JP2665258B2 - 三次元形状の形成方法 - Google Patents

三次元形状の形成方法

Info

Publication number
JP2665258B2
JP2665258B2 JP1191672A JP19167289A JP2665258B2 JP 2665258 B2 JP2665258 B2 JP 2665258B2 JP 1191672 A JP1191672 A JP 1191672A JP 19167289 A JP19167289 A JP 19167289A JP 2665258 B2 JP2665258 B2 JP 2665258B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
liquid surface
pressure
liquid level
resin liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1191672A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0355225A (ja
Inventor
喜万 東
良光 中村
昭吉 栗林
忍 池中
正信 小笠原
良幸 内野々
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=16278541&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2665258(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP1191672A priority Critical patent/JP2665258B2/ja
Publication of JPH0355225A publication Critical patent/JPH0355225A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2665258B2 publication Critical patent/JP2665258B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、三次元形状の形成方法に関し、光の照射
によって硬化する光硬化性樹脂を用いて、立体的な三次
元形状を有する物品を成形製造する方法に関するもので
ある。
〔従来の技術〕
光硬化性樹脂を用いて三次元形状を形成する方法は、
複雑な三次元形状を、成形型や特別な工具等を用いるこ
となく、簡単かつ正確に形成することができる方法とし
て、各種の製品モデルや立体模型の製造に利用すること
が考えられており、例えば、特開昭56−144478号公報や
特開昭62−35966号公報等に開示された先行技術があ
る。この先行技術を、第9図に、従来の一般的な、光硬
化性樹脂を用いた三次元形状の形成方法の一例として示
している。光硬化性樹脂液2を収容した樹脂液槽1に昇
降自在な成形台5が備えられ、樹脂液槽1の上方にはレ
ンズ3aその他の光学系等からなる光ビーム照射機構が設
けられている。成形台5は、昇降腕5aを介して、樹脂液
槽1外に設置された昇降駆動装置に連結されている。
光硬化性樹脂液2の液面に光ビーム3を照射すると、
光ビーム3の焦点位置近傍の、液面から一定厚みの光硬
化性樹脂液2が硬化して光硬化層4aが形成される。光硬
化層4aは成形台5に載せられた状態になっているので、
成形台5を下降させれば光硬化層4aは液面下に沈み、光
硬化層4aが上に未硬化の光硬化性樹脂液2で覆われる。
その後、前記同様に光硬化性樹脂液2の液面に光ビーム
3を照射すると、第2層の光硬化層4aが形成される。こ
のような、光ビーム3の照射による光硬化層4aの形成、
および、成形台5の下降による光硬化層4aの上への新た
な光硬化性樹脂液2の供給を繰り返すことによって、複
数層の光硬化層4aが積み重ねられた所望の三次元形状を
有する成形品4が成形製造されることになる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記先行技術では、成形台の昇降位置を正
確に設定するのが難しいことや、樹脂液槽の液面高さが
変動すること等により、光硬化層4aの厚みが均一になら
なかったり、三次元形状の形状精度が充分に得られない
という欠点があった。
光硬化層4aは、成形台5の上に載った状態で先に形成
された光硬化層4aと液面との間に形成されるので、成形
台5の昇降位置のずれや誤差は、直接に光硬化層4aの厚
み精度に影響する。成形台5は、細い昇降腕5a等で支持
されているだけの不安定な状態で昇降させるようになっ
ているので、成形台5の昇降精度をそれほど厳密に制御
することはできず、光硬化層4aの厚みのバラツキや誤差
が生じることになり、その結果、形成された三次元形状
の形状精度も悪くなる。
成形台5の昇降に伴って、樹脂液2中に沈んでいる部
分の昇降腕5aの長さが変わると、昇降腕5aで排除される
樹脂液20の体積も変化して、樹脂液槽1の液面高さが変
わる。また、樹脂液2が光硬化する際に体積変化を起こ
すことによっても液面の高さが変わる。そのため、液面
高さは作業工程の各段階で常に上昇したり下降したりし
て変動している。液面高さが変動すると、成形台5もし
くは光硬化層4aの表面と液面との間隔も変動して、当
然、つぎに形成される光硬化層4aの厚みが変わってしま
う。
液面に照射される光ビームは、液面もしくは液面から
少し液中に入った位置付近等の液面近傍に焦点を結ぶよ
うにして照射され、焦点近くの光エネルギーの高い部分
で樹脂液を光硬化させるようになっているが、前記した
ように、樹脂液槽1の液面が変動すると、光ビームの焦
点が液面近傍に正確に設定されなくなり、その結果、光
硬化層4aの厚みが変わったり、光硬化が充分に行われな
かったりすることにもなる。
このような問題があるため、従来の方法では、光硬化
層の厚みを正確に設定できず、高精度な三次元形状を形
