JP2666025B2 - 楽器の鍵盤配列 - Google Patents

楽器の鍵盤配列

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】楽器の業界全般に利用される。す
なわち鍵盤楽器であるピアノ、オルガン、電子式の楽
器、木琴、鉄琴、ビブラフォン、アコーディオン、玩具
の楽器、またギター、スチールギター、ウクレレ、バン
ジョウ等の弦楽器に応用される。
【0002】
【従来の技術】楽器の鍵盤は白黒の2色と決まってお
り、その配列はハ、ニ、ホ、ヘ、ト、イ、ロ、ハの音
(ハ長調のドレミファソラシド)を出す下段の白鍵盤
と、嬰ハ、嬰ニ、嬰ヘ、嬰ト、嬰イの音(ハ長調の半音
高いドレファソラ)を出す上段の黒鍵盤とからなってい
る。これはハ長調及びイ短調のための配列になってい
る。つまりハ長調及びイ短調だけが優遇された配列とな
っている。全音鍵盤の考えはあるが、実用になる鍵盤識
別や楽典がないので使われていない。音楽の楽典も同様
にハ長調及びイ短調を中心に決められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の配列の鍵盤楽器
では、ハ長調のドレミファソラシドを弾くにはハ、ニ、
ホ、ヘ、ト、イ、ロ、ハと白鍵盤のみをその順序で弾け
ばよいので非常に簡単であるが、例えばそれより半音高
い変ニ長調のドレミファソラシドを弾くには嬰ハ、嬰
ニ、ヘ、嬰ヘ、嬰ト、嬰イ、ロ、嬰ハと黒、黒、白、
黒、黒、黒、白、黒の鍵盤を弾くことになる。同じよう
に半音上がるごとに白鍵盤と黒鍵盤の選びかたを変えて
弾かねばならない。これには12通りの組み合わせがあ
り、各調の弾き方をそれぞれに覚えねばならない。この
規則は複雑である。この複雑さが基で鍵盤楽器を弾くの
はかなり困難な事になっており素人では簡単には弾くこ
とが出来ない。これは音楽の楽典についてもいえる。ハ
長調及びイ短調を表すのはやさしいが、その他の調をあ
らわすのは複雑であり難解になっている。本発明は上記
の問題を解決する。
【0004】
【課題を解決するための手段】1.鍵盤配列の変更 楽器の鍵盤の配列をたとえばハ音、ニ音、ホ音、嬰ヘ
音、嬰ト音、嬰イ音、ハ音の順に音を出す下段の鍵盤
と、嬰ハ音、嬰ニ音、ヘ音、ト音、イ音、ロ音の順に音
を出す上段の鍵盤とから構成する。鍵盤のあいだの識別
のために鍵盤の色を変える。線上の音符に対応する鍵
盤、線間の音符に対応する鍵盤を識別できるようにす
る。これに伴い楽典の変更も行う。ハ長調及びイ短調に
はシャープやフラットを用いないが、他の調には用いて
いる従来の方式を改め、全部の調に対して同じ規則にな
るような音楽の楽典とする。 2.弦楽器の指板に色表示 弦楽器の指板に音名を表示するためフレットで囲まれた
領域に同様に色を付ける。
【0005】
【作用】鍵盤の配列が規則的になりどの調も同じ指使い
になり、弾き方を簡単にする。また、同じ規則になる楽
典が音楽を分かりやすくする。
【0006】
【実施例】1.楽器の鍵盤配列 音楽の12音に対する鍵盤配列を図1のようにし、この
12の鍵盤に対しそれぞれ色を決める。この色は虹をも
とに決める。 1鍵盤=緑色(ハ音),2鍵盤=緑色(嬰ハ音),3鍵
盤=赤色(ニ音),4鍵盤=赤色(嬰ニ音),5鍵盤=
青色(ホ音),6鍵盤=青色(ヘ音),7鍵盤=橙色
(嬰ヘ音),8鍵盤=橙色(ト音),9鍵盤=紫色(嬰
ト音),10鍵盤=紫色(イ音),11鍵盤=黄色(嬰
イ音),12鍵盤=黄色(ロ音)すると鍵盤配列の色も
図1のようになる。(図1参照) 2.音楽における楽典の変更 音楽の楽典を同様に変更する。 2−1 基本12音 音楽の基本12音である下記の音に対しそれぞれ音の名
前を決める。この名前は色と関係ずけ、例えば次の様に
する。 2−2 音符の表記法 これらの12音の音符の表記法を従来の表記とは別に次
の通り決める。すなわち五線のうち三線と三間を用いて
1オクターブを表すことにする。図2に示すとうり各線
上と各線間にたいし白い音符と黒い音符の2音を割り当
てる。白より黒のほうが半音高い音を表す。ここで白は
黒より音の長さが2倍ではない。これは同じ長さである
とする。音の長短の表し方の記述はここでは省略する。
緑音と草音,青音と空音,紫音と菫(すみれ)音は線上
に、赤音と紅音,橙音と柿音,黄音と空音,黄音と山吹
音は線間になり、それぞれ白と黒となる。(図2参照)
