JP2667526B2 - 高感度多波長発光蛍光分光方法及び装置 - Google Patents

高感度多波長発光蛍光分光方法及び装置

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JP2667526B2 JP20874589A JP20874589A JP2667526B2 JP 2667526 B2 JP2667526 B2 JP 2667526B2 JP 20874589 A JP20874589 A JP 20874589A JP 20874589 A JP20874589 A JP 20874589A JP 2667526 B2 JP2667526 B2 JP 2667526B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高感度多波長発光蛍光分光方法及びその装
置に関するものであり、さらに詳しくは、本発明は、液
体クロマトグラフィー又はフローインジェクション分析
のフローセル内の試料成分を化学発光させ、又は、励起
光によって蛍光作用を行わせ、その発光光を、光学レン
ズ、反射型回折格子及び高感度1次元又は2次元光検出
器を用いた高感度波長分光装置により、多波長同時に分
光して検出する高感度多波長発光蛍光分光方法及びその
装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来より、測定試料の分離分析には高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)等の液体クロマトグラフィーやフロ
ーインジェクション分析(FIA)が広く利用されてお
り、その検出系としては、単一波長の分析だけではなく
多波長同時の分析も行うものの必要性が高まっている。
高速液体クロマトグラフィーの検出系によって多波長
同時分析を行う場合に使用する分光装置としては、反射
型回折格子を用いて多波長吸光分析を行うものがある
(特開昭59−56125号公報等)。
しかし、従来用いられている高速液体クロマトグラフ
ィー(HPLC)は、可視紫外光の吸収であり、同一保持時
間の物質は相互分離が困難である。例えば、ヒドロペル
オキシド体とその還元物であるヒドロキシ体が共に同じ
共役ジエン吸収(234nm)を持つため、同一保持時間で
ある。すなわち、ヒドロペルオキシド体とヒドロキシ体
が同一保持時間、同一吸収波長を有するため、分離測定
が困難である。
ところで、近年、臨床化学、生化学、環境化学等の領
域において、化学発光分析法が注目されている。この化
学発光分析法では、試料自体を化学的に発光させて、発
光する光の中、検出器の感度のある光を全部検出してい
る。
この化学発光分析法は、液体クロマトグラフィーの検
出系にも利用されるようになっている。そのシステム
は、利用する化学発光の種類等に応じて異なるが、例え
ば第11図に示すように、液体クロマトグラフィーの本体
部(HPLC)が、溶出溶剤1を送出する液送用ポンプ2、
送出された溶出溶剤1に試料3を注入するインジェクタ
ー4、及び、インジェクター4より注入れた試料3を分
離展開するカラム5からなり、検出系が、カラム5の溶
出部に設けたし紫外吸収検出器6とその下流の化学発光
検出系からなる。この化学発光検出系においては、紫外
吸収検出器6を通過した試料成分に液送出ポンプ7によ
って発光試薬8を注入し、フローセル内で化学発光さ
せ、それを発光光検出用のフローセル9に導入し、そこ
で単一光電子計数方式等による微弱光検出器10′によ
り、発光光を分光分析することなく総光量として検出す
るようになっている。また、紫外吸収検出器6と微弱光
検出器10′による検出結果は、ペンレコーダ等からなる
記録器11に記録されるようになっている。このようなシ
ステムを用いることにより、供給された試料を液体クロ
マトグラフィーによって個々の脂質クラスに分離し、こ
の分離された脂質クラスに発光試薬を混入して脂質クラ
ス中に共存するヒドロペルオキシド型過酸化脂質と反応
させ、これにより生じる光を光検出器で測定することに
より分離に成功している。
しかしながら、このように化学発光を利用したシステ
ムにおいては、極微弱な発光光を検出しなくてはならな
いので、その検出器として従来のFナンバーの大きい反
射型開折格子からなる分光装置を使用することができ
ず、多波長同時分析を行うことは容易ではない。そこ
で、これまでのシステムでは、上記第11図の例でも示し
たように、その発光光の検出をスペクトル分析すること
なく、全波長の総発光量を測定することにより行ってい
る。そのため、微量成分の高感度分析が可能になったと
いっても、その分析結果から多面的な情報を得ることは
できないのが実情であった。すなわち、このように、HP
LCの検出として吸光では分離できない成分を発光を測定
することにより分離することが行われているが、発光が
極微弱なため、吸光の多波長同時測定を行うことにより
多くの情報を得るのと同様に発光を多波長で同時に測定
している例は、検出が困難なため、ない。
ところで、このような極微弱光の多波長同時分光分析
するためには、光束利用率(スループット)を大きくし
て、波長走査を行わないで同時に多波長のスペクトル分
布が求められる高感度多波長分光装置が必要である。し
かしながら、従来の分光装置にあってはこの要求を満足
