JP2688397B2 - 磁気浮上車両 - Google Patents

磁気浮上車両

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照広 滝沢
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  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の超電導コイルを
前後方向に並んだ状態で収納する槽が台車枠に取付けら
れている磁気浮上車両に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気浮上車両としては、例えば、
日経メカニカル(1989 10−2No.307 日
経BP社発行)P22〜24に示されているものがあ
る。
【0003】この磁気浮上車両は、図6に示すように、
磁気浮上用の超電導コイル1が、液体ヘリウムが満たさ
れている内槽2に収納され、この内槽2が複数個組で断
熱真空容器である外槽3内に収納されている。内槽2
は、断熱・荷重支持体7で外槽3に固定されている。外
槽3は、外槽3自身に形成されたボルト孔6を貫通する
ボルト5により、台車枠4に固定される。超電導コイル
1は、車両の前後方向に複数個並べる必要があるため、
複数の超電導コイル1,1,…を収納する外槽3は、図
5に示すように、車両の前後方向に長くなるよう形成さ
れている。
【0004】ところで、このように、超電導コイル1を
内槽2および外槽3を用いて、外気と隔離するのは、外
からの熱を遮断すると共に、超電導コイル1を積極的に
冷すためである。このため、外槽3を台車枠4に固定す
るためのボルト5は、外からの熱を内部に導く作用をす
るので、できる限り少ない本数のボルト5で固定してい
る。また、図5に示すように、ボルトピッチlP2
P2′は、断熱・荷重支持体7の位置や大きさ等による
制約によって、定められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、超電導コイ
ル1がクエンチしてしまうのを防ぐ意味でも、超電導コ
イル1自身が発生する熱や、周囲からの熱量が少なくな
ることが好ましい。本発明は、このような背景に着目し
てなされたもので、車両走行時において、超電導コイル
自身が発生する熱や、超電導コイルの周囲で発生する熱
を軽減することができる磁気浮上車両を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の磁気浮上列車は、複数の超電導コイルを前後方向に並
んだ状態で収納する槽が複数のボルトによって台車枠に
取付けられている磁気浮上車両において、地上コイルが
作る進行方向空間高調波磁場のうち、最もスペクトル強
度が大きい成分をn次高調波とし、該n次高調波の移動
する車両側から見た波長をλnとすると、前記前後方向
における前記ボルトのピッチlPが、 lP=((2M−1)/4)・λn (Mは自然数)・・・・・・・・(数1) (数1)で定められるピッチにほぼ設定されていること
を特徴とするものである。
【0007】また、前記目的を達成するための他の磁気
浮上車両は、複数の超電導コイルを前後方向に並んだ状
態で収納する槽が台車枠に取付けられている磁気浮上車
両において、前記槽を補強する複数の補強部材を前記前
後方向に設けられ、複数の前記補強部材の前後方向のピ
ッチlPが、地上コイルが作る進行方向空間高調波磁場
のうち、最もスペクトル強度が大きい成分をn次高調波
とし、該n次高調波の移動する車両側から見た波長をλ
nとすると、 lP=((2M−1)/4)・λn (Mは自然数)・・・・・・・・(数1) (数1)で定められるピッチにほぼ設定されていること
を特徴とするものである。
【0008】なお、以上に示したピッチlPとしては、
実用上、(数1)の換わりに以下に示す(数2)で設定
されるものでよい。
【0009】 lP=((2M−1)/4±0.15)・λn・・・・・・・・・・・・・・・・(数2)
【0010】
【作用】ボルトピッチまたは補強板ピッチを(数1)に
示されるピッチにほぼ設定することにより、n次高調波
の振動振幅の腹に該当する部分が、いずれかのボルトま
たは補強板のピッチに押えられるので、外槽がn次高調
波の振幅の腹の部分で振れようとしても、ボルト締付部
で台車側より拘束され、共振が抑制される。
【0011】したがって、振動によって発生する各部材
間の摩擦や渦電流損による熱を大幅に軽減することがで
きる。
【0012】
【実施例】まず、本発明に係る磁気浮上車両の各種実施
例を説明する前に、図5および図6に示す従来の磁気浮
上車両で起こりうる現象について説明する。 ここで、車上2次超電導磁石のポールピッチをτP、 地上1次コイルの基本周波数を fO、 車両の走行速度を V、 空間高調波の次数を n、 空間高調波の波長を λn とすれば、これらの間には次のような関係が存在する。
なお、高調波の波長λnは、車両側から見た場合には変
わらないので、車両側からみたものを用いている。
【0013】V=2τP・fO n=2τP/λn=V/(fO・λn) ここで、図示されていない地上コイルによって作られる
高調波磁場のうち、最もスペクトル強度の大きい成分を
基本波のn次の高調波成分とする場合、ボルトピッチl
P2及びlP2′と波長λnとの比、すなわち、lP2/λn
びlP2′/λが、それぞれ大略0.5,1.0,1.
