JP2678554B2 - 自然石構築物の表面改善工法 - Google Patents
自然石構築物の表面改善工法Info
- Publication number
- JP2678554B2 JP2678554B2 JP10503293A JP10503293A JP2678554B2 JP 2678554 B2 JP2678554 B2 JP 2678554B2 JP 10503293 A JP10503293 A JP 10503293A JP 10503293 A JP10503293 A JP 10503293A JP 2678554 B2 JP2678554 B2 JP 2678554B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- base
- tile
- stone
- paste
- stabilizer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)
- Finishing Walls (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自然石の石積みやブロ
ック積みの塀などの表面が風化や、汚泥したり、酸性雨
によって劣化した場合に、構築物の表面部分を主に修復
することによって、新設状態を復元するための工法に関
するものであり、特に大谷石などの堆積岩で構成された
石材ブロックの構築物に対して有効な技術である。
ック積みの塀などの表面が風化や、汚泥したり、酸性雨
によって劣化した場合に、構築物の表面部分を主に修復
することによって、新設状態を復元するための工法に関
するものであり、特に大谷石などの堆積岩で構成された
石材ブロックの構築物に対して有効な技術である。
【0002】
【従来の技術】自然石の石積みやブロック積みは美観が
よいと同時に頑丈である。従って、塀や礎石として数多
く利用されている。しかし、長期間経過すれば、雨水を
吸収したり、排気ガスを受けて汚泥したり、酸性雨によ
る化学変化や風化によって表面がぼろぼろになってしま
う。従来は、これらを改装しようとすればブロック自体
を取り替える工事、即ち新設工事そのものを行わなけれ
ばならなかった。
よいと同時に頑丈である。従って、塀や礎石として数多
く利用されている。しかし、長期間経過すれば、雨水を
吸収したり、排気ガスを受けて汚泥したり、酸性雨によ
る化学変化や風化によって表面がぼろぼろになってしま
う。従来は、これらを改装しようとすればブロック自体
を取り替える工事、即ち新設工事そのものを行わなけれ
ばならなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、自然石は資源
の枯渇から単価が非常に高く、ブロック全部を交換する
には莫大な費用がかかるうえ、施工も基礎から行う必要
があるため、施工費用もかさむという問題がある。
の枯渇から単価が非常に高く、ブロック全部を交換する
には莫大な費用がかかるうえ、施工も基礎から行う必要
があるため、施工費用もかさむという問題がある。
【0004】本発明は上述した従来の課題を解決するも
ので、自然石のブロックを交換することなく、主に表面
を修復することによって新設時と同様の美観を復元する
と同時に、それ以後の汚泥や風化を防止することができ
る自然石構築物の表面改善工法を開示することを目的と
するものである。
ので、自然石のブロックを交換することなく、主に表面
を修復することによって新設時と同様の美観を復元する
と同時に、それ以後の汚泥や風化を防止することができ
る自然石構築物の表面改善工法を開示することを目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、石灰成分を
含んだ石材からなる構築物の表面に格子状に適宜深さで
切削目地を設け、上記格子によって独立した升目を順次
ハツリ取り、上記石材と同一素材の粉末を骨材としてア
クリル系樹脂からなる母剤と混合したペーストを、ハツ
リ取った表面が平滑になるように塗布して下地とした。
次に、けい酸ナトリウムの水溶液からなる安定剤を上記
下地に浸透させて石灰成分と化学反応を生ぜしめて下地
表面層を固化した。最後に、予め上記安定剤によって処
理された上記石材と同一素材のタイルを上記ペーストを
用いて上記下地表面に順次貼着した。そして、これら一
連の手段を連続的に採用することによって上述した目的
を達成した。さらにまた、下地表面の適宜箇所にアンカ
