JP2667098C

JP2667098C -

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Publication number: JP2667098C
Authority: JP
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Publication date: 1999-12-06

Description

【発明の詳細な説明】【０００１】【産業上の利用分野】本発明は、鋼板に張力を付与する皮膜が密着性良く鋼板表面に形成された方向
性電磁鋼板の製造方法に関する。【０００２】【従来の技術】方向性電磁鋼板は（１１０）〔００１〕を主方位とする結晶組織を有し、磁気
鉄芯材料として多用されており、エネルギーロスを少なくするために鉄損の少な
い材料が求められている。鉄および５％以下の珪素を含有する鉄合金は結晶磁気
異方性が大きいので、外部張力を付与すると磁区の細分化が起こり、鉄損の主要
素である渦電流損失を低下させることができる。従って、５％以下の珪素を含有
する方向性珪素鋼板の鉄損低減には鋼板に張力を付与することが有効である。【０００３】ここで、皮膜形成による鋼板への付与張力は、一定の鋼板厚さに対し、皮膜厚
さが大きくなるに従って増大するが、厚膜化は占積率の低下をまねく。従って、なるべく薄い膜厚で鋼板への付与張力の大きい皮膜が好ましい。従来より工業的
に行われている方法として、仕上焼鈍工程で鋼板表面の酸化物と焼鈍分離剤とが
反応して生成するフォルステライトを主体とする皮膜（グラス皮膜）は、鋼板に
与える張力が大きく、鉄損低減に効果がある。さらに、特開昭４８−３９３３８
号公報で開示されたコロイド状シリカと燐酸塩を主成分とするコーティング液を
焼き付けることによって、絶縁皮膜を形成する方法は、鋼板に対して張力付与の
効果が大きく、鉄損低減に有効である。従って、仕上焼鈍工程で生じた皮膜を残
したうえで張力性の絶縁コーティングを施すことが一般的な方向性電磁鋼板の製
造方法となっている。【０００４】しかしながら、この方法によって得られた鋼板は、セラミック皮膜／鋼板地鉄
の界面の構造が乱れており、これが磁区の移動の障害となって鋼板の鉄損低減に
限界を来していた。そこで鋼板表面に上述のグラス皮膜等がない、鏡面化ないし
は平坦化した鋼板表面にセラミック質の張力皮膜を形成しようとする試みが近年
数多くなされている。これらの試みに見られる共通の技術課題は、如何に密着性
の高い皮膜を鋼板上に形成するかである。【０００５】これらの試みのうちの一つの技術領域として、ドライプロセスによる皮膜形成
があり、例えば特公昭５６−４１５０号公報、特開昭６１−２０１７３２号公報
、特公昭６３−５４７６７号公報、特開平２−２１３４８３号公報等に記載され
ている。これらは具体的には真空蒸着、化学蒸着、スパッタリング、イオンプレ
ーティング、イオンインプランテーション、溶射等によるプロセスである。これ
らドライプロセスの技術的な特徴は、鏡面化ないしは平坦化された鋼板の金属表
面に、例えば予備酸化処理等の下地処理を施さずとも、直接容易に密着性の高い
皮膜を形成することができることにある。この方法の利点は、鋼板地鉄と皮膜の
界面が平滑であるので鉄損等鋼板の磁気的性質に悪い影響を与える可能性がない
ことである。【０００６】しかしながら、ドライプロセスによる張力皮膜にはかなりの効果が認められるものの、方法によっては高真空を必要としたり、また実用に供する膜厚を得るに
は長時間が必要であったり等生産性が極めて低く、高いコストを要する等の問題
点を抱えており、電磁鋼板に対しては工業的な皮膜形成方法とはなりがたい。【０００７】また、これらの試みのうち他の技術領域として、近年ゾル・ゲル法を用いた皮
膜形成方法が考案されている。例えば、特開平２−２４３７７０号公報にはゾル
・ゲル法による酸化物皮膜の形成について、また特開平３−１３０３７６号公報
には平滑化した鋼板の表面にゾル・ゲル法によりゲル膜を形成し、その薄膜上に
絶縁皮膜を形成する技術が開示されている。これらの技術では従来の塗布・焼き
付けの工業的プロセスによる皮膜形成が可能であるものの、鏡面化ないしは平滑
化された鋼板に対して皮膜を形成しなければならないため、焼き付け時あるいは
ゲル化、乾燥等の工程で剥離が生じることが多く、密着性の良好な皮膜、特に鋼
板に大きな張力を付与できるほどのある程度厚い皮膜（例えば０．５μｍ以上の
厚みの膜）を形成することは困難であるという問題があった。従ってこの場合は
、鋼板地鉄と張力皮膜を強固に密着させることが必須となる。【０００８】【発明が解決しようとする課題】本発明は仕上焼鈍後の方向性電磁鋼板上に、張力を付与する酸化物系皮膜を形
成する際に、皮膜に鋼板への高い密着性を与えることを課題とするものであり、
結果として鋼板に高い張力を有効に付与できる皮膜を有する方向性電磁鋼板を提
供することを目的とするものである。【０００９】【課題を解決するための手段】本発明は、仕上焼鈍後の方向性電磁鋼板表面に酸化アルミニウム−酸化硼素系
の張力皮膜を形成するにあたり、該張力皮膜形成のための塗布原料に金属塩の微
粒子、および／または水溶性の金属塩を０．１〜５重量％添加した液を塗布し乾
燥後、５００〜１３５０℃で焼き付け、酸化物皮膜を形成する低鉄損方向性電磁
鋼板の製造方法である。また、該金属塩の塩が酸化物、水酸化物、硝酸塩、酢酸
塩であり、該金属塩の金属がＶ，Ｃｒ，Ｍｎ，Ｆｅ，Ｃｏ，Ｎｉ，Ｃｕ，Ｚｎ，Ｓｎである。【００１０】【作用】電磁鋼板上に張力皮膜を形成する方法として、工業的には前記したように湿式
法、すなわちコーティング液を鋼板に塗布して、乾燥・焼き付ける方法が有用で
ある。この場合、できるだけ大きな張力を付与することが電磁鋼板の鉄損値をよ
り低減し、かつ占積率を増加させるために有効である。そのため、皮膜の材質と
しては、熱膨張係数の小さい酸化アルミニウム−酸化硼素系が好適に用いられる
。【００１１】また、本発明において張力皮膜を形成すべき鋼板は仕上焼鈍が完了したもので
あれば、いかなる鋼板も使用可能である。代表的に用いられる鋼板としては、マ
グネシア粉末を焼鈍分離剤として仕上焼鈍を行ったもの、またこの鋼板から表面
