JP2663530B2 - 溶接用合金粉末およびその製造方法 - Google Patents
溶接用合金粉末およびその製造方法Info
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- JP2663530B2 JP2663530B2 JP63168022A JP16802288A JP2663530B2 JP 2663530 B2 JP2663530 B2 JP 2663530B2 JP 63168022 A JP63168022 A JP 63168022A JP 16802288 A JP16802288 A JP 16802288A JP 2663530 B2 JP2663530 B2 JP 2663530B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は例えばロール，工具類，耐熱部品等の肉盛溶
接等に用いられる溶接用合金粉末およびその製造方法に
関するものである。
接等に用いられる溶接用合金粉末およびその製造方法に
関するものである。
例えばロール等の肉盛りには従来、Co基合金,Ni基合
金，鉄基合金を溶接用合金として用いられている。
金，鉄基合金を溶接用合金として用いられている。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、上記従来の溶接用合金においては、溶
接の際に生ずる溶湯の粘度を調節することが困難であ
り、溶湯の粘度が高い場合には肉厚が不均一となり易く
また空孔が発生し易い。また溶湯の粘度が低い場合には
所定の肉厚が得られにくゝなりまた空孔も発生し易い。
接の際に生ずる溶湯の粘度を調節することが困難であ
り、溶湯の粘度が高い場合には肉厚が不均一となり易く
また空孔が発生し易い。また溶湯の粘度が低い場合には
所定の肉厚が得られにくゝなりまた空孔も発生し易い。
本発明は上記従来の課題を解決する手段として、重量
％でアルミニウム0.08％以下、酸素0.05％以下を含む溶
接用合金粉末であって、該溶接用合金粉末に含まれるア
ルミニウムと酸素の量（重量％）〔Al〕と〔Ｏ〕とが下
記の条件 2.5〔Al〕＞〔Ｏ〕＞0.625〔Al〕 ……（１） を満足するように設定することにより生成されるAl2O3
量を制御する溶接用合金粉末を提供するものである。
％でアルミニウム0.08％以下、酸素0.05％以下を含む溶
接用合金粉末であって、該溶接用合金粉末に含まれるア
ルミニウムと酸素の量（重量％）〔Al〕と〔Ｏ〕とが下
記の条件 2.5〔Al〕＞〔Ｏ〕＞0.625〔Al〕 ……（１） を満足するように設定することにより生成されるAl2O3
量を制御する溶接用合金粉末を提供するものである。
本発明に用いられる上記合金粉末とはCo基合金,Ni基
合金，鉄基合金が例示される。
合金，鉄基合金が例示される。
このような合金に上記条件を満足せしめる〔Al〕と
〔Ｏ〕とを含有せしめるには第１図に示す金属粉末製造
装置を用いる。図において（１）はガスチャンバーであ
り上面には溶湯容器（２）のノズル（21）が連絡し、該
ノズル（21）の周囲には窒素ガス，アルゴンガス等の不
活性ガスを噴射するガス噴射ノズル（３）が配置され
る。そして該ガスチャンバー（１）の下端にはバルブ
（41）を付した取出し口（４）が連絡する。更に該ガス
チャンバー（１）には流量計（51）を付した空気導入路
（５）が接続され、また酸素濃度計（６）に連絡する酸
素センサ（61）が挿入されている。
〔Ｏ〕とを含有せしめるには第１図に示す金属粉末製造
装置を用いる。図において（１）はガスチャンバーであ
り上面には溶湯容器（２）のノズル（21）が連絡し、該
ノズル（21）の周囲には窒素ガス，アルゴンガス等の不
活性ガスを噴射するガス噴射ノズル（３）が配置され
る。そして該ガスチャンバー（１）の下端にはバルブ
（41）を付した取出し口（４）が連絡する。更に該ガス
チャンバー（１）には流量計（51）を付した空気導入路
（５）が接続され、また酸素濃度計（６）に連絡する酸
素センサ（61）が挿入されている。
上記金属粉末製造装置において溶湯容器（２）中の溶
湯（71）はガス噴射ノズル（３）から不活性ガスを噴射
