JP2679214B2 - 難燃性ポリウレタンフォーム - Google Patents

難燃性ポリウレタンフォーム

Info

Publication number
JP2679214B2
JP2679214B2 JP1036609A JP3660989A JP2679214B2 JP 2679214 B2 JP2679214 B2 JP 2679214B2 JP 1036609 A JP1036609 A JP 1036609A JP 3660989 A JP3660989 A JP 3660989A JP 2679214 B2 JP2679214 B2 JP 2679214B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flame
expandable graphite
heat
foam
polyurethane foam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1036609A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02215857A (ja
Inventor
武嗣 鈴木
春雄 坂上
聡 井幡
正一 大久保
弘章 片野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kasei Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kasei Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kasei Chemical Co Ltd filed Critical Nippon Kasei Chemical Co Ltd
Priority to JP1036609A priority Critical patent/JP2679214B2/ja
Publication of JPH02215857A publication Critical patent/JPH02215857A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2679214B2 publication Critical patent/JP2679214B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、難燃性ポリウレタンフォームに係り、特に
著しく高い難燃性を有する難燃性ポリウレタンフォーム
に関する。
[従来の技術] 硬質ポリウレタンフォーム等のフォーム材料は、例え
ば、電気冷蔵庫の保温材、保温パネル等の建材として、
従来よりその優れた特性を活かして各種の分野に利用さ
れている。しかし、このフォーム材料にも種々の問題点
が指摘されており、とりわけ近年の火災による災害予防
の観点から、特に燃焼に対する抵抗性の点で改善が要望
され、難燃性を改善した難燃性フォームが開発された。
難燃性ポリウレタンフォームは優れた難燃性、耐熱性
を有していることから、防火特性、高温特性を要求され
る分野において従来より広く使用されている。特に、建
材分野においては、従来の無機系材料に比べ優れた断熱
材料である有機系難燃性ポリウレタンフォームは、順調
な伸びを示している。
難燃性ポリウレタンフォームは、有機ポリイソシアネ
ートとポリヒドロキシ化合物を触媒、難燃剤、発泡剤、
整泡剤等と混合撹拌することにより製造される。このよ
うにして製造される従来の難燃性ポリウレタンフォーム
は、難燃性、耐燃焼性において十分に満足し得るものと
は言えず、改良の余地が多々ある。特に、近年、火災に
よる災害予防の点から、断熱材料にも高度の耐燃焼性が
要望されていることから、難燃性ポリウレタンフォーム
について、その難燃性、耐燃焼性を高めることは重要な
課題とされている。
難燃性ポリウレタンフォームの耐燃焼性を高めるため
に、従来より各種の試みがなされ、提案がなされてい
る。例えば、発泡成型されたポリウレタンをリン酸化合
物、ハロゲン化合物、水酸化アルミニウム等の水溶液あ
るいはエマルジョン中に含浸、乾燥する方法、ポリウレ
タンフォーム中にリン酸化合物、ハロゲン化合物、水酸
化アルミニウム及び硼砂、パーライト等の無機化合物を
添加する方法、原料の一つであるポリオールとして含リ
ンポリオール、含ハロゲンポリオールを用いたり、シリ
コーン系のポリオール(特公昭57−42086)を用いる方
法等が知られている。また、メラミン、メラミン誘導
体、尿素、イソシアヌール酸等の窒素含有化合物、アミ
ンポリオール等の含窒素ポリオールをそれぞれ単独で使
用する方法も知られている。更には、フォーム中にイソ
シアネートの三量体であるイソシアヌレート基等の耐熱
性構造体を形成させる方法も知られている。
また、別の手段として、ウレタン製品に熱膨張性黒鉛
を添加することにより、難燃性を高める方法が提案され
ている(USP 3,574,644、USP 4,689,369、特公昭61−29