に生成したフォルステライト層（グラス皮膜）を酸に浸漬して除去したもの等で
ある。さらに、これに水素中で平坦化焼鈍を施すかあるいは化学研磨、電解研磨
等の鏡面化処理を施す等の平坦化処理をすると鉄損値が著しく低減される場合に
は、これらの処理を施した鋼板も好適に使用される。また酸化アルミニウム等皮
膜形成に対して不活性な粉末を塗布して皮膜を形成させない条件で仕上焼鈍を行
って得た、表面に殆ど皮膜の存在しない鋼板も特に支障なく使用可能である。【００１２】本発明の要点は、張力皮膜形成のための酸化アルミニウム−酸化硼素系の主原
料に、金属塩の微粒子、および／または水溶性の金属塩を添加しておくことにあ
る。これらの金属塩（焼き付け後は概ねそれぞれの金属の酸化物になる）は、適
度に設定された酸素分圧の雰囲気下で起こる下地物質（珪素鋼表面、ないしはフ
ォルステライト等のセラミックス表面）との反応により、張力皮膜の下地物質と
の接着力を高めることを発明者らは見い出した。この目的のため、これらの金属塩の添加量は０．１〜５重量％が適当であり、
より好ましくは０．３〜３重量％である。添加量が０．１％未満では張力皮膜の
下地への密着に対して効果がない。他方、添加量が５％を超えると張力皮膜が変性しすぎて皮膜の鋼板への張力付与効果が小さくなって好ましくない。【００１３】ここでいう金属塩の金属は、鋼板界面なり、グラス皮膜等の表面なりに残存す
ることにより鋼板の磁気特性に好ましくない影響を与えるものでなければ特に限
定されるものではないが、前記したように工業的に設定しやすい酸素分圧の雰囲
気下での反応にあずかるという点から、好ましくは鉄族の遷移金属であるＶ，Ｃ
ｒ，Ｍｎ，Ｆｅ，Ｃｏ，Ｎｉ，Ｃｕ等や、これ以外にＺｎ，Ｓｎ等が好ましい。
またそれらの金属の塩としては特に限定しないものの、好ましくは酸化物、水酸
化物、硝酸塩、酢酸塩等が一般的には利用しやすい。【００１４】張力皮膜形成のための酸化物主原料の形態としては、酸化アルミニウム−酸化
硼素系の微粒子が均一に良く分散した液（いわゆるゾル等）を使用することがで
きる。これは、鋼板上に均一に塗布するためには細かい微粒子が良く、好ましく
は数nmから数十nmサイズの微粒子である。微粒子径が大きくなって１００nmを顕
著に超えると、焼き付け後の皮膜が不均一なものとなる傾向がある。これらの原料液に上記した金属塩の微粒子、および／または水溶性の金属塩を
添加した後、良く撹拌・混合して塗布液を作製する。【００１５】これらの塗布液をロールコーター等のコーター法、ディップ法、あるいは電気
泳動法等従来公知の方法によって鋼板表面に塗布し、乾燥後、５００〜１３５０
℃の温度で焼き付けることによって密着性の高い張力皮膜が形成される。焼き付
け時の雰囲気は窒素等の不活性ガス雰囲気、窒素−水素混合ガス等の還元性雰囲
気等から選択することができる。このような非酸化性雰囲気を設定した場合でも
、工業的な焼き付け工程においては塗布液から蒸発する水蒸気や、焼き付け炉内
に不可避的に取り込まれる空気により、下地物質／塗布皮膜界面には適度の酸素
分圧の雰囲気が供給される。焼き付け温度が５００℃未満の場合、塗布した前駆
体等の原料が緻密なセラミックスとならない場合があり、また焼き付け温度と使
用温度（多くの場合常温付近）との差が小さいため張力が充分に付与されないの
で好ましくない。一方、１３５０℃超の場合、特に大きな不都合はないものの経済的でなく、より好ましくは１２５０℃以下である。【００１６】以上の工程を経ることにより、特に塗布・焼き付けの繰り返しを必要とせずに
均質で、かつ大きな張力が付与できる高密着性の皮膜を容易に形成することがで
きる。ここでいう密着性とは、かかる皮膜を表面に形成した鋼板を、例えば２０
mmφのロール棒を用いてこの棒の周りに１８０度の角度ほど曲げる試験を行った
場合に皮膜が全く剥離しない程度の密着性である。以下に本発明を実施例を用いて説明するが、本発明はかかる実施例に限定され
ない。【００１７】【実施例】実施例１Ｓｉを３．２％含有する脱炭焼鈍済みの方向性電磁鋼板に、皮膜形成に対して
不活性である粉末を塗布、仕上焼鈍を施すことにより鏡面二次再結晶材を得た。
次いで、この鋼板上に、市販のアルミナゾル（固形分１０％を含む）１００重量
部、メタ硼酸５重量部、ＦｅＯＯＨの微粒子を０．２重量部、および蒸留水より
なるコーティング液を片面４ｇ／ｍ²となるように塗布し、乾燥・ゲル化後、８
５０℃で３分間、乾燥したＮ₂中で焼き付けを行い、厚み１．５μｍの張力皮膜
を形成した。【００１８】得られた鋼板は、張力皮膜である硼酸アルミニウムが鋼板に付いていることが
表面部分のＸ線回折および電子顕微鏡観察によりわかった。皮膜の鋼板への密着
性は極めて良好であり、２０mmφのロール棒による１８０度曲げ試験によっても
皮膜の剥離は全く認められなかった。また、張力皮膜形成前と形成後の鉄損Ｗ₁₇
_/50を測定したところ、それぞれ１．０３Ｗ/kgおよび０．７７Ｗ/kgであり、張
力皮膜による顕著な鉄損低減効果が得られた。【００１９】比較例１コーティング液中にＦｅＯＯＨ微粒子を含有させないこと以外は、実施例１と全く同様のことを行った。得られた鋼板は、Ｘ線回折や電子顕微鏡による観察の
結果、結晶性の低い硼酸アルミニウムの皮膜（厚み約１．５μｍ）が鋼板上に形
成されていた。この鋼板を２０mmφのロール棒による１８０度曲げ試験に供した
ところ、全面積の合計約４０％の部分から皮膜の剥離が観察された。【００２０】実施例２実施例１と同じ鏡面二次再結晶材を得た後、この鋼板上に市販のアルミナゾル
（固形分１０％を含む）１００重量部、メタ硼酸５重量部、硝酸ニッケル０．１
重量部、および蒸留水よりなるゾルを片面５ｇ／ｍ²となるように塗布し、乾燥
・ゲル化後、１０００℃で２分間、乾燥したＮ₂：Ｈ₂＝９５％：５％中で焼き付
けを行った。【００２１】得られた鋼板は、張力皮膜である硼酸アルミニウムが鋼板に付いており、実施
例１と同様な曲げ試験を行った結果、皮膜の剥離は全く認められず、密着性は極
めて良好であった。張力皮膜の厚みは約２μｍであった。また、張力皮膜形成前
と形成後の鉄損Ｗ_17/50を測定したところ、それぞれ１．０５Ｗ/kgおよび０．７