するものはなかった。
すなわち、従来の回折格子を用いた分光器は、基本的
にモノクロメーターであるため、入射スリットと出射ス
リットが必須であり、そのため波長走査が必要となり、
そのとき出射スリット以外の光は捨ててしまっているた
め同時測光の優位性はない。また、出射面にスペクトル
分布を検出する1次元又は2次元光分布検出器を配する
構成となっていないため、単に出射スリットをはずして
検出器をつけただけでは、焦点面の問題、収差の問題が
あり、うまくいかない。そして、コリメーター系、焦点
系ともに反射鏡を軸外しで用いているため、収差による
スペクトル線像の曲がりが生じ、Fナンバーはあまり小
さくできず、分光器の明るさには限界があり、F=3以
下のものは実用化されていなかった。このような従来の
分光器の反射鏡として放物面鏡を用いて、F=1の分光
器が最近開発された。しかしながら、放物面鏡を軸外し
の状態で用いているため、スペクトル線像が曲がってし
まい、1次元又は2次元光分布検出器を配置して正確な
スペクトル分布を求めることが困難であるという大きな
問題の他、高感度で検出器を用いるため検出面を冷却す
る必要が生じ、そのため検出器の結露を防ぐための手段
として、1次元又は2次元光分布検出器の光電面の前面
に比較的厚さのある断熱用の真空チャンバーを配置しな
ければならないことから生じる、集光用の放物面鏡の焦
点距離を長くしなければならないという問題がある。さ
らに、凹面回折格子を用い、検出器としてアレイ状の検
出器を用いたポリクロメーターが最近販売されたが、凹
面回折格子の直径、曲率半径に限界があるため、明るさ
に限界があり不充分である。一方、極微弱発光の分光分
析のために、三画コモンパス干渉計、四角コモンパス干
渉計、複屈折偏光干渉計等を用いた静止型干渉分光法を
利用することが提案されているが、その後の検討の結
果、発光試料面の面積がとれるので、分光器より明るい
との指摘に疑問が出てきた。また、これらの干渉計にお
いては、従来の分光器より明るい光学系を採用している
が、これは鏡の代わりにより明るいレンズを使用してい
ることによるものであり、干渉計の特性ではない。そし
て、回折格子の横幅より検出器アレイの横幅が小さい現
状では、これらの幅の大きさがそれぞれの分光システム
の分解能を決定するものであるところから、静止型干渉
分光法の分解能は分光器より悪く、また、エネルギーの
点からは、分光器の場合は、入射スリットの幅を広げる
と分解能は悪くなる代わりにエネルギーはかせげるが、
静止型干渉分光法ではこのようなことはできない。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のとおりの現状であるため、従来の分光器ないし
分光法を用いて、液体クロマトグラフィー又はフローイ
ンジェクション分析のフローセル内の試料成分を化学発
光させ、又は、励起光によって蛍光作用を行わせ、その
極微弱な発光光の分光分析、特に同時に多波長のスペク
トル分析をすることは困難であった。
したがって、本発明の目的は、上記した従来の困難を
克服するために、極めて明るく、小型で、化学発光、励
起光による極微弱蛍光等の極微弱光のスペクトル分布を
波長走査なしに同時に求めることができるポリクロメー
ターの設計思想による新規な高感度多波長分光装置を用
いて、液体クロマトグラフィー又はフローインジェクシ
ョン分析のフローセル内の試料成分を化学発光させ、又
は、励起光によって蛍光作用を行わせ、その極微弱な発
光光を多波長同時に分光して検出することができる、高
感度多波長発光蛍光分光方法及びそのための装置を提供
することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の高感度多波長発光蛍光分光方法は、試料を液
体クロマトグラフィーによって分離し、フローセル内の
分離された試料成分に発光試薬を混入して化学発光さ
せ、その発光光を分光検出する多波長発光蛍光分光方
法、試料を液体クロマトグラフィーによって分離し、フ
ローセル内の分離された試料成分に励起光を照射して発
光させ、その発光光を分光検出する多波長発光蛍光分光
方法、又は、フローインジェクション分析のフローセル
内で試料成分と発光試料とを混合して化学発光させ、そ
の発光光を分光検出する多波長発光蛍光分光方法におい
て、発光光を分光検出する手段として、発光光を点状光
源又は線状光源とする集光光学系、この集光光学系によ
る点状光源又は線状光源を焦点としそこから出る光をと
り入れて平行にする明るいコリメーターレンズ、コリメ
ーターレンズによって平行にされた光を回折して分光す
る反射型回折格子、反射型回折格子によって分光された
平行光を像面上にスペクトル像として結像する結像レン
ズ、及び、結像レンズの像面上に配置された高感度1次
元又は2次元光検出器からなる高感度多波長分光装置を
用いることを特徴とするものである。
これらの方法において、高感度多波長分光装置の集光
光学系は、楕円面鏡の一方の焦点に直線状のフローセル
を配し、他方の焦点にスリットを配してなるもの、又
は、円筒面鏡に平行に蛇行状のフローセルを配し、その
結像位置にスリットを配してなるものであることが望ま
しい。
そして、化学発光等の極微弱な自然発光の分光検出の
ためには、高感度多波長分光装置における反射型回折格
