JP2684882B2 - 回転体の振動抑制装置 - Google Patents

回転体の振動抑制装置

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JP2684882B2
JP2684882B2 JP3203038A JP20303891A JP2684882B2 JP 2684882 B2 JP2684882 B2 JP 2684882B2 JP 3203038 A JP3203038 A JP 3203038A JP 20303891 A JP20303891 A JP 20303891A JP 2684882 B2 JP2684882 B2 JP 2684882B2
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一路 加藤
一樹 水谷
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神鋼電機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、危険速度を越えて運
転されるモータなどの回転機構に用いて好適な回転体の
振動抑制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、モータなどの回転機械に対して、
その高速化および高性能化を要求するようになってきて
いる。このような要求のなか、重要な問題の1つとし
て、回転機械における回転軸のふれまわり振動防止が上
げられる。このふれまわり振動は、さまざまな原因によ
って生ずる。特に、回転軸がある特定の回転角速度に達
すると、激しいふれまわり振動が生ずることがあり、こ
の振動の振幅が大きいときには、直ちに軸の塑性変形か
破壊をもたらすことがある。
【0003】例えば、回転体の重心が回転中心からわず
かに偏心しているとき、回転軸には遠心力(不釣り合い
力)が働くため、回転角速度が軸のふれまわり運動の角
速度と一致する付近で、軸のふれまわり振動が激しい共
振状態となる。この共振状態を引き起こす危険速度は、
回転機械において、最も普遍的に発生し、回転軸のふれ
まわり振動の中で最も激しい振動の1つである(一般に
不釣り合い振動と呼ぶ)。
【0004】例えば、繊維用モータなどでは、図16に
示すように使用速度が危険速度より高くなることがあ
る。この場合、所定の運転範囲の回転数に到達するに
は、一旦危険速度を通過させて使用しなければならず、
この危険速度を安全に通過させる技術が必要とされてい
る。この技術を実現するためには、綿密な検討が必要で
あるが、一般的には、振動が大きすぎて、上記危険速度
を通過できない場合が多い。
【0005】そこで、振動を減衰させるために、従来よ
り、以下に述べるような、軸受支持部に減衰機能を付加
する方法が提案されている。 まず、軸受支持部に防振ゴムやゴムのOリングなどを
用いて、ゴムの弾性と内部減衰とを利用する方法。
【0006】次に、ゴムや金属ばね(板ばね、コイル
ばね、ダイアフラム、またはベローズ)の弾性と、油膜
のスクイズ膜作用、オリフィス絞り作用、ダッシュポッ
ト、摩擦ダンパなどの減衰性とを組み合わせる方法。 また、静圧軸受など、油膜の弾性と減衰性とを利用す
る方法(浮動ブッシュ軸受もこの方法の一種である)。
【0007】そして、最近では、軸受の周りに圧電素
子を設け、これらに振動を抑制するような制御電圧を印
加する方法。 回転体の周りに、電磁石を設け、これに振動を抑制す
るような制御電圧を印加する方法などがある。
【0008】上述した方法のなかで、例えば、の方法
について、図17を参照して説明する。この図におい
て、軸受1の弾性支持体には、ゴムからなるOリング
2,2が用いられており、軸受1を弾性的に支持してい
る。また、回転軸3と軸受1との間には、油膜4が形成
されており、さらに、Oリング2とOリング2との間に
は、スクイズフィルム5が形成されている。そして、こ
れら油膜4、Oリング2およびスクイズフィルム5によ
って、外乱などによって生じた不釣り合い振動を吸収し
て減衰させる。
【0009】また、上述したの方法による変形例とし
ては、図18に示すように、ボールベアリング6,6に
よる軸受をOリング2,2、スクイズフィルム5,5によ
