子化残差信号eLT′(k)
と、予測信号SL (k)とを入力し、ループ内低域再生
信号SLT′(k)出力する。
適応予測器37は、ループ内低域再生信号SLT′(k)
と、ループ内量子化残差信号eLT′(k)とを入力し、
予測信号SL (k)を出力する。この適応予測器37は、
次数が2次の極予測フィルタと、次数が6次の零予測フ
ィルタとにより構成されている。
第4図は、低域復号器のブロック図である。
図示のように、低域復号器は、適応逆量子化器42と、
ビット削減部43と、スケールファクタ更新部44と、ルー
プ内適応逆量子化器45と、加算器46と、適応予測器47
と、加算器48とから成る。
適応逆量子化器42は、符号ILR(k)とスケールファ
クタ△(k)とを入力し、量子化残差信号eL′(k)
を出力する。この適応逆量子化器42のレベル数は、60で
あり、符号器の6ビット適応量子化器32に対応するレベ
ル数を持つ。
ビット削減部43は、符号ILR(k)を入力し、ビット
削除された符号ILTR(k)を出力する。このビット削減
部43は、符号器側の対応するビット削減部33と同様の処
理を行なう。
スケールファクタ更新部44は、符号ILTR(k)を入力
し、スケールファクタ△(k)を出力する。このスケ
ールファクタ更新部44は、符号器側の対応するスケール
ファクタ更新部34と同様の処理を行なう。
ループ内適応逆量子化器45は、符号ILTR(k)とスケ
ールファクタ△(k)とを入力し、ループ内量子化残
差信号eLT′(k)を出力する。ループ内適応逆量子化
器45は、符号器側の対応するループ内適応逆量子化器35
と同様の処理を行なう。
加算器46は、ループ内量子化残差信号eLT′(k)
と、予測信号SL (k)とを入力し、ループ内低域再生
信号SLT′(k)を出力する。
適応予測器47は、ループ内低域再生信号SLT′(k)
と、ループ内量子化残差信号eLT′(k)とを入力し、
予測信号SL (k)を出力する。適応予測器47は、符号
器側の対応する適応予測器37と同様の処理を行なう。
加算器48は、量子化残差信号eL′(k)と、予測信号
SL (k)とを入力し、再生信号SL′(k)を出力す
る。
第3図及び第4図において、パケット網内でのパケッ
ト廃棄の発生は、符号器側の符号ILS(k)と、復号器
側の符号ILR(k)の不一致を引き起こす。ビット削減
器33、43が存在しない通常の符号化の場合には、符号器
と復号器でこれら異なる値の符号がスケールファクタ更
新部34、44及びループ内適応逆量子化器35、45に入力さ
れることになり、逐次更新されるスケールファクタ及び
適応予測器の予測係数の値も符号器と復号器とで異なる
非同期状態が発生する。スケールファクタ及び予測係数
の更新が過去の値により決定されるため、この非同期状
態はパケット廃棄終了後も引き続くことになり、復号器
側の再生信号SL′(k)が大きく劣化する。一方、ビッ
ト削減部33、43が導入された第3図及び第4図のエンベ
デット符号化の場合には、符号器で発生する6ビットの
符号ILS(k)をビット削減部で削除されるLSB側の2ビ
ットにより構成されるLSBパケットと、削除されないMSB
側の4ビットにより構成されるMSBパケットに分割して
パケット化を行なう。さらに、パケット網内では、廃棄
するパケットは、LSBパケットのみとする優先制御を行
なうことにより、各々符号器と復号器のビット削減部か
ら出力される符号ILTS(k)とILTR(k)の値は常に同
一となり、前述の非同期状態の発生が防止される。これ
により、再生信号SL′(k)の劣化が抑えられる。
第5図は、第2図における高域符号器23と高域復号器
28のブロック図である。
これらの高域符号器23及び高域復号器28は、ビット削
減部が存在しない通常の符号化が行なわれるように構成
されている。ここで、適応量子化器52、適応逆量子化器
54、57のレベル数は、4レベルであり、高域符号I
HS(k)とIHR(k)のビット数は、2ビットである。
第6図は、G.722符号化のADPCM符号構成を示す図であ
り、第7図は、従来方式におけるパケット組立部でのAD
PCM符号のセグメントへの分割を示す図である。
前述のように6ビットの低域符号と2ビットの高域符
