JP2681356B2 - チザー病菌の培養集菌方法 - Google Patents

チザー病菌の培養集菌方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、齧歯動物やウサギの伝染病であるチザー
病の病原菌の培養集菌方法に関する。この発明の方法に
より集菌されたチザー歯は、抗チザー菌抗体の検出試薬
として用いることができる。 [従来技術及びその欠点] チザー病菌(学名:Bacillus piliformis)は、マウ
ス、ラット、ハムスターのような齧歯動物やウサギ等に
激しい出血性腸炎と多発性肝壊死巣を誘発する伝染性疾
病であるチザー病の病原菌である。チザー病は、特に実
験動物の生産、管理、使用に携わる産業界では、致命的
な疾病と恐れられている。 従来、チザー病菌は感染動物の肝乳剤から得られてい
るが、その培養は極めて困難とされてきた。しかし、ジ
ェイ・クライジーは一早く孵化鶏卵によるチザー病菌の
培養を試み、卵黄嚢及び鶏卵胎児肝からのチザー病菌の
採取と継代培養を報告した(Proc.Roy.Soc.B.,165:35,1
965)。 しかしながら、この方法によって得られたチザー病菌
には、チザー病菌の他に卵黄成分や肝細胞等の夾雑物の
混入が多く、そのままでは実験動物等におけるチザー病
菌の抗体検出試薬用の抗原として利用できず、抗原とし
て利用するには著しく繁雑なチザー病菌の精製が必要で
あった。そのため、現在では、チザー病は実験動物にお
いて恐ろしい伝染性疾病であるにもかかわらず、その検
査試薬の十分なる供給がなされず、チザー病感染の判定
には、解剖所見とギムザ染色による肝切片でのチザー病
菌の確認が主流となっており、補体結合反応、酵素免疫
測定法(EIA)及び間接蛍光抗体法(IFA)等の血清反応
による抗体検出試薬キットの安定供給が望まれている。 [発明が解決しようとする問題点] この発明の目的は、チザー病菌を高純度で得ることが
でき、そのため、抗体検出用試薬として用いる場合に精
製工程がほとんど不要となるチザー病菌の培養集菌方法
を提供することである。 [問題点を解決するための手段] 本願発明者らは、鋭意研究の結果、チザー病菌を孵化
鶏卵の特定部位に接種して培養し、その後、特定部位か
ら集菌することによって、チザー菌を効率良く増殖さ
せ、かつ高純度に集菌できることを見出しこの発明を完
成した。 すなわち、この発明は、孵化鶏卵の羊膜腔内、尿膜腔
内又は卵黄嚢内にチザー菌を接種する工程と、接種した
チザー病菌を孵化鶏卵中で増殖させる工程と、孵化鶏卵
の漿尿液又は羊水を採取することによってチザー病菌を
集菌する工程とを含むチザー病菌の培養集菌方法を提供
する。 [発明の効果] この発明の方法によって培養され、かつ集菌されたチ
ザー病菌は純度が高く、夾雑物がほとんどない。従っ
て、抗チザー病菌抗体を検出するための抗原試薬として
用いる場合に、従来のような繁雑な精製工程を必要とし
ない。このため、この発明の方法によって、チザー病の
診断に用いる抗原試薬を純度高く大量に安定供給するこ
とが初めて可能となった。従って、この発明は、実験動
物産業界における実験動物の管理や飼育環境整備に大き
く貢献する。 [発明の具体的説明] この明細書において、「孵化」とは、卵中に胎児の発
生が確認されることを意味し、「孵化鶏卵」とは中に胎
児が存在する鶏卵を意味する。胎児の発生は強い透過光
で卵の内部を検査することによって確認することができ
る。 この発明の方法では、先ず、チザー病菌を孵化鶏卵の
羊膜腔内、尿膜腔内又は卵黄嚢内に接種する。孵化鶏卵
としては孵化後4日目ないし14日目のものが好ましい。
チザー病菌の接種は、卵殻を注射針で突き破り、チザー
病菌液を注射することによって行なうことができる。接
種されるチザー病菌の菌数は2×103個ないし3×104
が好ましく、さらに好ましくは5×103個ないし1×104
個である。また、接種されるチザー病菌液中のチザー病
菌の濃度は2×104個/mlないし6×104個/ml程度が好ま
しく、菌液の媒体としてはリン酸緩衝食塩水を好ましく
用いることができる。 次に、接種したチザー菌を孵化鶏卵中で増殖させる。
この増殖は、接種したチザー病菌を、30℃ないし38℃の
温度下で孵化鶏卵中で培養することによって行なうこと
ができる。培養は、胎児が衰弱し若しくは死亡した時ま
で又は死亡後24時間が経過するまで継続される。胎児の
状態は透視により観察することができる。培養は、通
常、3日ないし7日間行なわれる。 培養終了後、孵化鶏卵中で増殖したチザー病菌を孵化
鶏卵の漿尿液又は羊水を採取することによって集菌す
る。漿尿液及び羊水は注射針を用いて採取することがで
きる。 漿尿液及び羊水中にはチザー菌が高純度かつ高濃度に
含まれている。従って、このようにして集菌されたチザ
ー病菌は、精製工程を要することなく、そのままIFAの
抗原試薬として、また、低速遠心による精製工程を経る
だけでEIAの抗原試薬として用いることができる。菌体
をEIAやIFAの抗原として用いる方法自体はこの分野にお
いて周知であり、例えばEIAでは石川らの方法(酵素免
疫測定法、154,1987、医学書院)、IFAでは川村らの方
法(微生物検査必携:695、1966、日本公衆衛生協会)を
用いることができる。 [発明の実施例] (1)孵化鶏卵によるチザー病菌の培養 7日令孵化鶏卵の卵殻を注射針で破り、チザー病菌50
00個を卵黄嚢内に接種した。35℃〜37℃の孵卵器で5日
間培養し、注射針で漿尿液及び羊水を採取した。その一
部をスライドグラスに塗抹し、ギムザ染色によりチザー
病菌を染色して菌数を数えた。その結果、表1に示すよ
うに、チザー病菌は孵化鶏卵中で約60倍〜80倍の増殖を
示した。 (2)孵化鶏卵中で培養したチザー病菌の純度 孵化鶏卵中で培養し、採取した漿尿液及び羊水をホル
マリンにより不活化後、2000回転で10分間遠心し、その
沈渣をリン酸緩衝食塩水で一定量に再浮遊した。比較対
照として、従来より行なわれているチザー病感染マウス
の肝乳剤より集菌したチザー病菌を用いた。これらのサ
ンプル中の菌濃度、タンパク濃度及び単位タンパク重量
当りの菌数を調べた。 結果を表2に示す。表2から明らかなように、この発
明の方法により、従来法よりも100倍〜300倍純度の高い
チザー病菌が得られた。 (3)チザー病菌に対する抗体検出用試薬への応用 検体の準備 一般飼育マウス及びチザー病菌免疫マウスより心臓穿
刺により血液を採取し、血清分離後、0.5%ウシ血清ア
ルブミン及び0.05%Tween20含有リン酸緩衝食塩水で100
倍に希釈した。さらに、一部の血清を同希釈液で2倍段
階希釈した。 抗原の準備 実施例2に示したチザー病菌をそのまま試薬の抗原と
した。 EIA 石川らの方法(前掲)に準じ、タンパク濃度として10
μg/mlのチザー病菌を固相した抗原固相化プレートを作
製した。検体をプレートに加え、室温で1時間反応させ
洗浄後、5000倍希釈したペルオキシダーゼ標識抗マウス
免疫グロブリン(DAKO社製、コードNo.P260)を加え、
さらに1時間反応させた。未反応の標識抗体を洗浄後、
基質としての0.02%過酸化水素と30mM o−フェニレンジ
アミンを加え、室温で30分間反応させた後、1.5N硫酸を
加えて反応を停止させた。発色は490nmの吸光度を測定
することによって調べた。 IFA 川村らの方法(前掲)に準じ、約50μg/mlのチザー病
菌を塗抹した抗原塗抹スライドを作製した。検体をスラ
イドに載せ、37℃で1時間反応させ、洗浄後、100倍希
釈したFITC標識抗マウス免疫グロブリン抗体(CAPPEL社
製、コードNo.1211−0231)を載せ、さらに37℃で1時
間反応させた。未反応の標識抗体を洗浄後、グリセリン
で封入し、蛍光顕微鏡にて蛍光を観察した。 結果 EIAにおける、マウス血清の希釈倍数と吸光度との関
係が図に示されている。図中、黒丸はチザー病菌免疫マ
ウス血清についての結果を、白丸は正常マウス血清につ
いての結果を示している。図から明らかなように、チザ
ー病菌免疫マウス血清を検体として用いた場合には、測
定された吸光度は血清の希釈倍数に依存して変化してお
り、一方、正常マウス血清を用いた場合には希釈倍数と
吸光度との間に相関関係は見られなかった。 また、IFAの結果も図中の括弧内に示されている。
(+)は蛍光陽性、(−)は蛍光陰性を示す。図から明
らかなように、EIAの吸光度が0.3以下の時、IFAでの蛍
光も見られず、EIAとIFAの結果に整合性が見られる。 これらの結果からこの発明の方法によって得られたチ
ザー病菌を利用したEIA及びIFAは、十分に同菌に対する
抗体を検出することができることが確かめられた。 100倍希釈された一般飼育マウス血清についての、上
記EIAにおける吸光度及び上記IFAでの蛍光の有無が表3
にまとめられている。表3から明らかなように、実際の
一般飼育マウスでは、EIAにおける吸光度が0.1以下の群
と0.5以上の群に大きく2分され、しかもその結果はIFA
のそれとも良く一致している。このことから、この発明
の方法により集菌されたチザー菌を抗原試薬として用い
たEIA又はIFAにより、実際に飼育されているマウスがチ
ザー病菌に対する抗体を有しているか否かを明確に判断
することができることが明らかになった。
【図面の簡単な説明】 図はEIAにおける、マウス血清の希釈倍数と吸光度との
関係及びIFAの判定結果を示す図である。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.孵化鶏卵の羊膜腔内、尿膜腔内又は卵黄嚢内にチザ
    ー菌を接種する工程と、接種したチザー病菌を孵化鶏卵
    中で増殖させる工程と、孵化鶏卵の漿尿液又は羊水を採
    取することによってチザー病菌を集菌する工程とを含む
    チザー病菌の培養集菌方法。 2.前記鶏卵は孵化4日ないし14日後のものである特許
    請求の範囲第1項記載の方法。 3.チザー病菌を孵化鶏卵内で増殖させる工程は、チザ
    ー菌を接種した孵化鶏卵を30℃ないし38℃で3日ないし
    7日間インキュベートすることから成る特許請求の範囲
    第1項又は第2項記載の方法。 4.集菌は、胎児の衰弱時、死亡時又は死亡後24時間以
    内に行なわれる特許請求の範囲第1項ないし第3項のい
    ずれか1項に記載の方法。
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