JP2667602B2 - インク吐出ノズルの脱気装置 - Google Patents

インク吐出ノズルの脱気装置

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JP2667602B2
JP2667602B2 JP27259591A JP27259591A JP2667602B2 JP 2667602 B2 JP2667602 B2 JP 2667602B2 JP 27259591 A JP27259591 A JP 27259591A JP 27259591 A JP27259591 A JP 27259591A JP 2667602 B2 JP2667602 B2 JP 2667602B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録ヘッ
ド等のインク吐出ノズルからエアーを排出するための脱
気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は従来のこの種の脱気装置の一例を
説明するための断面図ある。
【0003】同図において、10はインクジェット記録
ヘッドのインク吐出ノズル、11はゲート12を介して
このインク吐出ノズル10に連通可能なインクタンクを
それぞれ示している。同図にはさらに、このようなイン
クジェット記録ヘッドのインク吐出ノズル10からエア
ーを排出する脱気装置の構成要素として、ノズル10の
前面に密封被着されたキャップ13と、このキャップ1
3に電磁弁14を介して連結されたメンテナンス液用タ
ンク15と、キャップ13に吸引口が連結された吸引用
真空ポンプ16と、ポンプ16の排出口に連結された廃
液タンク17と、インク吐出ノズル10及びキャップ1
3の当接部の下方に配置されており電磁弁18を介して
ポンプ16の排出口に連結されたガター19とを示して
いる。
【0004】インク吐出ノズル10からエアーを排出す
るには、まず、ゲート12、電磁弁14及び18を共に
閉じた状態でキャップ13をノズル10の前面に密封的
に押し当ててポンプ16を作動させる。これによりキャ
ップ13内の真空度を増大させた後、電磁弁14を開成
させてタンク15からメンテナンス液をキャップ13内
に注入する。その後、電磁弁14を閉成してポンプ16
を再び作動させることによりキャップ13及びノズル1
0内の真空度を増大させる。次いでゲート12及び電磁
弁18を開成し、その直後に、キャップ13をノズル1
0から引き離す。これにより、キャップ13及びノズル
10内の廃液が廃液タンク17へ排出されると共にノズ
ル10内のエアーが吸引排出される。同時に、キャップ
13及びノズル10からこぼれ落ちてガター19内に溜
まっていた廃液が吸引され廃液タンク17へ排出され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したごとき従来技
術では、ガター内に溜まっている少量の廃液を廃液タン
クへ搬送するにも真空ポンプと電磁弁とを使用する必要
があり、部品点数が多くなって構成が複雑となるばかり
か、電磁弁のような高価な部品を用いるためにコストが
上昇してしまう。しかも、高価な部品を用いる割りには
動作不良が多く発生し、信頼性がかなり低かった。
【0006】従って本発明は、構成が簡単でありかつ大
幅なコストダウンを図ることのできるインク吐出ノズル
の脱気装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、インク
吐出ノズルからエアーを吸引するためにこのインク吐出
ノズルに密封被着可能なキャップ部材と、キャップ部材
に連結されておりこのキャップ部材から吸引を行う真空
ポンプと、キャップ部材の下方に設けられておりこのキ
ャップ部材及び上述のインク吐出ノズルから滴下された
廃液を受け取る廃液溜め部と、内部に多孔質部材が充填
された廃液タンクと、一端が廃液タンクに連通すると共
に他端が廃液溜め部に連通しており毛細管現象効果を有
する繊維束部材を内部に具備した導管とを備えており、
この導管の繊維束部材の廃液タンク側の端が上述の多孔
質部材に接触した斜め切断面を有しているインク吐出ノ
ズルの脱気装置が提供される。
【0008】
【作用】キャップ部材及びインク吐出ノズルから滴下さ
れた廃液を受け取る廃液溜め部内に溜められた廃液は、
繊維束部材の毛細管現象によって導管内を廃液タンク側
の端へ自動的に運ばれ、その端に形成されている繊維束
部材の斜め切断面から廃液タンクの多孔質部材内に吸収
されて蓄積される。
【0009】
【実施例】以下本発明を実施例により詳細に説明する。
【0010】図1は本発明の一実施例である脱気装置を
インクジェット記録ヘッドのインク吐出ノズルに装着し
た状態を表す断面図、図2はこの脱気装置をインク吐出
ノズルから引き離した状態を表す断面図である。
【0011】図1において、20はインクジェット記録
ヘッドのインク吐出ノズル、21はこのノズル20から
エアーを排出するべくノズル20の前面に密封被着され
たキャップ(本発明のキャップ部材に対応している)を
示している。このキャップ21には、吸引用真空ポンプ
22の吸引口が連結されており、この真空ポンプ22の
排出口は廃液タンク23に連結されている。この廃液タ
ンク23内には、例えばポリエステル又は他の材質のス
ポンジもしくはフェルトのように液体を含浸しやすい部
材からなる多孔質部材24が充填されている。
【0012】インク吐出ノズル20の前面及びキャップ