８Ｗ/kgであり、皮膜形成により顕著な鉄損低減効果が得られた。【００２２】比較例２コーティング液中に硝酸ニッケルを含有させないこと以外は実施例２と全く同
様のことを行った。得られた鋼板は、Ｘ線回折や電子顕微鏡による観察の結果、
硼酸アルミニウムの皮膜（厚み約２μｍ）が鋼板上に形成されていたが、２０mm
φロールによる１８０度曲げ試験の結果、全面積の３０％の部分から皮膜の剥離
が観察された。【００２３】実施例３Ｓｉを３．２％含有する仕上焼鈍後のグラス皮膜（フォルステライト皮膜）を
有する方向性電磁鋼板に、実施例１と同様にして調製したＦｅＯＯＨ微粒子を含
むコーティング液を片面４ｇ／ｍ²となるように塗布し、乾燥・ゲル化後、８５０℃で３分間、乾燥したＮ₂中で焼き付けを行った。【００２４】得られた鋼板は、硼酸アルミニウムの皮膜が下地のグラス皮膜と密着しており
、実施例１と同様な曲げ試験を行った結果、皮膜の剥離は全く認められず、密着
性は極めて良好であった。張力皮膜の厚みは１．５μｍであった。また、張力皮
膜形成前と形成後の鉄損Ｗ_17/50を測定したところ、それぞれ０．９６Ｗ/kgおよ
び０．８３Ｗ/kgであり、顕著な鉄損低減効果が得られた。【００２５】比較例３コーティング液中にＦｅＯＯＨ微粒子を含有させないこと以外は、実施例３と
全く同様のことを行った。得られた鋼板は、Ｘ線回折や電子顕微鏡による観察の
結果、結晶性の低い硼酸アルミニウムの皮膜（厚み約１．５μｍ）が下地のグラ
ス皮膜上に形成されていたが、この鋼板を２０mmφのロール棒による１８０度曲
げ試験に供したところ、全面積の合計約２０％の部分から皮膜の剥離が観察され
た。【００２６】実施例４Ｓｉを３．２％含有する仕上焼鈍後のグラス皮膜（フォルステライト皮膜）を
有する方向性電磁鋼板に、市販のアルミナゾル（固形分１０％を含む）１００重
量部、メタ硼酸５重量部、酢酸スズ０．２重量部、および蒸留水よりなるコーテ
ィング液を片面４ｇ／ｍ²となるように塗布し、乾燥・ゲル化後、８５０℃で３
分間、乾燥したＮ₂中で焼き付けを行った。【００２７】得られた鋼板は、Ｘ線回折や電子顕微鏡観察の結果、張力皮膜（厚み約１．５
μｍ）の硼酸アルミニウムが下地のグラス皮膜に密着していることがわかった。
この密着性は極めて良好であり、２０mmφのロール棒による１８０度曲げ試験に
よっても皮膜の剥離は全く認められなかった。また、この張力皮膜形成前と形成
後の鉄損Ｗ_17/50を測定したところ、それぞれ０．９６Ｗ/kgおよび０．８４Ｗ/k
gであり、張力皮膜による顕著な鉄損低減効果が得られた。【００２８】比較例４コーティング液中に酢酸スズを含有させないこと以外は、実施例４と全く同様
なことを行った。得られた鋼板はＸ線回折や電子顕微鏡観察の結果、結晶性の低
い硼酸アルミニウムの皮膜（厚み約１．５μｍ）が下地のグラス皮膜上に形成さ
れていたが、この鋼板を２０mmφのロール棒による１８０度曲げ試験に供したと
ころ、全面積の合計約２０％の部分から皮膜の剥離が観察された。【００２９】【発明の効果】本発明は、仕上焼鈍後の方向性電磁鋼板上に極めて密着性の良いセラミック質
張力皮膜が形成された方向性電磁鋼板を得るものであり、その工業的効果は甚大
である。Description: BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a method for producing a grain-oriented electrical steel sheet, in which a film for imparting tension to a steel sheet is formed on the surface of the steel sheet with good adhesion. 2. Description of the Related Art A grain-oriented electrical steel sheet has a crystal structure having a main orientation of (110) [001], is frequently used as a magnetic iron core material, and reduces iron loss in order to reduce energy loss. Less material is required. Since an iron alloy containing iron and 5% or less of silicon has a large magnetocrystalline anisotropy, when an external tension is applied, the magnetic domains are subdivided, and eddy current loss, which is a main element of iron loss, can be reduced. . Therefore, it is effective to apply tension to the steel sheet to reduce the iron loss of the grain-oriented silicon steel sheet containing 5% or less of silicon. [0003] Here, the tension applied to the steel sheet by the film formation increases as the film thickness increases with respect to a constant steel sheet thickness. However, increasing the film thickness causes a decrease in the space factor. Therefore, a film having as small a thickness as possible and having a large applied tension to the steel sheet is preferable. Conventionally, as a method that has been industrially performed, a film (glass film) mainly composed of forsterite generated by a reaction between an oxide on the surface of a steel sheet and an annealing separator in a finish annealing step has a low tension applied to the steel sheet. Large, effective in reducing iron loss. Further, JP-A-48-39338
