JP2676403B2 - 耐弾パネル - Google Patents

耐弾パネル

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JP2676403B2
JP2676403B2 JP7788489A JP7788489A JP2676403B2 JP 2676403 B2 JP2676403 B2 JP 2676403B2 JP 7788489 A JP7788489 A JP 7788489A JP 7788489 A JP7788489 A JP 7788489A JP 2676403 B2 JP2676403 B2 JP 2676403B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は耐弾パネルに関する。すなわち、被弾した小
銃弾その他の弾丸それらの小破片等の貫通を防ぎ、これ
らによる人体,重要機材等の損傷を防止して保護する、
耐弾パネルに関するものである。
「従来の技術」 このような耐弾材としては、従来まず単一素材つまり
単体で構成された次の各種の耐弾板が用いられていた。
第1に、樹脂を含浸させたポリエチレン繊維,パラ系
アラミド繊維等の高弾性高分子繊維の織布を、積層し板
状にしたものが用いられていた。このような耐弾板は、
ポリエチレン繊維,パラ系アラミド繊維等の高弾性高分
子繊維の高張力性に基づく伸び変形により、被弾した弾
丸の衝撃力つまり弾丸の運動エネルギーを吸収し減衰さ
せることが知られ、耐弾性に優れている。
第2に、耐弾鋼板が用いられていた。この耐弾板は、
硬度・強度面に優れてなることが知られている。
第3に、セラミックス板も耐弾板として用いられてい
た。
第4に、ポリカーボネート板が用いられていた。この
耐弾板は、ポリカーボネートの硬度・強度に基づく優れ
た耐弾性が知られている。
更に、このような単体で構成された耐弾板以外に、最
近各種の耐弾パネルが開発されている。すなわち、例え
ば特開昭62−210397号公報中に示されたごとく、前述の
単体たる各種耐弾板等をパネル状に積層し、もってそれ
らの特性を兼ね備えんとした積層耐弾パネルも最近開発
されている。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、このような従来の耐弾板,耐弾パネル等に
あっては、次の問題が指摘されていた。
まず第1に、前記従来例1の耐弾板にあっては次のと
おり。すなわち、パラ系アラミド繊維等の高弾性高分子
繊維は非常に高価であり、耐弾性向上のためこれを多数
枚積層するので、コスト面に大きな問題が指摘されてい
た。更にこのような高弾性高分子繊維は耐侯性にも問題
があり、太陽の紫外線に対する耐久性が劣り雨水等に対
しても弱く、樹脂を含浸させた場合であっても、依然太
陽の紫外線に対しては耐久性が劣る等、長期間外気にさ
らして使用できないとの指摘があった。
次に第2に、前記従来例2の耐弾板にあっては次のと
おり。すなわち、耐弾鋼板は重量が非常に重く、もって
使い勝手が悪く取り扱いが不便であるという欠陥があっ
た。
第3に、前記従来例3の耐弾板にあっては次のとお
り。すなわち、セラミックス板は高価でありかつもろ
く、更に大きな面積のものの成形が困難であるという難
点があった。
第4に、前記従来例4の耐弾板にあっては次のとお
り。すなわち、ポリカーボネート板は高価であり、耐弾
性向上のためかなりの厚さにて用いられるので、コスト
面に問題があるとともに、重量が重く取り扱いが不便で
あるという指摘もあった。更にこのようなポリカーボネ
ート板は融点が低いという問題があり、被弾した弾丸の
摩擦熱により局部的に溶融して、その硬度・強度を失い
大きな穴があくこともある等、耐弾性が損なわれてしま
うことがあるという指摘があった。
第5に、更に前述の耐弾パネルにあっては次のとお
り。すなわち、例えば特開昭62−210397号公報中に示さ
