JP2682224B2 - 水冷式冷却装置の貯水タンク - Google Patents

水冷式冷却装置の貯水タンク

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JP2682224B2 JP27745990A JP27745990A JP2682224B2 JP 2682224 B2 JP2682224 B2 JP 2682224B2 JP 27745990 A JP27745990 A JP 27745990A JP 27745990 A JP27745990 A JP 27745990A JP 2682224 B2 JP2682224 B2 JP 2682224B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子機器,レーザ加工機,精密工作機械な
どを被冷却機器として該冷却機器の発生熱を除熱する水
冷式冷却装置、特にその冷却水供給ユニットに組み込ん
だ貯水タンクの構造に関する。
〔従来の技術〕
まず、第2図に頭記した水冷式冷却装置の配管系統図
を示す。図において、1は被冷却機器、2は被冷却機器
1の発熱部に組み込んだ熱交換器、3は前記の熱交換器
2へ低温の冷却水(純水)を供給する冷却水供給ユニッ
ト、4は熱交換器2と冷却水供給ユニット3との間の送
水配管路である。また、前記の冷却水供給ユニット3
は、被冷却機器側から還流した冷却水(高温水)を冷却
する冷却器5(例えば冷凍機の蒸発器を組み込んだ熱交
換器),貯水タンク6,送水ポンプ7などをキャビネット
8内に組み込んで構成されている。
かかる構成で、被冷却機器1の運転時に熱交換器2と
冷却水供給ユニット3との間で冷却水を循環送水するこ
とにより、被冷却機器1の発生熱が熱交換器2を流れる
冷却水との熱交換して除熱される。また、熱交換器から
冷却水供給ユニット3に還流した冷却水は、ユニット内
の冷却器5で冷却された後に貯水タンク6に入り、ここ
から送水ポンプ7を経て再び被冷却機器1の熱交換器2
に循環送水される。
次に、従来実施されている貯水タンクの構造を第3図
に示す。すなわち、貯水タンク6は主タンク9と、該主
タンク9に付設した膨張タンク10,給水口11とからな
る。ここで、膨張タンク10は冷却水の体積膨張を吸収す
る役目を果たすものであり、該膨張タンク10の天板近く
には大気中に開口する空気抜き10aが設けてある。ま
た、給水口11は外部から主タンク9に冷却水を給水,補
給するためのものであり、防塵キャップ11aを備えてい
る。かかる膨張タンク10,給水口11は、図示のように主
タンク9の上方位置に上下に並べて配備し、かつ連通パ
イプ12,13を介して直列に接続されている。なお、冷却
水(純水)と大気との接触面積をできるだけ抑えて冷却
水の水質維持を図るために、定常状態では貯水水位が主
タンク9と膨張タンク10との間を結ぶパイプ13の中間レ
ベル位置Hoとなるように定めて冷却水を主タンク9に貯
水している。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、前記した従来構造の貯水タンクでは、構
造,機能面で次記のような問題がある。
(1)第3図に示したように、主タンク9に対して給水
口11と膨張タンク10とが上下に並んで配備されているの
で、貯水タンク全体の高さ寸法Aが大となり、冷却水供
給ユニットが大形化する。
(2)被冷却機器の発熱量が増えると、冷却水の体積膨
張に連れて貯水タンクの水位が上昇し、主タンクから溢
れ出た冷却水が膨張タンク内に溜るようになる。一方、
このような状態で被冷却機器の異常温度上昇などが原因
で冷却水の沸騰が発生すると、水中に生じた多量の気泡
が還流水と一緒に貯水タンクの主タンク内に流れ込むよ
うになる。しかも、主タンク内に流れ込んだ多量の気泡
は水中を上昇し、さらに第3図に示したパイプ13内の水
を押し退けて膨張タンク10内に吹出し、膨張タンク内に
溜まっている冷却水を下方から押上げる。この結果、か
なりの水量が空気と一緒に膨張タンク10の空気抜き10a
より吹き溢れ、キャビネットの内部,およびその周辺を
濡らすことになる。
本発明は上記の点にかんがみなされたものであり、装
置全体の小形,コンパクト化を図り、さらに冷却水の沸
騰発生時にも冷却水の吹き溢れを回避できるようにした
水冷式冷却装置の貯水タンク構造を提供することを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題は、本発明により貯水タンクを次記のように
構成することで解決される。
貯水タンクを小形,コンパクト化するために、主タン
クの上に膨張タンク,給水口を並置配備し、かつ主タン
クと膨張タンク,および主タンクと供給口との間をそれ
ぞれパイプを介して個別に接続する。
また、系内の沸騰に伴う冷却水の吹き溢れを回避する
ために、主タンクと膨張タンクとの間にまたがり、先端
が膨張タンク内の上部空間に開口する気泡抜きパイプを
配管する。
ここで、主タンク内に流入した気泡を円滑に系外に排
気するためには、前記構成におれる気泡抜きパイプを主
タンクの冷却水戻り口の近傍に配管するのがよい。
〔作用〕
上記構成において、主タンクの上に膨張タンク,給水
口を左右に並べて配備したことにより、膨張タンク,給
水口の機能を損なうことなく、貯水タンク全体の高さ寸
法が低くなりコンパクトな構成となる。
また、冷却水の沸騰発生に伴って主タンク内に流れ込
んだ気泡は、主タンク内の水中を上昇したところで大半