The method of forming an insulating film by baking a coating solution containing colloidal silica and phosphate as the main components disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open Publication No. H11-207, has a large effect of imparting tension to a steel sheet and is effective in reducing iron loss. . Therefore, it is a general method of manufacturing a grain-oriented electrical steel sheet to apply a tensile insulating coating while leaving a film generated in the finish annealing step. However, in the steel sheet obtained by this method, the structure of the interface between the ceramic film and the steel sheet iron is disturbed, which hinders the movement of the magnetic domain and limits the reduction of iron loss of the steel sheet. . Therefore, in recent years, many attempts have been made to form a ceramic tension film on a mirror-finished or flattened steel sheet surface without the above-mentioned glass film or the like on the steel sheet surface. A common technical problem found in these attempts is how to form a highly adherent film on a steel sheet. [0005] One technical area of these attempts is the formation of a film by a dry process. For example, Japanese Patent Publication No. 56-4150, Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-201732, Japanese Patent Publication No. 63-54767, and It is described in, for example, JP-A-2-213483. Specifically, these are processes by vacuum evaporation, chemical vapor deposition, sputtering, ion plating, ion implantation, thermal spraying, and the like. The technical feature of these dry processes is that a high-adhesion film can be easily formed directly on the metal surface of a mirror-finished or flattened steel sheet without applying a base treatment such as a preliminary oxidation treatment. It is in. The advantage of this method is that since the interface between the steel sheet and the coating is smooth, there is no possibility that the magnetic properties such as iron loss are adversely affected. [0006] However, although a considerable effect is recognized on the tension film by the dry process, depending on the method, a high vacuum is required, and a long time is required to obtain a practically usable film thickness. However, it has problems such as extremely low cost and high cost, and it is difficult to be an industrial film forming method for magnetic