成することが出来なかった。
そこで、この発明の課題は、上記した従来の三次元形
状の形成方法における問題点を解消し、光硬化層の厚み
を正確に設定でき、高精度な三次元形状を簡単に形成で
きる方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決する、この発明にかかる三次元形状の
形成方法のうち、請求項1記載の方法は、樹脂液槽内に
収容された光硬化性樹脂液の液面に光を照射して光硬化
層を形成し、この光硬化層を複数層積み重ねて所望の三
次元形状を形成する方法において、液面に正負何れかの
圧力を作用させて液面高さを制御するようにしている。
樹脂液槽は、三次元形状を形成するのに必要な量およ
び深さで光硬化性樹脂液を収容しておけるようになって
いる。光硬化性樹脂液は、通常のモデル成形等に利用さ
れているUV硬化型樹脂等の各種光硬化性樹脂材料が自由
に使用できる。光硬化性樹脂液の液面に光を照射する手
段は、レーザ発生装置や光学系等からなる、通常の光ビ
ーム照射手段が用いられる。照射する光ビームは、光硬
化性樹脂の材質によって可視光線、紫外線その他の任意
の波長成分を含むものが用いられる。
液面に作用させる圧力は、空気その他の気体による圧
力、あるいは、同極に帯電した帯電体同士の間に作用す
る静電反発力が利用できる。圧力は、正負何れの方法に
作用させてもよく、正の圧力を液面に作用させれば液面
は下がり、負の圧力であれば液面が上がる。そして、上
記圧力の強さによって液面を任意の高さに制御できるこ
とになる。
圧力を作用させる液面は、光硬化層の形成個所全体で
あってもよいし、光ビームが照射されている位置の近傍
のみであってもよい。何れにしても、圧力を作用させた
液面と、それ以外の液面との圧力差によって、圧力を作
用させた液面が上昇もしくは下降するのである。
複数層の光硬化層を積み重ねて形成するには、先に形
成された光硬化層の上に、次層の光硬化層の厚みに対応
する新たな樹脂液を供給する。この樹脂液の供給手段と
しては、光硬化層を載せた成形台を樹脂液中に沈めるこ
とによって光硬化層の上に新たな樹脂液を供給したり、
樹脂液槽に新たな樹脂液を追加して液面を上昇させたり
する、通常の三次元形状の形成方法と同様の方法が採用
できる。このようにして光硬化層の上に供給された樹脂
液に対して、前記したように、液面に圧力を作用させ
て、液面高さが正確に設定されるように調整制御すれば
よい。すなわち、樹脂液の供給手段と、液面高さの制御
手段とを別々の手段で果たすのである。この方法は、樹
脂液の供給手段には、液面と光硬化層との相対的な変動
量を大きくできる方法を適用し、液面の高さ制御手段に
は、液面高さを正確に設定調整できる、この発明にかか
る方法を適用できるので、作業能率と形状精度の向上の
何れをも満足させることができる。
また、別の方法として、この発明にかかる液面の制御
手段を樹脂液の供給手段にも兼用して、圧力の作用で液
面を段階的に上昇させることによって、光硬化層の上に
新たな樹脂液を供給し、その液面高さを調整制御するよ
うにしてもよい。この方法は、従来における樹脂液の供
給手段を無くすことができ、装置構造を簡略化できる。
上記した、この発明にかかる三次元形状の形成方法
は、前記した製品モデルの成形のほか、各種製品の部品
や装飾品その他、複雑で高精度な三次元形状成形品を要
求される各種の用途に適用できるものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明におい
て、光透過面を有する逆容器状の密封箱体を樹脂液槽の
光硬化層形成個所の液面に被せて密封箱体と液面の間に
密封空間を形成しておき、密封箱体に昇降させることに
より、密封空間の液面に圧力を作用させて液面高さを制
御するようにしている。
密封箱体は、直方体や多角柱体、円柱体等をなす容器
もしくは箱の開口面を下に向けた構造すなわち逆容器状
をなしている。密封箱体は、樹脂液槽の液面のうち、光
硬化層の形成個所すなわち光の照射範囲を覆って液面に
被せられ、密封箱体の側壁が樹脂液の下方途中まで埋入
されている。樹脂液槽の液面には、密封箱体で覆われた
密封空間に面した個所と、それ以外の大気中に開放され
た個所ができる。
密封空間には、周囲と同じ大気すなわち空気を閉じ込
めておいてもよいが、N2ガスやアルゴンガス等の不活性
ガスを封入しておくと、液面で光硬化作用を行わせる際
に、空気中の酸素による硬化阻害の問題を解消して、硬
化速度を向上させたり、硬化反応を良好に行わせたりで
きる等、光硬化作用に影響を与えることができる。
密封箱体は、光硬化層を形成するときに光が通過する
部分が光透過面になっている。すなわち、光硬化層を形
成するための光は、密封箱体の上方から密封箱体を通過
して液面へと照射される。そこで、密封箱体の上面のう
ち、少なくとも光が通過する部分を、石英ガラスや透明
合成樹脂等の光透過材料で形成しておくのである。密封
箱体の上面全体を光透過面にしてもよいし、上面の一部
のみを光透過面にしてもよく、さらに、密封箱体全体を
光透過材料で形成しておいてもよい。密封箱体の光透過
面が広いほど、光の照射状態を観察したり確認したりす
るのに便利である。光透過材料としては、使用するレー
ザビームの波長成分等に対応して、既知の光透過性材料
の中から適当なものを選択して用いることができる。
上記のような構造の装置で、密封箱体を上昇もしくは
下降させると、密封空間の内部容積が広くなったり狭く
なったりする。密封空間に閉じ込められている気体の量
は変わらないので、結果として内部圧力が変化し、この
内部圧力が液面に正負何れかの圧力を作用して、液面を
持ち上げたり押し下げたりする。すなわち、密封箱体の
昇降作動で液面高さを制御する。密封箱体を昇降作動さ
せる機構は、各種のシリンダ機構やアクチュエータ機構
等、通常の機械装置で採用されている一般の昇降機構が
用いられる。なお、液面高さを検出するセンサを設置し
ておき、このセンサの情報を元にして密封箱体の昇降作
動を制御すれば、液面高さをより精密に制御することが
できる。