子としてブレーズド回折格子を用い、分光装置の各構成
要素を−1次の回折光をスペクトル像としてとり出し可
能に配置することが望ましく、また、ラマン散乱、蛍光
等の励起光による極微弱発光の分光検出のためには、反
射型回折格子としてブレーズド回折格子を用い、分光装
置の各構成要素を+1次の回折光をスペクトル像として
とり出し可能に配置することが望ましい。
高感度多波長分光装置としては、コリメーターレンズ
と結像レンズとを1つの兼用レンズによって兼用させ、
この兼用レンズを反射型回折格子の前面に平行に配置
し、兼用レンズの焦点面上に集光光学系による点状光源
又は線状光源を位置させ、兼用レンズの像面上に高感度
1次元又は2次元光検出器を配置するようにしてもよ
い。
さらに、高感度多波長分光装置として、以上の高感度
多波長分光装置の集光光学系、コリメーターレンズ、反
射型回折格子、及び、結像レンズからなる分光器を、同
種又は種類を異ならして2以上多段に配置し、加分散又
は差分散の配列にすることにより、数回回折光を利用し
て角分散を制御することにより、分解能を向上させるこ
とができる。
本発明の高感度多波長発光蛍光分光装置は、試料を成
分に分離する液体クロマトグラフィー装置と、フローセ
ル内の分離した試料成分に発光試薬を混入する試薬混入
手段と、試料成分と発光試薬から生じる化学発光光を分
光検出する手段とからなる多波長発光蛍光分光装置であ
って、分光検出手段として、上記の高感度多波長分光装
置を用いたことを特徴とするものである。
本発明の別の高感度多波長発光蛍光分光装置は、試料
成分と発光試料とを混合する試薬混合手段を有するフロ
ーインジェクション分析器と、試料成分と発光試薬から
生じる化学発光光を分光検出する手段とからなる多波長
発光蛍光分光装置であって、分光検出手段として、上記
の高感度多波長分光装置を用いたことを特徴とするもの
である。
さらに、本発明の別の高感度多波長発光蛍光分光装置
は、試料を成分に分離する液体クロマトグラフィー装置
と、フローセル内の分離した試料成分に励起光を照射し
て発光させる励起光照射手段と、励起光の照射による発
光光を分光検出する手段とからなる多波長発光蛍光分光
装置であって、分光検出手段として、上記の高感度多波
長分光装置を用いたことを特徴とするものである。
〔作用〕
本発明の高感度多波長発光蛍光分光方法及び装置に用
いられている高感度多波長分光装置においては、発光光
を点状光源又は線状光源とする集光光学系が、試料を液
体クロマトグラフィーによって分離し、フローセル内の
分離された試料成分に発光試薬を混入して化学発光させ
て得た発光光、試料を液体クロマトグラフィーによって
分離し、フローセル内の分離された試料成分に励起光を
照射して発光させて得た発光光、又は、フローインジェ
クション分析のフローセル内で試料成分と発光試料とを
混合して化学発光させて得た発光光を、点状又は線状光
源としてコリメータレンズに入射させ、コリメータレン
ズはこれらの発光光を漏れなく平行度の高い平行光線に
して反射型回折格子に入射させる。したがって、反射型
回折格子はその分解能を十分に発揮するとともに極微弱
光を分光するようになる。また、コリメータレンズと結
像レンズとは、反射型回折格子に極近接して配置できる
ので、装置の小型化が実現できる。そして、コリメータ
レンズと結像レンズとして、Fナンバーが可能な限り小
さい明るいレンズを使用することができるので、両レン
ズの合成系となる高感度多波長分光装置全体の明るさを
十分に大きくすることができ、高感度1次元又は2次元
光検出器と組み合わせることにより、化学発光、励起光
による極微弱蛍光等の極微弱光の同時多波長分析が可能
になり、特に、化学発光、励起光による極微弱蛍光等を
利用した微量成分の研究手段として有効なものである。
したがって、本発明の高感度多波長発光蛍光分光方法及
び装置は、多波長分光装置として、上記のような化学発
光、励起光による極微弱蛍光等を呈する試料成分からの
極微弱光の多波長同時分光分析を簡便に行うことのでき
る高感度多波長分光装置を用いるので、明るく、極微弱
光の検出ができ、小型で操作性の優れたものとなり、特
に、化学発光、励起光による極微弱蛍光等を利用した高
感度微量分析研究手段として有効なものとなる。
〔実施例〕
本発明の高感度多波長発光蛍光分光方法及び装置にお
いては、液体クロマトグラフィー又はフローインジェク
ション分析のフローセル内の試料成分を化学発光させ、
又は、励起光によって蛍光作用を行わせる点までは、第
11図に示したシステムと同様である。しかしながら、そ
の極微弱な発光光を多波長同時に分光して検出するため
の多波長分光装置として、従来のものより明るく高感度
のものを用いる。
すなわち、多波長分光装置において、液体クロマトグ
ラフィー又はフローインジェクション分析のフローセル
内の試料成分を化学発光させ、又は、励起光によって蛍
光作用を行わせるときに発生する極微弱な発光光を、可
能な限り多く分光系に入射させるように光学系を選択す
る必要がある。そのため、光学系が極微弱光発光点を見
込む立体角を可能な限り大きくする必要がある。一方、
分光系によって分光されたスペクトル線像は可能な限り
直線状に結像されなければならない。このような要求を
満足する光学系としては、現在のところ光学ガラスレン
ズの組み合わせからなるFナンバーの小さい光学レンズ
