JP2667955B2 - 安全針注射器 - Google Patents

安全針注射器

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JP2667955B2
JP2667955B2 JP5313829A JP31382993A JP2667955B2 JP 2667955 B2 JP2667955 B2 JP 2667955B2 JP 5313829 A JP5313829 A JP 5313829A JP 31382993 A JP31382993 A JP 31382993A JP 2667955 B2 JP2667955 B2 JP 2667955B2
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ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誤って針が刺さるのを
防止するのに役立つ構造体を有する皮下注射器に関す
る。より具体的には、本発明は、使用後、皮下注射針を
注射器外筒内に引っ込めることの出来る安全針注射器に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、注射器は、共通して熱可塑性材
料、又はガラスから成り、尖鋭な針カニューレに接続さ
れた末端とストッパ及びプランジャ組立体を受け入れ得
るようにした基端とを有する円筒状外筒を備えている。
【0003】近年、注射器のユーザ及び医者が使用済み
の皮下注射製品を処分する間に、誤って、又は不注意な
取り扱いによって皮下注射針が刺さり、病気、感染症等
が伝染することに関する関心が増している。針カニュー
レ製品が使用される病院の多くの箇所に、処理容器が配
置され、注射器、又はその他の針カニューレ製品を安全
で剛性な容器に直ちに廃棄することが出来るようにして
ある。しかし、処分可能な容器を直ちに利用出来ず、又
は実際的でない、緊急処置室、又はその他の治療室があ
り、ここでは自己密閉式の安全性を備える製品が望まれ
る。理論上、かかる注射器は、薬剤の注射、又はその他
の目的に使用された後に、注射器内に保持された安全装
置を操作して、尖鋭な針先端に更に接触するのを防止す
る。一つの型式の安全注射器は、皮下注射器針を注射器
外筒内に引っ込めて、尖鋭な針先端に更に接触する機会
を最小にすることを許容する構造体を備えている。この
注射器は、この状態にて、処分装置により安全に運ぶこ
とが出来る。
【0004】かかる注射器は、米国特許第4,026,287号
に教示されている。この米国特許は、皮下注射針に接続
された外筒の前壁を外筒の側壁から分離するのを許容す
る弱体化領域を有する注射器を教示する。又、この注射
器は、ユーザがピストンを無理に捩って弱体化手段を破
断させ、皮下注射針を含む前端を注射器外筒内に引っ込
めることが出来るようにするため、該ピストンを前壁に
選択的に取り付ける構造体を前壁の内側に、及びピスト
ンの外側に備えている。この設計は、注射器外筒の設計
上の妥協を必要とする。該外筒は、通常の使用中に破損
しないのに十分堅牢であると同時に、ユーザの力の強さ
に関係なく、破断させることができるように十分弱くな
ければならない。
【0005】米国特許第3,828,775号は、使用前に針組
立体が注射器外筒内に保持され、又、使用後に外筒内に
引っ込められる退却型針注射器を教示する。この型式の
設計は、ユーザが針の寸法を変更することが出来ず、
又、その注射器に対しどの寸法の針を使用すべきかの決
定を注射器を購入する時点で行わなければならないとい
う欠点がある。
【0006】多くの状況の場合、どの針を使用すべきか
の決定は、注射する時点で為される。より粘性な薬剤で
あれば、大きい針が必要とされる。より粘度の低い薬剤
は、より痛みが少ない小さい針で注射することが出来
る。又、治療方法及び注射する体の部位によって注射深
さも異なる。
【0007】米国特許第4,675,005号は、針ハブの外側
のかみ合いねじと外筒の末端開口部の内側のかみ合いね
じとが相互作用することにより、針が外筒の末端に保持
される退却型針注射器を教示する。この注射器は、ユー
ザが付与するトルク、又は回転力を利用して針を伸長位
置に固着し、又、この手順を逆にすることで針を外筒内
に引っ込めるものである。針が摩擦締り嵌めにより保持
されるものを含む、多くの設計の場合と同様に、この設