することによってノズル（21）からスプレーされ、粉末
（７）となってガスチャンバー（１）の下部に堆積す
る。この場合〔Al〕は溶湯（71）中のアルミニウム添加
量を調節することにより適正範囲内に調節される。即ち
〔Al〕の適正範囲は0.08％以下であるが、これより多く
添加すると溶接の際に多量のAl2O3が生成され溶接面の
品質を悪くする。
湯（71）はガス噴射ノズル（３）から不活性ガスを噴射
することによってノズル（21）からスプレーされ、粉末
（７）となってガスチャンバー（１）の下部に堆積す
る。この場合〔Al〕は溶湯（71）中のアルミニウム添加
量を調節することにより適正範囲内に調節される。即ち
〔Al〕の適正範囲は0.08％以下であるが、これより多く
添加すると溶接の際に多量のAl2O3が生成され溶接面の
品質を悪くする。
次いで〔Ｏ〕を適正範囲に調節するには酸素濃度計
（６）によってガスチャンバー（１）内の酸素濃度を測
定して、ガスチャンバー（１）内に空気導入路（５）か
ら空気を送ってカスチャンバー（１）内の酸素濃度を所
定範囲にする。即ちガスチャンバー（１）内の酸素濃度
と得られる合金粉末の〔Ｏ〕とは例えばNi80−Cr20合金
の場合第２図に示すような関係がある。〔Ｏ〕は0.05％
以下であるから第２図により空気導入路（５）から供給
される空気量を調節することによってガスチャンバー
（１）内の酸素濃度を0.50重量％以下とする。
（６）によってガスチャンバー（１）内の酸素濃度を測
定して、ガスチャンバー（１）内に空気導入路（５）か
ら空気を送ってカスチャンバー（１）内の酸素濃度を所
定範囲にする。即ちガスチャンバー（１）内の酸素濃度
と得られる合金粉末の〔Ｏ〕とは例えばNi80−Cr20合金
の場合第２図に示すような関係がある。〔Ｏ〕は0.05％
以下であるから第２図により空気導入路（５）から供給
される空気量を調節することによってガスチャンバー
（１）内の酸素濃度を0.50重量％以下とする。
合金粉末中の酸素の量を0.05％以下としたのは0.05％
を越えるとアルミニウムと同様、溶設の際に多量のAl2O
3が生成され溶接面の品質を悪くするからである。
を越えるとアルミニウムと同様、溶設の際に多量のAl2O
3が生成され溶接面の品質を悪くするからである。
このようにして上記（１）式を満足せしめる量のアル
ミニウムと酸素を含む合金が得られるが、上記（１）式
を満足せしめる〔Al〕と〔Ｏ〕とを図示すれば第３図の
斜線領域となる。図において、Ａ直線は〔Ｏ〕＝2.5〔A
l〕を表わし、Ｂ直線は〔Ｏ〕＝0.625〔Al〕を表わし、
Ｃ直線は〔Ｏ〕と〔Al〕との最っとも望ましい関係を表
わす直線で〔Ｏ〕＝0.85〔Al〕である。そしてＤ直線は
〔Ｏ〕＝0.05を表わす。
ミニウムと酸素を含む合金が得られるが、上記（１）式
を満足せしめる〔Al〕と〔Ｏ〕とを図示すれば第３図の
斜線領域となる。図において、Ａ直線は〔Ｏ〕＝2.5〔A
l〕を表わし、Ｂ直線は〔Ｏ〕＝0.625〔Al〕を表わし、
Ｃ直線は〔Ｏ〕と〔Al〕との最っとも望ましい関係を表
わす直線で〔Ｏ〕＝0.85〔Al〕である。そしてＤ直線は
〔Ｏ〕＝0.05を表わす。
本発明の合金は一般に平均粒度が100〜200メッシュ程
度の粉末とされるが、溶接作業性の点で該粒度分布は出
来るだけ狭くすることが望ましく、そのためにはガスチ
ャバー（１）から取出された合金粉末を適当に篩によっ
て分級することが望ましい。
度の粉末とされるが、溶接作業性の点で該粒度分布は出
来るだけ狭くすることが望ましく、そのためにはガスチ
ャバー（１）から取出された合金粉末を適当に篩によっ
て分級することが望ましい。
本発明の合金はこのように粉末として所定の物品の所
定の位置に肉盛溶接される場合もある。
定の位置に肉盛溶接される場合もある。
本発明の合金中のアルミニウムと酸素はその含量が第
３図斜線内の範囲において溶接の際の熱により反応して
適正量の酸化アルミニウムAl2O3を生成し、該適正量のA
l2O3が合金の溶融粘度を適正な範囲に置くものと考えら
れる。
３図斜線内の範囲において溶接の際の熱により反応して
適正量の酸化アルミニウムAl2O3を生成し、該適正量のA