しかない。光学レンズにおいては、収差のないFナンバ
ーが1以下のものも容易に入手できる。したがって、本
発明に用いる高感度多波長分光装置においては、このよ
うなFナンバーの小さい光学レンズを用いる。そして、
この光学レンズによって平行にされた光束を分光する分
光系として反射型の回折格子を用い、さらに、回折され
た光を結像して、スペクトル分布像を与えるためにも明
るい光学レンズを用い、その像面にスペクトル強度分布
像を電気的に検出する高感度1次元又は2次元光検出器
を配置して、各波長の光強度を同時に検出する。
本発明においては、液体クロマトグラフィー又はフロ
ーインジェクション分析の検出系において化学発光又は
励起光による蛍光を発生させるという点に関しては、従
来の方法あるいは装置を利用することができる。
例えば、高速液体クロマトグラフィーに関する装置の
全体構成としては、第1図に示すように、前記第11図の
構成において、その微弱光検出器10′をこの発明で使用
する高感度多波長分光装置10に置き換えたものとするこ
とができる。この場合、第1図には図示していないが、
発光試薬として複数の試薬を用いる場合には、それらの
試薬をそれぞれ別個の液送出ポンプによりフローセルに
送入し、それらをミキシングコイルに通して十分に混合
した後、カラム5から溶出してきた試料成分に混入する
ようにしてもよく、また、複数の試薬を混合したものが
安定な場合には、予めそれらを混合しておき、一台の液
送出ポンプでその混合液を送出し、試料成分に混入する
ようにしてもよい。また、発光試薬が混入した試料成分
を発光光検出用のフローセル9に導入するに際しては、
予め試料成分と発光試薬とを渦巻型等の反応コイルに通
してそれらを十分に混合することが好ましい。
フローインジェクション分析に関する装置について
も、そのシステムの全体構成は、第2図に示すように、
従来の構成の検出器をこの発明の高感度多波長分光装置
10に置き換えたものとすればよい。すなわち、発光試薬
8a、8bをそれぞれポンプPa、Pbによりフローセルに流
し、その混合流の中に試料3をインジェクター4から注
入して混合し、化学発光させ、その発光光を高感度多波
長分光装置10により多波長同時に検出するようにする。
このような液体クロマトグラフィーあるいはフローイ
ンジェクション分析の検出系に利用することのできる化
学発光の種類としては、(i)励起エネルギー産生反応
に関与する物質自身がそのエネルギーにより励起され発
光するもの(例えば、励起された一重項励起分子1O2
の発光、ピロガロールの強アルカリ性下の発光、過酸化
ベンゾイルの自動酸化発光、ジメドンの自動酸化発光
等)、(ii)反応の中間体としてヒドロキシルペルオキ
シドが生成し、これがアルカリ性下ジオキセタン型ペル
オキシドを経て分解するときに反応分子が励起状態とな
り発光すると考えられるもの(例えば、テトラキス(ジ
メチルアミノ)エチレンと酸素との発光、キサンテン系
色素と過酸化水素との発光、ルミノールの発光、ルシゲ
ンの発光、ロフィンの発光、インドールの発光等)、
(iii)化学反応により生じたエネルギーにより反応系
外の物質が励起され発光するもの(例えば、シュウ酸エ
ステル・過酸化水素による蛍光物質の発光、ジフェノイ
ル過酸化物による蛍光物質の発光、エチルベンゼンの自
動酸化の系にアントラセン等の蛍光物質を添加したとき
の発光、励起一重項酸素から蛍光物質にエネルギーが転
移することによる蛍光物質の発光、ケテン又はアセター
ルと一重項酸素と蛍光物質による発光等)をあげること
ができる。実際に個々の分析で利用する化学反応は、こ
れらの中から分析する試料に応じて適宜選択する。ま
た、化学発光させるに際して使用する反応試薬、増感
剤、促進剤、抑制剤、酸化剤等種々の発光試薬、及び、
それらの使用濃度も分析する試料に応じて適宜選択す
る。
本発明においては、このような化学発光又は励起光に
よる蛍光、ラマン放射光等の分光検出器として、特定の
高感度多波長分光装置を使用し、それにより極微弱な発
光光に対する高感度の多波長同時分析を可能にしてい
る。
この高感度多波長分光装置10は、第3図(a)に示し
たように、発光光検出用のフローセル9からの発光光L1
を集光光学系12により点状光源又は線状光源L2とし、そ
の後に分光分析するものであり、点状光源又は線状光源
L2の位置に焦点を有し、そこから出る光を可能な限り多
く採り入れて平行にするFナンバーの小さいコリメータ
ーレンズ13、コリメーターレンズ13によって平行にされ
た光を回折して分光する反射型回折格子14、及び、反射
型回折格子14によって分光された平行光を像面P上にス
ペクトル像として結像する結像レンズ15からなる分光器
と、スペクトル像面上に配置された高感度1次元又は2
次元光検出器16とから構成されているものである。高感
度1次元又は2次元光検出器16の出力側にはコンピュー
タ17が接続されていて、それからの出力に基づいてスペ
クトル分析を行う。なお、反射型回折格子14は、検出ス
ペクトル範囲を調整するために、点Cを中心として、図
示した矢印のように回転調節可能に構成されている。
なお、第3図(a)に示したものは、フローセル9内
における化学発光の分光分析をする際に用いるものであ
るが、第3図(b)に示した本発明の高感度多波長発光