steel sheets. Further, as another technical area of these attempts, a film forming method using a sol-gel method has recently been devised. For example, JP-A-2-243770 discloses formation of an oxide film by a sol-gel method, and JP-A-3-130376 discloses a method of forming a gel film on a smoothed steel sheet surface by a sol-gel method. A technique for forming an insulating film on the thin film is disclosed. With these technologies, it is possible to form a film by the conventional industrial process of coating and baking, but since a film must be formed on a mirror-finished or smoothed steel sheet, it can be formed at the time of baking or gelling, drying, etc. It is said that it is difficult to form a film having good adhesion, especially a film having a certain thickness (for example, a film having a thickness of 0.5 μm or more) that can apply a large tension to a steel sheet. There was a problem. Therefore, in this case, it is essential that the steel sheet base iron and the tension film are firmly adhered to each other. SUMMARY OF THE INVENTION [0008] The present invention provides high adhesion to a steel sheet when forming an oxide film for imparting tension on a grain-oriented electrical steel sheet after finish annealing. The challenge is to
As a result, it is an object of the present invention to provide a grain-oriented electrical steel sheet having a coating capable of effectively applying high tension to the steel sheet. Means for Solving the Problems The present invention relates to forming an aluminum oxide-boron oxide- based tension film on the surface of a grain-oriented electrical steel sheet after finish annealing, as a coating material for forming the tension film. A low iron loss grain-oriented electrical steel sheet which applies a liquid containing 0.1 to 5% by weight of a metal salt fine particle and / or a water-soluble metal salt added thereto, and after drying, is baked at 500 to 1350C to form an oxide film. It is a manufacturing method of. The metal salt is an oxide, a hydroxide, a nitrate, or an acetate, and the metal of the metal salt is V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, or Sn. As a method of forming a tension film on an electromagnetic steel sheet, a wet method, that is, a method of applying a coating solution to a steel sheet, drying and baking as described above is useful industrially. In this case , applying the largest possible tension is effective for further reducing the iron loss value of the magnetic steel sheet and increasing the space factor. Therefore , as a material of the film, an aluminum oxide-boron oxide system having a small coefficient of thermal expansion is preferably used. In the present invention, any