l2O3が合金の溶融粘度を適正な範囲に置くものと考えら
れる。
したがつて本発明においては、合金を溶接する際に合
金の溶融粘度が適正範囲に維持され、溶接部分の肉厚が
保証されるとともに空孔の発生も防止される。
金の溶融粘度が適正範囲に維持され、溶接部分の肉厚が
保証されるとともに空孔の発生も防止される。
本発明はロールや工具類、耐熱部品の肉盛溶接等に用
いられて有用である。
いられて有用である。
実施例 原料合金としてアルミニウムを0.05重量％含むNi80−
Cr20合金を用い、第１図に示す金属粉末製造装置により
該合金を粉末化するが、この際のガスチャンバー（１）
内の酸素濃度を0.38重量％に維持する。このようにして
〔Al〕＝0.05、〔Ｏ〕＝0.04（第３図○）のNi80−Cr20
合金粉末を得る。同様にして〔Al〕を0.01,0.02,0.06,
0.07に変更し〔Ｏ〕＝0.04とした合金粉末（第３図×1,
△1,△2,×２）を作製し、更に〔Al〕＝0.05で〔Ｏ〕＝
0.06とした合金粉末（第３図×３）も同様にして作製す
る。
Cr20合金を用い、第１図に示す金属粉末製造装置により
該合金を粉末化するが、この際のガスチャンバー（１）
内の酸素濃度を0.38重量％に維持する。このようにして
〔Al〕＝0.05、〔Ｏ〕＝0.04（第３図○）のNi80−Cr20
合金粉末を得る。同様にして〔Al〕を0.01,0.02,0.06,
0.07に変更し〔Ｏ〕＝0.04とした合金粉末（第３図×1,
△1,△2,×２）を作製し、更に〔Al〕＝0.05で〔Ｏ〕＝
0.06とした合金粉末（第３図×３）も同様にして作製す
る。
上記６種類の合金粉末を用いて第４図に示すような溶
接テストを実施した。被溶接体（10）上に肉盛り溶接
し、肉盛部（11）の肉盛り組織を調査比較した。用いた
合金粉末と肉盛部（11）の状態との関係は第１表に示さ
れる。
接テストを実施した。被溶接体（10）上に肉盛り溶接
し、肉盛部（11）の肉盛り組織を調査比較した。用いた
合金粉末と肉盛部（11）の状態との関係は第１表に示さ
れる。
合金 肉盛り部の状態 ×１ 空孔発生 △１ ごく微量の空孔発生 ○ 空孔皆無 △２ ごく微量の空孔発生 ×１ 空孔発生 ×３ 酸化物の発生をみる 第 １ 表 第１表に示すように本発明の合金△1,○，△２は空孔
がごく微量に発生するかまたは皆無であるが、本発明の
範囲を外れた合金×1,×２は空孔の顕著な発生をみ、ま
た〔Ｏ〕＞0.05以上の合金×３では顕著な酸化物の発生
をみる。
がごく微量に発生するかまたは皆無であるが、本発明の
範囲を外れた合金×1,×２は空孔の顕著な発生をみ、ま
た〔Ｏ〕＞0.05以上の合金×３では顕著な酸化物の発生
をみる。
第１図は本発明に用いられる金属粉末製造装置の断面
図、第２図は該装置のガスチャンバー内の酸素濃度と合
金の〔Ｏ〕との関係を示すグラフ、第３図は合金の
〔Ｏ〕と〔Al〕との適正範囲を示すグラフ、第４図は肉
盛り実施テストの説明図である。 図中 （１）……ガスチャンバー、（２）……溶湯容
器、（３）……ガス噴射ノズル、（５）……空気導入
路、（６）……酸素濃度計、（71）……溶湯、（７）…
…合金粉末
図、第２図は該装置のガスチャンバー内の酸素濃度と合
金の〔Ｏ〕との関係を示すグラフ、第３図は合金の
〔Ｏ〕と〔Al〕との適正範囲を示すグラフ、第４図は肉
盛り実施テストの説明図である。 図中 （１）……ガスチャンバー、（２）……溶湯容
器、（３）……ガス噴射ノズル、（５）……空気導入
路、（６）……酸素濃度計、（71）……溶湯、（７）…
…合金粉末
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−179891（ＪＰ，Ａ) 「ＯＰＥＲＡＴＩＮＧ ＩＮＳＴＲＵ ＣＴＩＯＮ ｆｏｒ ＰＳＭ−２ ＷＥ ＬＤ ＳＵＲＦＡＣＩＮＧ ＭＡＣＨＩ ＮＥ （Ｓｅｒｉｅｓ Ａ）」ＦＯＲＭ 11−724−Ｂ ユニオンカ−バイド社 発行（1976年12月），Ｐ１−24（特に Ｐ．３左欄，Ｐ．14「３．ＰＯＷＤＥ Ｒ」の欄参照) 「Ｐ／Ｍ ＳＥＭＰ」ＴＩＲＡＧＥＳ ＰＲＥＬＩＭＩＮＡＩＲＥＳ．ＶＯＲ ＡＢＤＲＵＣＫＥ発行（1978年６月）, Ｐ．243−248（特に第244，246頁)