計は、針を取り付けるときと取り外すときとで略同一の
力が必要とされる。従って、針は、ゴム製外筒ストッパ
を穿刺することを含む通常の使用時の操作に耐えるだけ
十分強固である一方、あらゆるユーザが容易に外すこと
が出来る程度でなければならない。係止構造体、又は更
なる構造体が無い場合、これら多くの設計における保持
力は、取り外し、又は引っ込めるときの力に略等しい。
又、プランジャロッドを介して付与される回転力を利用
して、針を伸長位置に強固に固着する設計において、ユ
ーザは、針を緩めようとするとき、プランジャロッドを
反対方向に強く回さないように注意しなければならな
い。もし、反対方向に回したならば、針は、よりきつく
固着され、その取り外しは、一層困難となるからであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来技術は、使用後に
針を注射器外筒内に引っ込めることの出来る多くの有用
な異なる注射器組立体を教示するが、ユーザが使用する
時点で針を交換することを許容し且つ液体を注射器内に
吸引するときのような略軸方向への力を利用して、針を
注射器外筒内に引っ込める構造体を提供する、簡単で、
操作が容易であり、信頼性が高く、しかも製造が容易な
安全な針注射器が依然として課題とされている。又、針
を外筒に対する所定位置に保持し、不作用状態にすれ
ば、針を外筒内に引っ込めるのに必要とされる力を軽減
することが可能である係止構造体を備える安全な針注射
器が課題とされている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の安全針注射器
は、チャンバを形成する内面と、開放した基端と、末端
とを有する外筒を備えている。可動の針キャリアが該外
筒の末端にて外筒の内面と流体密に係合するように配置
される。該可動の針キャリアは、末端と、基端と、上記
チャンバと流体連通する貫通路と、を備えている。針カ
ニューレが該キャリアの末端から外方に突出している。
該針カニューレは、末端と、基端と、上記貫通路に流体
連通する内腔と、を備えている。プランジャが該外筒の
内面と流体密な係合状態に摺動可能に配置される。該プ
ランジャは、末端と、外筒の開放端から外方に伸長する
基端と、を備えている。プランジャの末端が針キャリア
に係合し、プランジャの基端に付与される軸方向力及び
回転力が該針キャリアに伝達されるのを許容する係合構
造体が設けられる。制御構造体が設けられ、該制御構造
体は、注射器の通常の使用のとき、該制御構造体が第一
の係止位置にある間に、針キャリアが外筒に対して動か
ないようにするのに役立つ。この制御構造体は、該制御
構造体が第二の非係止位置にある間に、プランジャに付
与される力を介して、針キャリアをチャンバ内まで基端
方向に移動させるのを許容する。制御構造体の第一の係
止位置と第二の非係止位置との間の移動、及びカニュー
レの外筒内への引き込みは、プランジャの末端が針キャ
リアに係合する間に、プランジャを外筒に対して少なく
とも2回、移動させることにより行われる。その最初の
動作は、針キャリアを外筒に対して小さい角度で回転さ
せるための回転動作とし、その後に、カニューレの末端
が外筒の末端を越えて伸長しないように、針キャリアを
外筒内に深く移動させるための第二の基端方向への動作
を行う。
【0010】
【実施例】本発明は、多くの異なる形態の実施例で実施
可能であるが、以下に、本発明の好適な実施例について
詳細に説明する。但し、以下の開示内容は、本発明の原
理の一例にしか過ぎず、本発明の範囲を以下に記載した
実施例に限定することを意図するものではない。本発明
の範囲は、特許請求の範囲の記載及びその均等物により
判断されるべきである。
【0011】図1乃至図10を参照すると、注射器組立
体20のような安全針注射器組立体は、チャンバ23を
形成する内面22を有する細長の外筒21を備えてい
る。外筒21は、開放した基端25及び末端27を有す
る。
【0012】本発明の説明の目的上、「末端」という語
は、針カニューレがそこから伸長する注射器の端部を意
味する一方、「基端」という語は、注射器を握る人に最
も近く且つ針の先端から最も遠い注射器の端部を意味す
るものとする。
【0013】可動の針キャリア28が末端27にて、外
筒21の内面22と流体密な係合状態に配置されてい
る。該針キャリア28は、末端29と、基端31と、チ
