JP2662201B2 - 改良された染色性を有する全芳香族ポリアミド繊維 - Google Patents
改良された染色性を有する全芳香族ポリアミド繊維Info
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Description
る全芳香族ポリアミド繊維に関し、詳しくは改良された
染色性を有する改質されたポリ(m−フェニレンイソフ
タルアミド)(以下、MPD−1ということもある)お
よびそれと同類のコポリマーからの繊維に関する。
ド)の繊維のような全芳香族ポリアミド繊維が知られて
久しい(W.スイニー(Sweeny)、米国特許第3
287324号(1966年)明細書参照)。一般にこ
の繊維は、たとえば、高い耐熱と耐酸化安定性、良好な
耐炎性、高い電気抵抗性および繊維様機能のような工業
的用途に好適な魅力的な物理的性質を示す。このことか
らMPD−1繊維はノーメックス(NOMEX)アラミ
ド繊維の商品名で1962年にデュポン社(E.I.d
u Pont de Nemours&Co.,)から
始めて上市された。それに遅れて日本のテイジン社(T
eijin Ltd.)がTEIJIN CONEXの
商品名でこの繊維を上市し、また旧ソビエト連邦もまた
この繊維をフェニロン(FENILON)の商品名で工
業化した。MPD−1繊維の製品は、耐熱衣服、自動車
ホース強化材、工業用ろ過材および工業用の用紙におい
て広く用いられている。
染色性が劣ることである(M.レヴィン、J.プレスト
ンおよびマルセルデッカーら共編、「繊維科学と工学の
ハンドブック、第III巻、先端技術繊維 (1993年)
ニューヨーク」のH.H.ヤン著「NOMEXアラミド
繊維」(H.H.Ynag,“NOMEX Arami
d Fiber”,in“Handbook of F
iber Science and Technolo
gy,vol.III,High Technology
Fibers,M.Lewin and J.Pre
ston,ed.,Marcel dekker,Ne
w York (1993))参照)。
客が染色することは通常は奨められていないが、原液染
色(spun−in pigmentation)のよ
うな特殊な加工技術によるメーカー染色がおこなわれる
(テイジン社による日本特許出願番号26207および
26208(1980年)明細書参照)。スパンヤーン
または織布の形態のMPD−1繊維のステープル製品
は、適切な染料とキャリアとの組合わせによるカチオン
繊維染色または捺染が可能である(C.ソワロン(So
iron)ならびにK.ケラー(Keller)による
カナダ国特許第1070905号(1980年)明細
書、およびチバガイギー社(Ciba Geigy A
G)によるドイツ国特許第2941763号明細書参
照)。MPD−1の染色性を改良する数種の方法が最近
報告されたが、それらとしてはMPD−1ともう1つの
芳香族ポリアミド、たとえばポリ(m−オキシレンイソ
フタルアミド)とのポリマーブレンド物による方法(帝
人(株)による日本国特許出願21406号および21
407号(1980年)明細書、およびY.ナカガワ
(Nakagawa)らによる米国特許第427877
9号(1981年)明細書参照)、および凝固時に、繊
維にスキン−コア構造を形成することによる方法(帝人
(株)による日本特許出願142717号(1980
年)明細書参照)などがあげられる。これらの方法によ
ると一般にコストアップになるメーカー染色につなが
る。
状フィラメントヤーン、ステープル、スパンヤーン、織
布または不織布の形態で顧客染色ができる、妥当な価格
の全芳香族ポリアミド繊維を提供することにある。
あり、Ar1 とAr2 とは同じでも異なってもよく、R
1 およびR2 は低級アルキル基または水素原子であり、
R1 とR2 とは同じでも異なってもよい)で表わされる
繰り返し単位および式(II):
アルキル基または水素原子である)で表わされる繰り返
し単位よりなる繰り返し単位の群から選ばれた少なくと
も1種の繰り返し単位と、式(III):
あり、Ar1 とAr2 とは同じでも異なってもよく、R
1 およびR2 は低級アルキル基または水素原子であり、
R1 とR2 とは同じでも異なってもよい)で表わされる
スルホン酸を含む繰り返し単位、式(IV):
あり、Ar1 とAr2 とは同じでも異なってもよく、R
1 およびR2 は低級アルキル基または水素原子であり、
R1 とR2 とは同じでも異なってもよく、
オンである)で表わされるスルホン酸塩を含む繰り返し
単位、式(V):
アルキル基または水素原子である)で表わされるスルホ
ン酸を含む繰り返し単位および式(VI):