ーボルトを立設すると共に、タイルの所定位置に孔を穿
設し、この孔を上記アンカーボルトに挿通してタイルを
上記下地に懸架するという手段を選択的に採用した。
含んだ石材からなる構築物の表面に格子状に適宜深さで
切削目地を設け、上記格子によって独立した升目を順次
ハツリ取り、上記石材と同一素材の粉末を骨材としてア
クリル系樹脂からなる母剤と混合したペーストを、ハツ
リ取った表面が平滑になるように塗布して下地とした。
次に、けい酸ナトリウムの水溶液からなる安定剤を上記
下地に浸透させて石灰成分と化学反応を生ぜしめて下地
表面層を固化した。最後に、予め上記安定剤によって処
理された上記石材と同一素材のタイルを上記ペーストを
用いて上記下地表面に順次貼着した。そして、これら一
連の手段を連続的に採用することによって上述した目的
を達成した。さらにまた、下地表面の適宜箇所にアンカ
ーボルトを立設すると共に、タイルの所定位置に孔を穿
設し、この孔を上記アンカーボルトに挿通してタイルを
上記下地に懸架するという手段を選択的に採用した。
【0006】
【作用】上記手段において、格子状に切削することによ
って細かい升目が形成され、ハツリ作業におけるハツリ
程度の誤差を緩和するという作用を行う。また、ペース
トで表面を平滑化することは、タイルの接着性を確保す
るための補正機能を有している。また、安定剤は石材中
の石灰と化学反応を起こし、石材表面層を強固なけい酸
カルシウムに変質させるという作用を行う。続いて採用
されるペーストは、下地表面とタイルとを確実に貼着さ
せる機能を有している。また、アンカーボルトによって
タイルを懸架する手段は、より安定してタイルを固定す
る作用を行うものである。
って細かい升目が形成され、ハツリ作業におけるハツリ
程度の誤差を緩和するという作用を行う。また、ペース
トで表面を平滑化することは、タイルの接着性を確保す
るための補正機能を有している。また、安定剤は石材中
の石灰と化学反応を起こし、石材表面層を強固なけい酸
カルシウムに変質させるという作用を行う。続いて採用
されるペーストは、下地表面とタイルとを確実に貼着さ
せる機能を有している。また、アンカーボルトによって
タイルを懸架する手段は、より安定してタイルを固定す
る作用を行うものである。
【0007】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を詳述する。
本発明工法は、大きく、下地処理段階と、前処理段階
と、表面処理段階の3段階に分けることができるので、
各段階を順を追って説明する。
本発明工法は、大きく、下地処理段階と、前処理段階
と、表面処理段階の3段階に分けることができるので、
各段階を順を追って説明する。
【0008】先ず、石材を使用したブロック塀などの改
装に先だった下地処理段階では、風化、損傷、あるいは
汚泥した表面を除去する。除去工程は、表面部分約30
mmの深さまでをハツリ取ることによって行うが、ハツリ
によって形成された下地表面に大きい凹凸が生じたり、
局部的に深くハツリすぎないように、最初に石材用のカ
ッターによって格子状に切削目地を切り込む。格子の目
の大きさは特に限定しないが、50mm程度の格子を基準
とし、切削深さは35mmとする。その後、ハツリ用のハ
ンマーで格子によって独立した升目を順次ハツリ取る。
この下地処理作業では、先ずカッターによって小さい升
目を形成しておくことにより、均等な深さまでのハツリ
を行うことが重要である。次に、ハツリ取った後の表面
には細かい凹凸が形成されているので、これらを修正、
補修しながら、上記35mmの切削深さを保持する。この
作業としては、ハツリ取った石材を粉砕して粉末状に
し、一晩水中で懸濁して汚れを取り除き、6号硅砂と混
合し、さらに母剤と混ぜ合わせてペーストを製造し、こ
のペーストを左官こてによって表面が平滑になる程度ま
で塗布する。石材そのものを粉末として混合する理由
は、下地とペーストとの親和性を向上させるためであ
る。ここで、母剤の成分としては、アクリル系樹脂のエ
マルジョンにビニロンを混合し、アルミナセメントを多
少加えたものである。また、6号硅砂は骨材として機能
する。骨剤は6号硅砂だけに限らず、これと同様の粒度
の一般的な骨剤であればよい。なお、局部的に深く侵食
された場所があった場合には、その部分だけを深く除去
するが、平滑化の際には上述した作業と変わりなく全体
を平坦にする必要がある。続いて、表面に設置される化
粧板との密着性と接着力を高めるために、半乾きでペー
ストに柔軟性がある段階で、平板で表面を叩いて上記ペ
