JP2660511B2 - 経口ワクチン - Google Patents

経口ワクチン

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JP2660511B2
JP2660511B2 JP61502804A JP50280486A JP2660511B2 JP 2660511 B2 JP2660511 B2 JP 2660511B2 JP 61502804 A JP61502804 A JP 61502804A JP 50280486 A JP50280486 A JP 50280486A JP 2660511 B2 JP2660511 B2 JP 2660511B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、抗原を粘膜投与することによる、血清およ
び分泌腺抗体の特異的刺激作用に関するものである。 背景技術 哺乳動物における感染の多くはその哺乳動物に対して
極めて有害な作用を及ぼすので、その感染の原因となる
特定の抗原に対してワクチン接種をするのが適当であ
る。このためにワクチン接種の体系が確立されており、
このワクチン接種により哺乳動物は抗原に対して免疫的
に抵抗性を有することになりそして免疫応答が誘発され
てその哺乳動物に対して免疫性が与えられることにな
る。 抗原を哺乳動物に投与するには、筋肉内注射(i.m.)
や皮下注射(s.c.)あるいは経口投与(per os)等の種
々の投与形態がある。筋肉内注射又は皮下注射は、これ
を行うのに相応の熟練した技術を要すること、大規模に
行うのが困難なこと、高価であること、そして更にはこ
れを投与する際に免疫抗原や乳化剤のいずれかに種々の
副反応が起る場合があること等の理由により不便であ
る。一方経口投与によりワクチンを投与する方法につい
ては、実際に吸収されて効果的な免疫応答を刺激し得る
物質の量が通常低いことからたいていの抗原の経口投与
においてはかなり大量の抗原の投与が必要である点を除
いては、ほとんど問題がない。経口投与による免疫性付
与のために必要とされる抗原の量は、組織体系的な免疫
性誘発に必要な抗原量をはるかに超えるものである。
又、抗体応答の生起に必要な大量の抗原を経口投与する
ことは更に又もう1つの重大な欠点がある。即ち、その
様に大量の抗原を経口投与することによりしばしば組織
体系的免疫耐性を誘発することがあることである。(To
masi(1980年);Mowat(1985年);MowatおよびParrot
(1983年);NganおよびKind(1978年);Hanson等(1979
年);Richman等(1978年);Rothberg等(1973年))。 今日までの研究によれば、経口投与後に小腸において
抗原が吸収されるときの作用機序は、通常、パイアー班
や他のGALT(腸関連リンパ系組織)のリンパ群上にある
M細胞による腸内腔内容物の非特異性サンプリングに依
存することが主であるとされている(BlandおよびBritt
on)1984年))。そして局所リンパ球群を引き続き感作
することにより、局所IgA免疫応答が起り、かつ血清IgG
応答を同時に抑制するIgG抑制細胞が感作されることに
なる。(Tomasi(1980年);Mowat(1985年);Mowatおよ
びParrot(1983年);NgnおよびKind(1978年);Hanson
等(1979年);Richman等(1978年);Rothberg等(1973
年))。 従って、抗原吸収の部位は、それがパイアー班かある
いは繊毛上皮を介してのものであったにしても、そして
又多分抗原の投与量も経口投与された抗原により起る免
疫応答の型を決定するものであることが明らかである。
ここで、経口投与により粘膜免疫系を特異的に賦活し、
そして(または)同様な投与法において体液免疫応答を
刺激し得る作用を有し、しかも組織体系的免疫耐性を誘
発することがなくかつ過剰量の抗原を投与する必要のな
い、コレラ毒素以外の何らかの抗原があるのかどうかと
いう問題が起って来る。 以上の事を考慮に入れて、本発明考案は、多くの腸内
病原体に最初から付着しているある種の粘着分子が、こ
れを経口投与して場合に、免疫応答を刺激する能力を有
するかどうかの可能性について検討することにした。種
々の腸毒素原性大腸菌(E、coli)(ETEC)株に粘着性
を付与するこれらの表面抗原は、ベン毛を有さない系状
構造のたん白質様付属器即ちピリ線毛として同定されて
いる(GaastraおよびGraaf(1982年))。その例として