アルキル基または水素原子であり、
オンである)で表わされるスルホン酸塩を含む繰り返し
単位よりなるスルホン酸またはスルホン酸塩を含む繰り
返し単位の群から選ばれた1種または2種以上の繰り返
し単位とからなり、前記式(I)で表わされる繰り返し
単位および前記式(II)で表わされる繰り返し単位よ
りなる繰り返し単位の群から選ばれた1種または2種以
上の繰り返し単位と、前記式(III)で表わされる繰
り返し単位、前記式(IV)で表わされる繰り返し単
位、前記式(V)で表わされる繰り返し単位および前記
式(VI)で表わされる繰り返し単位よりなる繰り返し
単位の群から選ばれた1種または2種以上の繰り返し単
位との合計が少なくとも全体の85モル%であり、前記
式(III)で表わされる繰り返し単位、前記式(I
V)で表わされる繰り返し単位、前記式(V)で表わさ
れる繰り返し単位および前記式(VI)で表わされる繰
り返し単位よりなる繰り返し単位の群から選ばれた1種
または2種以上の繰り返し単位との合計が少なくとも全
体の0.2モル%である改良された染色性を有する全芳
香族ポリアミド繊維に関する。
あり、Ar1 とAr2 とは同じでも異なってもよく、R
1 およびR2 は低級アルキル基または水素原子であり、
R1 とR2 とは同じでも異なってもよい)で表わされる
繰り返し単位および式(II):
アルキル基または水素原子である)で表わされる繰り返
し単位よりなる繰り返し単位の群から選ばれた1種また
は2種以上の繰り返し単位と、式(III):
あり、Ar1 とAr2 とは同じでも異なってもよく、R
1 およびR2 は低級アルキル基または水素原子であり、
R1 とR2 とは同じでも異なってもよい)で表わされる
スルホン酸を含む繰り返し単位および式(V):
アルキル基または水素原子である)で表わされるスルホ
ン酸を含む繰り返し単位で表わされるスルホン酸を含む
繰り返し単位よりなるスルホン酸を含む繰り返し単位の
群から選ばれた1種または2種以上の繰り返し単位とか
らなり、前記式(I)で表わされる繰り返し単位および
前記式(II)で表わされる繰り返し単位よりなる繰り
返し単位の群から選ばれた1種または2種以上の繰り返
し単位と、前記式(III)で表わされる繰り返し単位
および前記式(V)で表わされる繰り返し単位よりなる
繰り返し単位の群から選ばれた1種または2種以上の繰
り返し単位との合計が少なくとも全体の85モル%であ
り、前記式(III)で表わされる繰り返し単位および
前記式(V)で表わされる繰り返し単位よりなる繰り返
し単位の群から選ばれた1種または2種以上の繰り返し
単位との合計が少なくとも全体の0.2モル%である改
良された染色性を有する全芳香族ポリアミド繊維に関す
る。
されるスルホン酸を含む繰り返し単位が、つぎの式:
ルホン酸を含む繰り返し単位が、つぎの式:
芳香族ポリアミド繊維に関する。
あり、Ar1 とAr2 とは同じでも異なってもよく、R
1 およびR2 は低級アルキル基または水素原子であり、
R1 とR2 とは同じでも異なってもよい)で表わされる
繰り返し単位および式(II):
アルキル基または水素原子である)で表わされる繰り返
し単位よりなる繰り返し単位の群から選ばれた1種また
は2種以上の繰り返し単位と、式(IV):
あり、Ar1 とAr2 とは同じでも異なってもよく、R
1 およびR2 は低級アルキル基または水素原子であり、
R1 とR2 とは同じでも異なってもよく、
オンである)で表わされるスルホン酸塩を含む繰り返し
単位および式(VI):
アルキル基または水素原子であり、
オンである)で表わされるスルホン酸塩を含む繰り返し
単位よりなるスルホン酸塩を含む繰り返し単位の群から
選ばれた1種または2種以上の繰り返し単位とからな
り、前記式(I)で表わされる繰り返し単位および前記
式(II)で表わされる繰り返し単位よりなる繰り返し
単位の群から選ばれた1種または2種以上の繰り返し単
位と、前記式(IV)で表わされる繰り返し単位および
前記式(VI)で表わされる繰り返し単位よりなる繰り
返し単位の群から選ばれた1種または2種以上の繰り返
し単位との合計が少なくとも全体の85モル%であり、
前記式(IV)で表わされる繰り返し単位および前記式
(VI)で表わされる繰り返し単位よりなる繰り返し単
位の群から選ばれた1種または2種以上の繰り返し単位
との合計が少なくとも全体の0.2モル%である改良さ
れた染色性を有する全芳香族ポリアミド繊維に関する。
記式(VI)において、
有する全芳香族ポリアミド繊維に関する。
れるスルホン酸塩を含む繰り返し単位が、つぎの式:
オンである)で表わされ、前記式(VI)で表わされる
スルホン酸塩を含む繰り返し単位が、つぎの式:
オンである)で表わされる改良された染色性を有する全
芳香族ポリアミド繊維に関する。
あり、Ar1 とAr2 とは同じでも異なってもよく、R
1 およびR2 は低級アルキル基または水素原子であり、
R1 とR2 とは同じでも異なってもよい)で表わされる
繰り返し単位および式(II):
アルキル基または水素原子である)で表わされる繰り返
し単位よりなる繰り返し単位の群から選ばれた1種また
は2種以上の繰り返し単位を少なくとも85モル%含む
全芳香族ポリアミド繊維を準備する工程; (b)該全芳香族ポリアミド繊維を、60〜90重量%
の硫酸またはクロロ硫酸水溶液に、0〜90℃で2秒間
ないし10分間接触させる工程;からなる改良された染
色性を有する繊維の製造方法に関する。
する全芳香族ポリアミド繊維がポリ(m−フェニレンイ
ソフタルアミド)である製造方法に関する。
て、前記全芳香族ポリアミド繊維を、75〜85重量%
の硫酸に、0〜50℃で2秒間ないし2分間浸漬する改
良された染色性を有する繊維の製造方法に関する。
あり、Ar1 とAr2 とは同じでも異なってもよく、R
1 およびR2 は低級アルキル基または水素原子であり、
R1 とR2 とは同じでも異なってもよい)で表わされる
繰り返し単位および式(II):
アルキル基または水素原子である)で表わされる繰り返
し単位よりなる繰り返し単位の群から選ばれた1種また
は2種以上の繰り返し単位を少なくとも85モル%含む
全芳香族ポリアミド繊維を準備する工程; (b)該全芳香族ポリアミド繊維を、60〜90重量%
の硫酸またはクロロ硫酸水溶液に、0〜90℃で2秒間
ないし10分間接触させる工程;および (c)前記(b)の工程においてえられた繊維を金属水
酸化物の水溶液または4級アンモニウム塩の水溶液に接
触させる工程;からなる改良された染色性を有する繊維
の製造方法に関する。
する全芳香族ポリアミド繊維がポリ(m−フェニレンイ
ソフタルアミド)である改良された染色性を有する全芳
香族ポリアミド繊維の製造方法に関する。
て、前記全芳香族ポリアミド繊維を、75〜85重量%
の硫酸に、0〜50℃で2秒間ないし2分間浸漬する改
良された染色性を有する全芳香族ポリアミド繊維の製造
方法。
て、前記(b)の工程においてえられた繊維を0.1〜
10重量%の濃度の水酸化ナトリウム水溶液に、周囲温
度で接触させる改良された染色性を有する全芳香族ポリ
アミド繊維の製造方法に関する。
を有する全芳香族ポリアミド繊維は前記式(I)で表わ
される繰り返し単位、および前記式(II)で表わされ
る繰り返し単位よりなる繰り返し単位の群から選ばれた
1種または2種以上の繰り返し単位と、前記式(II
I)で表わされる繰り返し単位、前記式(IV)で表わ
される繰り返し単位、前記(V)で表わされる繰り返し
単位および前記式(VI)で表わされる繰り返し単位よ
りなる繰り返し単位の群から選ばれた1種または2種以
上の繰り返し単位とからなる全芳香族ポリアミド(以
下、本発明における全芳香族ポリアミドということもあ
る)からなる。
I)、式(IV)、式(V)および/または式(VI)
で表わされる繰り返し単位において、Ar1、Ar2とお
よびAr3としては、たとえば、
H3、CH3CO、CN、NO2またはClなどである)
のような芳香族基であり、Ar1とAr2とは同じでも異
なってもよく、R1、R2およびR3は、たとえば炭素数
が1〜6のアルキル基または水素原子であり、R1とR2
とは同じでも異なってもよい)などがあげられる。
される繰り返し単位において、
ばアルミニウムまたは鉄から導かれるカチオン、もしく
は元素の周期表のIA族、IIA族、IB族またはII
B族の金属から導かれるカチオンがあげられ、なかでも
Na+、Ca2+またはAl3+が好ましく、4級アンモニ
ウムイオンのばあい、たとえばトリエチルアミン、トリ
プロピルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミ
ンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの第3級脂肪
族アミンから導かれるイオンがあげられ、なかでもトリ
ブチルアミンから導かれるイオンがそのコストが低いと
いう点から好ましい。
(I)で表わされる繰り返し単位および式(II)で表
わされる繰り返し単位よりなる繰り返し単位の群から選
ばれた1種または2種以上の繰り返し単位と、式(II
I)で表わされる繰り返し単位、式(IV)で表わされ
る繰り返し単位、式(V)で表わされる繰り返し単位お
よび式(VI)で表わされる繰り返し単位よりなる繰り
返し単位の群から選ばれた1種または2種以上の繰り返
し単位との合計が少なくとも全体の85モル%有するも
のである。