ーストを定着する。このように下地処理段階では、石材
の表面老化層を除去し、ペーストを塗布することによっ
て平滑な下地表面を作成するのである。
装に先だった下地処理段階では、風化、損傷、あるいは
汚泥した表面を除去する。除去工程は、表面部分約30
mmの深さまでをハツリ取ることによって行うが、ハツリ
によって形成された下地表面に大きい凹凸が生じたり、
局部的に深くハツリすぎないように、最初に石材用のカ
ッターによって格子状に切削目地を切り込む。格子の目
の大きさは特に限定しないが、50mm程度の格子を基準
とし、切削深さは35mmとする。その後、ハツリ用のハ
ンマーで格子によって独立した升目を順次ハツリ取る。
この下地処理作業では、先ずカッターによって小さい升
目を形成しておくことにより、均等な深さまでのハツリ
を行うことが重要である。次に、ハツリ取った後の表面
には細かい凹凸が形成されているので、これらを修正、
補修しながら、上記35mmの切削深さを保持する。この
作業としては、ハツリ取った石材を粉砕して粉末状に
し、一晩水中で懸濁して汚れを取り除き、6号硅砂と混
合し、さらに母剤と混ぜ合わせてペーストを製造し、こ
のペーストを左官こてによって表面が平滑になる程度ま
で塗布する。石材そのものを粉末として混合する理由
は、下地とペーストとの親和性を向上させるためであ
る。ここで、母剤の成分としては、アクリル系樹脂のエ
マルジョンにビニロンを混合し、アルミナセメントを多
少加えたものである。また、6号硅砂は骨材として機能
する。骨剤は6号硅砂だけに限らず、これと同様の粒度
の一般的な骨剤であればよい。なお、局部的に深く侵食
された場所があった場合には、その部分だけを深く除去
するが、平滑化の際には上述した作業と変わりなく全体
を平坦にする必要がある。続いて、表面に設置される化
粧板との密着性と接着力を高めるために、半乾きでペー
ストに柔軟性がある段階で、平板で表面を叩いて上記ペ
ーストを定着する。このように下地処理段階では、石材
の表面老化層を除去し、ペーストを塗布することによっ
て平滑な下地表面を作成するのである。
【0009】続いて、このように処理した下地に対し
て、安定化を図るために安定剤を含浸させる前処理段階
に移行する。ここでいう安定化とは、基礎となる下地を
防水性および溌水性を高め、内部に雨水が浸透しないよ
うにすることを指す。安定剤の主成分は、けい酸ナトリ
ウム(Na2O・SiO2)に代表される無機質シリカ系
複合剤であり、これを蒸留水に溶かして水溶液としたも
のである。この水溶液を低圧温風の噴霧器によって補正
した下地表面から浸透させる。このようにすると、けい
酸ナトリウムの場合であれば石材中の石灰とけい酸ナト
リウムおよび水が反応してけい酸カルシウムを生成し、
水酸化ナトリウムの希釈液が表面に浸出する。ここで、
けい酸カルシウムは水には不溶性であり、水酸化ナトリ
ウムを洗浄した後は石材構造は緻密な状態になる。これ
によって、雨水が下地に浸透しにくくなると同時に酸性
雨による老化をも防止することができる。
て、安定化を図るために安定剤を含浸させる前処理段階
に移行する。ここでいう安定化とは、基礎となる下地を
防水性および溌水性を高め、内部に雨水が浸透しないよ
うにすることを指す。安定剤の主成分は、けい酸ナトリ
ウム(Na2O・SiO2)に代表される無機質シリカ系
複合剤であり、これを蒸留水に溶かして水溶液としたも
のである。この水溶液を低圧温風の噴霧器によって補正
した下地表面から浸透させる。このようにすると、けい
酸ナトリウムの場合であれば石材中の石灰とけい酸ナト
リウムおよび水が反応してけい酸カルシウムを生成し、
水酸化ナトリウムの希釈液が表面に浸出する。ここで、
けい酸カルシウムは水には不溶性であり、水酸化ナトリ
ウムを洗浄した後は石材構造は緻密な状態になる。これ
によって、雨水が下地に浸透しにくくなると同時に酸性
雨による老化をも防止することができる。
【0010】次に、表面処理段階について説明する。先
ず厚さ30mmで適宜な大きさの、元の石材と同一の石材
からなるタイルに対して、上記安定剤の水溶液を同様の
低圧温風噴霧器を用いて浸透させる。ただし、タイルに
対する浸透作業は、水溶液中にタイルを一定時間浸積
し、周囲から安定剤を含浸させるようにしてもよい。こ
の処理を行うことによって、復元表面のタイルも防水、
溌水性に優れたものとなる。そして、処理済みタイルを
上記補正後の下地表面に順次貼着していく。なお、石材
が大谷石の場合には一般に表面寸法は30cmx90cmが