って支持する場合もある。次に、上述したの方法につ
いて、図19を参照して説明する。この図において、軸
受1,1の周囲には、複数の圧電素子7,7,……が設け
られている。回転軸3に不釣り合い振動が生じると、こ
れを両端のセンサ9,9が検出し、制御装置8によっ
て、この振動を制動する制御電圧が圧電素子7,7,……
に供給される。圧電素子7,7,……は、制御電圧に応
じて伸縮し、軸受1,1の振動を抑制する。
【0010】次に、上述したの方法について、図20
を参照して説明する。この図において、回転軸3に不釣
り合い振動が生じると、センサ9がこれを検出し、制御
装置11を介して電磁石10へ制御電圧が供給される。
電磁石10は、制御電圧に応じて回転体を吸引、反発し
て、該回転体11の振動を抑制する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した
、およびの方法には、以下の欠点がある。 (1)まず、減衰力が小さく、十分な減衰効果が得にく
い。 (2)次に、支持剛性が小さく、軸受部の負荷能力が落ち
る。 (3)そして、油、ゴムを使用するためメンテナンスが面
倒である。 (4)さらに、減衰特性が一義的に決まってしまい自由に
変更できない。
【0012】また、上述したの圧電素子を用いる方法
では、以下の欠点がある。 (1)圧電素子の変位は、非常に小さいため、十分な制振
効果が得にくい。 (2)圧電素子は、脆いので非常に割れやすい。 (3)疲労寿命が短い。 次に、上述したの電磁石を用いる方法では、以下の欠
点がある。
【0013】(1)回転体が高速の場合、磁束により発生
する渦電流の影響により、回転体11の温度が上昇す
る。また、渦電流によるトルク損失が生じる。 (2)回転体の振動振幅が電磁石のギャップ以上になる
と、回転体11が電磁石の固定部(電磁石ヨーク)に接
触し、大事故につながる。 以上、従来の振動抑制装置は、数々の問題を生じ、ほと
んど実用化は難しい。
【0014】この発明は上述した事情に鑑みてなされた
もので、振動減衰力を非常に大きく取ることができ、ま
た、負荷能力が従来法に比べ大きくでき、かつ、メンテ
ナンスが容易にでき、また、使用状況に応じて減衰特性
を変更でき、さらに、精密位置決めもできる回転体の振
動抑制装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決す
るために、この発明では、回転体を軸受部により回転自
在に支持し、前記軸受部を弾性部材により弾性支持する
とともに、前記軸受部の近傍に、前記回転体の運動パラ
メータとしての変位、速度または加速度のうち少なくと
も1つを検出し、該運動パラメータの値に応じた制御信
号を出力する検出手段と、前記制御信号に応じて励磁さ
れる電磁石とを非接触で設け、該電磁石によって前記軸
受部を吸引して前記回転体の振動を制御することを特徴
とする。
【0016】また、前記弾性部材による前記軸受部の弾
性支持の代りに、前記軸受部と前記電磁石との間に弾性
部材を介挿することを特徴とする。また、前記電磁石を
円筒状に形成することを特徴とする。
【0017】
【作用】軸受部を弾性部材により弾性支持し、その近傍
に設けられた検出手段によって、回転体の運動パラメー
タを検出する。そして、該運動パラメータに応じた制御
信号に従って、軸受部の近傍に設けられた電磁石によっ
て軸受部を吸引し、回転体の振動を制御する。前記軸受
部を弾性支持する弾性部材に代って、軸受部と電磁石と
の間に介挿する弾性部材を用いることにより、この弾性
部材を支持する部材が不要になるので、軸方向の寸法を
短くすることができる。また、電磁石による振動抑制効
果が得られなくなっても、弾性部材の減衰作用により、
事故を未然に防ぐことができる。 また、電磁石を円筒
形にすることによって、上下と左右(垂直方向、水平方
向)の両方向において振動抑制効果が得られる。
【0018】
【実施例】次に図面を参照してこの発明の実施例につい
て説明する。 [第1実施例]図1はこの発明の第1実施例の構成を示
す正面図、また、図2は同第1実施例の図1に示す矢印
A−Aから見た側面図である。これらの図において、回
転体11は、両端のボールベアリングによる軸受12,
12で軸中心に回転自在に支持されており、軸受12,