は、ヒトETEC株のCFA IおよびCFA II抗原や、動物ETEC
株のK88、K99、F41および987Pピリ線毛がある(Gibbons
等(1975年);EvansおよびEvans(1978年);Levine等
(1980年);Morgan等(1978年);de GraafおよびRoorda
(1982年))。更に又本発明者等は、経口投与による免
疫系を賦活する様な作用をそのコロニー形成中に明白に
示さない様な種々の他のたん白質の性能についても試験
してみた。これらの抗原はたくさんの種々のレクチン、
S、チフィムリウム(S、typhimurium)の血清型抗原
(“i"型べん毛)、非活性化fluウィルスおよびS、チ
フィムリウム内毒素(LPS)を含有していた。経口投与
による賦活効果を、全くの筋肉内注射(i.m.)による投
与による応答作用と比較した。 結局これら研究の目的は、免疫原又は抗原の胃腸管粘
膜による吸収を、該免疫原を少量経口投与するだげでし
かもその経口投与による免疫耐性を誘発することなく血
清および分泌性抗体を誘引し得る程度に高めることがで
きる様な方法を提供することであった。 従って本発明は、それを経口投与した時に、その筋肉
内投与により得られるのと同程度のレベルでこれらのた
ん白質に対する血清抗体を生成し得る様な分子群(粘膜
免疫原)を提供するものである。更に又これら抗原を大
量に投与した場合には、免疫性分子に対する粘膜抗体を
生成する刺激作用を同時に誘発し得る。 本発明の別の態様は、経口投与した分子に対して生起
される抗体応答を種々の食物分子の同時投与により増大
しあるいは変化させ得る様な方法を提供することであ
る。 本発明の更に別の態様は、ハプテン又はたん白質を粘
膜免疫原に結合させそしてこの複合体を投与した時に該
ハプテン又は結合たん白質に対する抗体を生成し得る様
な方法を提供することである。 略語の説明 1 . Ab:抗体 2 . BSA:ウシ血清アルブミン 3 . ConA:コンカナバリンA 4 . DNP:ジニトロフェニル 5 . ELISA:酵素結合免疫分析 6 . ETEC:腸毒素原性大腸菌(E、coli) 7 . GALT:腸関連リンパ系組織 8 . HA:ヒドロキシアパタイト 9 . im:筋肉内 10. LHPH:黄体形成ホルモン放出ホルモン 11. LPS:リポ多糖類 12. LT-B:腸毒素原性大腸菌の非熱安定性毒素 13. O/N:1晩 14. per oo:経口投与 15. ps:多糖類 16. RT:室温 17. SC:皮下 18. SDS-PAGE:SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動 19. TCA:トリクロル酢酸 発明の開示 第1の態様として本発明は、脊椎動物宿主の粘膜上皮
と特異的に相互反応し得る担体分子に結合した免疫原か
ら成る複合体を提供するものであって、該複合体は該免
疫原の免疫活性とその脊椎動物宿主の粘膜上皮と特異的
に相互反応する担体分子の活性とを実質的にあわせ持っ
ており、かつ、この複合体は脊椎動物宿主において組織
体系的な細胞性および(または)粘膜性免疫応答を誘発
せしめ得るものである。 本発明において好ましい免疫原としては、ホルモン、
医薬、抗原又はハプテンの全部、1部又はその同族体、
相同体又は誘導体又はこれらの組合わせを挙げることが
できる。これらの免疫原の例としては、LHRH(黄体形成
ホルモン 放出ホルモン)、FSH、HGHおよびインヒビン
の様なホルモン類;綿草花粉(例えば大麦やひめかもじ
ぐさ)、雑草花粉(例えばクローバーやスカンポ)、木
の花粉(例えばトネリコやスギ)、その他の植物の花粉
(例えばえにしだ)、上皮(例えばネコの毛、イヌの毛
やブタの毛)や家ぼこり、小麦のもみがらやカポック
(kapok)系のアレルゲン類;インフルエンザ、はし
か、紅疹(Rubella)、天然痘、黄熱病、ジフテリア、
破傷風、コレラ、ペスト、チフス、BCG、ヘモフィルス
インフルエンザ(Haemophilus influenza)、ネイゼ
リア カタラリス(Neisseria cafarrhalis)、クレブ
ジエラ ニューモニア(Klebsiella pneumonia)、K.ニ
ューモノコクシ(K.pneumococci)およびK.ストレプト
コクシ(K.streptococci)特にS.ミュータンス(S.muta
ns)等に対するワクチン用の免疫原類;ならびにE.コリ
(E.coli)、N.ゴノルホエ(N.gonorrhoeae)、N.ネン
デティジス(N.neningitidis)、N.カタラリス(N.cata