基本になっているが、タイルの大きさもこれと一致させ
ることにより、完成後には自然の石組の美観を呈するこ
とができる。また、貼着は、目立ちやすい門柱側から両
端に向かって進めていく。
ず厚さ30mmで適宜な大きさの、元の石材と同一の石材
からなるタイルに対して、上記安定剤の水溶液を同様の
低圧温風噴霧器を用いて浸透させる。ただし、タイルに
対する浸透作業は、水溶液中にタイルを一定時間浸積
し、周囲から安定剤を含浸させるようにしてもよい。こ
の処理を行うことによって、復元表面のタイルも防水、
溌水性に優れたものとなる。そして、処理済みタイルを
上記補正後の下地表面に順次貼着していく。なお、石材
が大谷石の場合には一般に表面寸法は30cmx90cmが
基本になっているが、タイルの大きさもこれと一致させ
ることにより、完成後には自然の石組の美観を呈するこ
とができる。また、貼着は、目立ちやすい門柱側から両
端に向かって進めていく。
【0011】この場合の下地にタイルを貼着するために
利用する接着剤としては、基本的には下地処理段階で用
いたペーストとほぼ同様の組成を用いる。これによって
貼着後でもペーストとの相性が良く、強固に固定するこ
とができる。ただし、この処理においてはタイルとの親
和性よりも接着性が重要であるから、石材粉末は混合し
ない。また、接着剤の粘度はドロリとした状態に設定す
る。このようにして処理済みタイルを順次貼着し、接着
力が確保できた時点で最終の加工を行う。即ち、最終的
に塀全体の美観を発揮するために、タイル同士の合わせ
目地にモルタルを充填するが、セメントは劣化が早いと
同時に石材との相性が悪い場合があるので、石材原石の
粉末を混合した上記ペーストをモルタルとして利用す
る。また、化粧のために石材表面にカッターなどで模様
切り、柄付けを行う点については、選択的に自由に採用
してもよい。そしてタイル表面に上記安定剤水溶液をロ
ーラ刷毛などで塗布し、表面保護を施すことによって一
連の工法が完了する。
利用する接着剤としては、基本的には下地処理段階で用
いたペーストとほぼ同様の組成を用いる。これによって
貼着後でもペーストとの相性が良く、強固に固定するこ
とができる。ただし、この処理においてはタイルとの親
和性よりも接着性が重要であるから、石材粉末は混合し
ない。また、接着剤の粘度はドロリとした状態に設定す
る。このようにして処理済みタイルを順次貼着し、接着
力が確保できた時点で最終の加工を行う。即ち、最終的
に塀全体の美観を発揮するために、タイル同士の合わせ
目地にモルタルを充填するが、セメントは劣化が早いと
同時に石材との相性が悪い場合があるので、石材原石の
粉末を混合した上記ペーストをモルタルとして利用す
る。また、化粧のために石材表面にカッターなどで模様
切り、柄付けを行う点については、選択的に自由に採用
してもよい。そしてタイル表面に上記安定剤水溶液をロ
ーラ刷毛などで塗布し、表面保護を施すことによって一
連の工法が完了する。
【0012】なお、表面処理段階において、タイルを補
正後の下地に対して貼着するだけでなく、補強のために
アンカーボルトによって懸架することもある。例えば図
1に示すように、塀本体1の下地表面に対してアンカー
ボルト2を打ち込み、このアンカーボルトに対応してタ
イル3に穿設された孔4にアンカーボルト2を挿通して
タイル3を懸架し、ナット5で固定するものである。な
お、アンカーボルト2は予め防錆処理を施しておく。ナ
ット5を締め付けた後は、孔4の表面には上記ペースト
を充填して化粧を施すことはいうまでもない。
正後の下地に対して貼着するだけでなく、補強のために
アンカーボルトによって懸架することもある。例えば図
1に示すように、塀本体1の下地表面に対してアンカー
ボルト2を打ち込み、このアンカーボルトに対応してタ
イル3に穿設された孔4にアンカーボルト2を挿通して
タイル3を懸架し、ナット5で固定するものである。な
お、アンカーボルト2は予め防錆処理を施しておく。ナ
ット5を締め付けた後は、孔4の表面には上記ペースト
を充填して化粧を施すことはいうまでもない。
【0013】さらに、上述した復元工程にさらに追加し
て、タイル表面を研磨することもある。これは、完成し
たタイル表面を安定剤水溶液によって一昼夜どぶ漬け
し、熱を与えて表面層をより強固に固定する。続いて石
磨き用のポリッシャによって磨きをかけ、タイル表面を
研磨する。このようにすれば化学反応によって生成され
たけい酸カルシウムの表面層が平滑になって、大理石研