蛍光分光装置のように、フローセル9内における試料の
励起用光源LSを備え、励起用光源LSにより照射されたフ
ローセル9内の試料の蛍光、ラマン放射光を分光分析す
るようにしてもよい。これにより、フローセル9内の局
所領域の試料成分の蛍光分析、ラマン分析等をすること
が可能となる。この場合、励起用光源LSとしては、蛍光
分析、ラマン分析等に使用する公知の励起用光源を用い
ることができるが、特に、波長選択可能なものとするの
が望ましい。
また、集光光学系12としては、フローセル9からの発
光光L1を点状又は線状に集光できるものであれば特に制
限はない。例えば、発光光検出用のフローセル9上にピ
ンホール又はスリットを設けてそのフローセル9からの
発光光を絞ることにより点状光源又は線状光源とするも
のでもよいし、あるいはフローセル9の形状の適合した
集光窓をもち射出端が点状又は線状になっている光コン
セントレイターをフローセル9上に設置するというもの
でもよい。ただし、高感度分光を必要とする場合には、
発光光L1を効率高く集光できるものが好ましい。そのよ
うな集光光学系12の例としては、例えば第4図(a)に
示すように、楕円面鏡M1の一方の焦点F1に直線状のフロ
ーセル9を配し、他方の焦点F2にスリットSを配して発
光光を線状光源とするもの、あるいは第4図(b)に示
すように、円筒面鏡M2の鏡面に平行に蛇行状のフローセ
ル9を配し、その結像位置にスリットSを配して発光光
を線状光源とするものなどをあげることができる。
ところで、本発明において用いる高感度多波長分光装
置にあっては、回折格子14の格子間隔をd、回折格子14
への入射角をi、回折格子14からの回折角をβ、波長を
λ、回折次数をmとすると、 sin i+sin β=mλ/d の関係を満足するように、フローセル9からの極微弱な
入射光が回折され、高感度1次元又は2次元光検出器16
上にスペクトル分光された像が結像されるので、高感度
1次元又は2次元光検出器16からの出力をコンピュータ
17によって分析し、その像の座標とその点の像強度を求
めることによって、液体クロマトグラフィー又はフロー
インジェクション分析のフローセル内の試料成分の化学
発光又は励起光による蛍光に基づく極微弱光の分光特性
を測定することができる。ところで、上記式において、
m=−1の関係を満足させるように、結像レンズ15及び
高感度1次元又は2次元光検出器16を配置する基本タイ
プ(−1次斜入射分光型)と、m=+1の関係を満足さ
せるように、結像レンズ15及び高感度1次元又は2次元
光検出器16を配置する基本タイプ(+1次斜入射分光
型)とがある。第5図(a)に−1次斜入射分光型を、
第5図(b)に+1次斜入射分光型を示す。これらの場
合、反射型回折格子14としてはブレーズド回折格子を用
い、図示のように配置する。
第5図(a)の−1次斜入射分光型及び第5図(b)
の+1次斜入射分光型分光器におけるコリメーターレン
ズ13と結像レンズ15の口径の関係を考えてみる。第6図
(a)は−1次斜入射分光型について検討するための光
路図であるが、コリメーターレンズ13の直径をDi、回折
格子14の幅をl、中心波長の回折角をβce、結像レンズ
15の直径をDoとすると、 Di=lcos i Do=lsin(2/π−βce)=lcos βce ところで、このタイプの場合、光検出器16に有効に光
が達するためには、i<βceであるから、 Di>Do の条件を満足するように結像レンズ15の口径を選ぶこと
が必要である。同じようにして、第6図(b)の+1次
斜入射分光型について検討すると、 Di=lcos i Do=lcos βce このタイプの場合、光検出器16に有効に光が達するた
めには、i>βceであるから、 Di<Do の条件を満足するように結像レンズ15の口径を選ぶこと
が必要である。この検討に基づいて、分光すべき光の種
類に応じて何れのタイプを選択すべきかを検討する。−
1次斜入射分光型は、ブレーズド回折格子を第6図
(a)に示したように、短い回折面にも入射光が当たる
ように配置しなければならないため、この面から反射光
が生じて迷光となり、バックグラウンド光を増加させ
る。これに対して、+1次斜入射分光型は、第6図
(b)に示すように、ブレーズド回折格子の短い回折面
には光が当たらないように回折格子が配置されるため、
迷光は生じないが、上記したように結像レンズ15の口径
がコリメーターレンズ13のそれより大きい必要がある。
ところが、本発明に用いる高感度多波長分光装置におい
ては、コリメーターレンズ13の口径は可能な限り大きな
ものであるので、それ以上の口径のレンズを結像レンズ
として用いることは困難である。したがって、+1次斜
入射分光型のものは、結像レンズ15としてコリメーター
レズ13の口径程度のものを用いる場合、損失の大きいも
のということができる。以上のとおりであるから、化学
発光のような極微弱な自然発光の分光検出のためには、
−1次斜入射分光型のものが適していると言える。これ
に対して、迷光の影響が重大なラマン散乱、蛍光等の励
起光による極微弱発光の分光においては、多少のロスは
あっても、迷光が信号光を隠さない+1次斜入射分光型
のものがより適していると言える。なお、当然ながら、
レンズの設計において、自由にコリメーターレンズ、結
像レンズの口径、Fナンバーが実現できるなら、化学発