21の下方には、ガター、即ち廃液溜め部25が設けら
れている。この廃液溜め部25は、本実施例ではキャッ
プ21と一体化されているがこれは本発明の必須要件で
はなく互いに独立していてもよい。廃液溜め部25内に
は、本発明の必須要件ではないが、本実施例では多孔質
部材24と同様の液体を含浸しやすい多孔質部材26が
充填されている。
【0013】廃液溜め部25とこれより上方に位置する
廃液タンク23とは導管27によって連結されている。
導管27内には、毛細管現象効果を有する例えばポリエ
ステル等の樹脂製の繊維束部材27aが充填されてい
る。本実施例では、樹脂の繊維束部材27aを内部に詰
めた可撓性のチューブが用いられているが、チューブを
用いることなく繊維束の外周面を溶かして外面をシール
したものを用いてもよい。
【0014】繊維束部材27aの廃液溜め部25側の端
面は多孔質部材26の底面に接触している。廃液溜め部
25内に多孔質部材26が充填されていない場合は、内
部の液体に直接接触するように構成される。図3は、繊
維束部材27aの廃液タンク23側の端面の様子を詳細
に示す断面図である。同図に示すように、繊維束部材2
7aの廃液タンク23側の端面は、斜め切断面となって
いて多孔質部材24の上面に押し当てられ接触してい
る。斜め切断面とすることにより、端面の接触面積が大
きくなり、その分繊維束部材27aから多孔質部材24
への吸収率が大きくなる。
【0015】廃液溜め部25と廃液タンク23との間の
廃液の搬送高さhと搬送量とに応じて、繊維束部材27
aの密度及び断面積が適切に選択される。
【0016】インク吐出ノズル20からエアーを排出す
るには、まず、図1に示すように、キャップ21をノズ
ル20の前面に密封的に押し当ててポンプ22を作動さ
せる。これによりキャップ21内の真空度を増大させて
ノズル20内のインク廃液が廃液タンク22へ排出され
ると共にノズル20内のエアーが吸引排出される。この
吸引を必要時間だけ行った後、図2に示すように、キャ
ップ21をノズル20から引き離す。これにより、キャ
ップ21内及びノズル20の前面からインク廃液が廃液
溜め部25内に落ち込み、多孔質部材26に含浸され
る。廃液溜め部25内の多孔質部材26に含浸されたイ
ンク廃液は、繊維束部材27aの毛細管現象によって導
管27内を廃液タンク23側の端へ自動的に運ばれる。
そして、インク廃液は、その端に形成されている繊維束
部材27aの斜め切断面から廃液タンク23の多孔質部
材24内に吸収されここに蓄積される。
【0017】このように本実施例では、真空ポンプ等の
動力を用いることなくまた電磁弁等の高価な部品を用い
ることなく、簡単な構造で廃液溜め部25内のインク廃
液を自動的に廃液タンク23へ搬送することができる。
従って、脱気装置の構造を簡易化でき大幅なコストダウ
ンを図ることができる。
【0018】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、インク吐出ノズルからエアーを吸引するためにこの
インク吐出ノズルに密封被着可能なキャップ部材と、キ
ャップ部材に連結されておりこのキャップ部材から吸引
を行う真空ポンプと、キャップ部材の下方に設けられて
おりこのキャップ部材及び上述のインク吐出ノズルから
滴下された廃液を受け取る廃液溜め部と、内部に多孔質
部材が充填された廃液タンクと、一端が廃液タンクに連
通すると共に他端が廃液溜め部に連通しており毛細管現
象効果を有する繊維束部材を内部に具備した導管とを備
えており、この導管の繊維束部材の廃液タンク側の端が
上述の多孔質部材に接触した斜め切断面を有しているた
め、構成が簡単でありかつ大幅なコストダウンを図るこ
とのできるインク吐出ノズルの脱気装置を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である脱気装置をインクジェ
ット記録ヘッドのインク吐出ノズルに装着した状態を表
す断面図である。
【図2】図1の脱気装置をインク吐出ノズルから引き離
した状態を表す断面図である。
【図3】図1の脱気装置における繊維束部材と廃液タン
クの多孔質部材との接触部分を拡大して示す断面図であ
る。
【図4】従来の脱気装置をインク吐出ノズルに装着した
状態を表す断面図である。
【符号の説明】
20 インク吐出ノズル 21 キャップ 22 吸引用真空ポンプ 23 廃液タンク 24、26 多孔質部材 25 廃液溜め部 27 導管 27a 繊維束部材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク吐出ノズルからエアーを吸引する
    ために該インク吐出ノズルに密封被着可能なキャップ部
    材と、該キャップ部材に連結されており該キャップ部材
    から吸引を行う真空ポンプと、該キャップ部材の下方に
    設けられており該キャップ部材及び前記インク吐出ノズ
    ルから滴下された廃液を受け取る廃液溜め部と、内部に
    多孔質部材が充填された廃液タンクと、一端が該廃液タ
    ンクに連通すると共に他端が前記廃液溜め部に連通して
    おり毛細管現象効果を有する繊維束部材を内部に具備し
    た導管とを備えており、該導管の前記繊維束部材の前記
    廃液タンク側の端が前記多孔質部材に接触した斜め切断
    面を有していることを特徴とするインク吐出ノズルの脱
    気装置。
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