12は、各々、二次ヨーク13,13に固定されてい
る。二次ヨーク13,13は、複数のばね14,14,
……を介してスタンド15,15に固定されている。
【0019】本実施例では、ばね14,14,……は上
下左右の計4本ずつ設置されている。ばね14,14,
……の剛性が回転軸3の剛性に比べて非常に大きくなる
と(一般の回転機械の構造は、このような場合が多
い)、二次ヨーク13が動かなくなり(感度が悪くな
り)、制振効果は小さくなる。このため、ばね14,1
4,……の剛性は、シャフト3と同じオーダーの剛性に
設定されている。したがって、回転体11が振動する
と、二次ヨーク13,13もそれにつれて振動すること
になる。
【0020】二次ヨーク13,13の各々の周囲には、
近接して電磁石10,10およびセンサ16,16が設
けられている。なお、電磁石10,10は、実施例にお
いて、上下の2個により引合って上下力を出しており、
上下方向の振動を抑制するようになっているが、水平方
向にも同等のものを設けてもよい。
【0021】センサ16,16は、二次ヨーク13,1
3の動き(変位、速度または加速度)を検出し、該動き
に応じた検出信号を制御装置17へ供給する。制御装置
17は、該検出信号を打消すための制御信号をパワーア
ンプ18へ出力する。パワーアンプ18は、制御信号に
応じた励磁電流を各電磁石10,10に供給する。この
ように、本実施例では、二次ヨーク13,13の動きを
各々センサ16,16で検出し、制御装置17、パワー
アンプ18を通して、電磁石10,10,……の励磁電
流を制御することにより、二次ヨーク13および回転体
11の振動を低減することが可能となる。
【0022】次に、上述した構成における動作について
説明する。ここでは、説明を簡単にするため、以下のモ
デル化を行なう。 (1)回転軸3の剛性を1個のばね定数k1でモデル化
する。 (2)ばね14,14,……の総合ばね定数をk2とお
く。 (3)ばね14,14,……、回転軸3の質量は無視す
る。 (4)振動は左右対称と考え、回転軸3の片側のみの振
動抑制機構を考える。 (5)電磁石10,10の制御遅れは無視する。 (6)機械系の減衰は制御により得られるものに比べ、
十分小さいので無視する。 (7)上下方向の振動のみを考える。
【0023】以上の仮定のもとで、図1に示す実施例1
をモデル化すると、図3に示すようなモデルとなる。図
において、k1はシャフトのばね定数、K2はばね14の
ばね定数、m1は回転体の質量、m2は二次ヨークの質
量、Gは電磁石により発生する制御力(減衰定数Cまた
はばね定数k3)、F0iwtは不釣り合い量などによる
調和励振力である。さらに、iは虚数単位、F0は振
幅、wは角周波数、tは時間である。また、記号Gは、
2通りの定数として働く。すなわち、一方では、センサ
16により二次ヨーク13の変位(m2の変位)を検出
し、制御装置17で微分を行なって変位を速度に変換
し、該速度に比例した力を電磁石10から発生させる
と、減衰定数Cとして働き、他方では、微分せずに変位
に比例した力を電磁石10から発生させると、ばね定数
3として働く。これらは、組合せて用いてもよい。
【0024】まず、二次ヨーク13の変位(質量m2
変位)を検出し、制御装置17で微分を行なって変位を
速度に変換し、該速度に比例した力を電磁石10から発
生させ、減衰定数Cとして働かせた場合について説明す
る。 [減衰定数Cとして働かせた場合]この場合、図3は図
4に示すようなモデルとなる。このモデルの質量m1
変位x1および質量m2の変位x2は、「谷口他、振動工
学ハンドブック、養賢堂」より、次のように求まる。
【0025】 x1=X1・eiwt …………………………………………………………(1) x2=X2・eiwt …………………………………………………………(2) X1=A/B …………………………………………………………(3) ここで、A=F0・(k2+k1−m2・w2+iwC)、B
=(k2+k1−m2・w2)(k1−m1・w2)−k1 2+iw
C(k1−m1・w2)である。 X2=C/D …………………………………………………………(4) ここで、C=F0・k1、D=(k2+k1−m2・w2)(k1
−m1・w2)−k1 2+iwC(k1−m1・w2)である。