号の合計8ビットで構成される。第2図のパケット組立
部24では、第7図に示すようにこれを2ビットずつ4セ
グメントに分割して、セグメントごとに一定時間内に発
生する情報をまとめ情報フィールドを形成し、これにパ
ケット網内で必要となる各種制御情報を含むヘッダを付
加し、パケット化した後、パケット網へ送出する。情報
フィールド長を48バイトとすると、1パケットを組み立
てるのに24msec分の情報が必要となる。これは、セグメ
ントに分割しないでパケット化するときの遅延時間であ
る6msecの4倍の遅延時間が発生することを意味する。
パケット網内では、これらのパケットに対して優先制御
を行なう。例えば、セグメントAのパケットのみを非優
先パケットとして廃棄し、他のセグメントB、C、Dは
優先パケットとして廃棄しないという優先制御を行なう
場合には、最大廃棄率25%まで前述の非同期状態を発生
させずにパケット廃棄を行なえる。セグメントA、Bの
パケットを廃棄し、セグメントC、Dは廃棄しないとい
う優先制御を行なう場合には最大廃棄率が50%となる。
パケット分解部26では、パケット網からの受信パケット
をヘッダと、ADPCM符号情報に分割した後、低域ADPCM符
号と高域ADPCM符号に再構成し、出力する。このとき、
パケット網で廃棄された非優先パケットに含まれるADPC
M符号の値は例えば最低量子化レベルに相当する値とし
て出力することにより補間する。例えば、セグメントA
が廃棄された場合には、IL5=IL6=1を挿入する。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述した従来の技術には、次のような
問題があった。
即ち、G.722符号化が持つエンベデッド符号化を利用
したパケット補間方式では、1つのパケットを組み立て
るために必要とされる遅延時間が長くなる。また、パケ
ット網内での最大廃棄率を大きくするために、第7図に
示すセグメントBに相当する高域ADPCM符号を廃棄する
と、音声信号から高域信号が欠落される。これにより、
波形の不連続性に起因する歪が発生し、再生信号の劣化
が大きくなるという問題があった。
本発明は以上の点に着目してなされたもので、G.722
符号化に限らず、エンベデッド符号化を利用したサブバ
ンドADPCM符号化(以下、サブバンド・エンベデッドADP
CM符号化という)を適用したパケット通信方式におい
て、パケット組立のための遅延時間が少なく、パケット
廃棄率が大きい状態でも再生信号の劣化を抑制可能なパ
ケット補間方式を提供することを目的とするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明のパケット補間方式は、パケット廃棄発生指示
信号によりパケット廃棄発生の有無を監視し、パケット
廃棄無しの場合は入力される低域符号を補間された低域
符号として出力し、パケット廃棄ありの場合は、廃棄さ
れたLSB側のビットに最低量子化レベルに相対する値を
挿入し、補間された低域符号として出力するビット挿入
部と、低域符号を入力し、ビット削除された低域符号を
出力するビット削減部と、ビット削除された低域符号を
入力し、低域記憶値を出力する低域用バッファメモリ更
新部と、低域記憶値を入力し、低域記憶値から自己相関
演算によりピッチ周期推定値を求めるピッチ周期推定部
と、高域符号と高域符号生成信号を入力し、パケット廃
棄発生指示信号によりパケット廃棄無しの場合は、高域
符号を補間された高域符号として出力し、パケット廃棄
ありの場合は、高域符号生成信号を補間された高域符号
として出力する符号切替部と、補間された高域符号を入
力し、バッファメモリの高域記憶値を出力する高域用バ
ッファメモリ更新部と、補間された高域符号を入力し、
高域記憶値を出力するバッファメモリ更新部と、高域記
憶値とピッチ周期推定値を入力し、高域符号生成信号を
出力するバッファメモリポインタ指定部とを有する符号
補間器を備えたことを特徴とするものである。
(作用) 本発明のパケット補間方式によれば、音声信号等の入
力信号は、パケット送信端末によりパケット化される
際、優先パケットと非優先パケットとに分解される。パ