rrhalis)、エルシニア spp(Yersinia spp)、プソイ
ドモナス アエルギノーザ(Pseudomonas aeruginos
a)、プソイドモナス spp(Pseudomonas spp)、モラ
クセラボビス(Moraxella bovis)、バクテロイデス
ノドサス(Bacteroides nodosus)、スタフィロコクシ
spp(Staphylococci spp)、ストレプトコクシ spp
(Streptococci spp)、およびボルデテラ spp(Borde
tella spp)由来のピリ線毛を含めてピリ線毛等が挙げ
られる。 好ましい担体分子としては、987P、K99、CFAI、CFAI
I、K88又はF41等の様な細菌性粘着素;インフルエン
ザ、はしか、紅疹、天然痘又は黄熱病ウィルス等由来の
ウィルス性血球凝集素;LTBリシン、アブリン、ジフテリ
ア毒素、モデシン、タタナス(tatanus)毒素およびそ
の他これらと類似の構造を有する物質等の様な毒素類又
はその結合サプユニット;ならびに植物や他の生物由来
のレクチン等を挙げることができる。レクチンの例とし
ては例えばコンカバリンAやポークウィードウマイトー
ゲン、あるいはレンズクリナリス(Lens culinaris)、
ヘリクス ポマチア(Helix pomatia)、グリジン マ
ックス(Glycine max)、アラキス ハイポジア(Arach
is hypogea)又はウレクス ヨーロペウス(Ulex europ
eus)又はアブリン、アスパラガス豆、そら豆(Broad b
ean、Fava bean)、Camel's foot tree、ひまの実、緑
藻類(Green marine algae)、毛状からすのえんどう
(Hairy vetch)、ホースグラム(Horse gram)、かぶ
とがに、ジャック豆(Jack bean)、のだふじ(Japan e
se wisteria)、とうあずき、スコッチきばなふじ(Sco
tch laburnum)、リマ豆、リムリン、ロータス、ヨーロ
ッパやどり木、ムング豆(Mung bean)、オーセージ
オレンジ(Orage orange)、えんじゅ(Pogoda tre
e)、庭豆(Garden pea)、じゃがいも、レッド キド
ニー豆(Red kidney bean)、赤藻類(Red marine alga
e)、シベリア豆の木(Siberian pea tree)、食用かた
つむり、庭かたつむり(garden snail)、にしき木(Sp
indle tree)、スイートピー、トマト、小麦胚芽又は翼
果(winged pea)由来のレクチン等を挙げることができ
る。 本発明の好ましい態様としては、本発明は黄体ホルモ
ン放出、ホルモンおよびLTBから成る複合体を提供する
ものである。 本発明の他の好ましい態様としては、本発明は、 (a)免疫原と担体分子とを反応させて複合体を作る
か、 (b)免疫原を化学的に変成してこれに化学結合を形成
し得る少なくとも1個の官能基を導入してからこの免疫
原を担体分子とを反応させて該複合体を作るか、 (c)担体分子を化学的に変成してこれに化学結合を形
成し得る少なくとも1個の官能基を導入してからこの担
体分子を免疫原と反応させて該複合体を作るか、 (d)免疫原および担体分子の両方を化学的に変成して
これらに化学結合を形成し得る官能基を導入してからこ
れらの免疫原と担体分子を反応させて該複合体を作る
か、 (e)免疫原を少なくとも1つの結合剤と反応させてか
らこの免疫原と担体分子とを反応させて該複合体を作る
か、 (f)担体分子を少なくとも1つの結合剤と反応させて
からこの担体分子と免疫原とを反応させて該複合体を作
るか、 (g)免疫原と担体分子の両方を少なくとも1つの結合
剤と反応させてからこれらの免疫原と担体分子とを反応
させて該複合体を作るか、あるいは (h)これらの工程のいずれかを組合わせるかして、前
記の複合体を製造する方法を提供するものである。 又本発明の別の態様としては、本発明は、発現時に免
疫原のアミノ酸配列をコードする第1のDNA配列と発現
時に担体分子のアミノ酸配列をコードする第2のDNA配
列とベクターDNAとから成る組換えDNA分子を作り、この
組換えDNA分子で宿主を形質転換して該宿主が前記複合
体から成るハイブリッドたん白質産物を発現し得る様に
成し、この宿主を培養して該産物を発現せしめ、そして
得られたハイブリッドたん白質産物を採取することから
成る方法を提供する。 これとは別に本発明は又、 (a)免疫原および(または)担体分子を化学的に合成