【0026】ただし、X1、X2は複素振幅であり、X1
=a1−ib1およびX2=a2−ibと表せるので、実
際の振幅X’、X2'および位相α1、α2は次式のよう
になる。 X1'= a1 2+b1 2 ……………………………………………………(5) α1=tan-1(b1/a1) ……………………………………………(6) X2'= a2 2+b2 2 ……………………………………………………(7) α2=tan-1(b2/a2) ……………………………………………(8)
【0027】この場合の振動抑制制御は次のように行な
われる。まず、質量m2の変位x2がセンサ16によって
検出され、この検出信号が制御装置17によって微分さ
れて質量m2の変位速度が得られる。次に、変位速度
は、制御装置17によって制御信号としてパワーアンプ
18に供給される。電磁石10には、パワーアンプ18
から制御信号に応じた励磁電流が供給される。この結
果、電磁石10は、励磁電流に応じて二次ヨーク13を
吸引し、上下方向の振動を抑制する。なお、変位x2の
検出には、非接触のうず電流方式のセンサなどを用いる
ことができる。また、微分回路には、オペアンプなどを
用いてもよい。
【0028】次に、実際に装置の設計をして上述した振
動の振幅X1’、X2’を求める。ここで、各パラメータ
は、m1=2kg、m2=2kg、k1=25,000N/
m、k2=50,000N/mおよびF0=0.1Nとす
る。このようなシステムを制御して、C=1000N・
S/mを得たとすると、計算の結果、図5に示す周波数
特性が得られる。この図において、横軸は周波数Hz
(×60で回転数rpmとなる)で、縦軸は振動振幅(単
位はm)である。共振特性は、約17Hz(1020rm
p)でピークとなっているが、共振倍率は、振幅X1’、
すなわち回転体11において3倍程度で、非常に小さく
なることがわかる。
【0029】なお、共振倍率とは、一定な(静的な)力
0の作用を受けて生じる質量m1の静的たわみxstと、
0・eiwtという動的な力を受けて生じる質量m1の振
幅X1’との比、すなわちμ=X1’/xstのことを言
う。一般に、ボールベアリングによる軸受に支持された
回転体11の共振倍率は大きく、100〜1000倍程
度となり、このような場合、危険速度通過は非常に困難
である。したがって、本実施例による制御を行なった場
合、危険速度を安全に通過し、危険速度以上の回転数で
の使用が可能となる。
【0030】次に、図6は、図5と同様の制御を行な
い、ばね定数K2のみを200,000N/mと4倍にし
た場合の共振特性である。振幅X1’の共振倍率は、約
18倍となっており、制御の効果は、図5のものに比
べ、悪くなっているのがわかる。このことから、図1の
ような構造において、二次ヨーク13を弾性支持し、し
かもそのばね定数k2を調整できる構造は、振動抑制の
制御にとって重要であることがわかる。ばね定数k2
調整は、ばね14,14,……の形状(太さ、長さ)を変
えることで容易に行なえる。
【0031】次に、本実施例と比較するために、制御し
ない通常の場合について、図7に示すシステムおよび図
8に示すモデルを参照して説明する。図7に示すシステ
ムをモデル化すると、図8のモデルとなる。なお、図に
おいて、図1および図2の各部に対応する部分には同一
の符号を付けて説明を省略する。図において、m1は回
転体の質量であり、k1はシャフトのばね定数であり、
Cmは機械系の減衰定数である。このモデルでは、制御
による減衰が得られないので、前述したように、機械系
の減衰を考慮する必要がある。
【0032】図7において、前例と同じように、m1
2kg、m2=2kg、k1=25,000N/mおよび
0=0.1Nとし、また、C=1N・S/m(軸受が
ボールベアリングによる軸受の場合、一般に小さい値と
なる)とすると、質量m1の振幅X1’は、図9に示す共
振特性となる。この図において、共振倍率は、200倍
で、危険速度での振幅が非常に大きいことがわかる。し
たがって、前述した本実施例の制御の有効性がわかる。
【0033】次に、二次ヨーク13の変位(質量m2
変位)を検出し、微分せずに変位に比例した力を電磁石
10から発生させ、ばね定数k3として働かせた場合に
ついて説明する。[ばね定数k3として働かせた場合]