磨面と類似した風合いを出すことができる。ただしこの
工程は選択的なものであり、必要に応じて上記工程に追
加される。
て、タイル表面を研磨することもある。これは、完成し
たタイル表面を安定剤水溶液によって一昼夜どぶ漬け
し、熱を与えて表面層をより強固に固定する。続いて石
磨き用のポリッシャによって磨きをかけ、タイル表面を
研磨する。このようにすれば化学反応によって生成され
たけい酸カルシウムの表面層が平滑になって、大理石研
磨面と類似した風合いを出すことができる。ただしこの
工程は選択的なものであり、必要に応じて上記工程に追
加される。
【0014】
【発明の効果】本発明では上述した工法を採用したの
で、例えば構築物が塀の場合には本体は従前のものをそ
のまま利用して、表面部分のみを薄いタイルに置換する
だけとなり、全体の施工費用を安価に抑えることができ
ると同時に、従来は困難であった確実な施工見積が可能
となった。また、タイルおよび下地共に防水、溌水加工
を施しているので、雨水が浸入することもなく劣化を確
実に防止することができる。そのうえ、安定剤によって
下地表面層やタイル表面層が強固な性質に変質している
ので、全体の強度も高くすることができた。
で、例えば構築物が塀の場合には本体は従前のものをそ
のまま利用して、表面部分のみを薄いタイルに置換する
だけとなり、全体の施工費用を安価に抑えることができ
ると同時に、従来は困難であった確実な施工見積が可能
となった。また、タイルおよび下地共に防水、溌水加工
を施しているので、雨水が浸入することもなく劣化を確
実に防止することができる。そのうえ、安定剤によって
下地表面層やタイル表面層が強固な性質に変質している
ので、全体の強度も高くすることができた。
【0015】さらに、復元後長期間経過してタイルが劣
化した場合でも次回の復元工事はタイルを取り替えるだ
けでよく、繰り返し安価な施工を行うことができること
に加えて、タイルが一部破損した場合でも破損タイルだ
けを交換すればよく、施工性も向上する。
化した場合でも次回の復元工事はタイルを取り替えるだ
けでよく、繰り返し安価な施工を行うことができること
に加えて、タイルが一部破損した場合でも破損タイルだ
けを交換すればよく、施工性も向上する。
【図1】下地に対してアンカーボルトを用いてタイルを
懸架した断面図である。
懸架した断面図である。
1 塀本体 2 アンカーボルト 3 タイル 4 孔 5 ナット
Claims (2)
- 【請求項1】石灰成分を含んだ石材からなる構築物の表
面に格子状に適宜深さで切削目地を設け、上記格子によ
って独立した升目を順次ハツリ取った後、上記石材と同
一素材の粉末を骨材としてアクリル系樹脂からなる母剤
と混合したペーストを上記ハツリ取った表面が平滑にな
るように塗布して下地とし、さらに無機質シリカ系複合
剤の水溶液からなる安定剤を上記下地に浸透させて下地
表面層を固化し、予め上記安定剤によって処理された上
記石材と同一素材のタイルを上記ペーストを用いて上記
下地表面に順次貼着することを特徴とした自然積構築物
の表面改善工法。 - 【請求項2】請求項1に加えてさらに、下地表面の適宜
箇所にアンカーボルトを立設すると共に、タイルの所定
位置に孔を穿設し、この孔を上記アンカーボルトに挿通
してタイルを上記下地に懸架した自然石構築物の表面改
善工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10503293A JP2678554B2 (ja) | 1993-04-06 | 1993-04-06 | 自然石構築物の表面改善工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10503293A JP2678554B2 (ja) | 1993-04-06 | 1993-04-06 | 自然石構築物の表面改善工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06294220A JPH06294220A (ja) | 1994-10-21 |
JP2678554B2 true JP2678554B2 (ja) | 1997-11-17 |
Family
ID=14396683