れたような最近開発された積層耐弾パネルは、その構造
が複雑でコスト面に問題があるとともに、一般に重量が
重く取り扱いが非常に不便であるとの指摘があった。
従来例ではこのような点が指摘されていた。
本発明は、このような実情に鑑み上記従来例の問題点
を解決すべくなされたものであって、各ポリカーボネー
ト板間に、軽量耐熱材が充填されたハニカム構造体と高
弾性高分子繊維の織布とが、それぞれ積層された多層構
造よりなり、耐弾性およびコスト面に優れ軽量であり、
更に耐侯性に優れ大きな面積のものも容易に成形でき
る、高性能な耐弾パネルを提案することを目的とする。
そして更に、高弾性高分子繊維の織布と背面側のポリカ
ーボネート板間にハニカム構造体を介装してなることに
より、特により耐弾性に優れてなる、高性能な耐弾パネ
ルを提案することも目的とする。
「課題を解決するための手段」 この目的を達成する本発明の技術的手段は、次のとお
りである。
まず請求項1の耐弾パネルは、前面側から背面側に向
かって、第1ポリカーボネート板と、各セル内に軽量耐
熱材が充填されたハニカム構造体と、第2ポリカーボネ
ート板と、高弾性高分子繊維の織布と、第3ポリカーボ
ネート板とが順に接合された多層構造を有してなる。
又請求項2にあっては、請求項1の耐弾パネルにおい
て、上記高弾性高分子繊維の織布と第3ポリカーボネー
ト板との間に、ハニカム構造体が介装されてなる。
「作用」 本発明に係る耐弾パネルは、このような手段よりなる
ので次のごとく作用する。
この耐弾パネルは、第1,第2,第3ポリカーボネート板
間に、軽量耐熱材が充填されたハニカム構造体と高弾性
高分子繊維の織布とがそれぞれ積層され、もって各々の
特性を最大限に生かすべく組み合わせた多層構造を有し
てなっている。
そこでまず第1に、第1ポリカーボネート板に被弾し
た弾丸は摩擦熱を帯びるが、このような摩擦熱は、次に
位置するハニカム構造体の放熱性により局部的に集中す
ることなく広く拡散されるとともに、充填された軽量耐
熱材により更に広く拡散されかつ強力に遮断される。も
って第1ポリカーボネート板および第2ポリカーボネー
ト板は、局部的に溶融するようなことが著しく減少しそ
の硬度・強度は保持される。
そして第2に、第1ポリカーボネート板から被弾した
弾丸の衝撃力つまり弾丸の運動エネルギーは、第1ポリ
カーボネート板にてまず減衰され、次に位置するハニカ
ム構造体の衝撃力分散性により広く分散せしめられ、第
2ポリカーボネート板にて更に減衰せしめられる。しか
る後この弾丸の運動エネルギーは、高弾性高分子繊維の
織布の高張力性に基づく伸び変形により、吸収されて減
衰し、次の第3ポリカーボネート板にて再び減衰され
る。
第3に、このように第1,第2,第3ポリカーボネート板
とハニカム構造体と高弾性高分子繊維の織布との組み合
わせにより、弾丸の衝撃力つまり弾丸の運動エネルギー
は、物理的に徐徐にかつ極めて効果的に減衰せしめられ
る。そこで高弾性高分子繊維の織布は、積層回数を少な
くする等その厚さをより薄くして用いられ、又第1,第2,
第3ポリカーボネート板も厚さを比較的薄くして用いら
れる。
第4に、第1,第2,第3ポリカーボネート板とハニカム
構造体と高弾性高分子繊維の織布とから形成されてなる
ので、全体の構成が比較的簡単であるとともに、大きな
面積のものの形成も容易である。
第5に、高弾性高分子繊維の織布は、背面側にも第3
ポリカーボネート板が位置する等により外表面が被覆さ
れて外気にさらされないので、全体も耐侯性に優れてい
る。又高弾性高分子繊維の織布の積層枚数を少なくする
等その厚さを薄くして用いることが可能であり、ハニカ
ム構造体の軽量性、更には第1,第2,第3ポリカーボネー
ト板も比較的薄いこともあり、全体の重量も軽量化され
ている。
又請求項2の耐弾パネルにあっては、上述に加え次の
ごとくなる。
すなわち、その高弾性高分子繊維の織布と第3ポリカ
ーボネート板間には、更にハニカム構造体が介装されて