図1において、変位に比例した力を電磁石から発生させ
ると、図10に示すモデルのように、ばね定数k2と並
列にばね(ばね定数k3)が挿入されることになる。
【0034】ここで、m1、m2、k1およびk2は、図4
に示すモデルと同様である。記号Cmは、機械系の減衰
定数である。ばね定数k3は、ばね定数k2と1つにまと
めることができ、これを kt=(k2・k3)/(k2+k3) ………………………………………(9) とする。このモデルでは、ばね定数k3を変えること、
すなわちフィードバックゲインを変えることで、上記ば
ね定数ktが変り、危険速度を変化させることが可能で
ある。このことを利用し、危険速度を安全に通過させる
制御を、図11に示す共振特性を参照して説明する。
【0035】図11において、実線はばね定数k3がな
いか、あるいはばね定数k2に比べ、非常に小さい時の
共振曲線であり、破線は制御によってばね定数k3を付
加し、ばね定数ktを大きくした場合の共振曲線であ
る。回転体11を起動する場合には、まず、ばね定数k
3を付加し、破線に沿って点P1から点P2まで回転数
を上昇させる。点P2の時点で、制御を停止するか、あ
るいはフィードバックゲインを小さくしてばね定数k3
の影響を小さくすると、実線上の点P3へ移動する。そ
の後は、回転数を上げて、点P4の定格回転数へ移行す
ればよい。
【0036】停止時は、その逆で点P4−P5−P6−
P1の順となる。これにより、ピークを通過することな
く、定格回転数まで上昇し、また、停止することができ
る。次に、この発明の第2実施例について図12を参照
して説明する。 [第2実施例]図1において、二次ヨーク13,13、
ばね14,14,……およびスタンド15,15の構造を
図12に示すようにしてもよい。なお、図12は、図1
における片側(紙面に向って左側)のみを示し、各部に
対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。
【0037】図において、ばね用軸受20,20,……
には、自動調心型玉軸受などのように、各ばね14,1
4,……が軸中心に回転自在に支持されており、ばね1
4,14,……の両端支持の条件は単純支持となる。こ
の例の場合、構造は前述した実施例より複雑な構造とな
るが、次に示す効果が得られる。
【0038】(1)片持ち方式(第1実施例)に比べ
て、ばね14,14,……の両端が単純支持されているこ
と、また、これによってばね14,14,……を長くでき
ることにより、剛性(k2)を小さくできる。 (2)二次ヨーク13の動きが並進運動となり、電磁石
10,10の性能を十分出せるようになる。また、セン
サ16によるセンシングが容易になる。
【0039】[第3実施例]図13は、この発明の第3
実施例の構成を示す正面図であり、図14は同実施例の
図13に示す矢印A−Aから見た側面図である。この実
施例においては、上記各実施例において使用したばね1
4,14,…に代って、図13,14に示すように、電
磁石10,10と二次ヨーク13,13との間の空隙に
例えばゴムのような弾性体30,30,…を挿入して、
ばね効果を持たせたものである。
【0040】このように、電磁石10,10と二次ヨー
ク13,13との間の空隙に弾性体30,30,…を挿
入することによって、ばね14,14,…及びスタンド
15,15,…が不要になり、軸方向の寸法を短くする
ことができる。この弾性体30は、ばね14と同じ作用
をし、振動抑制効果を有する一方、万が一、制御が異常
になって電磁石10,10による効果が無くなっても、
弾性体による減衰作用により事故を未然に防ぐことがで
きるという効果も有している。すなわち、この第3実施
例においては、振動減衰力が大きい、構造が簡単、
メンテナンスが容易、安全性が高い、という効果を
有している。
【0041】なお、上記各実施例においては、二次ヨー
ク13,13の各々に対して上下に電磁石10,10を
配置した構造にしたがい、図15に示すように、電磁石
を円筒形にしても良い。この場合、上下(垂直)、左右
(水平)方向に振動抑制効果がある。
【0042】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明によれ
ば、軸受部を弾性部材により弾性支持し、その部分を電