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10503293A Expired - Lifetime JP2678554B2 (ja) | 1993-04-06 | 1993-04-06 | 自然石構築物の表面改善工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2678554B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5333961B2 (ja) * | 2007-06-15 | 2013-11-06 | Fsテクニカル株式会社 | タイル、アンカータイル、ユニットタイル、タイルの手張り工法、タイルの型枠先付け工法およびタイルのpc板先付け工法 |
-
1993
- 1993-04-06 JP JP10503293A patent/JP2678554B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06294220A (ja) | 1994-10-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6033146A (en) | Glass chip lithocrete and method of use of same | |
US7670081B2 (en) | Method of forming surface seeded particulate | |
US8079775B2 (en) | Non-slick surface-seeded aggregate concrete and method of forming | |
US6016635A (en) | Surface seeded aggregate and method of forming the same | |
RU2113583C1 (ru) | Изделие из камня в форме пластины и способ его изготовления | |
CN108468413A (zh) | 一种加气混凝土砌块免抹灰防空鼓施工方法 | |
US20040041295A1 (en) | Method of forming surface seeded particulate | |
JP2678554B2 (ja) | 自然石構築物の表面改善工法 | |
US6669876B2 (en) | Method of preparing smooth, watertight concrete surfaces on concrete pools | |
CN102182323A (zh) | 低纬度高原蒸压加气砼砌块干法砌筑施工工艺 | |
CN217518277U (zh) | 一种楼面板网状裂缝渗漏与加固结构 | |
Edwards | Properties of hydraulic and nonhydraulic limes for use in construction. | |
US7185472B1 (en) | Concrete-based material, and method of applying the same | |
CN217974938U (zh) | 一种高层建筑外立面装饰幕墙结构 | |
JP2937309B2 (ja) | コンクリート建築物の防水工法 | |
Pieper | The maintenance, repair and replacement of historic cast stone | |
CN110439235A (zh) | 饰面砖防空鼓施工工艺 | |
CN205502471U (zh) | 一种地面石材防病变安装结构 | |
JP3188349B2 (ja) | 化粧板先付けpcパネルの製造方法 | |
Young | Lime‐Based Plasters, Renders and Washes | |
KR20020053898A (ko) | 콘크리트 구조물용 신구접착 프라이머, 보수 및단면증설재, 이를 이용한 콘크리트 구조물의 보수 및단면증설방법, 및 콘크리트 구조물의 단면증설방법 | |
CN111691256A (zh) | 一种洗沙彩色混凝土地面制作工艺 | |
JPS61176767A (ja) | 壁面の改修化粧工法 | |
Godbey et al. | The Selection and Use of Natural and Manufactured Stone Adhered Veneer | |
DAVEY et al. | CORRESPONDENCE. THE SURFACE FINISHING OF CONCRETE STRUCTURES. |