ャンバ23に流体連通する貫通路32と、を備えてい
る。該針キャリア28は、その基端に円周溝33を備え
ている。環状のエラストマーリング34が溝33内に配
置され、外筒の内面に接触して、外筒の内面と針キャリ
アとの流体密な係合状態を提供するのに役立つ。
【0014】針カニューレ37は、針キャリア28の末
端29から外方に突出する。針カニューレ37は、末端
38と、基端39と、通路32に流体連通する貫通内腔
と、を備えている。この実施例における針カニューレ
は、治療薬剤を投与するために皮膚を穿刺する針の使用
を容易にする、尖鋭な尖端46を備えている。この実施
例において、該針は、針キャリア28に着脱可能に取り
付けられる。又、この実施例において、針カニューレ
は、針カニューレ37と、ハブ41とを備える針組立体
35の一部である。該針ハブ及び針キャリアは、針組立
体が針キャリアに着脱可能に取り付けられるように、協
働する構造体を備えている。該針ハブは、針キャリアの
末端にてテーパー付きルア先端43に摩擦係合し得るよ
うにした截頭円錐形の内側構造体を備えている。針ハブ
の針キャリアへの係合を更に容易にすべく、ハブの基端
の突起44は、針キャリアの内側のら旋溝45に係合
し、このため、針を針キャリアに対して時計方向に回転
させることにより、該突起は、ら旋溝に沿って基端方向
に引き寄せられ、テーパー付きルア先端43とハブ41
の截頭円錐形の凹所との摩擦係合を締め付け且つ固着す
る。上述の針組立体は、雄型の係止ルア型式の接続具を
有する注射器、又はその他の接続具と協働可能であるよ
うにした公知の市販の針組立体である。
【0015】本発明は、外筒の内面と流体密に係合し得
るように摺動可能に配置されたプランジャ手段を備えて
いる。この実施例において、プランジャ手段は、細長の
プランジャロッド47と、環状の密封リング49と、を
備えている。該プランジャロッド47は、外筒の基端の
外側から操作可能であり、又、このプランジャロッド4
7は、密封リングを外筒に沿って移動させ、通路を通じ
て、強制的に液体をチャンバに供給し且つ液体を該チャ
ンバから排出するために設けられる。ディスク状プラン
ジャロッドのフランジ50は、プランジャロッドを外筒
に対して移動させる便宜な構造体として設けられる。
又、ユーザがプランジャロッドと外筒との間に軸方向へ
の力を付与するのに役立つように外筒フランジ51も設
けられる。
【0016】プランジャロッドの末端が針キャリアに係
合して、プランジャに付与される基端方向力及び回転力
が針キャリアに伝達されるのを許容する係合手段が設け
られる。この実施例において、該係合手段は、プランジ
ャロッドの末端上の拡大した突起52と、キャリアの基
端の凹所53と、を備えている。該凹所53は、内方に
突出する環状リング55を備えている。該拡大突起52
は、切込み57を有している。プランジャロッドの突起
及び針キャリアの凹所は、拡大突起を含むプランジャロ
ッドの末端を針キャリアに押し付けるために軸方向への
力を付与したとき、互いにスナップ嵌め可能に係合し得
るようにしてある。図8、図9及び図10に示すよう
に、プランジャロッドが針キャリアに完全に係合したと
き、凹所の内方に突出する環状リング55は、拡大突起
52の切込み57に隣接して配置され、このため、プラ
ンジャロッドは、基端方向への軸方向の力を針キャリア
に伝達することが出来る。
【0017】係合手段は、外方向に伸長する一又は複数
の突起を有する末端方向に伸長するボス54を備えてい
る。この実施例においては、半径方向に伸長する突起5
6が四つ設けられている。又、凹所53は、更にもう一
つの内方に突出する突起を備えている。この実施例にお
いては、図4に最も良く図示するように、半径方向に突
出する二つの突起58が設けられている。上述したよう
に、プランジャロッドとキャリアとが係合したとき、プ
ランジャロッドが針キャリアに対して回転する毎に、ボ
スの突起56と針キャリアの凹所の突起58とが係合し
得るようにしてある。
【0018】本発明の重要な特徴は、投与される薬剤の
種類及び粘度並びに必要とされる注射深さに適するよう
に、ユーザが使用する時点で針組立体を容易に交換し得
る点である。従って、本発明の一つの安全針注射器は、
多くの寸法の皮下注射器組立体と共に使用し、薬剤を投
与するか、又は、別の流体移送機能を果たすことが出来
る。
【0019】ユーザが針組立体を交換することを許容す
