JP2685824B2 - 水棲生物の付着防止装置 - Google Patents

水棲生物の付着防止装置

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JP2685824B2 JP63196147A JP19614788A JP2685824B2 JP 2685824 B2 JP2685824 B2 JP 2685824B2 JP 63196147 A JP63196147 A JP 63196147A JP 19614788 A JP19614788 A JP 19614788A JP 2685824 B2 JP2685824 B2 JP 2685824B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水棲生物の付着防止装置に関し、特に、ター
ビン等で用いられる復水器等の管式熱交換器用の冷却水
水系統中にある熱交換器管板面や水室内壁面、水路壁面
への生物の付着生長を防止するのに好適な水棲生物の付
着防止装置に関する。
〔従来の技術〕
冷却海水路中での海棲生物付着生長は、付着物或いは
それらが脱落し流水とともに流れることによって、熱交
換器細管の閉塞、異常損傷を起こしたり、ストレーナの
異常目詰まりや給水量の低下の原因となり、プラント効
率の低下や運転障害を来たす恐れもある。従来よりこう
した海棲生物の付着を防止する方法としては、給水中へ
の塩素注入が行われていた。こうした技術や、火力発電
Vol16,No.10(Oct 1965)に詳しく述べられている。と
ころで、給水中への塩素注入の方法としては、塩素を封
入した高圧容器から直接給水中に塩素を投入する方法
や、あるいは海水を電気分解し、海水中の塩素イオンか
ら次亜塩素酸を発生させて、海棲生物の付着を防止する
方法が用いられている。しかしながら、高圧容器から直
接投入する方法においては、高圧容器の運搬・取扱いに
危険が伴う上に、塩素を発生プラント等の大容量の給水
系(1プラントで300,000T/Hに達するものもある。)に
注入し使用される場合には、排水海水が海洋の生態系に
悪影響を与える恐れがある為、環境保全の立場から塩素
注入は忌避される傾向にある。以上述べた理由により、
塩素注入法に替わる海棲生物の付着防止方法が強く要請
されている。これに対する1つの試みとして、特開昭53
−85551号では間欠的に冷却水系の水を、オゾン含有気
体で置換することにより熱交換器水室内の海棲生物付着
防止を図ることが提案されている。しかし、冷却水系を
水抜きする際にオゾン含有気体と置換するため、系統の
給水停止など繁雑な切換運転やプラントの負荷制限など
が生じることや、オゾン含有気体を排出する際は、オゾ
ン分解装置を経由して未反応オゾンを分解し毒性を皆無
にしてから大気に放出するなどの処置が必要であった。
以上述べた様に、従来の給水系海棲生物付着防止方法
としての、殺菌性薬品の注入法は問題が多かったが、こ
れに代わる方法として、環境に与える影響がなく、しか
も簡単で、生物付着防止効果のすぐれた方法として、紫
外光線を照射する方法がある。これは、波長253.7nmの
紫外線による殺菌効果を利用したもので、海棲生物が付
着生長し易い環境領域に紫外線を照射し、給水系の水路
壁面、熱交換器の水室壁面等、海棲生物の付着を防止す
ることが出来る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来技術では、紫外線光の生物付
着防止に対する紫外線ランプ1ヶ有効距離は、紫外線ラ
ンプを中心に、約半径600mmの範囲であり、こうした装
置を火力・原子力発電プラント熱交換器水室に対し適用
するのは困難であった。
すなわち、上下約6m、左右約4m、管板面からの幅約3m
の水室内には、運転中常に冷却水が流動しており、この
水中の大空間に対し、石英ガラス注(1)で出来たラン
プ保護ジャケット及びランプ本体を均一に設置するの
は、前記石英ガラス製保護ジャケットの強度に限界があ
った。
また、仮に石英ガラスをサポート可能な水室壁面近傍
のみ配置した場合には、水室壁面に対する付着防止効果
はあるが、最も生物が付着し易く、また生物が付着した
場合に、管穴閉塞が原因で熱交換器の性能に直接影響を
与える管板面に対しては、前記紫外線ランプ有効範囲
(約600mm)の関係で十分に有効な光が到達しない。
(仮に管板面全域に到達させようとした場合には、図−
2に示す多数のランプの設置が必要となり、経済性が低
下する。) 本発明の目的は、特に、内部に水が満たされた構造物
の壁面の有効な位置に紫外線照射装置を配置した水棲生
物の付着防止装置を提供することにある。
注(1) 紫外線ランプ本体は、水中で使用する場合紫