(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、式
(V)または式(VI)で表わされる繰り返し単位のほ
かに、この全芳香族ポリアミドを改質(変性)するため
のコモノマー単位を含有することができるが、コストが
増大する点からこのコモノマー単位の含有率は15モル
%未満であることが好ましい。
は式(III)で表わされる繰り返し単位、式(IV)
で表わされる繰り返し単位、式(V)で表わされる繰り
返し単位および式(VI)で表わされる繰り返し単位よ
りなる繰り返し単位の群から選ばれた1種または2種以
上の繰り返し単位が、充分な染色性をうる点から少なく
とも全体の0.2モル%であることが好ましく、0.5
〜2モル%であることがさらに好ましい。
び前記式(II)で表わされる繰り返し単位よりなる繰
り返し単位の群から選ばれた1種または2種以上の繰り
返し単位の例としては、たとえばm−フェニレンイソフ
タルアミドを重合してなる繰り返し単位などがあげら
れ、これらの繰り返し単位からなる芳香族ポリアミドと
しては、たとえばポリ(m−フェニレンイソフタルアミ
ド)などがあげられる。
有する全芳香族ポリアミド繊維の製造方法の例を説明す
る。
(未染色性改良処理)としては、市販のものを用いても
よいし、新たにポリマーを重合し紡糸することなどによ
りえられるものを用いてもよい。
香族ポリアミドをうるためのどんな方法を用いてもよ
く、なかでも高分子量のポリマーをえることができる点
から、低温溶液重縮合法を用いることが好ましい。
た全芳香族ポリアミドをうるためのどんな方法を用いて
もい。また、製糸方法としても、従来より知られた全芳
香族ポリアミドをうるためのどんな方法を用いてもよ
い。
全芳香族ポリアミド繊維をうるためには、前記式(I)
で表わされる繰り返し単位および前記式(II)で表わ
される繰り返し単位の群から選ばれた1種または2種以
上の繰り返し単位を有する全芳香族ポリアミド繊維を適
宜の時間、硫酸またはクロロ硫酸の水溶液に接触させる
方法などを用いうる。
度は60〜90重量%であることが好ましく、75〜8
5重量%であることがさらに好ましい。前記の濃度が9
0重量%を超えるものを用いると、えられる繊維の特
性、とくに強力などが劣るものとなる傾向があり、一方
60重量%未満のものを用いると、繊維の染色性を充分
に改質することができない傾向、または繊維の染色性を
充分に改質するためには長時間の処理が必要となる傾向
がある。
0℃であることが好ましく、0〜50℃であることがさ
らに好ましい。前記の処理温度が0℃未満であると処理
を行なうことができない。一方前記の処理温度が90℃
より高いと、えられる繊維の特性、とくに強力などが劣
るものとなる傾向がある。
ないし10分間であることが好ましく、2秒間ないし2
分間であることがさらに好ましい。前記の処理時間が1
0分間を超えるとえられる繊維の特性が悪化し、一方2
秒間未満であるとその染色性が充分に向上できない傾向
にある。
の水溶液の浴中を通過させる方法によるかまたは浴中に
浸漬する方法によることが好ましい。
形成するポリマーの重量基準で約600ppm、すなわ
ち、全体の0.2モルパーセントを超えるスルホン酸基
を有する。そのためこの繊維は、キャリアを使用しない
でもカチオン染料などにより染色が可能である。
全芳香族ポリアミド繊維は、さらに以下の方法により改
質しうる。
ン酸基が付与された全芳香族ポリアミド繊維を、金属水
酸化物の水溶液または4級アンモニウム塩の水溶液に、
適宜の時間、適宜の処理温度で接触させる方法により、
前記のスルホン酸基を有する繊維を中和することで改質
しうる。
ム(NaOH)、水酸化カルシウム(Ca(O
H)2)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、水酸
化カリウム(KOH)または水酸化リチウム(LiO
H)などがあげられ、なかでも水酸化カルシウム、水酸
化アルミニウムまたは水酸化ナトリウムが好ましい。
トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルア
ミン、トリオクチルアミンまたはジイソプロピルエチル
アミンなどの第3級脂肪族アミンからなるものなどがあ
げられる。
級アンモニウム塩の水溶液は、0.1〜10重量%であ
ればよく、0.5〜5重量%であることが好ましい。
き、また処理時間は5秒間ないし5分間で行なうことが
できる。
過させるかまたは浴中に浸漬することによることが好ま
しい。
体の0.2重量%を超えるスルホン酸基が全部または少
なくとも部分的に金属水酸化物または4級アンモニウム
塩により中和され、スルホン酸塩基になる。そのために