の気泡が気泡抜きパイプを通じて膨張タンクの上部空間
へ直接抜け出し、ここから空気抜きの穴から大気中に排
出する。また、一部の気泡は別なパイプを通じて膨張タ
ンクの水中に流入するがその量は僅かである。したがっ
て、膨張タンク内に溜まっている冷却水の気泡による押
上げは僅かであり、これにより膨張タンクの空気抜きか
ら冷却水の吹き溢れるような事態が回避される。ここ
で、気泡抜きパイプを主タンクの冷却水戻り口の近傍に
配管しておくことにより、主タンク内に流入した気泡は
最も近い位置の空気抜きパイプを通じて集中的に抜け出
る。
〔実施例〕
第1図は本発明実施例の構成図であり、第3図と同一
部材には同じ符号が付してある。
すなわち、第1図の構成においては、膨張タンク10と
給水口11がほぼ同じ高さに並べて主タンク9の上部に並
置配備されており、かつパイプ14,15を介して個別に主
タンク9に接続されている。これにより貯水タンク6の
全体高さ寸法はBとなり、第3図の高さ寸法Aより低い
構成となる。
一方、主タンク9と膨張タンク10との間には、前記の
パイプ14とは別な気泡抜きパイプ16が追加装備してあ
る。この気泡抜きパイプ16は主タンク9から上方へ立ち
上がって膨張タンク10の底壁を貫通し、さらにパイプ先
端が膨張タンク内で天板近くの上部空間に開口するよう
配管されている。また、この空気抜きパイプ16は、主タ
ンク9へ還流水が流れ込む戻り口9aの近傍位置に配管し
てある。なお、9bは冷却水の送出口である。
上記の構成で、定常状態での貯水水位をパイプ14,15
の中間レベルHoとし、主タンク9への冷却水の給水,補
給は第3図の従来構成と同様に給水口11を通じて行う。
また、温度変動に伴う冷却水の体積膨張は膨張タンク10
で吸収される。
一方、被冷却機器側の異常温度上昇に伴って冷却水が
沸騰し、系内に多量の気泡が発生した事態になると、貯
水タンク6へ還流する冷却水と一緒に主タンク9内に流
入した気泡(気泡を符号17で示す)は、主タンク9内の
水中を上昇したところでその大半の気泡が前記の気泡抜
きパイプ16を通じて膨張タンク10内の上部空間に直接抜
け出し、ここから膨張タンクの空気抜き10aを経て大気
中に排出される。なお、この過程で気泡抜きパイプ16の
中に当初溜まっていた水は気泡17に押されて膨張タンク
内に吹出すが、その水量は僅かであって膨張タンク10の
水位を高めることはない。また、残りの気泡はパイプ14
を通じて主タンク9から膨張タンク10の水中に吹き出す
が、その量も僅かであって膨張タンク内の水位を下方か
ら過渡的に大きく押し上げるようなこともない。この結
果、膨張タンク10の空気抜き10aから冷却水が吹き溢れ
るような事態が良好に回避される。
〔発明の効果〕
本発明の貯水タンクは、以上説明したように構成され
ているので、次記の効果を奏する。
請求項1の構成においては、主タンクの上に膨張タン
ク,給水口を左右に並びて配備したことにより、膨張タ
ンク,給水口の機能を損なうことなく、貯水タンク全体
の高さ寸法を低くめてコンパクトに構成できる。
また、請求項2の構成においては、主タンクと膨張タ
ンクとの間にまたがり、先端が膨張タンク内の上部空間
に開口する気泡抜きパイプを配管したので、冷却水の沸
騰発生に伴って主タンク内に流れ込んだ気泡は、主タン
ク内の水中を上昇したところで大半の気泡が気泡抜きパ
イプを通じて膨張タンクの上部空間へ直接抜け出し、こ
こから空気抜きを通じて大気中に排出する。したがって
空気と一緒に冷却水が吹き出すことがない。
さらに、請求項3の構成においては、前記の気泡抜き
パイプを主タンクの冷却水戻り口の近傍に配管したの
で、主タンク内に流入した気泡を気泡抜きパイプを通じ
て集中的に系外に排気でき、それだけ高い気泡の排気効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例の構成図、第2図は水冷式冷却装
置の配管系統図、第3図は従来における貯水タンクの構
成図である。 1:被冷却機器、2:熱交換器、3:冷却水供給ユニット、6:
貯水タンク、9:主タンク、10:膨張タンク、10a:空気抜
き、11:給水口、14,15:パイプ、16:気泡抜きパイプ、1
7:気泡。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被冷却機器側の熱交換気へ冷却水を供給す
    る冷却水供給ユニット内に組み込んだ貯水タンクであ
    り、主タンクに対して空気抜き付きの膨張タンク,給水
    口を付設したものにおいて、主タンクの上に膨張タン
    ク,給水口を並置配備し、かつ主タンクと膨張タンク,
    および主タンクと給水口との間をそれぞれパイプを介し
    て個別に接続したことを特徴とする水冷式冷却装置の貯
    水タンク。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の貯水タンクにおいて、主
    タンクと膨張タンクとの間にまたがり、先端が膨張タン
    ク内の上部空間に開口する気泡抜きパイプを配管したこ
    とを特徴とする水冷式冷却装置の貯水タンク。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の貯水タンクにおいて、気
    泡抜きパイプが主タンク冷却水戻り口の近傍に配管され
    ていることを特徴とする水冷冷却装置の貯水タンク。
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