外線透過率の高い石英ジャケットですっぽりと全体をお
おい、保護し使用する。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の水棲生物の付着
防止装置は、内部に水が満たされた構造物の壁面に対す
る水棲生物の付着を防止する装置において、紫外線光源
と前記水とを遮断し、かつ紫外線を通過させる外胴を前
記構造物中に満たされた水を貫通して設置し、前記紫外
線光源を前記外胴内で発光させることを特徴とする。
〔作 用〕
本発明は、上記のように、紫外線を通過させる外胴を
前記構造物中に満たされた水を貫通して設置し、紫外線
光源を前記外胴内で発光させるようにしたものであるか
ら、水の満たされた構造物の壁面全域に紫外線が有効に
照射されるものである。
しかも、外胴の外周に複数の支持板が、所要間隔を置
いて、着脱自在に嵌合され、かつ、前記支持板が連結棒
により相互に着脱自在に連結されている構成とし、或い
は、紫外線光源取付部と外胴との連結部を着脱自在にシ
ールした構成とすれば、その分解・組立をきわめて容易
とすることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の水棲生物の付着防止装置の第1実施例
を、第1図、第2図、第4図を用いて詳細に説明する。
第1図は、熱交換器水室周辺の外観及び、本発明におけ
る紫外線照射装置の取付状況の外観を示す。
発電プラントの主要熱交換器である復水器1は、水室
内2に、冷却水循環水配管4を介して冷却水(海水)
が、5,5′の方向で常に流入する。流入した冷却水(海
水)は、管板3に多数取り付けられている冷却管穴3′
から各冷却管穴に流入し、タービン排気として上方より
復水器胴体内に流れ込む蒸気と熱交換する。
いま生物付着が問題となる範囲は、水室内で冷却水
(海水)と直接接触する部分、すなわち水室2の内壁面
と、管板面3である(尚、冷却管3′の内面も海水と直
接接触するが、この部分は従来スポンジボール洗浄等別
な手段で生物付着を防止している。)。
さて本発明の第1実施例における紫外線照射装置は、
水室2の壁面に設置された取付座6に対し、中央部が開
口した形状で、かつバー8により一定間隔で組み合わさ
れている、支持板7を連接して固定し、支持板7の中央
の開口部に長い円胴状に整形した石英保護ジャケット9
を通して取り付ける。更に前記石英保護ジャケット9の
内部に紫外線ランプ本体10を挿入し、端部をフタ11で密
閉した上で、ランプ本体10の電源端子12をフタ11の外部
に取り付ける。電源端子12は、接続ケーブル13を介して
電源盤14とつながっており、電源盤は、元電源15から電
気の供給を得る。
支持板の1例としては、第3図に詳しく示す様に、1
要素が数本のバー8の両端に、2枚の支持板7を固定し
たものであり、この要素を複数箇連接することにより、
水室2の一方の壁面から対向する壁面までつなぎ合わせ
ることが可能となる。
また、水室2壁面の取付座6の例としては、第4図に
示す様に、ランプ本体10を石英保護ジャケット9内に挿
入後、端子をケーブル13′を介してフタ11の電源端子12
に接続し、その後フタ11を、取付座6に取り付け密閉す
る。以上の構成により、紫外線ランプ本体は石英保護ジ
ャケット内で点灯可能であり、かつ、取付座6を、水室
2の適切な位置に選定し設置することにより、例えば、
従来困難であった管板面全域に対する有効な紫外線の照
射が従来より少ないランプ数可能となる。また本装置
は、容易に分解、組立てが可能であるため、プラント定
検時等の復水器水室内作業においては、取り外しておく
ことにより、作業の障害にはならない。
次に本発明の水棲生物の付着防止装置の第2実施例を
第5図に示す。第5図は、本発明の第1の実施例の石英
保護ジャケット端部に、シール構造16を付加したもので
あり、こうした構造の採用により、石英ジャケット内へ
の冷却水(海水)の侵入を確実に防止するとともに、熱
交換器運転中における、紫外線ランプの交換が可能とな
る。本構造は、水室の内圧が高い熱交換器に対して紫外
線照射装置を採用する場合に有効な手段となる。
次に本発明の水棲生物の付着防止装置の第3実施例を
第6図に示す。第6図は、本発明の第1実施例の石英保
護ジャケット外表面に回転式のブラシ17及びギア18、駆
動軸19を取り付け、定期的に外表面の洗浄を行う構成と
したものであり、こうしたブラシの採用により、運転中
の石英ジャケット外表面の汚れ増加に伴う紫外線照度の
低下を防止することが出来る。
〔発明の効果〕
以上述べた本発明の水棲生物の付着防止装置を実機熱
交換器等の内部に水が満たされた構造物に適用すること
により、次の効果が期待できる。
