JP2678605B2 - 腸内細菌叢改善剤 - Google Patents

腸内細菌叢改善剤

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JP2678605B2 JP62275403A JP27540387A JP2678605B2 JP 2678605 B2 JP2678605 B2 JP 2678605B2 JP 62275403 A JP62275403 A JP 62275403A JP 27540387 A JP27540387 A JP 27540387A JP 2678605 B2 JP2678605 B2 JP 2678605B2
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【発明の詳細な説明】 「技術分野」 本発明は、腸内の有害菌であるウェルシュ菌(クロス
トリディウム・パーフリンゲンス、Clostridium perfri
ngens)の生育を選択的に抑えて腸内細菌叢を改善する
効果を有する腸内細菌叢改善剤に関する。 「従来技術およびその問題点」 近年、腸内における細菌叢(フローラ)が人間の健康
と係わりをもっていることが知られ、腸内細菌に対する
関心が高まっている。例えばビフィズス菌は、人間の腸
内細菌叢を構成する主要な菌種のひとつであり、人や動
物に対して種々の有益な生理的役割をはたすことが知ら
れている。このビフィズス菌は、各種の疾患や加齢に伴
ない減少または消失するため、腸内のビフィズス菌を増
加させる試みが臨床面で行なわれ、その有効性が実証さ
れている。このため、ビフィズス菌入りのヨーグルト、
ビフィズス菌末、ビフィズス菌増殖性オリゴ糖などが、
通常の食生活にも積極的に取り入れられるようになって
きた。これらの中で、ビフィズス菌増殖性オリゴ糖が最
近脚光を浴びており、ビフィズス菌増殖効果を有するも
のとしてフラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、コンニャク
オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖など
が次々と紹介され、その一部は健康食品素材として市販
されている。 一方、ウェルシュ菌も腸内細菌叢を構成する菌種の一
つであるが、ビフィズス菌とは反対に有害な生理活性を
もっており、その一部のものは食中毒の原因になること
も知られている。また、ウェルシュ菌は、加齢とともに
増加し、老人になると検出率、菌数が増す傾向があり、
このため老化との関係が示唆されている。すなわち、ウ
ェルシュ菌が増加すると、腸内の腐敗が高まり、アンモ
ニア、硫化水素、アミン、フェノール、インドール等の
有害物質が多量に生成させるようになり、これらが宿主
に吸収されてますます老化を早めることになると考えら
れている。また、ウェルシュ菌が増えると、ビフィズス
菌が減少して腸内pHがアルカリ側に傾くため、腸内で生
成されたアンモニアの吸収が促進されたり、またアミノ
酸脱炭酸酵素の活性が高まり、アミンの生成が増加する
などの種々の有害な現象が起ると考えられている。 ウェルシュ菌は、このような有害な作用を有している
にもかかわらず、積極的にウェルシュ菌を抑制する研究
は殆どなされていないのが現状であった。 「発明の目的」 本発明の目的は、有用菌であるビフィズス菌の生育を
抑えることなく、ウェルシュ菌の生育を選択的に抑え
て、腸内細菌叢を改善できるようにした腸内細菌叢改善
剤を提供することにある。 「発明の構成」 本発明者らは、ブドウ糖が直鎖状に連なったオリゴ糖
の腸内細菌叢に及ぼす影響について長年研究を続けてき
たが、その過程で三糖類〜七糖類のオリゴ糖が、腸内有
用菌であるビフィズス菌の生育を抑えることなく、有害
菌であるウェルシュ菌の生育を抑制して腸内細菌叢を改
善できることを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明による腸内細菌叢改善剤は、マルト
トリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオー
ス、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースから選ば