5,2.0…に近い数値のとき、高調波の波長λ
節とボルト取付用穴6がほぼ一致する。
【0014】このように、高調波の波長λn の節とボル
ト取付用穴6がほぼ一致すると、車両の運転周波数の途
中のn次高調波で共振が発生し、各部材間の摩擦や渦電
流損により、大量の熱を発してしまう。すなわち、発明
者は、従来技術のように、ボルト5のピッチについて、
特に考慮を払うことなく定める、または、断熱・荷重支
持体7の位置や大きさ等から単に定めると、共振が発生
してしまうことがあるということを見出した。
【0015】そこで、このような振動現象を防止するた
め案出された本発明に係る各種実施例について、図面を
用いて以下に説明する。なお、従来技術と同一部位につ
いては、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
本発明に係る第1の実施例について、図1から図3を用
いて説明する。本実施例の磁気浮上用車両は、その基本
的な構造は従来技術のものと同様で、ボルトピッチを変
えたものである。以下、ボルトピッチについて、詳細に
説明する。
【0016】図2は、n次の高調波の振幅と、n次の高
調波の特定の節から腹1,…,4までの距離l1,…,
4との関係を示したものである。特定の節から腹1,
…,4までの距離l1,…,l4は、それぞれ、 l1=1/4λn2=3/4λn3=5/4λn4=7/4λn となり、これを自然数M(=1,2,3,4)を用い
て、上記を一般式で表わせば、 lM=((2M−1)/4)・λn・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(数1) となる。
【0017】前述したような振動現象を抑えるために
は、仮に、車両前方側のボルト5がn次高調波の節に該
当する部分を押えていたとき、車両後方側のボルト5が
n次高調波の腹を押えていればよい。したがって、(数
1)で示される距離をボルトピッチlPとすれば、いず
れかのボルト5でn次の高調波の腹の部分を押えること
ができ、激しい振動現象を押えることができる。
【0018】図3は、外槽3に5次の高調波を作用させ
た場合の、外槽表面に発生する振動加速度の比(lP
λn=1.25のときを1とする。)と、ボルトピッチ
Pと波長λnとの比との関係を示したものである。同図
に示すように、振動加速度比は、lP/λn=1.25
(=5/4)で極小、lP/λn=1.0及び1.5で極
大となる。図中lP/λn=1.25に対して、±0.1
5の領域を斜線で示したが、この領域はボルトピッチを
種々の制限から必ずしも、(数1)で設定されるピッチ
に設定することができないため、比較的発生加速度の比
が小さい範囲でlP/λnに裕度を持たせたものである。
【0019】以上より、ボルトピッチlMのより実際的
は表現としては、 lM=lP=((2M−1)/4±0.15)・λn・・・・・・・・・(数2) となる。
【0020】したがって、以上のような観点からボルト
ピッチを実際に定めるとすると、以下のようになる。
今、仮に、高調波磁場の内の最もスペクトル強度の大き
い成分を基本波の5次の高調波とすると、この高調波の
波長λ5は、 λ5=2τP/n =2700mm/5=540mm (車上2次超
電導磁石のポールピッチτPの2倍、すなわち、基本波
の波長λ1を2700mmとする。)となる。
【0021】この場合、図1に示すように、ボルトピッ
チlP1,lP1′を、それぞれ、以下のように設定する。 lP1/λn=650mm/540mm=1.20 lP1′/λn=700mm/540mm=1.30 このように、ボルトピッチlP1,lP1′を設定すること
により、いずれかのボルト5により、高調波10の腹に
該当する部分を押えることができ、1次側地上コイルの
作る運転周波数の内、スペクトル強度の大きいn次高調
波の進行波が外槽表面であたかも定在波として成長しな
い。このため、機械的発熱や電気的発熱、つまり、外槽
3の振動による各種接合部位相互間の摩擦熱や、超電導
コイルの振動で発生する渦電流損を大幅に抑制すること
ができる。
【0022】次に、本発明の第2の実施例について、図
4を用いて説明する。本実施例は、外槽3の地上コイル
側板3aと台車側板3bとの間を繋ぐ補強9,9,…の
外槽長手方向間隔lP1,lP1′を、(数2)と同様に、 lP1,lP1′=((2M−1)/4±0.15)λn・・・・・・(数3) としたものである。
【0023】この例でも、n次高調波の腹に相当する部
分をいずれかの補強9で押えることができるので、n次
高調波の進行波が外槽3表面で膜振動し、あたかも定在
