JP2670709B2

JP2670709B2 - ケース内蔵型コンデンサ

Info

Publication number: JP2670709B2
Application number: JP2028910A
Authority: JP
Inventors: 清治山口
Original assignee: 日立エーアイシー株式会社
Priority date: 1990-02-08
Filing date: 1990-02-08
Publication date: 1997-10-29
Anticipated expiration: 2012-10-29
Also published as: JPH03232214A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明はケース内蔵型コンデンサに関する。

（従来の技術）アルミ電解コンデンサ等のケース内蔵型コンデンサ
は、例えばコンデンサ素子をケースに収納し、熱可塑性
樹脂や熱硬化性樹脂からなる蓋によりこのケースを密閉
する構造になっている。

ところで、従来のコンデンサは、逆極性の電圧や過電
圧が印加されたり、過リプル電流が流れたり、過度の充
放電が行なわれたり、製造ミス等により、容易にコンデ
ンサ素子に含浸された電解液から水素ガスや蒸気が発生
してケース内圧が上昇する。また、ショート不良が生じ
た場合には、電解液や内部の空気が爆発的に膨脹する。
これ等の場合、通常は蓋に設けられた安全弁が作動し、
ケース内のガスを外部に放出している。しかし、内圧の
上昇が急激に起ったりすると、安全弁の作動が間に合わ
ないことがあり、その場合、蓋が傾斜して外れたり、割
れたりする。蓋が外れたりすると、コンデンサ素子が露
出するために、感電が生じたり、あるいは外気の酸素が
多量に供給されて燃焼する等の事故が起きることがあ
る。

従来、蓋が外れることによる事故を防止するために、
１）蓋に設けた安全弁の作動開始の圧力を低めに設定し
たり、２）安全弁を大きくしてガスの放出量を多くした
りしている。

（発明が解決しようとする課題）しかし、従来の１）の構成ではコンデンサの寿命が短
くなる欠点があり、２）では安全弁が蓋にはめ込んだ構
成のためそれが大きくなると外れ易くなり、また、小型
のコンデンサには採用できない欠点がある。

本発明の目的は、以上の欠点を改良し、寿命を長くで
き、信頼性が高く、小型化の可能なケース内蔵型コンデ
ンサを提供するものである。

（課題を解決するための手段）請求項１の発明は、上記の目的を達成するために、コ
ンデンサ素子をケースに収納し、樹脂製の蓋で密閉した
ケース内蔵型コンデンサにおいて、蓋のケース内面側の
端部に、突出部の少なくとも幅方向の大部分に対向する
突起を設けることを特徴とするケース内蔵型コンデンサ
を提供することである。

また、請求項２の発明は、コンデンサ素子をケースに
収納し、樹脂製の蓋で密閉したケース内蔵型コンデンサ
において、端面がケースの突出部の少なくとも大部分に
接触するかまたは前記端面と前記突出部の少なくとも大
部分との間隙を狭くした蓋を有することを特徴とするケ
ース内蔵型コンデンサを提供するものである。

（作用）ケースの内圧が上昇して蓋が外れるのは、ケースの開
口端部が伸びるためである。この突出部の伸びは、全部
の部分が一緒に伸びるのではなく、片寄って起き、従っ
て、蓋も傾斜してケースから外れる。

請求項１の発明によれば、蓋が傾斜し始めると、裏面
の端部に設けた突起の側面がケースの突出部に強く押さ
れ、蓋が傾斜するのをあるいは所定以上に傾斜するのを
防止できる。

また、請求項２の発明も、蓋が傾斜するとその端面が
ケースの突出部に押圧されるため、蓋の傾斜が防止され
る。

すなわち、本発明により、ケース内圧の上昇によって
蓋が傾斜して外れるのを防止できる。

（実施例）以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明する。

第１図は請求項１の発明の実施例を示す。１はコンデ
ンサ素子であり、電解液が含浸され、リード箔２が導出
されている。３は、コンデンサ素子１を収納する円筒形
のケースであり、開口端部４の近傍の周面に沿って内側
に突出した突出部５が設けられている。６は、樹脂製の
蓋であり、突出部５に載せられ、屈曲したケース３の開
口端部４により、ゴムリング７を介して突出部５に押し
付けられている。蓋６には、ケース内面側の端部に、突
出部５の少なくとも幅方向（矢印方向）の大部分に対向
してリング状に突起８が設けられている。この突起８
は、高さが1mm以上で、ケース３の突出部５との間隙が
０〜4mm程度となる位置に設けられている。９は、蓋６
を貫通して固定された端子であり、リード箔２が接続さ
れている。

従って、ケース３の開口端部４が伸びて蓋６が傾斜し
ようとすると突起８の側面がケース３の突出部５に押圧
され、蓋６の傾斜が防止できる。

また、第２図に示す通り、蓋10の裏面の端部に設ける
突起11は、リング状にではなく、互いに対称な４箇所の
位置に独立して設けてもよい。なお、突起は４箇所以
上、６箇所、８箇所等、多い程、蓋の外れの防止硬化が
大きい。

さらに、請求項２の発明の実施例を第３図に示し、第
１図と同じものは同じ番号で表わす。この実施例では、
特に蓋12の肉厚が厚く、ケース３の突出部５の箇所で径
が小さくなり段差を形成している。そしてこの径の小さ
くなった端面13と突出部５との間隙を０〜4mm程度にし
て、端面13を突出部５の少なくとも大部分に接触するか
間隙を狭くしている。

（発明の効果）以上の通り、請求項１の発明によれば、蓋の裏面の端
面に設けた突起によって内圧上昇により蓋が傾斜して外
れるのを防止でき、その分寿命が長くなり、安全弁を大
きくする必要がないので、安全弁が外れる不良も無く、
信頼性が高く小型化の可能なケース内蔵型コンデンサが
得られる。

また、請求項２の発明によっても、蓋の端面を突出部
の少なくとも大部分に接触するか間隙を狭くしているた
めに、同様に蓋が傾斜して外れるのを防止でき、長寿命
化、高信頼性、小型化の可能なケース内蔵型コンデンサ
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は請求項１の発明の実施例の正面断面図、第２図
は請求項１の発明の他の実施例に用いる蓋の裏面図、第
３図は請求項２の発明の実施例の正面断面図を示す。１……コンデンサ素子、３……ケース、４……開口端部、５……突出部、 6,10,12……蓋、8,11……突起、 13……端面。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】コンデンサ素子をケースに収納し、このケ
ースの開口端部近傍を内側に突出し、この突出部に樹脂
製の蓋を載せ、前記開口端部を屈曲して前記蓋を固定し
たケース内蔵型コンデンサにおいて、蓋のケース内面側
の端部に、突出部の少なくとも幅方向の大部分に対向す
る突起を設けることを特徴とするケース内蔵型コンデン
サ。
【請求項２】コンデンサ素子をケースに収納し、このケ
ースの開口端部近傍を内側に突出し、この突出部に樹脂
製の蓋を載せ、前記開口端部を屈曲して前記蓋を固定し
たケース内蔵型コンデンサにおいて、端面をケースの突
出部の少なくとも大部分に接触するかまたは前記端面と
前記突出部の少なくとも大部分との間隙を狭くした蓋を
有することを特徴とするケース内蔵型コンデンサ。