ケット網では、優先パケットは、確実にパケット受信端
末に送られる。これに対、非優先パケットは、廃棄され
る可能性がある。パケット受信端末では、非優先パケッ
トが廃棄された場合には、音声信号の周期性に着目し、
優先パケットを利用して廃棄された非優先パケットの補
間を行なう。
(実施例) 第1図は、本発明のパケット補間方式を用いたサブバ
ンド・エンベデッドADPCM符号化を適用したパケット通
信システムの実施例である。
図示のシステムは、パケット送信端末85と、パケット
受信端末91とから成る。
パケット送信端末85は、フィルタ81と、低域符号器82
と、高域符号器83と、パケット組立部84とを有する。
フィルタ81は、入力信号S(k)を入力し、低域入力
信号SL(k)と高域入力信号SH(k)とを出力する。即
ち、フィルタ81は、0〜8.0kHz帯域の入力信号S(k)
を、0〜4.0kHz帯域の低域入力信号SL(k)と、4.0〜
8.0kHz帯域の高域入力信号SH(k)とに分割する。この
フィルタ81は、24タップのQMF(Quadrature Mirror Fil
ter)により構成されている。
低域符号器82は、低域入力信号SL(k)を入力し、低
域符号ILS(k)を出力する。
高域符号器83は、高域入力信号SH(k)を入力し、高
域符号IHS(k)を出力する。
パケット組立部84は、低域符号ILS(k)と高域符号I
HS(k)とを入力し、優先パケットPPSと非優先パケッ
トPNPSとをパケット網に出力する。
パケット受信端末91は、パケット分解部86と、符号補
間器87と、低域復号器88と、高域復号器89と、フィルタ
90とを有する。
パケット分解部86は、パケット網からの優先パケット
PPRと非優先パケットPNPRとを入力し、低域符号I
LR(k)と高域符号IHR(k)とを出力する。
符号補間器87は、低域符号ILR(k)と高域符号I
HR(k)とを入力し、補間された低域符号ILRC(k)と
補間された高域符号IHRC(k)とを出力する。
低域復号器887は、低域符号ILRC(k)を入力し、低
域再生信号SL′(k)を出力する。
高域復号器89は、高域符号IHRC(k)を入力し、高域
再生信号SH′(k)を出力する。
フィルタ90は、低域再生信号SL′(k)と高域再生信
号SH′(k)とを入力し、再生信号S′(k)を出力す
る。
低域符号器82、高域符号器83、低域復号器88及び高域
復号器89が前述の第3図、第4図及び第5図の構成を持
つとすると、パケット組立部84では、低域符号のうちビ
ット削減部で削除されないMSB側の情報で形成する優先
パケットと、低域符号のうちビット削減部で削除される
LSB側の情報及び高域符号により形成される非優先パケ
ットがそれぞれ組み立てられる。
第9図は、優先パケットの一構成例を示す図である。
図示のように、ビット削減部で削除されないMSB側の
1サンプル当り4ビットの情報(IL1、IL2、IL3、1I
L4)がTサンプルで1パケットの情報フィールドが構成
される。
第10図は、非優先パケットの一構成例を示す図であ
る。
ビット削減部で削除されるLSB側の1サンプル当り2
ビットの情報(IL5、IL6)と1サンプル当り2ビットの
高域情報(IH1、IH2)の合計1サンプル当り4ビットの
情報がTサンプル集められて1パケットの情報フィール
ドが形成される。ここで、情報フィールド長が48バイト
とすると、T=96となり、1パケットを組み立てるため
の遅延時間は、12msecとなり、従来の1/2となる。
パケット網では、ふくそう時などパケット廃棄処理が
必要な時には、非優先パケットのみを廃棄し、優先パケ
ットは廃棄しないという優先制御を行なう。
パケット分解部86では、受信パケットのヘッダと情報
フィールドを分離後、IL1〜IL6により低域符号を、IH1
とIH2により高域符号を再構築する。
第8図は、本発明の符号補間器87の一実施例を示す図
である。
図示の補間器は、ビット挿入部11と、ビット削減部12
と、バッファメモリ更新部13と、ピッチ周期推定部14
と、符号切替部15と、バッファメモリ更新部16と、バッ
ファメモリポインタ指定部17とから成る。
ビット挿入部11は、入力端子T1から入力される低域符