1)内部に水が満たされた構造物の壁面、例えば、管板
面の全域に対する有効な紫外線の照射可能である。
2)容易に分解・組立てが出来、水室内作業時に作業の
障害とならない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の水棲生物の付着防止装置の第1実施
例であって、同実施例における紫外線照射装置の水室へ
の取付状態を示す外観図。 第2図は、従来の紫外線照射装置の水室への取付状態を
示す図。 第3図は、石英保護ジャケットの支持板の構造を示す斜
視図。 第4図は、石英保護ジャケットの取付座の構造を示す分
解図。 第5図は、本発明の第2実施例における石英ジャケット
のシール構造を示す断面図。 第6図は、本発明の第3実施例におけるブラシ洗浄機構
を示す斜視図。 1……復水器胴体、2……水室、3……管板、6……取
付座、7……支持板、8……バー、9……石英保護ジャ
ケット、10……紫外線ランプ本体、11……フタ、12……
電源端子、16……シール構造、17……洗浄プラシ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 織田 繁夫 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 住谷 吉男 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 大嶽 克基 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 藤谷 康男 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 伴 邦美 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 深井 信義 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 伊東 喬 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 今 英樹 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 福留 進 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 特開 昭62−282679(JP,A) 特開 昭63−162090(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に水が満たされた構造物の壁面に対す
    る水棲生物の付着を防止する装置において、紫外線光源
    と前記水とを遮断し、かつ紫外線を通過させる外胴を前
    記構造物中に満たされた水を貫通して設置し、前記紫外
    線光源を前記外胴内で発光させることを特徴とする水棲
    生物の付着防止装置。
  2. 【請求項2】外胴の外周に複数の支持板が、所要間隔を
    置いて、着脱自在に嵌合され、かつ、前記支持板が連結
    棒により相互に着脱自在に連結されていることを特徴と
    する請求項1記載の水棲生物の付着防止装置。
  3. 【請求項3】紫外線光源取付部と外胴との連結部を着脱
    自在にシールしたことを特徴とする請求項1又は2記載
    の水棲生物の付着防止装置。
  4. 【請求項4】外胴の外表面に沿って摺動する洗浄機構を
    具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの
    項記載の水棲生物の付着防止装置。
  5. 【請求項5】洗浄機構が回転式のブラシであることを特
    徴とする請求項4記載の水棲生物の付着防止装置。
  6. 【請求項6】外胴が、紫外線透過率の高い石英ジャケッ
    トからなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
    の項記載の水棲生物の付着防止装置。
  7. 【請求項7】内部に水が満たされた構造物の壁面が、熱
    交換器用の冷却水系統の壁面であることを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれかの項記載の水棲生物の付着防止
    装置。
  8. 【請求項8】熱交換器用の冷却水系統の壁面が、熱交換
    器管板壁面、水室内壁面又は水路壁面であることを特徴
    とすることを特徴とする請求項1乃至7項のいずれかの
    項記載の水棲生物の付着防止装置。
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