し、そしてこれらの化学反応により前記複合体を形成す
るか、又は (b)免疫原および担体分子の両アミノ酸配列を有する
ハイブリッドペプチドを合成することによって、前記複
合体を製造する方法を提供する、このペプチドは固相
法、酵素法又は人工合成法によるペプチド合成で作るの
が好ましい。 本発明の好ましい態様によれば、合成した免疫原又は
担体分子はこれらが固相ペプチド合成装置中にある樹脂
と結合している間に、それぞれ対応する担体分子又は免
疫原とカップリング反応させるのが良い。 又本発明の別の態様としては、本発明は、本発明の複
合体を薬学的に許容される担体又は希釈剤とから成る医
薬を提供する。その薬学的に許容される担体又は希釈剤
の例としては、鎮剤や水溶液や重炭酸ナトリウム液にお
ける代表的な担体や希釈剤の他に胃酸を中和し又はそれ
と同じ様な緩衝効果を有する同様の希釈剤、ならびにグ
リコール、油剤あるいは水中油型又は油中水型乳剤等に
おける担体や希釈剤が挙げられ、又医薬は乳剤、ゲル、
ぺースト又は粘着性コロイド状分散体の形のいずれでも
良い。医薬としてはカプセル剤、錠剤、徐放性剤又は万
能薬の形態であるいはゲル状の又はぺースト状の製剤と
して投与されるものであって良く、あるいは又、点鼻用
スプレー剤としての投与形態のものでも良くそしてこの
場合にはエーワゾルを含有していても良い。又この医薬
は家畜用飼料として又は消費者の便利を計った食品とし
て提供されるものてあっても良い。 本発明者等は又、本発明の複合体をある種の食物分子
と一緒に併用投与することによってその複合体の免疫原
に対する免疫応答の程度および(または)形を選択的に
調整し得ることを見出した。 従って本発明は、本発明の複合体をその複合体の免疫
原に対する免疫応答の程度および(または)形を選択的
に調整し得る様な食物分子とを組合わせて成る医薬をも
提供するものである。 本発明において使用可能な食物分子としては次のもの
が挙げられる。塩基性、中性又は酸性アミノ酸、例えば
アルギニン、ヒスチジン、リジン、アラニン、システィ
ン、シスチン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メ
チオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレ
オニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アスパラ
ギン酸、グルタミン酸;水溶性又は水不溶性ビタミン、
例えば、チアミン、リボフラビン、ピリドキサール、シ
アノコバラミン(V,B12)、アスコルビン酸(V,C)、ビ
タミンD2等ならびにエルゴステロール、ビタミンE、ビ
タミンA、ビタミンK等;単糖類を含めての糖類、たと
ば、ガラクトース、マンノース、マントール、ソルビト
ール、グリコース、キシロース、アロース、アルトロー
ス、アラビノース、ジギトキソース、エリスロース、フ
ルクトース、リキソース、ムラミン酸、マンノース、ピ
ルビン酸、リボース、タガトース、タロースおよびこれ
らのアミド化又はN−アセチル化誘導体;オリゴ糖類、
例えば、ラクトース、マルトース、メリビオース、シュ
ークロース、セルビオース、N,N−ジアセチルキトビオ
ース、ケントビオース、イソアルトース、ラクトビオン
酸、トレハロース、トラノース;ならびに無機食物およ
び共要素、例えば、マンガン、マグネシウム、亜鉛、カ
ルシウムおよび鉄等である。 本発明は又、本発明の複合体をその免疫原の免疫応答
の程度および(または)形を調整し得る様な食物分子と
一緒に粘膜に投与することから成る、本発明の複合体の
投与方法をも提供する。 更に又本発明は、宿主における活性分子に対する応答
を誘発する様に本発明の医薬を経口投与する事をも提供
する。この様の応答とは、その活性分子が抗原又はハプ
テンである場合においては、組織体系のおよび(また
は)粘膜の免疫応答であっても良い。又その活性分子が
LHRH又はその誘導体、同族体、相同体又はその1部ある
いはそれらの組合わせである場合においては、その応答
は宿主における性腺機能を抑制するものであっても良
い。経口医薬は本発明における食物分子を含有してお
り、本発明はその様な経口医薬を宿主に投与することか
ら成る、活性分子に対する宿主の応答を増強する方法を
提供する。 図面の簡単な説明 第1図は、他のピリンたん白質のN−末端アミノ酸配
列と比較した、987PピリンサブユニットのN−末端アミ
ノ酸配列を示すものである。 発明を実施するための最良の形態 材料 レクチンをシグマケミカル社(Sigma Chemical Co.)