いる。そこで高弾性高分子繊維の織布による前述の弾丸
の運動エネルギーの吸収・減衰が、次に位置するハニカ
ム構造体のエアクッション性により、より確実に補完さ
れる。又このハニカム構造体の衝撃力分散性により、弾
丸の運動エネルギーは広く分散され更に減衰される。こ
のようにして、弾丸の運動エネルギーがより効果的に減
衰せしめられるので、高弾性高分子繊維の織布は、積層
枚数をより少なくする等その厚さを極めて薄くして用い
ることができる。
「実 施 例」 以下本発明を、図面に示すその実施例に基づいて詳細
に説明する。
第1図は、本発明の実施例を示す縦断面図である。
まずその構成等について説明する。
この耐弾パネルは、前面側から背面側に向かって、第
1ポリカーボネート板1と、各セル2内に軽量耐熱材3
が充填されたハニカム構造体4と、第2ポリカーボネー
ト板5と、高弾性高分子繊維の織布6と、第3ポリカー
ボネート板7とが順に接合された多層構造を有してな
る。
これらについて詳述すると、まず第1,第2,第3ポリカ
ーボネート板1,5,7は、鋼板よりは若干劣るものの高い
硬度と強度を備え、これにより被弾した弾丸Pの衝撃
力、つまり弾丸Pの運動エネルギーを減衰せしめる優れ
た耐弾性が知られ、従来より防弾ガラス等として広く用
いられている。しかしながらこのポリカーボネート板1
は、高価であり、又融点が低く熱により溶融しやすいと
いう性質を備えている。
ハニカムコア等のハニカム構造体4は、セル壁8によ
り形成された、正六角形その他の中空柱状のセル2の平
面的集合体よりなる。その素材としては、アルミニウム
の薄板が代表的に用いられるが、その他各種金属等の薄
板も用途に応じ適宜選択して用いられる。そしてこのよ
うなハニカム構造体4の両セル端面が、第1ポリカーボ
ネート板1と第2ポリカーボネート板5とに、接着剤等
によりそれぞれ接合されている。
ハニカム構造体4は、次の各特性を備えてなることが
知られている。すなわち、まず重量比強度に優れ、高い
軽量性とともに高い剛性・強度を有してなる。又平面精
度に優れ成形も容易であり、コスト面にも優れている。
更にセル2内の空気層により、高い放熱性とエアクッシ
ョン性を備え、又セル壁8によりセル2が平面的に集合
してなることにより、高い衝撃力分散性つまり緩衝性を
備えている。
そしてこのハニカム構造体4の各セル2内には、軽量
耐熱材3が充填されている。軽量耐熱材3としては、セ
ラミックスファイバが代表的であるが、石綿,抗火石,
その他を用いるようにしてもよい。なおこの軽量耐熱材
3は各セル2内に充填されるので、ハニカム構造体4に
対し均一に充填され、かつ事後も偏在することなくその
まま充填されている。
高弾性高分子繊維の織布6は、ポリエチレン繊維,パ
ラ系アラミド繊維等の高弾性高分子繊維の織布が、その
ままの状態で適宜枚数積層して用いられる。そしてその
特性たる高張力性に基づく伸び変形により、被弾した弾
丸Pによって受けた衝撃力、つまり弾丸Pの運動エネル
ギーを吸収して減衰させるという、優れた耐弾性が知ら
れている。特にこの高弾性高分子繊維の織布6は、樹脂
等を含浸させることなく織布状態のままで用いられてい
るので、これらの特性が顕著となっている。そしてこの
高弾性高分子繊維の織布6は、第2ポリカーボネート板
5と、第3ポリカーボネート板7とに、それぞれ接着剤
等により接合されている。
なお図示例にあっては、耐弾パネルの外側がポリカー
ボネートにより箱状に形成されている。すなわちこの耐
弾パネルは、前面側の第1ポリカーボネート板1と背面
側の第3ポリカーボネート板7とともに、これらに一体
に取り付けられた上下の横ポリカーボネート板10、更に
は左右の側ポリカーボネート板(図示せず)を備え、こ
れらが箱状をなしている。そしてその中に、ハニカム構
造体4,第2ポリカーボネート板5,高弾性高分子繊維の織
布6等が順に収納されている。このように箱状をなすこ