374)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来のいずれの方法によっても、
近年増々厳しくなる難燃化要求を十分に満足し得る難燃
性ポリウレタンフォームを得ることはできず、所望の難
燃性を得るためには難燃性改善のための添加剤を多量に
配合する必要があり、このためフォーム物性が低下した
り、原料コストが高くつくなどの欠点があった。
本発明は、一層改善された難燃性ポリウレタンフォー
ムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の難燃性ポリウレタンフォームは、難燃剤とし
てメラミン、メラミン誘導体、尿素、チオ尿素及びイソ
シアヌール酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の
含窒素化合物と熱膨張性黒鉛とを含有する難燃性ポリウ
レタンフォームであって、前記熱膨張性黒鉛が、アルカ
リ金属及び/又はアルカリ土類金属の硫酸塩を含有し、
かつ、1重量%濃度の水分散液におけるpHが4.5〜8で
あることを特徴とする。
即ち、本発明者らは、フォームの難燃性を高めるべく
鋭意検討を重ねた結果、難燃剤として特定の含窒素化合
物と、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の硫酸
塩を含有する熱膨張性黒鉛とを併用することにより、従
来の熱膨張性黒鉛を単独で用いるものよりも炎に接した
際顕著な相乗効果を示し、著しく高い延焼防止効果が得
られることを見出し、本発明を完成させた。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に使用されるアルカリ金属及び/又はアルカリ
土類金属の硫酸塩を含有する熱膨張性黒鉛は、広義には
種々の方法で製造される多様な組成物を挙げることがで
きるが、本発明においては、天然黒鉛、熱分解黒鉛、キ
ッシュ黒鉛等の黒鉛を、濃厚な硫酸と強い酸化剤との混
合物で処理した後、水洗いし、乾燥して得られる熱膨張
性黒鉛を用いるのが好ましい。黒鉛シートなどの製造に
用いられる工業的な熱膨張性黒鉛は通常このものをい
う。このような熱膨張性黒鉛は、約500℃以上に急激に
加熱することによりC軸方向に数10〜数100倍に膨張す
る性質を有するものである。特に、本発明で使用される
熱膨張性黒鉛は、その特性として、1000℃で10秒間急激
に加熱するときの膨張度が50〜250cc/gであることが望
ましく、このような熱膨張性黒鉛は、例えば、93〜99重
量%、特に98重量%の濃硫酸と30〜60重量%、特に60重
量%の過酸化水素水の混合液中に、約20〜100メッシュ
に粉砕した黒鉛を45℃以下で10〜30分接触させ、水洗
い、乾燥を行なうことにより製造される。
本発明で使用される熱膨張性黒鉛は、Na又はK等のア
ルカリ金属及び/又はCa、Ba、Mg等のアルカリ土類金属
を含有するものであって、更に、これらのアルカリ金
属、アルカリ土類金属が熱膨張性黒鉛に含まれる遊離硫
酸との間で形成される塩になっており、かつ、該熱膨張
性黒鉛は、その1重量%濃度の水分散液のpHが4.5〜8
である。このような熱膨張性黒鉛は上記濃硫酸と過酸化
水素水との混合液による酸処理後、水洗を行なった後、
或いは、水洗工程で、アルカリ金属及び/又はアルカリ
土類金属の水酸化物の水溶液と接触させ、次いで濾別し
た後乾燥することにより製造することができる。
本発明で用いるアルカリ金属及び/又はアルカリ土類
金属の硫酸塩を含有する熱膨張性黒鉛は、熱膨張性黒鉛
の1重量%濃度の水分散液のpHが4.5以上であるが、そ
のpHが4.5より低い場合、フォームを生成するための触
媒の効果を低下させることになり、所望の反応速度で製
造するための障害となるおそれがある。なお、このpHが
8を超えるような場合は、過剰なアルカリ又はアルカリ
土類金属を含むことになりフォームに添加する場合には
その物性に悪影響を与えることも予想されるので、pH値
は4.5〜8とする。
本発明において、熱膨張性黒鉛の1重量%濃度の水分
散液のpHは、測定すべき熱膨張性黒鉛1gを99gの脱イオ
ン水に投入し、10分間撹拌した後、pH電極により測定さ
れる。この測定に際して使用される脱イオン水は、それ
自体のpHが5.5〜7.0の範囲になければならない。
また、本発明で用いる熱膨張性黒鉛において、アルカ
リ金属及び/又はアルカリ土類金属は、硫酸塩として含
有されているのが好ましいが、一部は過剰の水酸化物、
或いは炭酸塩等の形で存在していても良い。
このような熱膨張性黒鉛の粒度は、難燃化効果及びフ
ォームへの分散性等の面から30〜100メッシュであるこ
とが好ましい。即ち、熱膨張性黒鉛の粒度がおよそ80メ
ッシュより細かくなると、熱膨張性が小さくなる傾向が
あり、150メッシュより細かい場合には熱膨張性が極端
に低下し、その結果としてフォームの難燃化効果が低下
する。一方、粒度が大きい場合、例えば20〜30メッシュ
程度の場合には熱膨張性は十分高いが、フォーム原料へ