steel sheet on which a tension film is to be formed can be used as long as the finish annealing has been completed. Typical steel sheets include those subjected to finish annealing using magnesia powder as an annealing separator, and those obtained by immersing a forsterite layer (glass film) formed on the surface from this steel sheet in an acid and removing the steel. . Further, if the iron loss value is significantly reduced by performing a flattening annealing in hydrogen or a mirror finishing process such as chemical polishing or electrolytic polishing, these processes are performed. A used steel plate is also suitably used. Further, a steel sheet having almost no film on the surface, which is obtained by applying a powder which is inert to the formation of a film such as aluminum oxide and performing finish annealing under the condition that the film is not formed, can be used without any particular problem. The gist of the present invention is to add fine particles of a metal salt and / or a water-soluble metal salt to an aluminum oxide-boron oxide-based main material for forming a tension film. These metal salts (generally become oxides of each metal after baking) react with the underlying material (silicon steel surface or ceramic surface such as forsterite) generated in an atmosphere with a moderately set oxygen partial pressure. The inventors have found that the reaction enhances the adhesion of the tension film to the underlying material. For this purpose, the addition amount of these metal salts is suitably 0.1 to 5% by weight,
More preferably, it is 0.3 to 3% by weight. If the addition amount is less than 0.1%, there is no effect on the adhesion of the tension film to the base. On the other hand, if the addition amount exceeds 5%, the tension film is excessively denatured, and the effect of applying the film to the steel sheet with a small tension is not preferable. The metal of the metal salt referred to here is not particularly limited as long as it does not adversely affect the magnetic properties of the steel sheet by remaining at the interface of the steel sheet or the surface of a glass film or the like, As described above, from the viewpoint of participating in a reaction under an atmosphere of an oxygen partial pressure that is easily set industrially, V, C, which is an iron group transition metal, is preferably used.
Preferred are r, Mn, Fe, Co, Ni, Cu and the like, and other than these, Zn, Sn and the like.
The salts of these metals are not particularly limited, but preferably oxides, hydroxides, nitrates, acetates and the like are generally easy to use. The main form of the oxide for forming the tension film is aluminum oxide-oxidation.
