JP2671025B2 - 本わさびの乾燥方法 - Google Patents
本わさびの乾燥方法Info
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Description
さび乾燥物を得るための本わさびの乾燥方法に関する。
く、主として生のまま生食用として利用するか、冷凍保
存して利用するか、塩蔵保存して利用するかいずれかの
方法で利用されている。稀に熱風伝導乾燥法で行われる
場合もある。また粉末化する前に、冷凍真空乾燥法や真
空乾燥法によって、本わさびを乾燥させる方法も提案さ
れている(特公昭55−8136号、特開昭60−12954号)。
は、乾燥時の本わさびの品温管理と雰囲気の風速管理、
それに伴う乾燥時間の管理をしておらず、専ら雰囲気中
の温度管理に委ねられており、しかも作業者の感能に頼
るかあるいは簡易温度計によって管理されているのが現
状である。しかし本わさびを乾燥する際、本わさび中に
含まれる水分の減少に伴い、特に乾燥の開始時における
水分量に対する割合が30%以下より本わさびの品温が急
激に上昇し、本わさびに含有する辛味の構成要素である
ミロシナーゼ酵素の分解及び変質が発生し始め、ついに
は破壊に至ってしまう。前記したミロシナーゼ酵素は50
℃以下で最も安定し、その安定温度を超え、更に60℃を
超えると急激に分解及び変質が起こる。特に従来行われ
て来た雰囲気の温度管理を作業者の感能あるいは簡易温
度計によって管理する方法では、本わさびが本来具有す
る辛味、香り、色が前記した理由により乾燥時に於いて
変化、変質してしまう欠点を有する。又冷凍保存して利
用する方法あるいは塩蔵保存して利用する方法は、本わ
さびが具有している辛味、香り、色を復元して利用する
ことは極めて困難であるという欠点もある。
より本わさびを乾燥させる方法でも、未だ満足する品質
は得られず、また該乾燥方法は品質乾燥コストが高価に
なり、特殊な用途以外に利用出来ない欠点がある。
本わさびの種類及び部位を問わず、本わさびが具有する
辛味、香り、色を保持しながら大量にしかも安価に乾燥
出来る乾燥方法を提供することを目的とするものであ
る。
は、地下水により栽培される本わさび、畑作栽培による
本わさび及び人工設備を用いる水耕栽培による本わさび
の内より選択される本わさびの主根、側根、葉、茎の内
より選択される部位を、採取してから出来る限り新鮮な
内に、品温5〜60℃、雰囲気の風速0.5〜3m/sの状態
で、前記本わさびの水分を10%以下にするように乾燥時
間あるいは本わさびの重量を管理して乾燥させる手段を
採用した。
減圧度が制御される減圧筐体内で、50〜1500mmAqの減圧
度のもとで、上記の条件で乾燥させることによって、よ
り効率的及びより本わさびの辛味、香り、色を保持させ
ながら容易に乾燥させることができる。
の辛味の構成要素であるミロシナーゼ酵素に急激な分解
及び変質が起り、また5℃以下では乾燥効率が著しく低
下するので、その範囲は5〜60℃の範囲が適切である。
び表面に移動した水分をより有効に飛散させて、乾燥ム
ラを無くすために発生させるものである。その範囲は3m
/s以上を越えると被乾燥物が飛ばされてしまい定位置で
の乾燥が出来なく、また重い被乾燥物であっても、3m/s
を越えると乱気流が発生し易くなり、逆に乾燥効率を低
下させる。又0.5m/s以下であると被乾燥物表面の蒸気圧
が上がらず乾燥効率を著しく低下させるので、上記範囲
に限定した。
水分を組織を破壊することなく表面に押し出す作用をす
るものであるが、減圧度が50mmAq以下では、被乾燥物の
水分が表面に出ようとする力が被乾燥物内の種々の抵抗
より低い値となり、表面への水分移動が停止し乾燥が促
進されず、乾燥効率が著しく低い状態となってしまう。
逆に1500mmAqを越えると、筐体そのもののコストが著し
く高価になるので、上記範囲に限定した。
ーゼ酵素の分解及び変質を最小限度に押さえながら含有
水分のみを除去することが出来る。
やかに含有水分を除去するために、減圧度を排気圧と吸
気圧の圧差により制御出来る減圧筐体内で行うことも可
能であり、より優れた品質の本わさび乾燥品を得ること
ができる。
した本わさび及び人工設備を用いた水耕栽培により栽培
した本わさびの内いずれの本わさびでも良いが、採取し
てから出来る限り新鮮な内に前記した該わさびの主根
部、側根部、葉部、茎部を各々の部位に種別し、各部位
を乾燥品の加工目的に叶った大きさに切刻する。例え
ば、乾燥品の加工目的が粉体あるいは顆粒状であれば、
主根部、側根部については2cm以内に切刻し、葉部、茎
部については3cm以内に切刻した後、乾燥の前処理とし
て一般に実施されている方法、例えば、殺菌方法として
次亜塩素酸ナトリウムの如き殺菌剤原液の500倍液に30
分間浸漬、洗浄し、本わさび中に含有するミロシナーゼ
酵素の活性を一時的に抑制させるために、80℃、5%食