この繊維は、キャリヤを使用しないでもカチオン染料な
どにさらに好適に染色が可能である。
的な性質に著しい悪影響を与えることなく、スルホン酸
またはスルホン酸塩をポリマー分子鎖に付与することが
でき、繊維の染色性を著しく改良することができる。
が、本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。
(アラミド型NOMEX(商品名)、430フィラメン
ト/ヤーン)を準備し、約25℃で、80重量%硫酸浴
に浸漬した。前記の浸漬時間は0.5、1.0、1.5
および2.0分の4条件とした。
付き1リッター円筒形のガラス反応器中に水42.5グ
ラムを入れ、これに97%の濃硫酸200グラムをゆっ
くりと添加して80重量%の硫酸水溶液を調製し、この
硫酸溶液を穏やかに撹拌しながら反応器のジャケットに
水を循環させて約25℃に保たれたものを用いた。
し、ついで周囲温度で5分間1モル/リットルの水酸化
ナトリウム溶液を含む中和浴に入れた。あらゆる残留物
を除去するために、この繊維を過剰の水で洗浄およびす
すぎをおこない次に空気中で乾燥した。
表1記載の硫黄含量(ppm)により計算しうる。すな
わちポリマーのスルホン酸基含量は前記硫黄含量の約
2.53倍(硫黄(S)の原子量は約32であり、スル
ホン酸基の分子量は約81である)である。
の染色性を評価するために、ヘキスト三菱化成(株)の
Diacryl Red(GRL−PN200%)原液
を準備した。5%のO.W.P染浴溶液になるようにこ
のカチオン染料の1%原液の一部分を添加して単品色を
つくった。次に染浴を20:1の液−繊維比に調節し
た。フィラメントを80℃で30分間ラウンダオメータ
ー(Laundermeter)の中でカチオン染料で
染色して、過剰の沸騰水で洗浄およびすすぎをおこなっ
た後、12時間水中にソーキングして、最終的には更に
12時間空気中で乾燥した。
を、データカラー社(Data Color Co.L
td.)製のエルレフォデータカラー(Erlepho
Datacolor)2000測定装置を用いて測定
した。染色されたMPD−Iのフィラメント1.5gを
含むセルを分光光度計にかけてその反射率(R)を測定
した。D65の光源を用いて2度の視角でハンター(H
unter)のL、a、b値を読み取った。更に、最大
吸収波長で反射率(R)を測定して、この値を用いて明
度の深さを決定した。クベルカ−ムンク(Kubelk
a−Munk)関数により次式に従って試片のK/S値
を算出した。
明度の深さ、即ち染料の取り込み量は繊維によって吸収
されて保持されたカチオン染料の量と符合する。K/S
値は、繊維上に付着した染料の濃度と共にほぼ直線的に
変動する。
間(Lab Color Space)の太陽光に17
0時間曝光させる前後の色差はΔE=[(ΔL)2+
(Δa)2+(Δb)2]0.5で与えられる。ΔE単位の
数値(CIELAB)は、染色された試片の耐光性の指
標として用いることができる。
加すると染色性および明度の深さが増加することを示し
ている。色差が大きくなると染色された試片の耐光性が
小さくなる傾向を示すようである。
メントヤーンの硫黄含量も測定した。スルホン化された
MPD−Iフィラメントヤーンを、純酸素を用いる燃焼
用のシェニガー(Schoniger)フラスコに入れ
る前に注意深く乾燥して秤量した。SO2およびSO3を
含む燃焼ガスを水に吸収させると硫酸が生成した。この
フィラメントの硫黄含量を誘導結合原子発光分光光度計
(ICP−AES)で検出した。3本のフィラメントの
結果を平均した。
硫黄含量を表1に示す。
別の処理条件を示している。25℃で、特定の時間
(0.5、1.0、1.5および2.0分)80重量%
硫酸浴に浸漬することを、0℃で1.5分間80重量%
硫酸浴に浸漬することに変更したほかは実施例1と同じ
処理方法によりMPD−Iフィラメントを改質し、実施
例1と同じ方法により染色し、同じ方法により染色性の
評価をした。反射率、K/S値および色差(CIELA
B)の結果を表1に示す。
明度の深い色に染色されることがわかる。
記と同じ全芳香族ポリアミド繊維(アラミド型Nome
x(商品名)430フィラメント/ヤーン)について実
施例1と同じ処理方法によりMPD−Iフィラメントを
改質し、実施例1と同じ方法により染色し、同じ方法に
より染色性の評価をした。反射率、K/S値および色差
(CIELAB)の結果を表1に示す。未処理の前記全
芳香族ポリアミド繊維は、この比較例のように、染料キ
ャリヤが存在しないと、薄い色しか染色できないことが
判る。
omex(商品名)アラミド繊維)と、これを別方向に
編み込んだおなじ全芳香族ポリアミド繊維とからなるニ