磁石で制御するようにしたため、次の利点が得られる。 (1)従来の方法に比べ、大きな減衰効果が得られる。 (2)弾性部材のばね定数を制御して危険速度を移動さ
せることによって、回転体の回転数を安全に高回転の運
転範囲へ推移できる。 (3)回転体を直接、電磁石で吸引しないため、何等か
の原因で一次ヨークと二次ヨークとが接触しても安全で
ある。また、うず電流による回転体の発熱、トルク損失
もない。 (4)弾性部材の形状などを変えることによって、容易
に機械系の特性を調整できる。 (5)電磁石は、圧電素子と異なり、その寿命は半永久
的である。 (6)軸受部と電磁石との間に介挿する弾性部材を用い
ることにより、この弾性部材を支持する部材が不要にな
り、軸方向の寸法を短くすることができる。また、電磁
石による振動抑制効果が得られなくなっても弾性部材の
減衰作用により、事故を未然に防ぐことができる。 (7)電磁石を円筒形にすることにより、上下と左右
(垂直方向、水平方向)の両方向において振動抑制効果
が得られる。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構造を示す正面図であ
る。
【図2】同実施例の構造を示す側面図である。
【図3】第1実施例をモデル化した概念図である。
【図4】図3の記号Gを減衰定数Cとして働かせた場合
の概念図である。
【図5】図4に示すモデルの共振特性を示す特性図であ
る。
【図6】図4に示すモデルの条件を変えた場合の共振特
性を示す特性図である。
【図7】本実施例と比較するために、振動を抑制制御し
ない通常の場合の構造を示す正面図である。
【図8】振動を抑制制御しない通常の場合のモデルを示
す概念図である。
【図9】振動を抑制制御しない通常の場合のモデルの共
振特性を示す特性図である。
【図10】図3の記号Gをばね定数k3 として働かせた
場合のモデルを示す概念図である。
【図11】図10に示すモデルの共振特性を示す特性図
である。
【図12】本発明の第2実施例の一部の構造を示す正面
図である。
【図13】本発明の第3実施例の構造を示す正面図であ
る。
【図14】同実施例の構造を示す側面図である。
【図15】第1〜第3実施例の応用例を示す側面図であ
る。
【図16】モータなどの回転機械における回転数とそれ
によって生じる振動振幅の関係を示す説明図である。
【図17】従来のゴムの弾性と、油膜の減衰性とを組み
合わせた振動抑制装置の構造を示す一部断面図である。
【図18】図14に示すの振動抑制装置の変形例の構造
を示す一部断面図である。
【図19】従来の軸受の周りに圧電素子を設け、これら
に振動を抑制するような制御電圧を印加する振動抑制装
置の構造を示す一部断面図である。
【図20】従来の回転体の周りに、電磁石を設け、これ
に振動を抑制するような制御電圧を印加する振動抑制装
置の構造を示す一部断面図である。
【符号の説明】
3 回転軸 10 電磁石 11 回転体 12 軸受 13 二次ヨーク 14、30 ばね(弾性体) 15 スタンド 16 センサ 17 制御装置 18 パワーアンプ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体を軸受部により回転自在に支持
    し、前記軸受部を弾性部材により弾性支持するととも
    に、前記軸受部の近傍に、前記回転体の運動パラメータ
    としての変位、速度または加速度のうち少なくとも1つ
    を検出し、該運動パラメータの値に応じた制御信号を出
    力する検出手段と、前記制御信号に応じて励磁される電
    磁石とを非接触で設け、該電磁石によって前記軸受部を
    吸引して前記回転体の振動を制御することを特徴とする
    回転体の振動抑制装置。
  2. 【請求項2】 前記弾性部材による前記軸受部の弾性支
    持の代りに、前記軸受部と前記電磁石との間に弾性部材
    を介挿することを特徴とする請求項1記載の回転体の振
    動抑制装置。
  3. 【請求項3】 前記電磁石を円筒状に形成することを特
    徴とする請求項1または請求項2いずれかの項記載の回
    転体の振動抑制装置。
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