光のような極微弱な自然発光の分光検出のためにも、+
1次斜入射分光型のものがより優れていると言うことが
できる。
なお、コリメーターレンズ13、結像レンズ15として
は、球面レンズからなるFナンバーの小さいレンズだけ
ではなく、非球面レンズ、フレネルレンズを用いてもよ
い。
このような高感度多波長分光装置によりフローセル9
内の試料からの光を分光分析するに際しては、上記第3
図に示したように、結像レンズ15から射出する回折光が
0次光以外に−1次光、+1次光等の光を含むので、さ
きに述べたように適当な次数の回折光の中心波長が高感
度1次元又は2次元光検出器16の中心にくるように結像
レンズ15を配置するとともに、回折格子14の角度を調節
する。
さて、高感度多波長分光装置について、第3図に示し
た基本タイプの変形として、コリメーターレンズと結像
レンズとを1つのレンズによって兼用させる分光装置が
考えられる。第7図(a)に示すように、反射型回折格
子14の前面にFナンバーの小さいコリメーター・結像兼
用レンズ18を配置し、この兼用レンズ18の焦点に入射ス
リットSを位置させ、回折格子14による回折光の兼用レ
ンズ18による像位置に高感度1次元又は2次元光検出器
16を配置して、試料からの光を垂直に入射させるもので
ある(垂直入射分光型)。入射スリットSと高感度1次
元又は2次元光検出器16との配置位置を交換して、第6
図(b)のように試料からの光を斜め方向から入射させ
るように配置してもよい(斜入射分光型)。図の(b)
の斜入射分光型のものが、図の(a)の垂直入射分光型
のものより、回折光の角度分解能に優れており、光束利
用では、図の(a)の垂直入射分光型のものが優れてい
る。
また、高感度1次元又は2次元光検出器16としては、
第8図に示したように、2次元光子計数管と低残像ビジ
コンを組み合わせたもの(VIMS)、第9図のような光子
計数型画像計測装置(PIAS)、さらには、ダイオード光
検出器をアレー状に並べたアレー光検出器、CCD等が含
まれる。
この中のVIMSとPIASについて、簡単に説明すると、第
8図において、2次元光子計数管21の光電面22に入射し
た光子は光電子に変換され、この光電子はメッシュ23、
電子レンズ24を経て2段接続のマイクロチヤンネルプレ
ート(MCP)25に入射して増幅され、出射面の蛍光面26
に当って輝点を形成する。この輝点はレンズ27によって
低残像ビジコン28の光電面に結像し、ビジコン28の出力
から光子が対応する輝点の2次元の位置がパルス信号と
し求められるので、この輝点の分布をとることによって
極微弱光スペクトル分布画像が求められる。
また、第9図のPIASにおいては、光電面22からMCP25
に至るまでの構成は第8図のものと同様であり(もっと
も、第9図のMCP25は3段接続である)、MCP25から出る
電子群はその後に配置されたシリコン半導体位置検出器
(PSD)29に入射し、電子衝撃効果によってさらに増幅
され、パルス信号としてPSD29から出力される。PSD29は
その周辺に4個の信号出力電極30を持つ電荷分配型の位
置検出器であり、PSD29内部で発生した電荷は、表面の
抵抗層を経てこれら4個の電極30にその発生位置に応じ
て分配される。この結果、PSD29に入射する電子群の重
心位置すなわち、輝点位置に対応する信号が4個の電極
30から得られる。PSD29から得られるパルス信号はアン
プ32で増幅された後、位置演算装置31に導かれる。ここ
で、これらパルス信号を積分回路33で積分して各電極30
からの電荷量を求める。次に、これらの信号を加減算回
路34に導き、ウィンドゲート35を介して除算器36に導い
て位置信号に変換し、AD変換器37でAD変換して出力す
る。この出力信号を処理して輝点の分布を求め、極微弱
光スペクトル分布画像を得ることができる。なお、第8
図、第9図において、符号L0は入射光子(矢印)を光電
面22上に結像させる対物レンズを示している。
ところで、高感度多波長分光装置として、第3、5、
7図に示したものに限らず、分光器を2以上多段に配置
して、角分散を数回回折光を利用して加分散配列にする
ことにより、全体の分解能を向上させたものを用いるこ
ともできる。もちろん、差分散の配列もできる。このよ
うな多重多波長分光装置の構成例を第10図に示す。図中
(a)は、第5図(a)の−1次斜入射分光型分光器A1
〜A4を4段直列に配列して、全体として方形に構成した
ものであり、同じく(b)のものは、第5図(b)の+
1次斜入射分光型分光器A1〜A4を4段直列に配列して、
全体として方形に構成したものであり、(c)のもの
は、+1次斜入射分光型分光器A1〜A3を3段直列に配列
して構成したものである。なお、段数は上記に限られる
ものではない。
以上のように、本発明の高感度多波長発光蛍光分光方
法及び装置において、集光光学系12、Fナンバーの小さ
いコリメータレンズ13、反射型回折格子14、結像レンズ
15、高感度1次元又は2次元光検出器16を有する高感度
多波長分光装置は、化学発光、励起光による蛍光に基づ
く極微弱光の分光分析に際して、次のような優れた作用
を実現する。すなわち、集光光学系12が発光点を点状又
は線状光源としてコリメータレンズ13に入射させるの
で、コリメータレンズ13は発光点からの光を漏れなく平