ードルフェルトの4×8cmの試験片を実施例1と同様
の方法で処理をした。処理条件並びに反射率およびK/
S値の結果を表2に示す。処理したMPD−Iフィラメ
ントは容易に明度の深い色に染色されることが判る。ま
た、フェルト繊維の色パラメータとしてL、aおよびb
を示した。ここで、Lは正の値でありえ、aおよびbは
正の値または負の値でありうる。Lの正の値が大きいほ
ど、白色が濃く、aの正の値が大きいほど、赤色が濃
く、aの負の値が大きいほど、緑色が濃く、bの正の値
が大きいほど、黄色が濃く、bの負の値が大きいほど、
青色が濃いものを示す。
約170時間太陽光に曝光させた。太陽光に曝光させた
フェルト試片の色パラメータ(L、aおよびb)を測定
して色差ΔE(CIELAB)を算出した。結果を表2
に示す。このフェルトは日光に対し良い染色堅牢度を有
する。
記と同じ全芳香族ポリアミド繊維ニードルフェルトの試
験片を実施例3と同じ方法により染色したのち、約17
0時間太陽光に曝光させた。170時間の太陽光の曝光
前後の反射率、K/S値、色パラメータおよび色差ΔE
(CIELAB)を実施例3と同じ方法により測定し
た。これらの測定結果を表2に示す。
の繊維からなるフェルトは不充分な染色性及び不充分な
堅牢度を示した。
る全芳香属ポリアミドの繊維は、該繊維を染料キャリア
を用いていないばあでも優れた染色性を示し、カチオン
染料で染色しうる。
ステープル、スパンヤーン、織布または不織布の形態で
顧客染色ができる。妥当な価格の全芳香族ポリアミド繊
維をうることができる。
って、強力など繊維の特性を低下させることなしに、改
良された染色性を有する全芳香族ポリアミドをうること
ができる。
Claims (13)
- 【請求項1】 式(I): 【化1】 (式中、Ar1 およびAr2 は芳香族基であり、Ar1
とAr2 とは同じでも異なってもよく、R1 およびR2
は低級アルキル基または水素原子であり、R1 とR2 と
は同じでも異なってもよい)で表わされる繰り返し単位
および式(II): 【化2】 (式中、Ar3 は芳香族基であり、R3 はアルキル基ま
たは水素原子である)で表わされる繰り返し単位よりな
る繰り返し単位の群から選ばれた少なくとも1種の繰り
返し単位と、式(III): 【化3】 (式中、Ar1 およびAr2 は芳香族基であり、Ar1
とAr2 とは同じでも異なってもよく、R1 およびR2
は低級アルキル基または水素原子であり、R1 とR2 と
は同じでも異なってもよい)で表わされるスルホン酸を
含む繰り返し単位、式(IV): 【化4】 (式中、Ar1 およびAr2 は芳香族基であり、Ar1
とAr2 とは同じでも異なってもよく、R1 およびR2
は低級アルキル基または水素原子であり、R1 とR2 と
は同じでも異なってもよく、 【化5】 は金属カチオンまたは4級アンモニウムイオンである)
で表わされるスルホン酸塩を含む繰り返し単位、式
(V): 【化6】 (式中、Ar3 は芳香族基であり、R3 はアルキル基ま
たは水素原子である)で表わされるスルホン酸を含む繰
り返し単位および式(VI): 【化7】 (式中、Ar3 は芳香族基であり、R3 はアルキル基ま
たは水素原子であり、 【化8】 は金属カチオンまたは4級アンモニウムイオンである)
で表わされるスルホン酸塩を含む繰り返し単位よりなる
スルホン酸またはスルホン酸塩を含む繰り返し単位の群
から選ばれた1種または2種以上の繰り返し単位とから
なり、前記式(I)で表わされる繰り返し単位および前
記式(II)で表わされる繰り返し単位よりなる繰り返
し単位の群から選ばれた1種または2種以上の繰り返し
単位と、前記式(III)で表わされる繰り返し単位、
前記式(IV)で表わされる繰り返し単位、前記式
(V)で表わされる繰り返し単位および前記式(VI)
で表わされる繰り返し単位よりなる繰り返し単位の群か
ら選ばれた1種または2種以上の繰り返し単位との合計
が少なくとも全体の85モル%であり、前記式(II
I)で表わされる繰り返し単位、前記式(IV)で表わ
される繰り返し単位、前記式(V)で表わされる繰り返
し単位および前記式(VI)で表わされる繰り返し単位
よりなる繰り返し単位の群から選ばれた1種または2種
以上の繰り返し単位との合計が少なくとも全体の0.2
モル%である改良された染色性を有する全芳香族ポリア
ミド繊維。 - 【請求項2】 式(I): 【化9】 (式中、Ar1 およびAr2 は芳香族基であり、Ar1
とAr2 とは同じでも異なってもよく、R1 およびR2
は低級アルキル基または水素原子であり、R1 とR2 と
は同じでも異なってもよい)で表わされる繰り返し単位
および式(II): 【化10】 (式中、Ar3 は芳香族基であり、R3 はアルキル基ま