A liquid (so-called sol or the like) in which boron-based fine particles are uniformly and well dispersed can be used. The fine particles are preferably fine particles for uniform application on a steel plate, and are preferably particles having a size of several nm to several tens nm. If the diameter of the fine particles is too large and significantly exceeds 100 nm, the film after baking tends to be non-uniform. After adding the above-mentioned fine particles of the metal salt and / or the water-soluble metal salt to these raw material liquids, the mixture is thoroughly stirred and mixed to prepare a coating liquid. [0015] These coating solutions are applied to the surface of a steel sheet by a conventionally known method such as a coater method such as a roll coater, a dipping method, or an electrophoresis method, and dried, and then 500 to 1350.
By baking at a temperature of ° C., a tension film having high adhesion is formed. The atmosphere at the time of baking can be selected from an inert gas atmosphere such as nitrogen and a reducing atmosphere such as a nitrogen-hydrogen mixed gas. Even when such a non-oxidizing atmosphere is set, in an industrial baking process, an appropriate amount of water is vaporized from the coating solution or air unavoidably taken into the baking furnace, so that the interface between the base material and the coating film is moderate. An atmosphere of oxygen partial pressure is provided. If the baking temperature is lower than 500 ° C., the raw material such as the applied precursor may not be a dense ceramic, and the tension between the baking temperature and the use temperature (often around room temperature) is small, so that sufficient tension is applied. It is not preferable because it is not performed. On the other hand, when the temperature is higher than 1350 ° C., it is not economical, although there is no particular serious inconvenience. [0016] Through the above steps, it is possible to easily form a uniform and highly adherent film to which a large tension can be imparted without particularly requiring repetition of coating and baking. Here, the term "adhesion" means that a steel sheet having such a film formed on its surface is, for example,
When a test is performed using a roll rod of mmφ to bend around the rod by an angle of about 180 °, the adhesiveness is such that the film is not peeled off at all. Hereinafter, the present invention will be described using examples, but the present invention is not limited to these examples. Example 1 A decarburized and annealed grain-oriented electrical steel sheet containing 3.2% of Si is coated with a powder that is inert to film formation, and then subjected to finish annealing to obtain a mirror surface. The next recrystallized material was obtained.
Then, a coating solution composed of 100 parts by weight of a commercially available alumina sol (containing 10% solid content), 5 parts by weight of metaboric acid, 0.2 parts by weight of FeOOH fine particles, and distilled water was coated on this steel sheet at 4 g / m2 on one side. Apply so that it becomes ^2, and after drying and gelling, 8
Baking was performed in dried N ₂ at 50 ° C. for 3 minutes to form a 1.5 μm thick tensile film. The obtained steel sheet was found to have aluminum borate, which is a tension film, attached to the steel sheet by X-ray diffraction and electron microscope observation of the surface portion. The adhesion of the film to the steel sheet was extremely good, and no peeling of the film was observed even in a 180-degree bending test using a 20 mmφ roll bar. In addition, the iron loss W ₁₇ before and after the formation of the tension film is obtained.
_{When the / 50} was measured, they were 1.03 W / kg and 0.77 W / kg, respectively, and a remarkable iron loss reduction effect by the tensile film was obtained. Comparative Example 1 The same operation as in Example 1 was performed except that the coating liquid did not contain FeOOH fine particles. As a result of X-ray diffraction and observation with an electron microscope, the obtained steel sheet had a low-crystalline aluminum borate film (about 1.5 μm thick) formed on the steel sheet. When this steel sheet was subjected to a 180-degree bending test using a roll rod of 20 mmφ, peeling of the coating was observed from a portion of a total area of about 40%. Example 2 After obtaining the same mirror secondary recrystallized material as in Example 1, 100 parts by weight of a commercially available alumina sol (containing 10% solids), 5 parts by weight of metaboric acid, and 0 part of nickel nitrate were placed on this steel sheet. .1
A sol consisting of parts by weight and distilled water is applied at 5 g / m ² on one side, dried and gelled, and baked at 1000 ° C. for 2 minutes in dried N ₂ : H ₂ = 95%: 5%. Was done. The obtained steel sheet has aluminum borate, which is a tension film, attached to the steel sheet. As a result of performing a bending test in the same manner as in Example 1, no peeling of the film was observed, and the adhesion was extremely good. there were. The thickness of the tension film was about 2 μm. Further, when the iron loss W _17/50 before and after the formation of the tension film was measured, they were 1.05 W / kg and 0.7, respectively.