密封空間の内部圧力は、密封箱体の昇降範囲におい
て、正の圧力すなわち大気圧よりも高い状態から、負の
圧力すなわち大気圧よりも低い状態まで、任意の圧力値
を変化させるように設定できる。すなわち、複数層の光
硬化層を形成している間に、内部圧力が、大気圧よりも
高い範囲内で上下に変化する場合、大気圧よりも高い値
から低い値まで変化する場合、あるいは、大気圧よりも
低い範囲内で上下に変化する場合の何れであってもよ
い。特に、密封空間の液面に適当な強さの正の圧力を作
用させておくと、液面の波打ちを抑えたり、発生した波
の消滅を促進することができ、作業能率の向上に好まし
い。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明におい
て、樹脂液槽の液面上に、光硬化層形成個所とそれ以外
の個所に、互いに分離された密封空間を形成して、それ
ぞれの密封空間の内部圧力を調整自在になし、両密封空
間の内部圧力の差により液面高さを制御するようにして
いる。
密封空間の構造のうち、光硬化層形成個所について
は、前記した請求項2記載の発明における密封箱体と同
様の構造で実施され、光を照射して光硬化層を形成する
範囲全体を、適当な密封壁材で覆っている。但し、この
発明の場合は、密封箱体は固定されており、密封空間の
内部容積は変化しない。光硬化層形成個所の外側も、適
当な密封壁材等で覆って、別の密封空間を形成してい
る。すなわち、樹脂液槽の液面は、2つの密封空間の何
れかに面していることになる。内側の光硬化層形成個所
の密封空間は、上面の光が通過する部分を、前記した光
透過性材料で形成して光透過面を有するようにしてお
く。
両密封空間には、それぞれ加減圧装置が連結されてお
り、加減圧装置から、前記請求項2記載の発明と同様の
空気や不活性ガスを所定の圧力に加圧もしくは減圧して
密封空間へ供給できるようになっている。
上記のような装置を用いて、それぞれの加減圧装置か
ら密封空間への供給圧力を変化させる。光硬化層形成個
所の密封空間の内部圧力が外側の密封空間の内部圧力よ
りも高くなれば、光硬化層形成個所の液面が下がり、圧
力関係が逆になれば、光硬化層形成個所の液面が下が
る。すなわち、両方の密封空間の内部圧力差によって液
面を昇降させることができるのであり、この圧力調整に
よって液面高さを制御する。
この方法の場合も、密封空間への供給圧力を段階的に
変更して、液面高さを段階的に上昇させれば、光硬化層
の上に新たな樹脂液を供給する手段にも兼用できる。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明におい
て、光の照射位置で、液面に圧力気体を吹き付けて液面
高さを制御するようにしている。
液面に圧力気体を吹き付ける手段は、各種機械装置等
で用いられている通常の気体噴射ノズルと同様の構造が
採用できる。圧力気体としては、前記した空気あるいは
不活性ガス等が使用できる。圧力気体を吹きつける場所
は、液面のうち、光の照射位置で、光ビームを中心とし
た一定範囲のみでよい。すなわち、光ビームを照射して
光硬化させている個所のみで、圧力気体の吹き付けによ
る液面の制御を行えばよいのであり、光ビーム照射位置
以外の周辺部分や光ビーム照射前の液面については、所
定の液面高さでなくても構わず、光ビーム照射後の光硬
化層の上に樹脂液が流入しても何ら差し支えない。
所定パターンの光硬化層を形成するには、光ビームを
パターン状に移動走査させる必要があるので、圧力気体
の吹き付け手段も、光ビームと一緒に移動できるように
しておく。そのためには、例えば、光ビームの照射機構
の光学系のうち、集光レンズ等の一部と圧力気体の吹き
付け手段とを一体構造にしておくのが好ましい。
圧力気体の吹き付け圧力が高いほど、液面を強く押し
下げて液面の制御を行うことができるが、吹き付け圧力
が強過ぎると、液面が波打ったり液中に空気が入ったり
するので、目的に応じて適当な圧力で実施する。
この発明の方法は、液面高さを比較的狭い高さ範囲で
正確に制御するのに向いており、光硬化層の上に新たな
樹脂液を供給するために液面を大きく段階的に上昇させ
るときには、通常の樹脂液供給手段を用いるのが好まし
い。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明におい
て、光の照射位置で、液面に正負何れかに帯電した帯電
部材を近接させるとともに、液面を帯電部材と同極に帯
電させ、帯電部材による静電反発圧力を液面に作用させ
て液面高さを制御するようにしている。
帯電部材は、静電気を大量に溜めて帯電させることの
できる帯電性の高い材料からなる帯電ヘッドと、静電気
を発生させたり、発生した静電気を帯電ヘッドに送り込
む静電気発生装置等からなる。静電気発生装置や帯電ヘ
ッドの構造は、各種の静電気利用分野で用いられている
通常の構造のものを用いることができる。液面を帯電部
材と同極に帯電させる方法も、通常の液体に対する帯電
手段が利用できる。
帯電部材を近接させて液面高さを制御するのは、光ビ
ームの照射位置のみでよく、帯電部材の帯電ヘッドを光
ビームの照射経路を囲むように配置して、光ビームの移
動走査とともに帯電ヘッドを移動させるようにしておく
のが好ましい。
〔作用〕
請求項1記載の発明によれば、液面高さを高くしたい
ときには、液面に負の圧力を作用させて液面を引き上げ
るようにし、液面高さを低くしたいときには、液面に正
の圧力を作用させて液面を押し下げるようにすればよ
く、この正負何れかの圧力の強さを調整することによっ
て、液面を任意の高さに正確かつ細かく制御できる。
前記したような、光硬化層を機械的に移動させて液中
に沈めたり、光硬化層の上に樹脂液を流し込んだりする
方法だけでは、どうしても液面高さの制御を正確に行う
ことが困難であったが、この発明では、液面に直接圧力
を作用させているので、極めて正確に細かく液面高さを
制御できる。
したがって、光を照射して光硬化させる樹脂液の厚み
を正確に設定できるとともに、照射される光の焦点と液
面との関係も正確に設定できる。その結果、形成される