塩水の熱湯に2分間浸漬し、直ちに冷水にて冷却した
後、該わさび片の表面に付着した水分を除去するために
遠心分離機を用いて3000rpm以下で脱水した。
る減圧筐体内に上記本わさび片を置き、乾燥過程でその
置かれる場所により温度勾配ができるので、温度勾配の
上限と下限の場所に置かれる本わさびの中心部に品温測
定温度センサーを挿入し、品温を60℃を上限として乾燥
温度を制御し、雰囲気の風速を3m/sで乾燥を開始し、含
有水分が5%に達した時点で乾燥終了した。筐体内減圧
度は水栓1500mm以内であれば良い。前記した減圧筐体内
での乾燥は、本わさびに含まれる水分が減圧効果により
乾燥物の表面に移動しやすく、乾燥効率が向上するの
で、品温40℃で実施した。尚乾燥方法は熱風伝導乾燥法
で行ったが、熱風中に還元性の不純物性ガスあるいは不
完全燃焼ガスが混入していると本わさびの変質を起こす
原因になる場合があり、熱源としては蒸気熱源が好まし
い。
ぞれを、(A)本発明による乾燥方法で乾燥した後24メ
ッシュの粒度に粉砕したもの、(B)乾燥前の生のもの
をおろし金でおろしたもの、(C)冷凍後解凍しておろ
し金でおろしたものを辛味、香り及び色について比較し
た結果、次のような結果を得た。
(A)1/3位であった。
(C)は(A)の1/5位であった。
かった。
が、本発明が上述の実施例に限定されることなく、発明
の精神を逸脱しない範囲で多くの改善を施し得るのは勿
論のことである。
卓越した効果を奏するものである。
行うことにより、本わさび中に含まれる酵素類の破壊あ
るいは変質を抑制しながら乾燥出来るので、乾燥品にも
かかわらず、本わさび特有の辛味、香り、色を保持出来
る。
水分を高精度で制御することが出来、乾燥品にもかかわ
らず本わさび特有の辛味、香り、色を保持出来る。
は、本わさび特有の辛味、香り、色を保持出来しかも安
価に大量乾燥が出来る。
とによって、加工用わさび製品に本物添加物として大量
に使用出来る。
て簡便にしかも容易に管理出来る。
Claims (2)
- 【請求項1】地下水により栽培される本わさび、畑作栽
培による本わさび及び人工設備を用いる水耕栽培による
本わさびの内より選択される本わさびの主根、側根、
葉、茎の内より選択される部位を、採取してから出来る
限り新鮮な内に、品温5〜60℃、雰囲気の風速0.5〜3m/
sの状態で、前記本わさびの水分を10%以下にするよう
に乾燥時間あるいは本わさびの重量を管理して乾燥させ
ることを特徴とする本わさびの乾燥方法。 - 【請求項2】地下水により栽培される本わさび、畑作栽
培による本わさび及び人工設備を用いる水耕栽培による
本わさびの内より選択される本わさびの主根、側根、
葉、茎の内より選択される部位を、採取してから出来る
限り新鮮な内に、排気圧と吸気圧の圧差により減圧度が
制御される減圧筐体内で、50〜1500mAqの減圧度、品温
5〜50℃、雰囲気の平均風速0.5〜3m/sの状態で、前記
本わさびの部位の水分10%以下にするように乾燥時間あ
るいは本わさびの重量を管理して乾燥させることを特徴
とする本わさびの乾燥方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22845888A JP2671025B2 (ja) | 1988-09-14 | 1988-09-14 | 本わさびの乾燥方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22845888A JP2671025B2 (ja) | 1988-09-14 | 1988-09-14 | 本わさびの乾燥方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0276556A JPH0276556A (ja) | 1990-03-15 |
JP2671025B2 true JP2671025B2 (ja) | 1997-10-29 |
Family
ID=16876805
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22845888A Expired - Lifetime JP2671025B2 (ja) | 1988-09-14 | 1988-09-14 | 本わさびの乾燥方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2671025B2 (ja) |
-
1988
- 1988-09-14 JP JP22845888A patent/JP2671025B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0276556A (ja) | 1990-03-15 |
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