8 W / kg, and a remarkable effect of reducing iron loss was obtained by the film formation. Comparative Example 2 The same operation as in Example 2 was performed except that nickel nitrate was not contained in the coating solution. The obtained steel sheet was observed by X-ray diffraction and electron microscope,
An aluminum borate film (thickness: about 2 μm) was formed on the steel plate.
As a result of a 180-degree bending test using a φ roll, peeling of the film was observed from a portion of 30% of the entire area. Example 3 A coating liquid containing FeOOH fine particles prepared in the same manner as in Example 1 was coated on one side of a grain-oriented electrical steel sheet having a glass film (forsterite film) after finish annealing containing 3.2% of Si. The composition was applied to a concentration of 4 g / m ² , dried and gelled, and baked at 850 ° C. for 3 minutes in dry N ₂ . The obtained steel sheet had an aluminum borate film adhered to the underlying glass film, and was subjected to the same bending test as in Example 1. As a result, no peeling of the film was observed and the adhesion was extremely low. It was good. The thickness of the tension film was 1.5 μm. When the iron loss W _17/50 before and after the formation of the tension film was measured, they were 0.96 W / kg and 0.83 W / kg, respectively, and a remarkable iron loss reduction effect was obtained. Comparative Example 3 The same operation as in Example 3 was performed except that the coating liquid did not contain FeOOH fine particles. As a result of X-ray diffraction and electron microscope observation, the obtained steel sheet had a low crystallinity aluminum borate film (thickness: about 1.5 μm) formed on the underlying glass film. When subjected to a 180-degree bending test using a roll bar, peeling of the film was observed from a total of about 20% of the entire area. Example 4 To a grain-oriented electrical steel sheet having a glass film (forsterite film) after finish annealing containing 3.2% of Si, 100 parts by weight of a commercially available alumina sol (including 10% solid content), metaboric acid A coating liquid consisting of 5 parts by weight, 0.2 parts by weight of tin acetate, and distilled water is applied so as to have a surface of 4 g / m ² , dried and gelled, and then dried at 850 ° C. for 3 hours.
Baking was performed in dry N ₂ for minutes. As a result of X-ray diffraction and electron microscope observation, the obtained steel sheet was found to have a tension film (thickness of about 1.5).
μm) of aluminum borate was found to adhere to the underlying glass film.
The adhesion was extremely good, and no peeling of the film was observed even in a 180-degree bending test using a roll rod of 20 mmφ. When the iron loss W _17/50 before and after the formation of the tension film was measured, it was _0.96 W / kg and 0.84 W / k, respectively.
g, and a remarkable iron loss reduction effect by the tension film was obtained. Comparative Example 4 The same operation as in Example 4 was performed except that tin acetate was not contained in the coating liquid. As a result of X-ray diffraction and electron microscope observation, the obtained steel sheet had a low crystallinity aluminum borate film (thickness: about 1.5 μm) formed on the underlying glass film. Was subjected to a 180-degree bending test, and peeling of the film was observed from a portion of about 20% of the total area. The present invention is intended to obtain a grain-oriented electrical steel sheet in which a ceramic tension film having extremely good adhesion is formed on a grain-oriented electrical steel sheet after finish annealing. It is enormous.

Claims

Claims 1. An aluminum oxide-boron oxide is applied to the surface of a grain- oriented electrical steel sheet after finish annealing.
In forming the tension coating containing system, dried and coated particles of oxide material to a metal salt for the tension film formation, and / or a water-soluble metal salt added 0.1 to 5 wt% and the liquid And baking at 500 to 1350 ° C. to form an oxide film. 2. The method according to claim 1, wherein the metal salt is an oxide, a hydroxide, a nitrate, or an acetate. 3. The metal of the metal salt is V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Z.
The method for producing a low iron loss grain-oriented electrical steel sheet according to claim 1, wherein n is Sn.