れた一種または二種以上の混合物を主成分として含有す
ることを特徴とする。 上記オリゴ糖は、後述するような人体投与試験の結
果、ビフィズス菌の生育を抑えることなく、ウェルシュ
菌の生育を選択的に抑える効果を有することが確認され
た。したがって、これらのオリゴ糖を摂取することによ
り、腸内細菌叢を改善することができる。 本発明の腸内細菌制御物質は、マルトトリオース、マ
ルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサ
オース、マルトヘプタオースから選ばれたG3〜G7のオリ
ゴ糖のうち、いずれか一種を主成分とするものであって
もよく、二種以上の混合物を主成分とするものであって
もよい。ただし、本発明者らの研究によれば、これらの
オリゴ糖の中でも特にマルトテトラオース(G4)が優れ
た腸内細菌叢改善効果を有していた。 本発明で用いる上記オリゴ糖の製造方法については、
特に限定されず、公知のいずれの方法も採用可能であ
る。 例えばマルトトリオース(G3)は、プルランをプルラ
ナーゼで加水分解する方法、澱粉にストレプトマイセス
・グリセウス(Streptomyces griseus)の生産するアミ
ラーゼを作用させる方法などにより得られる。また、マ
ルトトリオース(G3)は、分画法によるマルトース(G
2)生産時の副産物として得ることもでき、生産コスト
の点ではこれが有利であり、マルトリオース(G3)含量
45%のものが市販されている。 また、マルトテトラオース(G4)は、澱粉に、シュー
ドモナス・スツュツェリ(Pseudomonas stuzeri)や、
シュードモナス・サッカロフィラ(Pseudomonas saccha
rophila)の生産するマルトテトラオース生成酵素を作
用させて得ることができる。より具体的には、本出願人
が既に提案した特願昭62−171608号に示すようにな方法
が採用できる。すなわち、澱粉液化液に、マルトテトラ
オース生成酵素と必要に応じて枝切り酵素とを作用させ
て糖化反応を行なった後または糖化反応を行ないなが
ら、分画・精製する方法である。この方法では、マルト
テトラオースの含量が70〜95重量%、マルトペンタオー
ス、マルトヘキサオースなどの五糖類以上の糖の含量が
12重量%以下、グルコース、マルトースおよびマルトト
リオースからなる三糖類以下の糖の含量が18重量%以下
の混合物が得られる。本発明では、この混合物をそのま
ま用いてもよいし、この混合物からそれぞれのオリゴ糖
をさらに精製して用いてもよい。 また、マルトペンタオース(G5)、マルトヘキサオー
ス(G6)は、例えば澱粉に、バチルス・リチニフォルミ
ス(B.licheniformis)、エアロバクター・エアロゲネ
ス(Aerobacter aerogenes)等が特異的に生産するアミ
ラーゼを作用させて得られる。なお、マルトヘプタオー
ス(G7)は、前述した特願昭62−171608号に示す方法で
他のオリゴ等と共に得ることができ、必要に応じてこれ
を精製して用いることができる。 上記オリゴ糖からなる本発明の腸内細菌叢改善剤は、
例えばそのまま摂取したり、あたはパン、ケーキ、クッ
キー、キャンディ、クリーム、佃煮などに添加して摂取
することにより、腸内細菌叢を改善する効果をもたらす
ことができる。また、オリゴ糖は、重合度が高くなるほ
ど甘味が低下するので低甘味剤として有効であり、ま
た、マルトトリオースは、吸湿性が高いので保湿剤とし
ても有効であり、マルトテトラオースは、食品の老化防
止、砂糖の結晶防止、食品の表面のつや出し等に有効で
ある。したがって、本発明の腸内細菌叢改善剤は、各種
食品中に添加することにより、上記のような味覚や物性
の改善効果などをもたらすこともできる。 なお、前記オリゴ糖からなる本発明の腸内細菌叢改善
剤は、例えばビフィズス増殖効果を有するフラクトオリ
ゴ糖、大豆オリゴ糖、コンニャクオリゴ糖、イソマルト
オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などと組合せて使用するこ
とにより、本発明の効果、すなわち腸内の有害菌である
ウェルシュ菌の生育を抑えると共に、有用菌であるビフ
ィズス菌を増殖する効果を併せもつことができる。 「発明の実施例」 実施例 馬鈴薯澱粉を常法に従って液化し、DEが1以下、濃度
10重量%の澱粉液化液を得た。これに、マルトテトラオ