たは水素原子である)で表わされる繰り返し単位よりな
る繰り返し単位の群から選ばれた1種または2種以上の
繰り返し単位と、式(III): 【化11】 (式中、Ar1 およびAr2 は芳香族基であり、Ar1
とAr2 とは同じでも異なってもよく、R1 およびR2
は低級アルキル基または水素原子であり、R1 とR2 と
は同じでも異なってもよい)で表わされるスルホン酸を
含む繰り返し単位および式(V): 【化12】 (式中、Ar3 は芳香族基であり、R3 はアルキル基ま
たは水素原子である)で表わされるスルホン酸を含む繰
り返し単位で表わされるスルホン酸を含む繰り返し単位
よりなるスルホン酸を含む繰り返し単位の群から選ばれ
た1種または2種以上の繰り返し単位とからなり、前記
式(I)で表わされる繰り返し単位および前記式(I
I)で表わされる繰り返し単位よりなる繰り返し単位の
群から選ばれた1種または2種以上の繰り返し単位と、
前記式(III)で表わされる繰り返し単位および前記
式(V)で表わされる繰り返し単位よりなる繰り返し単
位の群から選ばれた1種または2種以上の繰り返し単位
との合計が少なくとも全体の85モル%であり、前記式
(III)で表わされる繰り返し単位および前記式
(V)で表わされる繰り返し単位よりなる繰り返し単位
の群から選ばれた1種または2種以上の繰り返し単位と
の合計が少なくとも全体の0.2モル%である改良され
た染色性を有する全芳香族ポリアミド繊維。 - 【請求項3】 前記式(III)で表わされるスルホン
酸を含む繰り返し単位が、つぎの式: 【化13】 で表わされ、前記式(V)で表わされるスルホン酸を含
む繰り返し単位が、つぎの式: 【化14】 で表わされる請求項2記載の改良された染色性を有する
全芳香族ポリアミド繊維。 - 【請求項4】 式(I): 【化15】 (式中、Ar1 およびAr2 は芳香族基であり、Ar1
とAr2 とは同じでも異なってもよく、R1 およびR2
は低級アルキル基または水素原子であり、R1 とR2 と
は同じでも異なってもよい)で表わされる繰り返し単位
および式(II): 【化16】 (式中、Ar3 は芳香族基であり、R3 はアルキル基ま
たは水素原子である)で表わされる繰り返し単位よりな
る繰り返し単位の群から選ばれた1種または2種以上の
繰り返し単位と、式(IV): 【化17】 (式中、Ar1 およびAr2 は芳香族基であり、Ar1
とAr2 とは同じでも異なってもよく、R1 およびR2
は低級アルキル基または水素原子であり、R1 とR2 と
は同じでも異なってもよく、 【化18】 は金属カチオンまたは4級アンモニウムイオンである)
で表わされるスルホン酸塩を含む繰り返し単位および式
(VI): 【化19】 (式中、Ar3 は芳香族基であり、R3 はアルキル基ま
たは水素原子であり、 【化20】 は金属カチオンまたは4級アンモニウムイオンである)
で表わされるスルホン酸塩を含む繰り返し単位よりなる
スルホン酸塩を含む繰り返し単位の群から選ばれた1種
または2種以上の繰り返し単位とからなり、前記式
(I)で表わされる繰り返し単位および前記式(II)
で表わされる繰り返し単位よりなる繰り返し単位の群か
ら選ばれた1種または2種以上の繰り返し単位と、前記
式(IV)で表わされる繰り返し単位および前記式(V
I)で表わされる繰り返し単位よりなる繰り返し単位の
群から選ばれた1種または2種以上の繰り返し単位との
合計が少なくとも全体の85モル%であり、前記式(I
V)で表わされる繰り返し単位および前記式(VI)で
表わされる繰り返し単位よりなる繰り返し単位の群から
選ばれた1種または2種以上の繰り返し単位との合計が
少なくとも全体の0.2モル%である改良された染色性
を有する全芳香族ポリアミド繊維。 - 【請求項5】 前記式(IV)および前記式(VI)に
おいて、 【化21】 が金属カチオンである請求項4記載の改良された染色性
を有する全芳香族ポリアミド繊維。 - 【請求項6】 前記式(IV)で表わされるスルホン酸
塩を含む繰り返し単位が、つぎの式: 【化22】 (式中、 【化23】 は金属カチオンまたは4級アンモニウムイオンである)
で表わされ、前記式(VI)で表わされるスルホン酸塩
を含む繰り返し単位が、つぎの式: 【化24】 (式中、 【化25】 は金属カチオンまたは4級アンモニウムイオンである)
で表わされる請求項4記載の改良された染色性を有する
全芳香族ポリアミド繊維。 - 【請求項7】 (a)式(I): 【化26】 (式中、Ar1 およびAr2 は芳香族基であり、Ar1
とAr2 とは同じでも異なってもよく、R1 およびR2
は低級アルキル基または水素原子であり、R1 とR2 と