の分散性が良くないために作業効率が低下する。従っ
て、本発明で使用される熱膨張性黒鉛の粒度は、30〜10
0メッシュのものが望ましく、更に40〜80メッシュ程度
に分粒されたものが最も好ましい。
熱膨張性黒鉛の粒度は、通常、これを製造する際の原
料黒鉛の粒度に左右される。従って、粒度の調整は、原
料黒鉛或いは得られた熱膨張性黒鉛を粉砕するなどの方
法で容易に行なうことができる。
一方、含窒素化合物としては、メラミン及びメラミン
誘導体、尿素、チオ尿素及びイソシアヌール酸よりなる
群から選ばれる1種又は2種以上が使用される。これら
のうちメラミンは、通常、接着剤原料として、或いはメ
ラミン−ホルムアルデヒド樹脂原料として利用される工
業的に製造されているもので良いが、フォーム製造原料
には一般的に溶解しにくいため、分散性を上げるために
できるだけ細かいものが有利である。
このような含窒素化合物と前記熱膨張性黒鉛との使用
割合は、重量比で熱膨張性黒鉛/含窒素化合物=1/0.02
〜1/5の範囲とするのが好ましく、特に1/0.1〜1/1.2の
範囲で用いるのが好ましい。この割合が1/0.02を超えて
も、1/5未満であっても、本発明による熱膨張性黒鉛と
含窒素化合物との優れた相乗効果を得ることができない
場合がある。
特に含窒素化合物としてメラミンを用いる場合、熱膨
張性黒鉛とメラミンとの使用割合は、重量比で98:2〜2
5:75、特に90:10〜45:55であることが好ましい。なお、
メラミンをフォーム原料に添加する場合、メラミンはフ
ォーム形成の反応性を低下させる傾向があるので、所望
の難燃性を得ることが可能な範囲内でできるだけメラミ
ンの配合比率を低く設計することが望ましい。
また、含有量としては両者の合計量がフォームの5〜
50重量%であることが好ましい。フォーム重量に対する
熱膨張性黒鉛と含窒素化合物との合計重量が5%未満で
は難燃化が不十分であり、また50%を超えるとフォーム
としての特性を低下させるので好ましくない。
なお、本発明で用いられるポリウレタンフォーム原料
のうち、ポリイソシアネートとしては、一分子中に2個
以上のイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネー
トであって、脂肪族系及び芳香族ポリイソシアネート化
合物、更にこれらの変性物が包含される。脂肪族系ポリ
イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサ
ンジイソシアネート等が挙げられ、芳香族系ポリイソシ
アネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリック
ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。ま
た、これらの変性物としては、カルボジイミド変性物、
プレポリマー変性物等が挙げられる。本発明において好
ましいポリイソシアネートは、芳香族系ポリイソシアネ
ート又は芳香族系ポリイソシアネートの変性物であり、
特に好ましくはジフェニルメタンジイソシアネート、ポ
リメリックジフェニルメタンジイソシアネート及びこれ
らの変性物である。これらのイソシアネートを以下に具
体的に示す。
ジフェニルメタンジイソシアネートは、以下に示す構
造を持つものである。
ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートは、
上記ジフェニルメタンジイソシアネートの重合物であ
り、NCO含有量が29〜35%であり、粘度2500cps(25℃)
以下のものである。
また、これらの変性物としては、カルボジイミド変性
物、プレポリマー変性物等がある。カルボジイミド変性
物は、公知のリン系触媒を用いてカルボジイミド結合を
導入したものである。プレポリマー変性物は、イソシア
ネートとポリオールとを反応させ末端にイソシアネート
基を残したものであり、このプレポリマー用ポリオール
としては、ポリウレタン樹脂用のすべてのポリオールを
使用することができる。
一方、本発明に使用されるポリヒドロキシ化合物とし
ては、一分子中に2個以上の活性水素を有する化合物で
あれば良く、具体的には、下記〜に示すものが挙げ
られる。
アルコール、アミン類; 例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール、メチルアミン、エチ
ルアミン、エチレンジアミン、トルエンジアミン等。
ポリエーテルポリオール、の化合物にエチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサ
イドを付加したもの; 例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル等。
ポリエステルポリオール、ポリカルボン酸と又は
の化合物とをエステル化反応させたもの、或いはポリ
カルボン酸にアルキレンオキサイドを付加させた物; ポリカルボン酸としては、例えばマレイン酸、コハク
酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸等が用いられる。
その他のポリオール、大きな意味で上記のポリオー
ル類に包括されるが、難燃性、低発炎性用の特殊ポリオ
ールとしてハロゲン元素を含むハロゲン系ポリオール、
一つ以上の活性水素を含むリン酸エステル系ポリオー
ル、リン酸エステルポリオールにハロゲン元素を加えた
ハロリン酸エステル系ポリオール、Si元素を含むシリケ
ートポリオール等。
これらのポリオール類は、単独で使用しても2種類以
上を混合して使用しても良い。
本発明において、得られる難燃性ポリウレタンフォー
ムの低発煙性、耐熱性、難燃性、低脆性を改良できるも
のとして、好ましいポリオールは、有機物含有量の少な
いポリオール、アルキレンオキシドを使用しているポリ
オールではエチレンオキサイドの割合の多いポリオー
ル、エステル結合を含むポリオール、そして、特にに
挙げたようなポリオール類である。また、芳香族ポリエ
ステルポリオールは、それ自体難燃性の向上に有効であ
り、機械的強度の改善にも有効である。
本発明に使用される発泡剤としては、ウレタンフォー
ムの製造に使用される全ての発泡剤が使用できる。例え
ば、低沸点不活性溶剤としてトリクロロフルオロメタ
ン、ジクロロジフルオロメタン等のフロン系化合物等、
メチレンクロライド反応によってガスを発生するものと
して水、酸アミド、ニトロアルカン等、熱分解してガス
を発生するものとして重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニ
ウム等がある。これらのうち、好ましい発泡剤として
は、フロン系発泡剤、特に好ましくは、トリクロロフル
オロメタンが挙げられる。
本発明に使用される触媒としては、通常のウレタンフ
ォームの製造に使用される全ての触媒が使用できる。例
えば、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエー
ト等の錫系触媒、トリエチルアミン、テトラメチルヘキ
サメチレンジアミン等の3級アミン類等が挙げられる。
本発明においては、更に必要に応じて界面活性剤や、
難燃剤、その他の助剤を配合使用しても良い。界面活性
剤としてはシリコーン系界面活性剤が通常用いられる。
難燃剤としては、トリス(2−クロロエチル)フォスフ
ェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)フォスフェ
ート等のような従来公知の難燃剤の他、尿素、チオ尿素
のような有機質粉末あるいは金属水酸化物、三酸化アン
チモン等の無機質粉末を用いることができる。例えば、
水酸化アルミニウムをフォーム重量に対して10重量%以
下、特に8重量%以下、とりわけ6〜2重量%以下添加
することができる。また、その他の助剤としては、顔
料、染料などの着色粉末、タルク、グラファイトなどの
粉末、ガラス短繊維、その他の無機増量剤や有機溶媒な
どが挙げられる。
本発明の難燃性ポリウレタンフォームは、上記のポリ
イソシアネート、ポリヒドロキシ化合物、発泡剤、触媒
等を用いてフォームを製造するに際し、難燃剤として前
述の熱膨張性黒鉛と含窒素化合物を併用して配合するこ
と以外は従来のフォームと同様にして製造することがで
きる。
一般に、フォームの製造にあたっては、ポリヒドロキ
シ化合物側に、ポリイソシアネート以外の全ての原料を
添加し、混合して用いるのが通例である。本発明の難燃
性ポリウレタンフォームの製造にあたり、熱膨張性黒鉛
及び含窒素化合物の添加方法には特別の制限はないが、
通常の場合、ポリヒドロキシ化合物に添加して反応を行
なうようにするのが好ましい。この場合、用いるポリヒ
ドロキシ化合物の種類によっては、フォーム重量に対し
て熱膨張性黒鉛及び含窒素化合物の合計重量が50重量%
以上となるような添加量であると作業性が低下するおそ
れがある。いずれにおいても、熱膨張性黒鉛及び含窒素
化合物は、反応時に分散状態をとっているので、ポリヒ
ドロキシ化合物に添加したまま放置した場合、混合物の
下層に沈降堆積することもあるので、この場合には使用
の直前によく撹拌して用いることが望ましい。
なお、本発明において、フォーム原料NCO/OH当量比は
通常NCO/OH当量比0.9〜1.3で製造される。
[作用] 熱膨張性黒鉛は、炎に接した際に急激に膨張してフォ
ームの燃焼を抑制し、また延焼を防止するという優れた
難燃性向上効果を有する。しかして、熱膨張性黒鉛と含
窒素化合物との併用により、それぞれの単独使用では得
られない著しく優れた相乗効果が奏され、極めて良好な
難燃性を有する難燃性ポリウレタンフォームが得られ
る。特に熱膨張性黒鉛としてアルカリ又はアルカリ土類
金属の硫酸塩を含有し、かつ、1重量%濃度の水分散液
におけるpHが4.5〜8であるものを用いることにより、
フォームの物性等を損なうことなく、難燃性をより一層
高めることができる。
[実施例] 以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び