行度の高い平行光線にして反射型回折格子14に入射させ
る。したがって、反射型回折格子14はその分解能を十分
に発揮するとともに極微弱光を分光するようになる。ま
た、コリメータレンズ13と結像レンズ15とは、反射型回
折格子14に極近接して配置できるので、装置の小型化が
実現できる。さらに、コリメータレンズ13と結像レンズ
15にはFナンバーの可能な限り小さい明るいレンズを使
用することができるので、両レンズの合成系となる装置
全体の明るさを十分に大きくすることができ、高感度1
次元又は2次元光検出器16と組み合わせることにより、
従来困難であった液体クロマトグラフィー又はフローイ
ンジェクション分析のフローセル内の試料成分の化学発
光又は励起光による蛍光に基づく極微弱光の同時多波長
分析が可能になる。
〔発明の効果〕
以上、詳しく説明したように、本発明の高感度多波長
発光蛍光分光方法及び装置は、液体クロマトグラフィー
又はフローインジェクション分析の検出系に高感度微量
分析法として優れている化学発光分析又は励起光による
蛍光分析を利用し、さらに、それらの分析装置として極
微弱光の多波長同時分析が可能な高感度多波長分光装置
を用いるので、液体クロマトグラフィー又はフローイン
ジェクション分析による分析において、高感度かつ多面
的な分析情報が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の高速液体クロマトグラフィーに関する
高感度多波長発光蛍光分光装置の配置図、第2図は本発
明のフローインジェクション分析に関する高感度多波長
発光蛍光分光装置の配置図、第3図は本発明の高感度多
波長発光蛍光分光装置に使用する高感度多波長分光装置
の光学配置図、第4図は本発明において用いる高感度多
波長分光装置における集光光学系の斜視図、第5図は第
3図の高感度多波長分光装置の2つの基本タイプの光学
配置図、第6図は第5図の基本タイプを検討するための
光路図、第7図は本発明において用いる高感度多波長分
光装置の他の実施例の光学配置図、第8図は本発明にお
いて用いる2次元光子計数管と低残像ビジコンを組み合
わせたものの断面図、第9図は他の光子計数型画像計測
装置の断面図、第10図は本発明において用いる高感度多
重多波長分光装置の光学配置図、第11図は従来の高速液
体クロマトグラフィーに関する発光分光装置の配置図で
ある。 HPLC:高速液体クロマトグラフィーの本体部、Pa、Pb:ポ
ンプ、Ls:励起用光源、M1:楕円面鏡、M2:円筒面鏡、S:
スリット、L0:対物レンズ、A1〜A4:分光器、1:溶出溶
剤、2:液送用ポンプ、3:試料、4:インジェクター、5:カ
ラム、6:紫外吸収検出器、7:液送出ポンプ、8、8a、8
b:発光試薬、9:フローセル、10:高感度多波長分光装
置、11:記録器、12:集光光学系、13:コリメーターレン
ズ、14:反射型回折格子、15:結像レンズ、16:高感度1
次元又は2次元光検出器、17:コンピュータ、18:コリメ
ーター・結像兼用レンズ、21:2次元光子計数管、22:光
電面、23:メッシュ、24:電子レンズ、25:マイクロチヤ
ンネルプレート(MCP)、26:蛍光面、27:レンズ、28:低
残像ビジコン、29:シリコン半導体位置検出器(PSD)、
30:信号出力電極、31:位置演算装置、32:アンプ、33:積
分回路、34:加減算回路、35:ウィンドゲート、36:除算
器、37:AD変換器、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名越 利之 宮城県仙台市太白区八木山香澄町23―21 (72)発明者 稲場 文男 宮城県仙台市太白区八木山南1―13―1

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料を液体クロマトグラフィーによって分
    離し、フローセル内の分離された試料成分に発光試薬を
    混入して化学発光させ、その発光光を分光検出する多波
    長発光蛍光分光方法において、発光光を分光検出する手
    段として、発光光を点状光源又は線状光源とする集光光
    学系、この集光光学系による点状光源又は線状光源を焦
    点としそこから出る光をとり入れて平行にする明るいコ
    リメーターレンズ、コリメーターレンズによって平行に
    された光を回折して分光する反射型回折格子、反射型回
    折格子によって分光された平行光を像面上にスペクトル
    像として結像する結像レンズ、及び、結像レンズの像面
    上に配置された高感度1次元又は2次元光検出器からな
    る高感度多波長分光装置を用いることを特徴とする高感
    度多波長発光蛍光分光方法。
  2. 【請求項2】試料を液体クロマトグラフィーによって分
    離し、フローセル内の分離された試料成分に励起光を照
    射して発光させ、その発光光を分光検出する多波長発光
    蛍光分光方法において、発光光を分光検出する手段とし
    て、発光光を点状光源又は線状光源とする集光光学系、
    この集光光学系による点状光源又は線状光源を焦点とし
    そこから出る光をとり入れて平行にする明るいコリメー
    ターレンズ、コリメーターレンズによって平行にされた
    光を回折して分光する反射型回折格子、反射型回折格子