は同じでも異なってもよい)で表わされる繰り返し単位
および式(II): 【化27】 (式中、Ar3 は芳香族基であり、R3 はアルキル基ま
たは水素原子である)で表わされる繰り返し単位よりな
る繰り返し単位の群から選ばれた1種または2種以上の
繰り返し単位を少なくとも85モル%含む全芳香族ポリ
アミド繊維を準備する工程; (b)該全芳香族ポリアミド繊維を、60〜90重量%
の硫酸またはクロロ硫酸水溶液に、0〜90℃で2秒間
ないし10分間接触させる工程;からなる請求項2記載
の改良された染色性を有する全芳香族ポリアミド繊維の
製造方法。 - 【請求項8】 前記(a)の工程で準備する全芳香族ポ
リアミド繊維がポリ(m−フェニレンイソフタルアミ
ド)である請求項7記載の改良された染色性を有する全
芳香族ポリアミド繊維の製造方法。 - 【請求項9】 前記(b)の工程において、前記全芳香
族ポリアミド繊維を、75〜85重量%の硫酸に、0〜
50℃で2秒間ないし2分間浸漬する請求項7または8
記載の改良された染色性を有する全芳香族ポリアミド繊
維の製造方法。 - 【請求項10】 (a)式(I): 【化28】 (式中、Ar1 およびAr2 は芳香族基であり、Ar1
とAr2 とは同じでも異なってもよく、R1 およびR2
は低級アルキル基または水素原子であり、R1 とR2 と
は同じでも異なってもよい)で表わされる繰り返し単位
および式(II): 【化29】 (式中、Ar3 は芳香族基であり、R3 はアルキル基ま
たは水素原子である)で表わされる繰り返し単位よりな
る繰り返し単位の群から選ばれた1種または2種以上の
繰り返し単位を少なくとも85モル%含む全芳香族ポリ
アミド繊維を準備する工程; (b)該全芳香族ポリアミド繊維を、60〜90重量%
の硫酸またはクロロ硫酸水溶液に、0〜90℃で2秒間
ないし10分間接触させる工程;および (c)前記(b)の工程においてえられた繊維を金属水
酸化物の水溶液または4級アンモニウム塩の水溶液に接
触させる工程;からなる請求項4記載の改良された染色
性を有する全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。 - 【請求項11】 前記(a)の工程で準備する全芳香族
ポリアミド繊維がポリ(m−フェニレンイソフタルアミ
ド)である請求項10記載の改良された染色性を有する
全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。 - 【請求項12】 前記(b)の工程において、前記全芳
香族ポリアミド繊維を、75〜85重量%の硫酸に、0
〜50℃で2秒間ないし2分間浸漬する請求項10また
は11記載の改良された染色性を有する全芳香族ポリア
ミド繊維の製造方法。 - 【請求項13】 前記(c)の工程において、前記
(b)の工程においてえられた繊維を0.1〜10重量
%の濃度の水酸化ナトリウム水溶液に、周囲温度で接触
させる請求項10、11または12記載の改良された染
色性を有する全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
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JP7074096A JP2662201B2 (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | 改良された染色性を有する全芳香族ポリアミド繊維 |
US08/413,835 US5723570A (en) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | Wholly aromatic polyamide fiber with improved dyeability |
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JP7074096A JP2662201B2 (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | 改良された染色性を有する全芳香族ポリアミド繊維 |
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JP7074096A Expired - Lifetime JP2662201B2 (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | 改良された染色性を有する全芳香族ポリアミド繊維 |
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