波として成長することを抑制でき、外槽3の振動による
超電導コイルの電気的、機械的発熱を大幅に低減し得る
効果がある。
【0024】なお、本実施例では、各ボルト5,5,…
の位置に、補強9を設けたもので、結局ボルトピッチ
は、第1の実施例と同じであるが、いずれかを(数2)
または(数3)に示すピッチに設定することによって、
同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、1次側地上コイルが作
る高調波磁場うち、スペクトル強度の最も大きいn次高
調波の振動振幅の腹に相当する部分を押えることができ
るので、進行波が外槽表面であたかも定在波として成長
してしまうことはなく、このような振動に起因する電気
的、機械的発熱を大幅に低減し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例の磁気浮上車両の要
部斜視図である。
【図2】n次の高調波の振幅とその高調波の特定の節か
ら各腹までの距離との関係を示すグラフである。
【図3】外槽表面に発生する振動加速度の比と、ボルト
ピッチlPと波長λnとの比と、の関係を示すグラフであ
る。
【図4】本発明に係る第1の実施例の磁気浮上車両の要
部斜視図である。
【図5】従来の磁気浮上車両の要部斜視図である。
【図6】図5におけるVI−VI線断面図である。
【符号の説明】
1…超電導コイル、2…内槽、3…外槽、4…台車枠、
5…ボルト、6…ボルト孔、9…補強板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝沢 照広 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 鈴木 史男 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 後藤 文彦 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 中島 洋 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財 団法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 鈴木 栄司 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財 団法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 岩松 勝 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財 団法人鉄道総合技術研究所内

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の超電導コイルを前後方向に並んだ状
    態で収納する槽が複数のボルトによって台車枠に取付け
    られている磁気浮上車両において、 地上コイルが作る進行方向空間高調波磁場のうち、最も
    スペクトル強度が大きい成分をn次高調波とし、該n次
    高調波の移動する車両側から見た波長をλnとすると、 前記前後方向における前記ボルトのピッチlPが、 lP=((2M−1)/4)・λn (Mは自然数)・・・・・・・・(数1) (数1)で定められるピッチにほぼ設定されていること
    を特徴とする磁気浮上車両。
  2. 【請求項2】前記槽の前記前後方向において、前記ボル
    トが設けられている位置に、該槽の地上コイル側板と台
    車側板とを繋ぐ補強板が設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載の磁気浮上車両。
  3. 【請求項3】複数の超電導コイルを前後方向に並んだ状
    態で収納する槽が台車枠に取付けられている磁気浮上車
    両において、 前記槽を補強する複数の補強部材を前記前後方向に設け
    られ、 複数の前記補強部材の前後方向のピッチlPが、 地上コイルが作る進行方向空間高調波磁場のうち、最も
    スペクトル強度が大きい成分をn次高調波とし、該n次
    高調波の移動する車両側から見た波長をλnとすると、 lP=((2M−1)/4)・λn (Mは自然数)・・・・・・・・(数1) (数1)で定められるピッチにほぼ設定されていること
    を特徴とする磁気浮上車両。
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