光硬化層は、厚みが正確であるとともに光硬化も良好に
行われる。
請求項2記載の発明によれば、密封箱体を液面に被せ
て密封空間を構成しておき、この密封箱体を昇降させる
ことで、密封空間の内部容積を変化させて、密封空間の
内部圧力を変化させる。
密封空間内の液面と密封空間外の液面で、それぞれに
加わっている圧力に差があると、圧力の差に相当する樹
脂液の位置エネルギー分だけ、液面が上昇または下降し
て液面高さが変化する。この発明では、密封空間外には
一定の大気圧が加わっているので、密封空間の内部圧力
を変えることによって、密封空間外の大気圧と間に圧力
差が生じ、それに伴って密封空間の液面が昇降するので
ある。
したがって、密封空間の内部圧力変化すなわち密封箱
体の昇降によって液面高さを自由に制御できることにな
る。
液面高さの制御は、密封箱体で覆われた範囲全体に対
して行われるので、複数の光硬化層を積み重ねる際の、
光硬化層の上への新たな樹脂液の供給手段として利用で
きる。液面高さの変化は、圧力変化に伴って液面全体で
一様に静的に行われるので、液面が波打ったり樹脂液が
激しく動かされることがない。特に、密封空間の液面に
適当な圧力を加えておけば、液面の波打ちを制御したり
沈静する作用も期待できる。
密封空間に不活性ガス等、光硬化層の形成に好ましい
環境を作る気体を充填しておけば、光硬化の促進や形成
される光硬化層の品質向上を図ることも可能になる。
請求項3記載の発明によれば、光硬化層の形成個所の
密封空間と、それ以外の個所の密封空間との、内部圧力
を調整制御することによって、前記請求項2記載の発明
と同様に、両密封空間の内部圧力の差で、光硬化層形成
個所の液面高さを変えることができる。そして、密封空
間の内部容積を機械的に変化させる請求項2記載の発明
に対し、この発明の場合は、密封空間の内部圧力自体を
調整するようにしているので、機械的な動作部分がな
い。
光硬化層形成個所とそれ以外の個所で、それぞれの密
封空間の内部圧力を調整しているので、光硬化層形成個
所の液面高さを極めて正確に調整することができる。
樹脂液槽の全ての液面が密封空間で覆われているの
で、密封空間に不活性ガス等を供給充填しておけば、酸
素等による樹脂液の劣化や光硬化に対する悪影響を防止
することも可能になる。
請求項4記載の発明によれば、液面に圧力気体を吹き
付けることによって、液面を押し下げて液面高さを制御
する。三次元形状の形成方法において、液面高さを正確
に制御する必要があるのは、液面に光を照射して、その
部分の樹脂液が光硬化するときだけであるので、樹脂液
槽の広い範囲で液面を制御しなくても、この発明のよう
に、光の照射位置で液面に圧力気体を吹き付けるだけで
充分に目的を果たせるのである。光硬化層の上に新たな
樹脂液を供給する手段としては、通常の供給手段を適用
して迅速に樹脂液を供給し、光を照射する段階での液面
高さの正確な制御のみを、圧力気体の吹き付けによる、
この発明の方法で実施すれば、樹脂液の迅速な供給と液
面高さの正確な制御とを同時に果たすことができるとと
もに、従来構造の樹脂液槽その他の装置をそのまま使用
することが可能になる。
光硬化層の上に供給された樹脂液に対し、液面を押し
下げてさらに厚みを薄くすることができる。厚みの薄い
樹脂液を光硬化させれば、当然、薄層の光硬化層が形成
できる。その結果、複数の光硬化層を積み重ねて形成さ
れる三次元形状の成形品の外形に、光硬化層毎に生じる
段差が目立たなくなり、三次元形状の外形を滑らかにし
て形状精度を高めることができる。
請求項5記載の発明によれば、同極に帯電した帯電部
材と液面との間に作用する静電反発圧力で液面を押し下
げて、液面高さを制御する。
この発明の場合も、前記請求項4記載の発明と同じ
く、光の照射位置のみで液面を制御することができ、前
記同様の作用が発揮できる。
しかも、帯電部材による静電反発圧力は、圧力気体の
吹き付け等に比べて、より静的に作用するので、液面の
波打ちや樹脂液の移動が一層少なくなる。
〔実 施 例〕
つぎに、本願発明の実施例について図面を参照しなが
ら詳しく説明する。
第1図は、三次元形状の形成装置の概略構造を示して
おり、光硬化性樹脂液20を収容した樹脂液槽10の上方に
光ビームBを照射して樹脂液20を光硬化させるようにな
っている。光ビームBの照射機構としては、図示してい
ないが、通常の光照射機構と同様に、レーザ発生装置、
光変調器、集光レンズ等を備えているものとする。
矩形状をなす樹脂液槽10の内側で、樹脂液20の上方に
直方体状の容器を逆様にした形状を有する密封箱体50が
被せられている。密封箱体50は下面が開口し、側壁を樹
脂液20に侵入させており、密封箱体50と樹脂液20の液面
との間に密封空間51が構成されている。密封箱体50は、
透明なガラスや合成樹脂等から形成されており、密封箱
体50の上方から照射された光ビームBが、密封箱体50を
通過し樹脂液20の液面に照射されて光硬化層40を形成で
きるようになっている。密封空間51には、周囲と同じ大
気が入っていてもよいが、窒素ガスやその他の不活性ガ
スを充填しておくことが好ましい。密封箱体50は昇降自
在に設けられており、図示しないが、シリンダ機構やリ
ンク機構等を組み合わせた適当な昇降機構が設けられて
いる。
上記のような装置を用いる三次元形状の形成方法につ
いて説明する。
第2図に示すように、何層かの光硬化層40が形成され
た段階で、つぎに光硬化させるための新たな樹脂液20を
最上部に光硬化層40の上に供給する場合、密封箱体50を
上昇させると、密封空間51の内部容積が増えて内部圧力
が下がり、それに伴って液面が上昇する。密封箱体50の
外側では樹脂液20の液面は下降する。すなわち、密封箱
体50が高さΔLだけ上昇すると、密封空間51の液面高さ
もΔHだけ上昇するのである。この液面高さの変化量Δ
Hを、つぎに光硬化させる樹脂液の厚みに設定しておけ
ば、密封箱体50の上昇によって光硬化層40の上に所定の
厚みの新たな樹脂液20を供給することができるのであ