る型式の注射器の一つの欠点は、構成要素を十分に強固
に保持し、針組立体のハブを注射器先端に摩擦係合させ
るときの相対的な力に抵抗し得る一方、ユーザが針組立
体及び接続された構造体を外筒に強制的に嵌めることが
できる程度に十分弱くなければならないことである。従
って、針キャリアが注射器外筒の内部に摩擦係合される
場合、該針キャリアは、針の取り付け及び取り外しに伴
う軸方向の力及び回転力に抵抗するのに十分な程度に強
固でなければならない一方、典型的なユーザがキャリア
を外筒内に引っ込めることが出来ない程の強さであって
はならない。このことは、ねじ付きキャリアについても
当て嵌まり、この針キャリアは、外筒内に容易に引き込
むことが出来る一方、針を取り付け且つ取り外すときの
トルクに抵抗し得ることを要する。本発明は、注射器の
通常の使用時には第一の係止位置にあって針キャリアが
外筒に対して移動するのを防止するのを助ける一方、第
二の非係止位置にある際には、プランジャロッドに付与
される軸方向力によって針キャリアがチャンバ内へと基
端方向に移動するのを許容する制御手段を提供すること
により、上記の従来技術の欠点を解決するものである。
従って、本発明の別の特徴は、針組立体を取り外し且つ
取り付けるときの力が針組立体を外筒内に引っ込めるに
必要とされる力に実質的に影響しないようにすることで
ある。
【0020】この実施例においては、該制御手段は、針
キャリアの外面61に設けられた溝59を含む。溝59
の各々は、閉塞された基端62及び開放された末端63
を備えている。針キャリアが外筒の末端にあるとき、外
筒の内面に形成された内向きの突起65が該溝内に配置
される。この実施例において、これらの突起は、円形断
面を有する円筒状である。図6及び図7に図示するよう
に、これらの突起は、該突起が溝59の閉塞された端部
62内にあるとき、針キャリアが外筒に対して基端方向
に及び末端方向に移動するのを阻止する。従って、針組
立体を取り付け、又は取り外すとき、針キャリアを外筒
内に押し込み、又は針キャリアを外筒から取り外して、
注射器を使用不能にすることなく、相当な軸方向への力
を基端方向又は末端方向に加えることが出来る。又、以
下により詳細に説明するように、突起と溝の閉塞端部と
の関係により、係止ルア型式の針を取り付け、又は取り
外すときに、針キャリアに付与される回転力に抵抗する
ことが出来る。本発明は、係止ルア型式の針組立体及び
針キャリアを備えて示してあるが、本発明は、この構造
体にのみ限定されるものではなく、エポキシ又はその他
の適当な接着剤、又はその他の接続方法を使用して、針
をキャリアに恒久的に取り付けるとき、針キャリア又は
針組立体に設けられたルアスリップ型式の接続具と共に
機能することが可能である。ユーザが皮下注射器針組立
体を交換することができる点で、この係止ルア型式の構
造体、又はルアスリップ型式の構造体が好適である。
【0021】突起65に対して溝の閉塞端部62が離れ
る方向に針キャリアが回転動作するのに抵抗するのを助
けるため、溝の各々は、その閉じた端部62に隣接する
狭小領域、又は縮小幅領域67を備えている。この狭小
領域又は縮小幅領域67は、突起65を横断する距離よ
りも小さくなされ、このため、突起65が溝の閉塞端部
62に配置される位置に針キャリアを出入りさせるため
には、更なる回転力が必要とされる。又、本発明におけ
る狭小領域は、突起65を溝の閉塞端部62に配置した
位置に針キャリアを出入りさせるためには、更なる回転
力が必要とされる形態で、溝内の閉塞端部に隣接する位
置に設けた浅い領域とすることも出来る。
【0022】本発明の注射器は、公知で許容された安全
な使用方法に従い、従来の皮下注射器と同一の方法で使
用することが出来る。薬剤を患者に投与する注射行程の
終了時に、ユーザは、図8に図示するように、望ましく
は、フランジ51、50を相互に向けて握ることによ
り、故意に更なる軸方向への力を付与し、プランジャロ
ッド上の突起52を針キャリアの凹所53に係合させ
る。突起65と狭小領域67との間の締り嵌めにより提
供される抵抗力を上廻るプランジャの回転力により、針
キャリアは、小さい角度だけ回転され、図9に示すよう
に、該突起が溝の基部68に達し、開放した端部63と
整合される。この時点で、ユーザは、図10に図示する
ように、プランジャを外筒に対して基端方向に引っ張