比較例において、用いた原料の詳細は下記の通りであ
る。
使用原料 ポリイソシアネート: ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(商品
名「PAPI−135」NCO当量;138(エム・ディー化成(株)
社製)) ポリオール: ポリエーテルポリオール(ショ糖のプロピレンオキサイ
ド付加物)(商品名「HS−209」OH当量;125[三洋化成
社製)) 界面活性剤: シリコーン系界面活性剤(商品名「L−5340」(日本ユ
ニカー社製)) 触媒: アミン系(商品名「KaO−No.1」(花王社製)) 難燃剤: 燐,ハロゲン系(商品名「ファイロール(Fyrol)CEF」
(鹿島工業社製)) 熱膨張性黒鉛I(NH3処理品、1重量%水分散液のpH7.
2)(日本化成社製) 熱膨張性黒鉛II(KOH処理品、1重量%水分散液のpH7)
(日本化成社製) メラミン粉末(試薬1級)(日産化学社製) 尿素(試薬) チオ尿素(試薬) イソシアヌール酸(日産化学社製) 発泡剤: フレオン系(商品名「R−11E」(旭ガラス社製)) H2O(脱塩水) また、得られた難燃性ポリウレタンフォームの物性は
下記の評価試験方法により測定した。
評価方法 難燃性: JIS K 7201(高分子材料の燃焼試験に基づいて行なった
(酸素指数)) JIS A 9514(硬質ウレタンフォームの燃焼試験) 機械強度: JIS A 9514の圧縮強度 熱伝導率: ASTM C−177 実施例1 ポリメリックイソシアネート(商品名「PAPI−13
5」)とショ糖系ポリエーテルポリオール(商品名「HS
−209」)、シリコーン系界面活性剤(商品名「L−534
0」)、触媒(商品名「KaO−No.1」)、フレオン系発泡
剤(商品名「R−11E」)及び脱塩水を混合した液とを
第1表に示す割合で反応させる際に、難燃剤として、熱
膨張性黒鉛(KOH処理により硫酸カリウムを含有し、1
重量%濃度の水分散液におけるpHが7)及びメラミン粉
末を第1表に示す量添加し、液温20℃にして撹拌機にて
混合して発泡させて難燃フォームを製造した。発泡に要
する時間は第1表に示す通りであった。
得られた難燃性ポリウレタンフォームの物性を第1表
に示す。
実施例2〜8、比較例1〜7 第1表に示す原料配合としたこと以外は、実施例1と
同様にして難燃性ポリウレタンフォームを製造した。得
られた難燃性ポリウレタンフォームの物性を1表に示
す。
第1表より、熱膨張性黒鉛とメラミン等の含窒素化合
物を併用添加する本発明の難燃性ポリウレタンフォーム
は、JIS K 7201試験において酸素指数が顕著に向上し、
また、JIS A 9514の燃焼試験において燃焼距離及び燃焼
時間が短くなり燃焼性が向上するなど、熱膨張性黒鉛と
窒素含有化合物による燃焼時の優れたバリヤー効果によ
り、難燃性が著しく向上していることが明らかである。
実施例9〜14、比較例8,9 第2表に示した配合割合で原料を反応させた。
まず、ポリエチレン製容器でポリイソシアネート、発
泡剤「R−11E」、熱膨張性黒鉛以外の各原料を所定比
率で混合し、次に所定比率の熱膨張性黒鉛を添加し、十
分に撹拌混合してから、液温を20±1℃に保ちながら所
定量の発泡剤を加えて混合原料を得た。次いで1のポ
リエチレン製ビーカーに所定量の混合原料を採り、ここ
に所定量のポリイソシアネート投入し、直ちに激しく5
秒間撹拌した後、内容物を素早く20cm×20cm×20cmの大
きさの容器に移してそのまま静置し30分後に発泡成型品
を取り出した。
なお、熱膨張性黒鉛としては、粒度分布が35〜80メッ
シュで、1000℃、10秒間の膨張度が200ml/gであり、か
つNa元素を0.2重量%含有し、1重量%水分散液のpHが
7.2であるものを用いた。
得られた発泡成型品について、JIS−K−7201に基
き、酸素指数を測定し、結果を第2表及び第1図に示し
た。
第2表及び第1図より、熱膨張性黒鉛とメラミンとの
併用による相乗効果が明らかであり、かつ優れた難燃性
が得られることが明らかである。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の難燃性ポリウレタンフォ
ームによれば、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金
属の硫酸塩を含有する熱膨張性黒鉛と含窒素化合物との
併用による著しく優れた相乗効果により、難燃性が従来
品に比べて大幅に向上された難燃性ポリウレタンフォー
ムが提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例9〜14、比較例8、9の酸素指数の測定