ース生成酵素を基質固形分1g当り2単位添加し、pH6.5
に調製し、55℃で10時間反応させた後、ケイソウ土ろ過
を行ない、夾雑物を除去した。ここで1単位とは、還元
した可溶性澱粉を基質として、pH7、温度40℃で酵素反
応を行ない、1分間に1μmolのグルコシド結合を切断
する酵素量である。次いで、平板状膜UF装置(DDS社
製、商品名「ラボモジュール」)に、分子量カット200
0、膜面積0.36m2の限外ろ過膜を取付け、上記反応液を5
5℃で10時間循環させて、糖化反応と共に膜処理を行な
った。こうして得られた透過液の糖組成を液体クロマト
グラフィーで分析した結果、G1;1.0、G2;4.6、G3:9.3、
G4;54.1、G5;1.2、G6;0.8、G7以上の糖;29.0(いずれも
重量%)であった。この透過液を粉末化して、本発明に
よる腸内細菌叢改善剤を得た。 試験例 上記実施例で得られたマルトテトラオースを54%含有
するオリゴ糖粉末を用いて、人体投与試験を行ない、腸
内細菌叢に及ぼす影響を調べた。 すなわち、健康な男性7名から、通常の食生活をして
いるコントロール期間中に2回サンプリングし、その
後、上記オリゴ糖粉末を1日30gずつ10日間摂取させ、
その7日目、10日目の2回サンプリングした。その後、
上記オリゴ糖粉末の投与を中止し、中止してから7日
目、10日目の2回サンプリングした。 以上合計6回のサンプンリング時に、光岡の方法
(「腸内菌の世界」、嫌気性菌の分離と同定、光岡知足
著、叢文社、1984)で、腸内細菌叢を検索し、ビフィズ
ス菌、ウェルシュ菌の菌数、検出率、総菌数に対する割
合を調べた。この結果を第1表に示す。なお、第1表
は、オリゴ糖粉末の投与前、投与中、投与後の3つの期
間に分けて結果が示されている。また、各期間において
2回ずつサンプリングを行なったので、菌数が合計14の
サンプリングの平均を示しており、検出率は14のサンプ
リングのうちいくつに検出されたかを示している。 第1表に示すように、オリゴ糖粉末を摂取することに
より、ビフィズス菌(Bifidobacterium)に変化は認め
られなかったが、ウェルシュ菌(C.Perfringens)は全
く検出されなくなった。 「発明の効果」 以上説明したように、本発明の腸内細菌叢改善剤は、
ビフィズス菌の生育を抑えることなく、ウェルシュ菌の
生育を阻止するので、腸内細菌叢の改善をはかることが
でき、人の健康維持に寄与することができる。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペ
    ンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース
    から選ばれた一種または二種以上の混合物を主成分とし
    て含有することを特徴とする腸内細菌叢改善剤。 2.マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペ
    ンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース
    から選ばれた一種または二種以上と、フラクトオリゴ
    糖、大豆オリゴ糖、コンニャクオリゴ糖、イソマルトオ
    リゴ糖、ガラクトオリゴ糖から選ばれた一種または二種
    以上とを含有する請求項1記載の腸内細菌叢改善剤。
JP62275403A 1987-10-30 1987-10-30 腸内細菌叢改善剤 Expired - Lifetime JP2678605B2 (ja)

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WO2008047709A1 (en) * 2006-10-16 2008-04-24 Lion Corporation Nk1 receptor antagonist composition
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JPS61227777A (ja) * 1985-04-02 1986-10-09 Showa Sangyo Kk ビフイズス菌生育活性剤

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