る。予め、密封箱体50の上昇量ΔLと液面の上昇量ΔH
の関係が判っていれば、密封箱体50の上昇量ΔLを調整
することによって、液面の上昇量ΔHが正確に制御でき
る。液面の高さを、適当なセンサ手段によって検出して
おき、その検出情報を元にして密封箱体50の昇降量を制
御すれば、より正確な液面の制御が行える。
上記方法では、光硬化層40自体は全く移動される固定
されたままで、液面だけを上昇させており、複数層に積
み重ねられた光硬化層40は、樹脂液槽10の底面に順番に
積み重ねられて三次元形状を有する成形品Mが得らる。
樹脂液槽10の底面付近で光硬化層40を形成する段階で
は、密封箱体50を樹脂液20の中に押し込んで、密封空間
51の液面が周囲の液面よりも低くなるように制御する。
液面を変化させるには、上記のような密封箱体50の昇
降による液面の引き上げ押し下げのみで行ってもよい
が、光硬化層40の層数が増えるにつれて、樹脂液槽10に
新たな樹脂液20を追加供給するようにしてもよい。この
ような樹脂液20の追加供給を併用すれば、成形品M全体
を形成するまでの密封箱体50の昇降距離が少なくて済
む。
つぎに、第3図および第4図に示す別の実施例につい
て説明する。
この実施例でも、樹脂液槽10の中央に、直方体状の容
器を逆様にした形状の密封箱体54が設けられているが、
この密封箱体54は昇降することなく樹脂液槽10側に固定
されている。密封箱体54の周囲には外蓋52が設けられ、
外蓋52と密封箱体54で樹脂液槽10の開口面を塞いでい
る。したがって、密封箱体54と樹脂液20の液面との間
に、ひとつの密封空間55が構成され、密封箱体54の外側
で外蓋52と液面との間にもうひとつの密封空間53が形成
されている。それぞれの密封空間55,53には、配管63,62
を経て加減圧装置60,61が連結されている。加減圧装置6
0,61は、空気や不活性ガス等の気体を任意の圧力で供給
できるようになっている。
上記のような装置を用いた三次元形状の形成方法につ
いて説明する。
第4図に示すように、加減圧装置60,61からの供給圧
力によって、密封空間55の液面には圧力P2が加わり、密
封空間53の液面には圧力P1が加わるようにすると、両方
の圧力の差に対応して、液面の高さに違いが生じる。こ
の圧力差を段階的に変えていけば、光硬化層40上への段
階的な樹脂液の供給が行える。
圧力P2と圧力P1は、一方が正圧すなわち大気圧以上で
他方が負圧すなわち大気圧以下であってもよいし、両方
とも正圧であってもよく、両方が負圧の場合もある。液
面高さの変化を迅速かつ大幅に行うには、正圧と負圧を
組み合わせて圧力差を大きくするのが好ましい。さら
に、どちらか一方の密封空間を大気中に開放して大気圧
を加え、他方の密封空間のみに正負何れかの圧力を加え
るようにすることも可能である。但し、この場合は、大
気中に開放された密封空間では不活性ガスによる樹脂液
の保護や光硬化作用の改善は果たせない。
光硬化層形成個所の密封空間55に大気圧以上の適当な
圧力を加えておくと、液面に波打ちが生じ難く、発生し
た波も迅速に消滅する。
つぎに、第5図および第6図に示す別の実施例につい
て説明する。
この実施例では、樹脂液槽10に、従来装置と同様の、
昇降自在な成形台70が沈めてあり、この成形台70の上に
光硬化層40および成形品Mを形成する。成形台70は、昇
降腕71を経て、樹脂液槽10の外部に設けたモータ等から
なる駆動機構(図示せず)に連結されている。
樹脂液槽10の上方には、集光レンズ30等からなる通常
の光照射機構が備えられている。光ビームBの昇降経路
を囲むように、圧力気体の噴射ノズル80が設けられてい
る。噴射ノズル80の先端は、液面と平行な下面を有する
フランジ部81となっている。噴射ノズル80の中心を貫通
するガス供給路82は圧力気体の供給装置(図示せず)に
連結されているとともに、ガス供給路82の中央を通して
光ビームBが照射されるようになっている。したがっ
て、ガス供給路82の上部には、光ビームBを通過させる
光透過部を設けておいて、ガス供給路82の外部に設置さ
れた光ビーム発生装置から照射された光ビームBをガス
供給路82内に導入する必要がある。また、ガス供給路82
の内部に光ビームBの照射機構全体を設置しておいても
よい。さらに、光ファイバ等の光伝送路を噴射ノズル80
の中央に貫通させて配設しておいてもよい。
ガス供給路82の途中には、圧力計83が取り付けられて
いて、圧力気体の噴射圧力を管理できるようになってい
る。
上記装置の使用について説明する。先に形成された光
硬化層40の上に新たな樹脂液20を供給するのは、従来の
通常の方法と同様に、成形台70を段階的に下降させて光
硬化層40を樹脂液20に沈めていく。成形台70の下降によ
って光硬化層40の上を覆った樹脂液20の厚みもしくは液
面高さは、それほど厳密に設定しなくてもよい。
第6図に示すように、光ビームBを照射する段階で、
噴射ノズル80の先端から空気もしくは不活性ガス等の圧
力気体を液面に噴射する。そうすると、圧力気体が、噴
射ノズル80のフランジ部81下面と液面との間を通過して
周囲に逃げていく過程で、圧力気体が液面を押し下げる
ことになる。その結果、噴射ノズル80下方の液面と樹脂
液中の光硬化層40との間の間隔Tは、圧力気体を噴射す
る前の間隔T′よりも狭くなる。このとき、噴射ノズル
80からの圧力気体の噴射を全周方向で均等にしておけ
ば、圧力気体による液面の押し下げ作用は全周方向で均
等に働き、液面は流動せずに静水圧状態でバランスした
状態で押し下げられる。
このようにして、つぎに光を照射して光硬化層40を形
成するための樹脂液20の厚みTを、圧力気体の噴射によ
って確実に制御できることになる。また、圧力気体によ
り噴射ノズル80の下面と液面との間の距離も一定に保た
れるので、光ビームBの焦点を、噴射ノズル80の下面か
ら一定距離の位置に設定しておけば、自動的に液面近傍
の最適な位置に焦点が合うことになる。
このような状態で、光ビームBを液面に照射すれば、
正確に厚みが制御された光硬化層40を形成することがで