Claims (4)
- 【請求項１】重量％でアルミニウム0.08％以下、酸素0.
05％以下を含む溶接用合金粉末であって、該溶接用合金
粉末に含まれるアルミニウムと酸素の量（重量％）〔A
l〕と〔Ｏ〕とが下記の条件 2.5〔Al〕＞〔Ｏ〕＞0.625〔Al〕 を満足するように設定することにより生成されるAl2O3
量を制御することを特徴とする溶接用合金粉末 - 【請求項２】前記溶接用合金粉末がコバルト基合金粉
末、ニッケル基合金粉末、鉄基合金粉末のうちの１種で
ある請求項（１）記載の溶接用合金粉末 - 【請求項３】ガスアトマイズ法により、重量％でアルミ
ニウム0.08％、酸素0.05％以下を含む溶接用合金粉末を
製造するに際し、溶接用合金粉末に含まれるアルミニウ
ムと酸素の量（重量％）〔Al〕と〔Ｏ〕とが下記の条件 2.5〔Al〕＞〔Ｏ〕＞0.625〔Al〕 を満足するようにガスチャンバー内の酸素濃度を調節す
ることを特徴とする溶接用合金粉末の製造方法 - 【請求項４】前記溶接用合金粉末がコバルト基合金粉
末、ニッケル基合金粉末、鉄基合金粉末のうちの１種で
ある請求項（３）記載の溶接用合金粉末の製造方法
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63168022A JP2663530B2 (ja) | 1988-07-05 | 1988-07-05 | 溶接用合金粉末およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63168022A JP2663530B2 (ja) | 1988-07-05 | 1988-07-05 | 溶接用合金粉末およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0220691A JPH0220691A (ja) | 1990-01-24 |
| JP2663530B2 true JP2663530B2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=15860359
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63168022A Expired - Lifetime JP2663530B2 (ja) | 1988-07-05 | 1988-07-05 | 溶接用合金粉末およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2663530B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2520191B (en) | 2014-09-24 | 2015-10-07 | Lpw Technology Ltd | A powder container comprising a pressure vessel and a pilot line |
| JP6520518B2 (ja) * | 2015-07-24 | 2019-05-29 | 大同特殊鋼株式会社 | 金型補修溶接材料 |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62179891A (ja) * | 1986-02-03 | 1987-08-07 | Kobe Steel Ltd | Ｎｉ基硬化肉盛用溶接材料 |
-
1988
- 1988-07-05 JP JP63168022A patent/JP2663530B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62179891A (ja) * | 1986-02-03 | 1987-08-07 | Kobe Steel Ltd | Ｎｉ基硬化肉盛用溶接材料 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0220691A (ja) | 1990-01-24 |
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