結果を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C01B 31/04 101 C01B 31/04 101A (C08G 18/00 101:00) (72)発明者 井幡 聡 福島県いわき市小名浜字高山34番地 日 本化成株式会社内 (72)発明者 大久保 正一 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 エム・ディー化成株式会社研究所内 (72)発明者 片野 弘章 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 エム・ディー化成株式会社研究所内 (56)参考文献 特開 平1−311167(JP,A) 特開 平2−105811(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】難燃剤としてメラミン、メラミン誘導体、
    尿素、チオ尿素及びイソシアヌール酸よりなる群から選
    ばれた少なくとも1種の含窒素化合物と熱膨張性黒鉛と
    を含有する難燃性ポリウレタンフォームであって、 前記熱膨張性黒鉛が、アルカリ金属及び/又はアルカリ
    土類金属の硫酸塩を含有し、かつ、1重量%濃度の水分
    散液におけるpHが4.5〜8であることを特徴とする難燃
    性ポリウレタンフォーム。
JP1036609A 1989-02-16 1989-02-16 難燃性ポリウレタンフォーム Expired - Lifetime JP2679214B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1036609A JP2679214B2 (ja) 1989-02-16 1989-02-16 難燃性ポリウレタンフォーム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1036609A JP2679214B2 (ja) 1989-02-16 1989-02-16 難燃性ポリウレタンフォーム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02215857A JPH02215857A (ja) 1990-08-28
JP2679214B2 true JP2679214B2 (ja) 1997-11-19

Family

ID=12474541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1036609A Expired - Lifetime JP2679214B2 (ja) 1989-02-16 1989-02-16 難燃性ポリウレタンフォーム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2679214B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102404686B1 (ko) * 2021-08-30 2022-06-03 주식회사 알리바 준불연 우레탄 복합소재용 2액형 경질 폴리우레탄 조성물, 이를 이용한 준불연 우레탄 복합소재

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4010752A1 (de) * 1990-04-03 1991-10-10 Metzeler Schaum Gmbh Verfahren zur herstellung eines flammwidrigen, elastischen polyurethan-weichschaumstoffes
DE4026702A1 (de) * 1990-08-24 1992-02-27 Bayer Ag Verfahren zur herstellung von harten polyurethanschaumstoffen
DE60015174T2 (de) 1999-10-07 2006-03-02 Huntsman International Llc, Salt Lake City Verfahren zur Herstellung von Polyurtehanhartschaumstoffen und Polyurethanweichschaumstoffen, die ein flammenhemmendes Mittel enthalten
WO2004096900A1 (en) * 2003-04-30 2004-11-11 Kyungdong Ceratech Co., Ltd. Foaming plastic body which has excellent incombustibility
WO2006040965A1 (ja) * 2004-10-12 2006-04-20 Toray Industries, Inc. ガスバリア性樹脂組成物およびガスバリア性フィルム
JP4709609B2 (ja) * 2005-08-08 2011-06-22 株式会社イノアックコーポレーション 難燃性遮音材、及びその製造方法
JP2007063434A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Air Water Inc 難燃性重合体組成物
JP5889597B2 (ja) * 2011-10-21 2016-03-22 株式会社イノアックコーポレーション ポリウレタンフォーム
WO2018117075A1 (ja) * 2016-12-19 2018-06-28 積水化学工業株式会社 耐火樹脂組成物及び耐火樹脂成形体

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3812348A1 (de) * 1988-04-14 1989-10-26 Bayer Ag Verfahren zur herstellung von polyurethanschaumstoffen
DE3828544A1 (de) * 1988-08-23 1990-03-01 Bayer Ag Verfahren zur herstellung von polyurethanschaumstoffen

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102404686B1 (ko) * 2021-08-30 2022-06-03 주식회사 알리바 준불연 우레탄 복합소재용 2액형 경질 폴리우레탄 조성물, 이를 이용한 준불연 우레탄 복합소재

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02215857A (ja) 1990-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE69925834T2 (de) Kohlenwasserstoff geblasene Polyurethanhartschaumstoffe mit verbessertem Brennbarkeitsverhalten
US6372811B2 (en) Flame resistant rigid polyurethane foams blown with hydrofluorocarbons
CZ20012816A3 (cs) Polopevná pěna s otevřenou buněčnou strukturou s odlupujícím se grafitem
JPH04252219A (ja) 脂肪酸のエステルおよび/またはアミドからなる難燃性組成物
US3423343A (en) Flame retardant polyurethane materials
JP2679214B2 (ja) 難燃性ポリウレタンフォーム
US4717509A (en) Reactive fire-protective formulation for rendering polyurethane rigid foam materials flame-resistant and process for preparing same
JPH10168150A (ja) 難燃性硬質ポリウレタンフォーム用組成物
JP2001279088A (ja) ハロゲン不含の難燃性硬質ポリウレタンフォーム及びそれの製造方法
JPH10147623A (ja) 難燃性軟質ポリウレタンフォーム用組成物
JPS63309511A (ja) ポリイソシアヌレート発泡体の製法
US20040092616A1 (en) Process for producing rigid polyurethane foams and finished articles obtained therefrom
US5776992A (en) Halogen-free, flame retardant rigid polyurethane foam
US4145318A (en) Excellent flame-and smoke-retardant non-shrinkable polyurethane foam
JPH02248461A (ja) 難燃性ポリイソシアヌレートフォームの製法
EP0297687A2 (en) Isocyanurate foam and method for producing the same
JPH02206649A (ja) 難燃性ポリウレタンフォーム
JP2002003713A (ja) 難燃性軟質ポリウレタンフォーム
JP2775798B2 (ja) 難燃性ポリウレタンフォーム
US4421868A (en) Polyester-melamine thermosetting foam and method of preparation
JP2710368B2 (ja) 難燃性ポリウレタンフォーム
JP4028383B2 (ja) イソシアン組成物および改善された防火特性を有する発泡ポリウレタンの製造におけるその使用
US4075137A (en) Process for preparing flame retarding polyurethane foams
JPH1081727A (ja) 難燃性の水発泡イミド変性フオームの製造方法
JPS61236812A (ja) 難燃ウレタンフオ−ムの製造方法