き、光ビームBの焦点も最適な位置に合っているので、
光硬化作用も良好に行われる。なお、光ビームBは、水
平方向に移動走査させながら所定パターンの光硬化層40
を形成し、噴射ノズル80も光ビームBとともに移動させ
るので、圧力気体の噴射によって押し下げられた液面部
分も光ビームBの移動走査に伴って移動していく。しか
し、光硬化層40が形成された後で、光硬化層40の上を樹
脂液20が再び覆うようになっても何ら差し支えはない。
上記の方法において、圧力気体による液面の押し下げ
量は、粘度や比重等の樹脂液の性質と、圧力気体の噴射
圧力の条件によって変わるので、目的とする樹脂液20の
厚みTが得られるように、圧力気体の噴射圧力を設定す
る。
光硬化層40上の樹脂液20の厚みTを正確に設定するに
は、液面位置や光硬化層40の表面位置をセンサ等で検出
して、このセンサの情報を元にして、噴射ノズル80と液
面との距離を設定したり、圧力気体の噴射圧力を設定す
ることもできる。
上記方法は、光硬化層40を昇降する成形台70の上に積
み重ねて形成していく場合だけでなく、樹脂液槽10に段
階的に新たな樹脂液を追加供給して光硬化層40の上に樹
脂液を供給する場合等、光硬化層40の上に樹脂液を供給
する手段については、自由に変更することができる。
つぎに、第7図および第8図に示す実施例について説
明する。
この実施例で用いる装置は、基本的には、前記第5図
および第6図に示した実施例とほぼ同様の構成を備えて
いる。すなわち、樹脂液槽10の樹脂液20内で、昇降腕71
に連結された成形台70を下層させ光硬化層40を樹脂液中
に沈めて、光硬化層40の上に樹脂液20を供給する。
光ビームBの照射経路を囲んで、帯電部材85が設けら
れている。帯電部材85は、先端にフランジ状の帯電ヘッ
ド86を備えるとともに、上記帯電ヘッド86を帯電させる
ための静電気発生装置(図示せず)を備えている。帯電
部材85の中心には、光ビームBを通過させるための光透
過孔87が形成されている。したがって、この実施例で
は、前記実施例における噴射ノズル80の代わりに帯電部
材85を用いることになる。また、樹脂液槽10内の樹脂液
20の液面を帯電させるための帯電装置(図示せず)も備
えている。
上記装置の作動について説明する。光硬化層40の上に
新たな樹脂液20を供給するのは、前記実施例と同様に成
形台70の下降により行う。
光硬化層40の上を、ほぼ必要な厚みの樹脂液20が覆っ
た後、第8図に示すように、帯電部材80の帯電ヘッド86
と樹脂液20の液面とを同じ極(図ではプラス極)に帯電
させる。同じ極同士は反発するので、この静電反発力に
よって、液面が押し下げられ、光硬化層上に樹脂液は、
当初の厚みがT′であったのが、帯電部材85の作用で押
し下げられて、厚みTに変化する。
液面が押し下げられる範囲は、帯電ヘッド86の平坦な
下面とほぼ対向する範囲であり、静電反発力は帯電ヘッ
ド86および液面と直交する方向に働くので、液面は垂直
下方に静的に押し下げられ、樹脂液20が波打ったり強く
動かされたりすることはない。また、帯電部材85による
静電反発力が作用している限り、押し下げられた液面は
静水圧状態でバランスを保っている。
この状態で、静電部材85の中央から液面に光ビームB
を照射すれば、前記第6図に示した実施例と同様にし
て、光ビームBの焦点は正確に液面近傍の所定位置に合
い光硬化作用が良好に行われて、目的とする正確な厚み
の光硬化層40が形成されることになる。
帯電部材85による液面の押し下げ量を変えるには、帯
電部材85に静電気を供給する静電気発生装置を調整し
て、帯電ヘッド81の帯電量を変化させれば、液面との間
で作用する静電反発力が増減して液面の押し下げ量も変
わる。
〔発明の効果〕
以上に述べた、この発明にかかる三次元形状の形成方
法のうち、請求項1記載の発明は、樹脂液槽の液面に圧
力を作用させて、直接液面高さを制御しているので、液
面高さの設定が極めて正確に行える。
そのため、従来技術の、光硬化層を樹脂液中に沈める
だけの方法や、光硬化層の上に樹脂液を追加供給するだ
けの方法のように、光硬化層の上に供給される樹脂液の
厚みにバラツキが生じたり不正確になって、三次元形状
全体の形状精度が低下するという問題を解消することが
できる。また、従来の方法だけでは、樹脂液の粘性や流
動性の点で、光硬化層の上に供給する樹脂液の厚みを薄
くするには限界があったが、この発明の方法では、光硬
化層の上に供給された樹脂液に対して、液面高さを制御
することによって樹脂液の厚みをさらに薄くすることが
できるので、従来方法では形成不可能な薄い樹脂液を光
硬化させて薄層の光硬化層を形成することができる。三
次元形状の形成方法では、光硬化層の厚みが薄い程、光
硬化層を積み重ねて形成される三次元形状の外見が滑ら
かになり形状精度が向上するので、この発明の方法によ
って、外観的に優れ形状精度の高い三次元形状製品を製
造することが可能になる。
請求項2記載の発明は、密封箱体の昇降によって密封
箱体内部の密封空間の液面を制御しており、光硬化層は
固定したままでよいので、昇降する成形台を用いる方法
のように、光硬化層の表面が傾いたり位置ずれを起こし
たりする心配がなく、三次元形状成形品の形状精度が向
上する。
密封空間全体の液面が静的に変化するので、樹脂液を
光硬化層の上に追加供給する方法のような液面の波打ち
樹脂液の激しい移動等が生じず、液面を変化させた後、
直ぐに光の照射が行え、作業能率が向上する。
光を照射する液面が密封箱体で覆われているので、液
面にゴミ等が付着して光の照射を邪魔することがない。
密封空間に窒素ガスやその他の不活性ガスを充填して
おけば、空気中の酸素が光硬化を阻害したり悪影響を与
えるのを防止することができる。
請求項3記載の発明は、光硬化層の形成個所とそれ以
外の個所に設けた密封空間の内部圧力を調整することに
よって、光硬化層形成個所の液面を制御しており、光硬
化層形成個所の密封空間の液面に圧力を作用させる点で
は、請求項2記載と同様の効果が発揮できるとともに、