第3線上には再び緑音の白がくる。 以下同様にして、
3線周期の繰り返しになる。 3.楽器の鍵盤配列における寒色および暖色 楽器の鍵盤配列における寒色および暖色の選び方の例を
示す。線上の音は寒色系の色に線間の色は暖色系の色に
選ぶ。こうすることにより鍵盤楽器の鍵盤の色を見た時
に線上の音か線間の音かを直ぐに識別できる。(図3参
照)このように、鍵盤の色を虹色の順に並べず寒色と暖
色に分離し、見た目に分かりやすくする。 4.弦楽器の音の明示 上記の鍵盤の色に対応ずけた音にたいし、識別の為に弦
楽器のフレットで囲まれたフィンガーボード(指板)に
色をつけ音名を明示する。(図4参照)
【0007】
【発明の効果】本発明は上記構成よりなるので、下記の
効果を奏するものである。 1.易しく弾ける鍵盤楽器 この配列の鍵盤楽器では、ハ長調とイ短調を弾く場合
も、その他の調を弾く場合も基本的に同じ指使いであ
る。ハ長調のドレミファソラシドを弾くには下、下、
下、上、上、上、上、下と各鍵盤をこの順に弾けばよ
い。それより全音高いニ長調のドレミファソラシドを弾
くにもハ長調と同じに下、下、下、上、上、上、上、下
と鍵盤をこの順に弾くことになる。又ハ長調より半音高
い変ニ長調を弾く時は上と下がさかさまになるものの、
同じように上、上、上、下、下、下、下、上と鍵盤をこ
の順に弾くことになる。これは12通りの組み合わせに
対して6通りずつ上下がさかさまになるものの、基本的
には同じ規則であり簡単である。各調の弾き方をそれぞ
れに覚える必要はない。この規則は従来の方式に比べて
非常に分かりやすい。これは同種の和音が全て同じ指使
いであることを意味している。この為、鍵盤楽器を弾く
のは易しくなっており、練習をしていない人でも弾くこ
とができるようになる。五線譜の3線が1周期(1オク
ターブ)となりこの繰り返しであり、分かり易いと同時
にシャープ、フラット、ナチュラルなどの面倒な臨時記
号を一切使用しないで済むので非常に易しい。また、こ
の方式はクラシックやポピュラー音楽のみならず、無調
音楽、半音階音楽、全音階音楽等の現代音楽にも適す
る。無調音楽は調号は用いないことで、これを表現す
る。半音階音楽、全音階音楽では一般にシャープ、フラ
ット、ナチュラルなどの面倒な臨時記号を頻繁に用いね
ばならないが、この方式ではこれらを一切用いないで済
む。 2.音名が明示された弦楽器 弦楽器にたいしても音名が明示され弾きやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この鍵盤配列の鍵盤の色とハ長調のドレミファ
ソラシドの位置を示す。
【図2】各音の5線譜に於ける3線周期の表示位置であ
る。白は白い音符、黒は黒い音符を表す。
【図3】鍵盤楽器の鍵盤の色である。
【図4】弦楽器(ウクレレ)のフレットで囲まれたフィ
ンガーボード(指板)に色を付けた例である。
【符号の説明】
30 フィンガーボード(指板) 31 フレット

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全ての線上音符と近接する線間音符間の音
    程が2半音を示す規則により書かれている楽譜を演奏す
    るための鍵盤装置であって、演奏する際の、線上の音符
    に対応する鍵、線間の音符に対応する鍵の識別を容易に
    するために、鍵盤装置の鍵は1つおきに暖色系、寒色系
    の色で構成した鍵盤装置。
  2. 【請求項2】半音異なる音を演奏するための鍵の列を別
    途設けた請求項1に記載の鍵盤装置。
  3. 【請求項3】半音異なる音を演奏するための鍵の列は、
    1つおきに暖色系、寒色系の色で構成した請求項2に記
    載の鍵盤装置。
  4. 【請求項4】全ての線上音符と近接する線間音符間の音
    程が2半音を示す規則により書かれている楽譜を演奏す
    るための弦楽器であって、演奏する際の、線上の音符に
    対応する指板、線間の音符に対応する指板の識別を容易
    にするために、弦楽器の指板は1つおきに暖色系、寒色
    系の色で構成した弦楽器。
  5. 【請求項5】半音異なる音を演奏するための指板を隣り
    合う各指板の間に別途設けた請求項4に記載の弦楽器。
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