り、針キャリア及び針組立体を外筒内に引き込む。この
好適な実施例においては、これらの溝の形状は、針キャ
リアを外筒から緩めた後、プランジャロッドを実質的に
軸方向に動かせば、該針キャリアをプランジャロッドに
係合させ、針キャリアを注射器の外筒内に外すことが出
来るような形状とする。
【0023】本発明の更なる改良点は、弱体なプランジ
ャロッドとし、注射器の外筒から外に突出するプランジ
ャロッドの部分をプランジャロッドの他の部分から物理
的に接続を外すことが出来るため、針が偶然に注射器の
末端から後方に動かされて、尖鋭な針先端を露出させる
ことがないことである。又、相互に接続するプランジャ
ロッド及び針キャリアの部分は、針キャリアを注射器外
筒内に引っ込めたとき、それ自体、注射器組立体の縦軸
線に対し非整合状態とならないような構造とすることが
出来る。針キャリアが非整合状態となったならば、針
は、外筒内に入った後は、針が縦軸線に対してある角度
を成すため、該外筒から外に押し出すことが出来ず、そ
の結果、プランジャを進めたとき、針は、注射器外筒の
前壁内に突き刺さる。
【0024】プランジャロッドとキャリアとを螺着係合
させることも本発明の範囲に含まれる。例えば、プラン
ジャは、針キャリアのねじ付き凹所に係合する末端のね
じ付き突起を備えることが出来る。これらのねじは、プ
ランジャロッド及び針キャリアを接続するだけであり、
針組立体及び針キャリアを外筒内に移動させる注射器の
機能は、上述の機能と全く、同一である。ねじ接続する
とき、ねじは、ユーザが針キャリアを係止解除するのに
適当な方向に回転させ得る方向にする。各種の構造体が
プランジャロッドとキャリアとの係合を許容することが
出来、上述のこれらの構造体は、本発明の範囲に属する
多くの可能性の典型的なものである。
【0025】図11及び図12を参照すると、本発明の
安全針注射器組立体70の別の実施例が示してある。こ
の実施例は、図1乃至図10の実施例と同様であるが、
外筒71は、略円筒状であり、その末端に略一定の内径
を有する点が異なる。針キャリア72は、プランジャロ
ッドの直径に略等しく、外筒の末端の開放端を閉塞す
る。この構造体は、小径の注射器に有利であり、又、押
出し成形管のような一定の径の管から成る外筒の使用を
許容する点で有利である。この構造体は、針キャリアを
外筒内に引っ込めるとき、針キャリアと外筒との間に流
体密のシールを維持するという利点がある。又、この実
施例は、プランジャロッド78に弱体化領域、又は縮小
断面領域73を備えており、このため、針キャリア及び
針組立体が外筒71内に安全に入った後、プランジャロ
ッドの基端は、プランジャロッドの他の部分との接続を
外すことが出来る。
【0026】この実施例において、針キャリア72を係
止位置から非係止位置に移動させるのに要する回転力
は、針キャリア72の凹所75内に受け入れられ且つ該
凹所75に係合する、プランジャの外方向に伸長する突
起74との係合を介してプランジャロッド78から針キ
ャリア72に伝達される。この実施例において、四つの
突起と四つの凹所とが組み合わされることは、薬剤を保
持して投与を妨げる結果となるデッドスペースを最小に
する。この実施例の機能は、図1乃至図10の実施例に
教示するように、一又は複数の突起が針キャリアの一又
は複数の凹所又は突起に係合して回転力を伝達すること
により達成することが出来る。
【0027】本発明の安全針注射器の外筒は、各種の剛
性な材料を使用して構成することが出来るが、熱可塑性
材料及びガラス材料が好適である。外筒の末端における
内向きの突起は、外筒と同一の材料で形成し、又は、熱
可塑性材料のような適当な剛性材料、又はステンレス鋼
のような耐食性材料で形成した更なる構成要素で形成す
ることが出来る。
【0028】本発明のプランジャロッド及びキャリア
は、各種の剛性材料で形成することが出来るが、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン及びポリスチレンのような熱可
塑性材料が望ましい。環状のエラストマリング、環状の
シールリング及びストッパの形成には、天然ゴム、合成
ゴム及び熱可塑性エラストマのような各種の材料が適し
ている。滅菌状態であることが望ましい本発明の実施例
の場合、構成要素に選択される材料は、利用される滅菌
処理工程に耐え得るものを選択する必要がある。
【0029】
【発明の効果】上述のように、本発明は、ユーザが使用
する時点で針を交換するのを許容すると共に、液体を注
射器内に吸引するときのような略軸方向力を利用して、
針を外筒内に引っ込める構造体を提供する、簡単で、操
作が容易であり、信頼性が高く、しかも、容易に製造し
得る安全な針注射器を提供するものであることが理解さ
れよう。又、本発明は、針を外筒に対する所定位置に保
持する係止構造体を提供するものである。この係止構造
体は、針を外筒内に引っ込めるときの力を軽減し得るよ
うに不作用状態にすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の安全針注射器の好適な実施例の斜視図
である。
【図2】図1に示した注射器組立体の分解図である。
【図3】注射器外筒の末端、プランジャロッド及びキャ
リアを示す、図2の拡大部分図である。
【図4】図3のキャリアの基端の側面図である。
【図5】図3のプランジャロッドの末端の側面図であ
る。
【図6】図1の注射器の拡大した部分断面側面図であ
る。
【図7】図6の後側、又はその反対側から見たときの、
図1の注射器の拡大した部分断面側面図である。
【図8】針キャリアに係合するプランジャロッドを示
す、図1の注射器の拡大した断面側面図である。
【図9】外筒の末端から一部、引き出された針キャリア
を示す、図1の注射器の拡大した部分断面側面図であ
る。
【図10】外筒内に一部、引っ込められた針キャリア及
び針を示す、図1の注射器の部分断面側面図である。
【図11】本発明の安全針注射器組立体の別の実施例の
部分断面側面図である。
【図12】線12−12に沿った図1の注射器の断面図
である。
【符号の説明】
20 注射器組立体 21 外筒 22 外筒の内面 23 チャンバ 25 外筒の基端 27 外筒の末
端 28 針キャリア 29 針キャリ
アの末端 31 針キャリアの基端 32 貫通路 33 溝 34 エラスト
マーリング 35 針組立体 37 針カニュ
ーレ 41 ハブ 47 プランジ
ャロッド 49 密封リング 50 フランジ 51 外筒フランジ 52 突起 55 環状リング 59 溝 65 突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチャード・アイゼンリング アメリカ合衆国ニュージャージー州 07456−1310,リングウッド,ストーン タウン・ロード 507 (72)発明者 ニオール・スィーニー アメリカ合衆国ニュージャージー州 07070,ラザフォード,ユニオン・アベ ニュー 238 (56)参考文献 特開 平3−97468(JP,A) 実開 平1−172842(JP,U) 実開 平1−68052(JP,U) 特表 平3−504808(JP,A) 国際公開91/8788(WO,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 安全針注射器にして、 チャンバを形成する内面と、開放した基端と、末端とを
    有する細長い外筒と、前記外筒の末端にて該外筒の前記
    内面と流体密の係合状態に配置された可動の針キャリア
    であって、末端と、基端と、前記チャンバに流体連通す
    る貫通路と、を有し、同キャリアの外周に沿って延びて
    いる環状の弾性のリングを、同キャリアと前記外筒との
    間に含んで前記外筒の内径と当該キャリアの外径との間
    に液密シールを形成するようになされている針キャリア
    と、 前記針キャリアの前記末端から外方に突出する針カニュ
    ーレであって、末端と、前記貫通路に流体連通する貫通
    内腔と、を有する針カニューレと、 前記外筒の前記内面に流体密に係合するように摺動可能
    に配置されたプランジャ手段であって、末端と、前記外
    筒の前記開放した端部から外方に伸長する基端とを有
    し、末端に弾性の密封リングを有するプランジャ手段
    と、 前記プランジャ手段の前記基端に付与された軸方向への
    力及び回転力を前記針キャリアに伝達することを許容し
    得るように、前記プランジャ手段の前記末端が前記針キ
    ャリアに係合するのを許容する係合手段であって、前記
    プランジャ手段の前記末端に設けられた突起と、前記針
    キャリアの前記基端に形成された凹所とから構成され
    て、前記突起が前記凹所内にスナップ嵌め状態に配置さ
    れる係合手段と、 制御手段であって、前記針キャリアに形成された溝を含
    み、同溝が、閉塞された基端及び開放された末端を備
    え、前記針キャリアが前記外筒の前記末端にあるとき、
    前記外筒の内面上の突起が前記溝内に位置決めされ、同
    突起は、該突起が前記閉塞された基端にあるとき、前記
    針キャリアが前記外筒に対して基端方向及び末端方向に
    移動するのを阻止し、同突起が前記開放された末端内に
    あるとき、前記針キャリアが基端方向に移動するのを許
    容するようになされた制御手段と、を備え、 前記突起が前記溝の閉塞された基端にある第一の係止位
    置から同突起が前記溝の開放された末端内にある第二の
    非係止位置への移動、及び前記カニューレの前記外筒内
    への引き込みが、前記プランジャの前記末端が前記針キ
    ャリアに係合す る間に、前記プランジャ手段が前記外筒
    に対して少なくとも2回、移動することにより行われ、
    その第一の動作は、前記針キャリアを前記外筒に対して
    小さい回転角度で回転させる回転動作であり、第二の動
    作は、その後に、前記カニューレの前記末端が前記外筒
    の前記末端を越えて伸長しないように前記針キャリアを
    前記外筒内へと基端方向に十分に深く動かすことであ
    る、ことを特徴とする、安全針注射器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の注射器にして、前記針
    カニューレの基端がハブに接続され、同ハブが前記針キ
    ャリアに着脱可能に接続されることを特徴とする注射
    器。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の注射器にして、前記係
    合手段が、前記プランジャ手段に形成された外方に伸長
    する突起を有する、末端方向に伸長するボスを備え、該
    外方に伸長する突起が、前記プランジャ手段を前記針キ
    ャリアに対して回転させたとき、前記針キャリアに形成
    された凹所の内方に突出する第二の突起に係合し得るよ
    うにしたことを特徴とする注射器。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の注射器にして、前記針
    キャリアに形成された前記溝が、前記閉じた端部に隣接
    する狭小幅の領域を有し、同狭小幅の領域が、前記突起
    を横断する距離よりも小さく、このため、前記突起が前
    記溝の前記閉塞された端部に配置される位置に対し前記
    針キャリアを出入りさせるのに更なる回転力が必要とさ
    れることを特徴とする注射器。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の注射器にして、前記針
    キャリアに形成された前記溝が、前記閉塞された端部に
    隣接する浅い領域を有し、前記浅い領域が、前記突起が
    前記溝の前記閉塞された端部に配置される位置に対し前
    記針キャリアを出入りさせるのに更なる回転力が必要と
    されるような形態にされることを特徴とする注射器。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の注射器にして、前記溝
    の反対側で前記針キャリアに形成された第二の溝と、前
    記突起と反対側で前記外筒に形成された第二の突起と、
    を備え、前記第二の突起が、前記針キャリアが前記外筒
    の前記末端にあるとき、前記第二の溝内に配置されるこ
    とを特徴とする注射器。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の注射器にして、前記プ
    ランジャ手段が、前記プランジャ手段の前記末端と前記
    プランジャ手段の前記基端との間に弱体化領域を備え、
    このため、前記カニューレの前記末端が前記外筒の前記
    末端を越えて伸長しないように前記針キャリアを前記外
    筒内に十分深く移動させた後、該プランジャ手段の基端
    を前記プランジャ手段の末端との接続から外し得るよう
    にしたことを特徴とする注射器。
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