光硬化層形成個所の外側の密封空間でも内部圧力を調整
できるので、より厳密かつ迅速な液面の制御が行える。
樹脂液槽全体の液面が何れかの密封空間に覆われている
ので、密封空間に不活性ガス等を充填して光硬化作用を
良好に行わせたり樹脂液の劣化を防止することができ
る。
請求項4記載の発明は、光の照射位置のみに圧力気体
を吹き付けて液面を制御しており、樹脂液槽の構造や樹
脂液の供給手段は、従来の方法と同様のもので実施でき
るので、装置構造が簡単で、従来の装置に付加して実施
することも可能である。圧力気体の吹き付け手段等は全
て、樹脂液槽の上方もしくは外部に設置しておけばよい
ので、形成する光硬化層もしくは三次元形状の寸法や形
状には全く制約がなく、任意の大きさの三次元形状製品
を製造することができる。液面の制御範囲を、光硬化層
の形成に必要な光の照射位置のみに限定しているので、
広い範囲に圧力を作用させるのに比べてエネルギー消費
が少ない。
圧力気体として不活性ガス等、光の照射位置における
光硬化作用に好ましい雰囲気を作り得る気体を用いれ
ば、光硬化の進行を促進させて作業能率を高めたり、光
硬化層の品質性能を向上させることも可能になる。
請求項5記載の発明は、帯電部材と液面とを同極に帯
電させるときの静電反発力で液面を制御しており、前記
請求項4記載の発明と同様に、樹脂液槽の構造や樹脂液
の供給手段は任意に選択でき、形成する光硬化層や三次
元形状の大きさにも制約がない。
しかも、静電反発力で液面を制御するので、液面の変
化が静的かつ迅速に行われ、液面に波打ちが生じたり、
樹脂液が強く動かされるようなことがないので、液面を
変化させた後、直ちに光の照射を行えることになり、作
業能率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例を示す斜視図、第2図は作業
状態を示す断面図、第3図は別の実施例を示す斜視図、
第4図は作動状態を示す断面図、第5図はさらに別の実
施例を示す概略断面図、第6図は前図X部分の拡大図、
第7図はさらに別の実施例を示す概略断面図、第8図は
前図Y部分の拡大図、第9図は従来例の概略断面図であ
る。 10……樹脂液槽、20……光硬化性樹脂液、40……光硬化
層、50,54……密封箱体、51,53,55……密封空間、52…
…外蓋、60,61……加減圧装置、80……噴射ノズル、85
……帯電部材、B……光ビーム、M……成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池中 忍 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (72)発明者 小笠原 正信 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (72)発明者 内野々 良幸 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂液槽内に収容された光硬化性樹脂液の
    液面に光を照射して光硬化層を形成し、この光硬化層を
    複数層積み重ねて所望の三次元形状を形成する方法にお
    いて、液面に正負何れかの圧力を作用させて液面高さを
    制御することを特徴とする三次元形状の形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の発明において、光透過面を
    有する逆容器状の密封箱体を樹脂液槽の光硬化層形成個
    所の液面に被せて密封箱体と液面の間に密封空間を形成
    しておき、密封箱体を昇降させることにより、密封空間
    の液面に圧力を作用させて液面高さを制御する三次元形
    状の形成方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の発明において、樹脂液槽の
    液面上で、光硬化層形成個所とそれ以外の個所に、互い
    に分離された密封空間を形成して、それぞれの密封空間
    の内部圧力を調整自在になし、両密封空間の内部圧力の
    差により液面高さを制御する三次元形状の形成方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の発明において、光の照射位
    置で、液面に圧力気体を吹き付けて液面高さを制御する
    三次元形状の形成方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の発明において、光の照射位
    置で、液面に正負何れかに帯電した帯電部材を近接させ
    るとともに、液面を帯電部材と同極に帯電させ、帯電部
    材による静電反発圧力を液面に作用させて液面高さを制
    御する三次元形状の形成方法。
JP1191672A 1989-07-24 1989-07-24 三次元形状の形成方法 Expired - Fee Related JP2665258B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1191672A JP2665258B2 (ja) 1989-07-24 1989-07-24 三次元形状の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1191672A JP2665258B2 (ja) 1989-07-24 1989-07-24 三次元形状の形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0355225A JPH0355225A (ja) 1991-03-11
JP2665258B2 true JP2665258B2 (ja) 1997-10-22

Family