とにより、この耐弾パネルは、まず中に収納される各部
材の配設,位置決め等が容易であり、又収納された高弾
性高分子繊維の織布6等を被覆して外気から保護するこ
とにより、後述の耐侯性により優れてなる。
以上が構成等の説明である。
以下その作動等について説明する。
耐弾パネルは、その前面側からの小銃弾その他の弾丸
Pそれらの小破片等の貫通を防ぎ、もってその背面側の
人体,重要機材等の損傷を防止して保護する。そしてこ
の耐弾パネルは、第1,第2,第3ポリカーボネート板1,5,
7間に、軽量耐熱材3が充填されたハニカム構造体4
と、高弾性高分子繊維の織布6とがそれぞれ積層され、
もって各々の特性を最大限に生かすべく組み合わせた多
層構造を有してなっている。
そこでこの耐弾パネルは、次の第1,第2,第3,第4,第5
のごとくなる。
第1に、前面側からまずポリカーボネート板1に被弾
した弾丸Pは、被弾により摩擦熱を帯びる。しかしなが
らこのような弾丸Pに生じた摩擦熱は、次に位置するハ
ニカム構造体4の特性たる放熱性により、局部的に集中
することなく広く拡散されるとともに、この摩擦熱はハ
ニカム構造体4に充填された軽量耐熱材3により、更に
広く拡散されかつ強力に遮断される。
もって従来例のポリカーボネート単体の耐弾板が弾丸
Pの摩擦熱により局部的に溶融したような事態は、著し
く減少する。つまりこのハニカム構造体4の前後の第1
ポリカーボネート板1および第2ポリカーボネート板5
は、融点が低いものの弾丸Pの摩擦熱の方が広く拡散さ
れてしまうため、その溶融は著しく減少し硬度・強度は
保持される。
そして第2に、第1ポリカーボネート板1から被弾し
た弾丸Pの衝撃力つまり弾丸Pの運動エネルギーは、次
のごとく減衰される。
すなわち弾丸Pの運動エネルギーは、第1ポリカーボ
ネート板1の硬度・強度にてまず減衰され、次に位置す
るハニカム構造体4の特性たる衝撃力分散性により広く
分散せしめられ、第2ポリカーボネート板5にて更に減
衰せしめられる。しかる後この弾丸Pの運動エネルギー
は、更に高弾性高分子繊維の織布6の高張力に基づく伸
び変形により、吸収されて減衰し、次の第3ポリカーボ
ネート板7にて再び減衰される。
第3に、このように第1,第2,第3ポリカーボネート板
1,5,7とハニカム構造体4と高弾性高分子繊維の織布6
との組み合わせにより、弾丸Pの衝撃力つまり弾丸Pの
運動エネルギーは、物理的に徐徐にかつ極めて効果的に
減衰せしめられる。そこで高弾性高分子繊維の織布6
は、積層枚数を少なくする等その厚さをより薄くして用
いることができ、又第1,第2,第3ポリカーボネート板1,
5,7も厚さを比較的薄くできる。
そこで例えばこの耐弾パネルは、同程度の耐弾性を備
えた、従来例たる樹脂を含浸させた高弾性高分子繊維の
織布板の単体よりなる耐弾板、又はポリカーボネート単
体の耐弾板、更には従来例の積層耐弾パネル等に比し、
用いられた高弾性高分子繊維の織布6の積層枚数をより
少なくその厚さを薄くでき、又第1,第2,第3ポリカーボ
ネート板1,5,7の厚さも薄くすることができる。
第4に、第1,第2,第3ポリカーボネート板1,5,7とハ
ニカム構造体4と高弾性高分子繊維の織布6とから全体
が形成されているので、構成が比較的簡単であるととも
に、大きな面積のものの成形も容易である。つまり従来
例の積層耐弾パネルに比し構成が簡単であり、又従来例
のセラミックス板単体の耐弾板のごとく、大きな面積の
ものの成形が困難であるということもない。
第5に、高弾性高分子繊維の織布6は、背面側に第3
ポリカーボネート板7が位置する等により、外表面が被
覆され外気にさらされないので全体も耐侯性に優れてい
る。すなわち、織布6は高弾性高分子繊維よりなるので
耐侯性に劣るが、その前面側および背面側はそれぞれ第
2ポリカーボネート板5および第3ポリカーボネート板
7により被覆されている。そこで耐侯性に劣る高弾性高
分子繊維の織布6が直接外気にさらされるようなことは
なく、この耐弾パネルは耐侯性に優れている。
以上が作動等の説明である。
なおこのような耐弾パネルを他の構造物等に装着して
用いる際は、ボルト,ブラケット等の取付部材が使用さ
れ、その着脱,交換等も容易である。
「その他」 次に第2図は、高弾性高分子繊維の織布6と第3ポリ
カーボネート板7との間にハニカム構造体9を介装した
例を示す縦断面図である。
以下これについて説明すると、この耐弾パネルにあっ
ては、高弾性高分子繊維の織布6と第3ポリカーボネー
ト板7との間に、ハニカム構造体9が接着剤等により接
合されて介装されている。このハニカムコア等のハニカ
ム構造体9は、セル壁11により各セル12が形成されてな
るが、その構成等の詳細は、前述のハニカム構造体4に
ついて述べたところに準じる。このハニカム構造体9に
は、軽量耐熱材3は充填されていない。
さてそこで、前述の高弾性高分子繊維の織布6による
弾丸Pの運動エネルギーの吸収・減衰は、次に位置する
このハニカム構造体9の特性たるエアクッション性によ
り、より確実に補完されることになる。すなわち、もし
も高弾性高分子繊維の織布6の次に金属板等の硬い剛体
が位置すると、織布6の高弾性高分子繊維が有する高張
力性が損なわれその伸び変形が不十分となることがあ
り、弾丸Pの運動エネルギーの吸収が不足する事態が生
ずることがある。これに対しハニカム構造体9が高弾性
高分子繊維の織布6の次に位置すると、そのエアクッシ
ョン性によりこのような事態が生ずることが完全に回避
される。
又これらに加え、このハニカム構造体9の特性たる衝
撃力分散性により、高弾性高分子繊維の織布6が受けた
弾丸Pの運動エネルギーは、広く分散され更に減衰され
る。
そこで、このように次にハニカム構造体9が位置して
なることにより、高弾性高分子繊維の織布6は、積層枚
数をより少なくする等合その厚さを極めて薄くして用い
ることができるようになる。
従ってこの実施例によれば、高弾性高分子繊維の織布
6は、その積層枚数をより少なくする等その厚さを薄く
して用いることが可能であり、ハニカム構造体4,9の軽
量性、更には第1,第2,第3ポリカーボネート板1,5,7も
比較的薄いこともあり、全体の重量も軽量化されてい
る。
例えばこの耐弾パネルは、それぞれ第1ポリカーボネ
ート板1が5mmから8mm、ハニカム構造体4が5mmから8m
m、第2ポリカーボネート板5が1mmから5mm、高弾性高
分子繊維の織布6が3mmから5mm、ハニカム構造体9が3m
mから5mm、第3ポリカーボネート板7が1mmから5mm程度
の厚さからなっている。そして全体としてこの耐弾パネ
ルは、18mmから36mm程度の厚さで重量は、1平方m当り
10kgから20kg程度であり、例えば同程度の耐弾性を備え
た従来例の例えば特開昭62−210397号公報中に示された
積層耐弾パネルと比較すると、非常に厚さが薄く重量も
3分の1乃至10分の1以下程度である。
なお、以上説明した第2図において、その他の各部材
の構成,機能および作動等は、前述の第1図の例におい
て説明したところに準じるので、同符号を付しその説明
は省略する。
次にハニカム構造体4,9の座屈について述べておく。
すなわち図示例によらず、ハニカム構造体4,9を構成
する各セル壁8,11について、それぞれセル軸方向に沿っ
てその全部又は一部を、圧縮力を加え座屈したものを用
いるようにしてもよい。
なおこの座屈つまり各セル壁8,11のクラッシュは、ハ
ニカム構造体4,9の特性たる衝撃力分散性を損なわない
程度、つまり極端に座屈しすぎない程度に行われること
を要する。又軽量耐熱材3が充填されたハニカム構造体
4の座屈に際しては、予めセル2内に軽量耐熱材3を充
填する際、過度に充填し過ぎないように注意を要する。
つまり事後、セル壁8が座屈されたセル2内に空気層が
十分存在し、もって前述のハニカム構造体4の特性たる
放熱性とエアクッション性が損なわれないように、軽量
耐熱材3の充填量を調整しておくことが必要である。
さてこのように、ハニカム構造体4,9のセル壁8,11が
少なくとも一部座屈された耐弾パネルにあっては、次の
ごとくなる。
すなわち、このように座屈された分セル壁8,11が短
く、つまり座屈されたたハニカム構造体4,9はそのセル
軸方向の厚さが薄くなっている。そこで耐弾パネル全体
も、前述した各作動等が何ら損なわれることなくその厚
さが薄くコンパクト化され、この面から使い勝手が良く
取り扱いが容易化されるという利点がある。
「発明の効果」 本発明に係る耐弾パネルは、以上説明したごとく、各
ポリカーボネート板間に、軽量耐熱材が充填されたハニ
カム構造体と高弾性高分子繊維の織布とが、それぞれ積
層された多層構造よりなるので、次の効果を発揮する。
第1に、ポリカーボネート板が被弾した弾丸の摩擦熱
により局部的に溶融することは、軽量耐熱材が充填され
たハニカム構造体の存在により著しく減少する。そこで
この耐弾パネルは、そのポリカーボネート板の硬度・強
度が保持され大きな穴があくようなことが回避される
等、耐弾性に優れている。
第2に、各ポリカーボネート板とハニカム構造体と高
弾性高分子繊維の織布との組み合わせにより、被弾した
弾丸の衝撃力つまり弾丸の運動エネルギーは、極めて効
果的に減衰せしめられる。もってこの耐弾パネルは、耐
弾性に極めて優れている。
第3に、このように耐弾性に優れてなるので、極めて
高価な高弾性高分子繊維の織布は厚さをより薄くして用
いられ、又高価なポリカーボネート板も厚さを比較的薄
くして用いられる。そこでこの耐弾パネルは、全体の構
成が簡単で製造も容易であることもあいまって、コスト
面に特に優れている。又大きな面積のものの成形も容易
である。
第4に、高弾性高分子繊維の織布は、背面側にもポリ
カーボネート板が位置する等、外表面が被覆され外気に
さらされないので、全体も耐侯性にも優れている。そこ
でこの耐弾パネルは、太陽の紫外線,雨水等にも強く耐
久性があり、長期間直接外気にさらしての使用も可能で
ある。又全体の重量も軽量化されているので、この耐弾
パネルは使い勝手が良く取り扱いが容易である。
又請求項2の耐弾パネルにあっては、高弾性高分子繊
維の織布の次にハニカム構造体が位置してなるので、耐
弾性により優れてなるとともに、極めて高価な高弾性高
分子繊維をより薄くして用いることができるので、更に
コスト面に優れることになる。
このようにこの種従来例に存した問題点が一掃される
等、本発明の発揮する効果は顕著にして大なるものがあ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る耐弾パネルの実施例を示す、縦
断面図である。第2図は、第1図の高弾性高分子繊維の
織布と第3ポリカーボネート板との間に、ハニカム構造
体を介装した例を示す、縦断面図である。 1……第1ポリカーボネート板 2……セル 3……軽量耐熱材 4……ハニカム構造体 5……第2ポリカーボネート板 6……織布 7……第3ポリカーボネート板 8……セル壁 9……ハニカム構造体 10……横ポリカーボネート板 11……セル壁 12……セル P……弾丸

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前面側から背面側に向かって、第1ポリカ
    ーボネート板と、各セル内に軽量耐熱材が充填されたハ
    ニカム構造体と、第2ポリカーボネート板と、高弾性高
    分子繊維の織布と、第3ポリカーボネート板とが順に接
    合された多層構造を有してなること、 を特徴とする耐弾パネル。
  2. 【請求項2】上記高弾性高分子繊維の織布と第3ポリカ
    ーボネート板との間に、ハニカム構造体が介装されてな
    る、 請求項1記載の耐弾パネル。
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