号ILR(k)を入力し、制御端子T2から入力されるパケ
ット廃棄発生指示信号L(k)により制御される、補間
された低域符号ILRC(k)を出力端子T4から出力する。
このビット挿入部11では、パケット廃棄発生指示信号L
(k)により、パケット廃棄発生の有無を常時監視し、
以下の規則、に従って出力である補間された低域符
号ILRC(k)が決定される。
パケット廃棄なしのとき、 ILRC(k)=ILR(k) パケット廃棄ありのとき、廃棄されたLSB側のIL5、IL
6の2ビットに最低量子化レベルに相当する値を挿入
し、6ビットの低域符号ILRC(k)とする。
規則は、例えばG.722符号化の場合には、IL5=IL6
=1となる。
ビット削減部12は、低域符号ILR(k)を入力し、ビ
ット削除された低域符号ILRT(k)を出力する。このビ
ット削減部12では、6ビットの低域符号ILR(k)のう
ち、LSB側の2ビットを削除した常に4ビットの低域符
号ILRT(k)を出力する。
バッファメモリ更新部13は、低域符号ILRT(k)を入
力し、記憶値IBUFFLを出力する。即ち、低域符号I
LRT(k)が、バッファメモリ更新部13に入され、バッ
ファメモリIBUFFLがサンプル毎に次式に従い逐次更新さ
れる。
IBUFFL(m)=IBUFFL(m−1) 2≦m≦ML IBUFFL(1)=Q-1(ILRT(k)) ここで、MLは、バッファメモリのサイズを、Q
-1(・)は符号の復号化処理を示す。
ピッチ周期推定部14は、記憶値IBUFFLを入力し、ピッ
チ周期推定値PITを出力する。ピッチ周期推定部14で
は、この記憶値に対して自己相関演算処理等を行ない、
ピッチ周期推定値PITを求める。一例を次に示す。自己
相関関数R(t)を次式により定義する。
ここで、TMIN、TMAXは、それぞれピッチ周期が存在す
ると推定される最小サンプル数及び最大サンプル数であ
る。例えば、TMIN=24、TMAX=128、またN=128に設定
する。この場合、必要となるバッファメモリIBUFFLのサ
イズMLは256となる。この自己相関関数R(t)が最大
となるtの値がピッチ周期推定値PITとなる。
符号切替部15は、入力端子T3から入力される高域符号
IHR(k)と、高域符号生成信号IHP(k)とを入力し、
パケット廃棄発生指示信号L(k)により制御される補
間された高域符号IHRC(k)を出力端子T5から出力す
る。この符号切替部15では、パケット廃棄発生指示信号
L(k)により、以下の規則、に従って出力信号で
ある補間された高域符号IHRC(k)が決定される。
パケット廃棄なしのとき、 IHRC(k)=IHR(k) パケット廃棄ありのとき、 IHRC(k)=IHP(k) この高域符号IHRC(k)は、バッファメモリ更新部16
に入力され、記憶値IBUFFHが出力される。この記憶値IB
UFFHはサンプル毎に次式に従い逐次更新される。
IBUFFH(m)=IBUFFH(m−1) 2≦m≦MH IBUFFH(1)=IHRC(k) ここで、MHは、バッファメモリのサイズを示す。前述
の例の場合には、MH=256となる。
バッファメモリ更新部16は、高域符号IHRC(k)を入
力し、バッファメモリの記憶値IBUFFHを出力する。
バッファメモリポインタ指定部17は、記憶値IBUFFH
ピッチ周期推定値PITを入力し、高域符号生成信号I
HP(k)を出力する。即ち、バッファメモリポインタ指
定部17は、ピッチ周期推定値PITを用い、高域符号生成
信号IHP(k)を次式により求める。
IHP(k)=IBUFFH(PIT) このように、本発明においては、パケット廃棄発生時
の高域符号を1ピッチ周期前の符号により補償すること
により高域信号の欠落による再生信号の劣化を抑えるこ
とが可能となる。
以上が本発明のパケット補間方式を用いたサブバンド
・エンベデッド符号化を適用したパケット通信システム
の一実施例であり、この実施例ではサブバンド・エンベ
デッド符号化として帯域分割数が2で低域符号6ビット
(このうち2ビットがビット削減部が削除される)、高
域符号2ビットのG.722符号化を想定しているが、本発
明が適用可能なサブバンド・エンベデッド符号化は、G.