    によって分光された平行光を像面上にスペクトル像とし
    て結像する結像レンズ、及び、結像レンズの像面上に配
    置された高感度1次元又は2次元光検出器からなる高感
    度多波長分光装置を用いることを特徴とする高感度多波
    長発光蛍光分光方法。
  3. 【請求項3】フローインジェクション分析のフローセル
    内で試料成分と発光試料とを混合して化学発光させ、そ
    の発光光を分光検出する多波長発光蛍光分光方法におい
    て、発光光を分光検出する手段として、発光光を点状光
    源又は線状光源とする集光光学系、この集光光学系によ
    る点状光源又は線状光源を焦点としそこから出る光をと
    り入れて平行にする明るいコリメーターレンズ、コリメ
    ーターレンズによって平行にされた光を回折して分光す
    る反射型回折格子、反射型回折格子によって分光された
    平行光を像面上にスペクトル像として結像する結像レン
    ズ、及び、結像レンズの像面上に配置された高感度1次
    元又は2次元光検出器からなる高感度多波長分光装置を
    用いることを特徴とする高感度多波長発光蛍光分光方
    法。
  4. 【請求項4】高感度多波長分光装置の集光光学系が、楕
    円面鏡の一方の焦点に直線状のフローセルを配し、他方
    の焦点にスリットを配してなるものであることを特徴と
    する請求項1から3のいずれかに記載の高感度多波長発
    光蛍光分光方法。
  5. 【請求項5】高感度多波長分光装置の集光光学系が、円
    筒面鏡に平行に蛇行状のフローセルを配し、その結像位
    置にスリットを配してなるものであることを特徴とする
    請求項1から3のいずれかに記載の高感度多波長発光蛍
    光分光方法。
  6. 【請求項6】高感度多波長分光装置が、化学発光等の極
    微弱な自然発光の分光検出のために、反射型回折格子と
    してブレーズド回折格子を用い、分光装置の各構成要素
    を−1次の回折光をスペクトル像としてとり出し可能に
    配置してなるものであることを特徴とする請求項1、3
    から5のいずれかに記載の高感度多波長発光蛍光分光方
    法。
  7. 【請求項7】高感度多波長分光装置が、ラマン散乱、蛍
    光等の励起光による極微弱発光の分光検出のために、反
    射型回折格子としてブレーズド回折格子を用い、分光装
    置の各構成要素を+1次の回折光をスペクトル像として
    とり出し可能に配置してなるものであることを特徴とす
    る請求項2、4又は5のいずれかに記載の高感度多波長
    発光蛍光分光方法。
  8. 【請求項8】高感度多波長分光装置が、コリメーターレ
    ンズと結像レンズとを1つの兼用レンズによって兼用さ
    せ、この兼用レンズを反射型回折格子の前面に平行に配
    置し、兼用レンズ7の焦点面上に集光光学系による点状
    光源又は線状光源を位置させ、兼用レンズの像面上に高
    感度1次元又は2次元光検出器を配置してなるものであ
    ることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の
    高感度多波長発光蛍光分光方法。
  9. 【請求項9】高感度多波長分光装置が、請求項1から8
    のいずれかに記載の、集光光学系、コリメーターレン
    ズ、反射型回折格子、及び、結像レンズからなる分光器
    を、同種又は種類を異ならして2以上多段に配置し、加
    分散又は差分散の配列にすることにより、数回回折光を
    利用して角分散を制御することを特徴とする高感度多波
    長発光蛍光分光方法。
  10. 【請求項10】試料を成分に分離する液体クロマトグラ
    フィー装置と、フローセル内の分離した試料成分に発光
    試薬を混入する試薬混入手段と、試料成分と発光試薬か
    ら生じる化学発光光を分光検出する手段とからなる多波
    長発光蛍光分光装置において、分光検出手段として、請
    求項1、4から6、8又は9のいずれかに記載の高感度
    多波長分光装置を用いたことを特徴とする高感度多波長
    発光蛍光分光装置。
  11. 【請求項11】試料成分と発光試料とを混合する試薬混
    合手段を有するフローインジェクション分析器と、試料
    成分と発光試薬から生じる化学発光光を分光検出する手
    段とからなる多波長発光蛍光分光装置において、分光検
    出手段として、請求項3から6、8又は9のいずれかに
    記載の高感度多波長分光装置を用いたことを特徴とする
    高感度多波長発光蛍光分光装置。
  12. 【請求項12】試料を成分に分離する液体クロマトグラ
    フィー装置と、フローセル内の分離した試料成分に励起
    光を照射して発光させる励起光照射手段と、励起光の照
    射による発光光を分光検出する手段とからなる多波長発
    光蛍光分光装置において、分光検出手段として、請求項
    2、4、5、7から9のいずれかに記載の高感度多波長
    分光装置を用いたことを特徴とする高感度多波長発光蛍
    光分光装置。
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