ID=16278541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1191672A Expired - Fee Related JP2665258B2 (ja) 1989-07-24 1989-07-24 三次元形状の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2665258B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016200016A1 (ko) * 2015-06-09 2016-12-15 오스템임플란트 주식회사 적층식 광조형 장치
KR101857378B1 (ko) 2013-12-19 2018-05-11 에토레 마우리지오 코스타베베르 스테레오리소그래피 장치를 위한 개선된 카트리지와, 상기 개선된 카트리지를 수용하도록 된 스테레오리소그래피 장치 및 상기 개선된 카트리지를 이용하는 방법

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2920329B2 (ja) * 1991-04-04 1999-07-19 山梨県 レーザーリソグラフィを用いた模型の造形装置
CA2118021A1 (en) * 1992-04-15 1993-10-28 Young C. Bae Rapid prototype three-dimensional stereolithography
MX9705844A (es) * 1995-02-01 1997-11-29 3D Systems Inc Recubrimiento rapido de objetos tridimensionales con una base en seccion transversal.
EP1880831A1 (en) * 2006-07-11 2008-01-23 Nederlandse Organisatie voor Toegepast-Natuuurwetenschappelijk Onderzoek TNO Method and system for layerwise production of a tangible object
TWI580588B (zh) * 2014-04-15 2017-05-01 三緯國際立體列印科技股份有限公司 立體列印模組與應用其之立體列印裝置
CN107225761A (zh) * 2017-08-10 2017-10-03 上海联泰科技股份有限公司 气路结构及所适用的3d打印设备、打印方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101857378B1 (ko) 2013-12-19 2018-05-11 에토레 마우리지오 코스타베베르 스테레오리소그래피 장치를 위한 개선된 카트리지와, 상기 개선된 카트리지를 수용하도록 된 스테레오리소그래피 장치 및 상기 개선된 카트리지를 이용하는 방법
WO2016200016A1 (ko) * 2015-06-09 2016-12-15 오스템임플란트 주식회사 적층식 광조형 장치
KR20160144838A (ko) * 2015-06-09 2016-12-19 오스템임플란트 주식회사 적층식 광조형 장치
KR102234197B1 (ko) 2015-06-09 2021-03-31 오스템임플란트 주식회사 적층식 광조형 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0355225A (ja) 1991-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5139711A (en) Process of and apparatus for making three dimensional objects
KR20010051780A (ko) 광경화성 수지 3차원 조형물의 적층 조형 장치 및 그 적층조형 방법
US11718027B2 (en) Device and method for producing three-dimensional workpieces
JP2665258B2 (ja) 三次元形状の形成方法
CN105014970B (zh) 一种光固化立体模型的成型设备及其成型方法
CN105599297A (zh) 制造三维物体的槽、系统及方法
JPS61114818A (ja) 立体形状形成装置
US20200198235A1 (en) Lifting system for device and a method for generatively manufacturing a three-dimensional object
JPH05286040A (ja) 三次元形状の形成方法
JPH0788966A (ja) 三次元形状の形成方法
JP3330094B2 (ja) 三次元形状の形成方法
KR102263697B1 (ko) 3차원물체를 성형하는 3d 프린터
WO2019130734A1 (ja) 立体造形装置および立体造形物の製造方法
JP2715649B2 (ja) 樹脂立体形状形成装置と形成方法
KR101977327B1 (ko) 성형물 지지유니트 및 이를 적용한 3d 프린터와 프린팅 방법
CN109203468A (zh) 一种快速光固化3d打印装置
CN113276408A (zh) 一种液体内连续光固化成型增材制造装置及其制造方法
CN105619819A (zh) 一种三维成型装置及方法
KR20190023014A (ko) 광경화성 3d 프린터 및 제품 성형방법
JPH11342541A (ja) 光造形装置
JPH07119064B2 (ja) 立体モデル製造法
JP2023531229A (ja) 光硬化型3dプリンタ及びプリンティング方法
JPH0655643A (ja) 光造形物の製造方法および装置
KR101976636B1 (ko) 광경화성 3d 프린터 및 제품 성형방법
JPH02103127A (ja) 三次元形状の形成方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees