JP2665805B2 - 地盤改良方法 - Google Patents

地盤改良方法

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は地盤、特に軟弱地盤の改良方法に関する。
(従来の技術) 例えば特開昭52−115519号公報に開示された従来の地
盤改良方法では、地盤に形成した孔の内部に爆薬と、該
爆薬を取り巻く砂、砂利等とを配置し、その後、前記爆
薬を爆発させる。この爆発により、孔壁が放射方向に押
し広げられかつ前記孔壁に前記砂、砂利等が圧入され
る。その結果、前記孔の周囲地盤の強度が増大される。
直径が増大した前記孔には、その後、砂や砂利が充填さ
れ、この充填物を介して地下水が汲み上げられる。地下
水の汲み上げに伴なって、地盤が沈下し、地盤は鉛直方
向に圧密されその強度が増大する。
(発明が解決しようとする課題) ところで、前記従来方法の実施のために、前記爆薬は
管に充填されかつ前記孔内に配置されるが、前記爆薬を
前記管内に一様な密度に充填することは実際には困難で
ある。このため、前記爆薬の爆発力は前記孔の深さ位置
によって相違し、その結果、前記孔壁が一様な力で押し
広げられず、地盤の強度をその深さ方向に関して均一に
増大させることができないという欠点がある。
本発明の目的は、孔壁の各レベルで前記孔壁をほぼ同
じ力で押し広げることができ、かつ、前記孔壁の強度を
さらに高めることができる地盤改良方法を提供すること
にある。
(課題を解決するための手段、発明の作用および効果) 本発明の地盤改良方法では、導爆線と生石灰とを前記
生石灰が前記導爆線を取り巻くように前記導爆線によっ
て破壊可能の入れ物に詰め、前記入れ物を前記導爆線が
鉛直方向へ伸びるように地中に設置し、その後、前記導
爆線を爆発させる。
本発明によれば、前記導爆線はその長手方向に関する
全ての位置においてほぼ同じ大きさの爆発力を生じさせ
る能力を有することから、前記導爆線が爆発すると、前
記導爆線の周囲したがって前記入れ物の周囲地盤はその
深さの全ての位置で一様な水平方向力を受ける。その結
果、前記入れ物を受け入れていた空間である孔の壁が押
し広げられてその直径が増大し、前記周囲地盤は水平方
向に圧密される。また、前記導爆線の周囲の生石灰は、
前記導爆線の爆発により、前記入れ物の砕片とともに放
射方向に吹き飛ばされ、孔壁に滅込む。前記孔壁に滅込
んだ生石灰は土中水の存在化で水和反応を起こし、この
ときに膨張してその周囲地盤に膨張圧を及ぼす。その結
果、前記孔壁の強度がさらに高められる。
前記導爆線を取り巻く物質を生石灰とポゾランとから
成る混合物とすることができる。前記ポゾランは周囲地
盤中の土中水の存在下で前記生石灰と反応し、前記周囲
地盤の土粒子を含む固結粒子となる。前記周囲地盤はそ
の土粒子の一部が前記固結粒子に置き換えられるために
その強度が増大する。
前記入れ物は上端開放の筒状体とすることができる。
前記筒状体は、これを地盤に圧入することにより、地中
に設置することができる。
前記入れ物は防水性または遮水性を有することが望ま
しい。前記導爆線の爆発前、防水性の入れ物に収納され
た前記生石灰は周囲地盤中の土中水から遮断される。そ
の結果、前記生石灰の水和反応に伴なう発熱による前記
導爆線の爆発の危険を防止することができる。
前記導爆線および前記生石灰は、例えば予め地盤に形
成された孔、または、予め地中に設置した前記導爆線に
よって破壊可能の防水性を有する入れ物、例えば地盤に
形成された孔中に配置された袋または地盤に圧入された
上端開放の筒状体内に充填することにより、地中に設置
することができる。このことは、前記導爆線および前記
混合物の地中への設置についても同様である。
前記導爆線および前記生石灰の地中への設置に先立
ち、前記導爆線および前記生石灰の設置予定箇所の周囲
に集水用の孔またはドレーン材挿入の孔を設けることが
望ましい。前記孔は、前記導爆線の爆発後における地盤
の水平方向への圧縮に伴なう土中水の受け入れおよび排
出空間を実質的に増大し、多量の土中水を短時間で排出
することを可能にする。
(実施例) 本発明に係る地盤改良方法は、第1図〜第4図に順を
追って示すように、導爆線12(第5図)と生石灰14(第
5図)とが収められた入れ物10を地中に設置し、その後
に前記導爆線を爆発させることを含む。
入れ物10は、前記導爆薬の爆発によって破壊可能であ
りまた望ましくは防水性(または遮水性)を有する材料
からなる。第1図〜第4図に示す実施例で用いられてい
る入れ物10は、第5図に示すように、円形断面を有する
上端開放の筒状体から成る。この円筒体は、例えば前記
防水性を得るために塩化ビニルで形成され、また、前記
爆発による破壊が可能であるように比較的薄い肉厚を有
する。
第5図を参照すると、導爆線12は前記円筒体の軸線上
にあってその周囲を生石灰14が取り巻いている。導爆線
12はその上端面が前記円筒体の開放面と同レベルまたは
これよりも低いレベルにあるように、前記円筒体内に配
置される。導爆線12の上端面を規定する上端部には電気
雷管16が接続されており、電気雷管16から伸びる一対の
脚線18を介して電気雷管16に通電することにより、導爆
線12を爆発させることができる。
前記筒状体の長さ寸法は、改良を必要とする軟弱地盤
の層厚に応じて設定されるが、通常、それは10〜20mで
ある。また、前記筒状体の直径は例えば100〜300mmの範
囲内のものとする。さらに、導爆線12の規模は爆薬の量
で示すと、軟弱地盤の硬度に応じて、約10〜300g/mの範
囲で任意に選択する。さらに、地盤改良に際しては、通
常、前記筒状体が複数箇所に相互に間隔(平面上におけ
る間隔)をおいて設置される。前記筒状体の相互間隔
は、地盤の種類、導爆線の爆破力等に応じて、例えば2
〜5mの範囲に設定することができる。
導爆線12および生石灰14が収容された前記筒状体を地
上に垂直に立て(第1図)、ジャッキ例えば油圧式杭圧
入機を用いて前記筒状体をその上端が地表下に位置する
こととなるまで地盤20に圧入する。圧入抵抗の軽減のた
めに、第5図に示すように、前記筒状体をその下端が先
細であるように形成することが望ましい。その後、好ま
しくは、爆破力の地上への漏出を防止するための詰め物
22、例えば砂やモルタルで地表と入れ物10との間の空間
を満たす。
その後、導爆線12を爆発させる。爆発の結果、第3図
に示すように、入れ物10の前記圧入に伴なって地盤20に
生じた孔24がその軸線に関する放射方向に拡大され、こ
のために孔壁すなわち孔24の周囲の地盤20が水平方向に
圧密される。周囲地盤20が圧密される結果、該地盤が強
固になるとともに地盤20から土中水が大気圧下にある孔
24内に流れ出る。また、導爆線12にあってはその伸張方
向に爆薬が連続し、かつ、単位長さ当りの爆薬量が一定
であることから、孔24はそのほぼ全域で一様な大きさの
爆発力を受ける。前記爆発に伴なって入れ物10の破片と
ともに生石灰14が孔24の周囲地盤20に滅込む。孔24の周
囲に滅込んだ生石灰14は土中水を吸収して膨張し、周囲
地盤20に膨張力を及ぼし、周囲地盤20の強化に寄与す
る。複数の入れ物内の各導爆線を同時に爆発させても、
また、間欠的に爆発させても、地盤の強化または改良効
果に差はない。
前記生石灰に代えて、生石灰とフライアッシュ、スラ
グ、シリカ微粉末のようなポゾラン(例えば生石灰に対
して20〜50重量%)とから成る混合物とすることができ
る。これによれば、前記爆発に伴なって前記混合物が地
盤20に滅込むと、前記土中水の存在下で前記ポゾランと
前記生石灰および土粒子とが反応して水和生成物を形成
する。前記水和生成物の形成によって多数の土粒子が結
合される結果、地盤20の強度が一層高められる。
孔24内の土中水は後に組み出され、孔24は例えば砂の
ような充填物26で満たされ、引続き孔24に流入する土中
水は充填物26を介して地上に湧き出る。土中水の涌出の
進行に従って地盤20は徐々に沈下して鉛直方向に圧密
し、これにより地盤の強度が増大する。
入れ物10を圧入する図示の後に代えて、予め前記地盤
に孔(図示せず)を穿ち、該孔内に導爆線12、生石灰14
または前記混合物とが収納された入れ物10を挿入するこ
とにより、地中に設置することができる。
さらに、前記した例に代えて、第6図〜第9図に示す
ように、予め地盤20に穿たれた孔28に、前記したと同様
に導爆線12の爆発によって破壊可能でありまた防水性を
有する、例えば防水シートで形成された袋から成る入れ
物10を挿入し(第6図)、このようにして地中に設置し
た入れ物10に導爆線12と、生石灰14または前記混合物と
を第5図に示すと同様の配置関係に詰め(第7図および
第8図)、その後、導爆線12を爆発させ、これにより、
孔28を直径方向に拡大させる(第9図)。
拡大された孔28は、その後、前記した例におけると同
様、土中水の排出のため砂のような充填物で充填され
る。図中、符号30は、前記袋の底部を孔28の底に確実に
到達させるために用いられた重錘としての砂であり、ま
た、符号32は導爆線12を鉛直に垂らすために導爆線の下
端に取り付けられた重錘としての砂袋である。前記袋に
代えて、上端開放の筒状体を用いることができる。この
場合には、もちろん、一方の重錘30は必要でない。
第10図に示すように、導爆線12および生石灰14(導爆
線および前記混合物の場合を含む。)の地中への設置、
すなわち導爆線12および生石灰14が収納された入れ物10
の地中への設置または導爆線12および生石灰14の孔28内
への挿入に先立ち、導爆線12および生石灰14の設置予定
箇所34の周囲に一以上望ましくは複数の集水用の孔36を
設けることができる。単なる孔36に代えて、砂あるいは
紙製、合成樹脂製等のドレーン材が挿入された孔とする
ことができる。孔36または前記ドレーン材の挿入孔は、
導爆線12の爆発によって拡大された孔24,28とともに、
水平方向に圧密された地盤からの土中水を受け入れまた
地上に排出する機能を担う。したがって、孔36等を設け
ることにより、地盤20中の前記土中水を多量にかつ短時
間で排出することができる。孔36の直径および深さの一
例を示すと、それぞれ、5〜10cmおよび孔24,28とほぼ
同じ深さである。また、設置予定箇所34および孔36の中
心間距離は、50〜100cmの範囲とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図および第4図は本発明の方法を
順を追って示す地盤の概略断面図、第5図は本発明の実
施に用いられる導爆線および生石灰が収容された入れ物
の概略的な斜視図、第6図、第7図、第8図および第9
図は本発明の方法の他の例を順を追って示す地盤の概略
断面図、第10図は導爆線および生石灰の設置予定箇所の
周囲に設けられた複数の孔の平面図である。 10:入れ物、12:導爆線、 14:生石灰、20:地盤、 24,28:孔、26:充填物、 34:導爆線および生石灰の設置予定箇所、 36:集水用孔。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導爆線と生石灰とを前記生石灰が前記導爆
    線を取り巻くように前記導爆線によって破壊可能の入れ
    物に収め、前記入れ物を前記導爆線が鉛直方向へ伸びる
    ように地中に設置し、その後、前記導爆線を爆発させ
    る、地盤改良方法。
  2. 【請求項2】導爆線と生石灰およびポゾランの混合物と
    を該混合物が前記導爆線を取り巻くように前記導爆線に
    よって破壊可能の入れ物に収め、前記入れ物を前記導爆
    線が鉛直方向へ伸びるように地中に設置し、その後、前
    記導爆線を爆発させる、地盤改良方法。
  3. 【請求項3】前記入れ物は上端開放の筒状体から成り、
    前記入れ物の地中への設置は前記入れ物を地盤に圧入す
    ることにより行なう、請求項(1)または(2)に記載
    の地盤改良方法。
  4. 【請求項4】前記入れ物は防水性を有する、請求項
    (1)または(2)に記載の地盤改良方法。
  5. 【請求項5】地中に、導爆線と、生石灰とを前記導爆線
    が鉛直方向に伸びかつ前記生石灰が前記導爆線を取り巻
    くように設置し、その後、前記導爆線を爆発させる、地
    盤改良方法。
  6. 【請求項6】地中に、導爆線と、生石灰およびポゾラン
    の混合物とを前記導爆線が鉛直方向に伸びかつ前記混合
    物が前記導爆線を取り巻くように設置し、その後、前記
    導爆線を爆発させる、地盤改良方法。
  7. 【請求項7】前記導爆線および前記生石灰の地中への設
    置は、予め地中に設置した、前記導爆線によって破壊可
    能の防水性を有する入れ物内に前記導爆線および前記生
    石灰を充填することにより行なう、請求項(5)に記載
    の地盤改良方法。
  8. 【請求項8】前記導爆線および前記混合物の地中への設
    置は、予め地中に設置した、前記導爆線によって破壊可
    能の防水性を有する入れ物内に前記導爆線および前記混
    合物を充填することにより行なう、請求項(6)に記載
    の地盤改良方法。
  9. 【請求項9】前記導爆線および前記生石灰の地中への設
    置に先立ち、前記導爆線および前記生石灰の設置予定箇
    所の周囲に集水用の孔を設ける、請求項(1)または
    (5)に記載の地盤改良方法。
  10. 【請求項10】前記導爆線および前記生石灰の地中への
    設置に先立ち、前記導爆線および前記生石灰の設置予定
    箇所の周囲にドレーン材が挿入された孔を設ける、請求
    項(1)または(5)に記載の地盤改良方法。
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