722に限定されない。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明のパケット補間方式によ
れば、サブバンド・エンベデッド符号化を用いたパケッ
ト通信システムで発生するパケット廃棄を補償するパケ
ット補間方式において、パケット廃棄発生指示信号によ
りパケット廃棄発生の有無を監視し、パケット廃棄無し
の場合は入力される低域符号を補間された低域符号とし
て出力し、パケット廃棄ありの場合は、廃棄されたLSB
側のビットに最低量子化レベルに相当する値を挿入し、
補間された低域符号として出力するビット挿入部と、低
域符号を入力し、ビット削除された低域符号を出力する
ビット削減部と、ビット削除された低域符号を入力し、
低域記憶値を出力する低域用バッファメモリ更新部と、
低域記憶値を入力し、低域記憶値から自己相関演算によ
りピッチ周期推定値を求めるピッチ周期推定値と、高域
符号と高域符号生成信号を入力し、パケット廃棄発生指
示信号によりパケット廃棄無しの場合は、高域符号を補
間された高域符号として出力し、パケット廃棄ありの場
合は、高域符号生成信号を補間された高域符号として出
力する符号切替部と、補間された高域符号を入力し、バ
ッファメモリの高域記憶値を出力する高域用バッファメ
モリ更新部と、補間された高域符号を入力し、高域記憶
値を出力するバッファメモリ更新部と、高域記憶値とピ
ッチ周期推定値を入力し、高域符号生成信号を出力する
バッファメモリポインタ指定部とを有する符号補間器を
設けるようにしたので、次のような効果がある。
パケットを組み立てるための遅延時間を従来より短縮
することが可能となる。また、バケット廃棄率が大きい
場合にも、高域信号の欠落による波形の不連続性に起因
する再生信号の劣化を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のパケット補間方式を用いたパケット通
信システムの一構成例を示す図、第2図は従来のパケッ
ト通信システムの一構成例を示すブロック図、第3図は
低域符号器のブロック図、第4図は低域復号器のブロッ
ク図、第5図は高域符号器と高域復号器のブロック図、
第6図はG.722符号化のADPCM符号構成を示す図、第7図
は従来方式におけるパケット組立部でのADPCM符号のセ
グメントへの分割を示す図、第8図は本発明の符号補間
器の一実施例を示すブロック図、第9図は本発明の優先
パケットの一構成例を示す図、第10図は本発明の非優先
パケットの一構成例を示す図である。 81……フィルタ、82……低域符号器、 83……高域符号器、84……パケット組立部、 85……パケット送信端末、 86……パケット分解部、87……符号補間器、 88……低域復号器、89……高域復号器、 90……フィルタ、91……パケット受信端末。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−113738(JP,A) 特開 平2−50654(JP,A) 特開 平2−4062(JP,A) 電子情報通信学会技術研究報告 IN 87−81 1990年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集 分冊3 B−721 1990年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集 分冊3 B−720

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号をパケット化し、優先パケットと
    非優先パケットとに分解して送出するパケット送信端末
    端末と、 パケット網内で廃棄が必要な場合は、非優先パケットを
    廃棄し、優先パケットは廃棄しない優先制御を行うパケ
    ット網と、 当該パケット網からのパケットを受信した後、再生信号
    を出力するパケット受信端末とを有するパケット通信シ
    ステムで発生するパケット廃棄を補償するパケット補間
    方式において、 パケット廃棄発生指示信号によりパケット廃棄発生の有
    無を監視し、パケット廃棄無しの場合は入力される低域
    符号を補間された低域符号として出力し、パケット廃棄
    ありの場合は、廃棄されたLSB側のビットに最低量子化
    レベルに相当する値を挿入し、補間された低域符号とし
    て出力するビット挿入部と、 低域符号を入力し、ビット削除された低域符号を出力す
    るビット削減部と、 前記ビット削除された低域符号を入力し、低域記憶値を
    出力する低域用バッファメモリ更新部と、 前記低域記憶値を入力し、当該記憶値から自己相関演算
    によりピッチ周期推定値を求めるピッチ周期推定部と、 高域符号と高域符号生成信号を入力し、前記パケット廃
    棄発生指示信号によりパケット廃棄無しの場合は、高域
    符号を補間された高域符号として出力し、パケット廃棄
    ありの場合は、高域符号生成信号を補間された高域符号
    として出力する符号切替部と、 前記補間された高域符号を入力し、バッファメモリの高
    域記憶値を出力する高域用バッファメモリ更新部と、 前記補間された高域符号を入力し、高域記憶値を出力す
    るバッファメモリ更新部と、 前記高域記憶値と前記ピッチ周期推定値を入力し、高域
    符号生成信号を出力するバッファメモリポインタ指定部
    と、 を有する符号補間器を備えたことを特徴とするパケット
    補間方式。
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1990年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集 分冊3 B−720
1990年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集 分冊3 B−721
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