から購入した。非活性化fluワクチンをコモンウエルス
血清研究所(Commonwealth Serum Labs、オーストラリ
ア)から購入した。糖類およびビタミン類は下記の各社
から購入した。ラクトース(AR級)はアジャックス社
(Ajax Chemicals、シドニー、オーストラリア);フル
クトースD(−)、マンノースD(+)、ソルビトール
およびキシロースD(+)(全部AR級)はB.D.H.社(B.
D.H.Chemicals Ltd.プール、英国);メリビオースD
(+)はシグマ社(Sigma Chemical Co.セントルィス.
ミズーリー州);レチナル(ビタミンAアルデヒド)は
フルカ社(Fluka A.G.Chemicals、Fabrik Buchs、スイ
ス);チアミン−HCl(ビタミンB1)、リボフラビン
(ビタミンB2)、ピリドキサール(ビタミンB6)、シア
ノコバラミン(ビタミンB12)、L−アスコルビン酸
(ビタミンC)、エルゴステロール(プロビタミンD)
およびdl-a−トコフェロール(ビタミンE)はシグマ社
(Sigma Chemical Co、セントルイス、ミズーリー
州)。 菌株および培地 本実験で使用したE.コリK99、987PおよびLTB株を表1
に示した。これらはDr.Susan Clark(Molecular Biolog
y Laboratory Biotechnology、オーストラリア)から贈
られたものである。これらの培養物はルリア肉汁培地
(Luria broth.LB)中、1mMのイソプロピルチオ−n−
D−ガラクトピラノシド(IPTG)を添加してあるいは添
加しないで、振とうしながら37℃(特記しない限り)に
て増殖した。これを表1に示した。サルモネラ チフィ
ムリウム(Salmonella typhimurium)はLB培地に0.2%
グリセロールを加えて振とうしながら37℃で増殖した。 表 1 着色剤 遺伝子マーカー 菌株源 表現型 BTA595 pBTA193 RB791 LTB+ BTA604 pBTA201 MC1061 987P BTA262 pBTA106 ED8654 K99 +;級1mMのLPTG含有。 抗原の精製 ピリ線毛生成 放射標識した抗血清を使って検出したピリ線毛クロー
ンを発現したE.コリをその対数増殖期に採取した。培養
物を60℃で30分間加熱し、次いで、菌体を遠心分離(3,
000×g、30分間、4℃)によりペレット化(e20上清液
は、ラムリー(Laemmli)の変法(Laemmli(1970年);S
alit等(1980年))を使用して12.5%のSDS-PAGEにより
そのピリ線毛含有量を測定した。 K99精製:培養上清液をION-NaOHを使用してpH9.7に調
整し、室温(R.T.)で10分間攪拌した。生成したピリ線
毛含有沈でん物を遠心分離(3,000×g、30分間、4
℃)により回収し、pH7.2の蒸留水(dH2O)100ml中に再
けん濁した。この工程を2回くり返した。 987P精製:ピリ線毛沈でんの際に氷酢酸を使用してpH
を3.9に調整した事以外は上記と同様の方法に従った。 ヒドロキシ アパタイト クロマトグラフィー ヒドロキシアパタイト(HA)(DNA級Bio-GelHTP、Bio
-Rad)を静かに過剰量のdH2O)中で膨潤させて、少しの
時間(2分以内)の後に微粒子を静かにデカンテーショ
ンした。新しいdH2Oを加えてこのゲルを静かに再けん濁
させ、次いで微粒子を再ぐデカンテーションした。この
操作を数回くり返した。約30%のHAのスラリーをカラム
(30×5cm)に充てんしこれを重力下に固定した。次い
でそのゲル床表面が固定するまで16ml/hrの流速でdH2O
をカラム中に流してカラム内をしっかりと詰めた。。K9
9か又は987Pのどちらかのサンプル(100ml)を30ml/hr
を超えない流速でカラム内に供給した。次いで280nmで
検出した時にその流量中にたん白質が検出されなくなる
までカラムをdH2Oで洗浄した。pH7.5の15〜250mMのリン
酸ナトリウムの直線傾斜溶離によって、30ml/hrの流速
でピリ線毛を溶出した。画分を採取してSDS-PAGEによっ
て調べた。ピリ線毛ピークを回収して保存した。 イオン交換クロマトグラフィー HAクロマトグラフィーにより得られたK99および987P
のピリ線毛画分をそれぞれNaCH(pH9.7)又は氷酢酸(p
H3.9)で再沈でんさせた。遠心分離(3,000×g、10
分)後に、ピリ線毛含有ペレットをpH5.5の50mMクエン
酸緩衝液(K99)およびpH8.5の50mMトリス−HCl(987
P)中に再けん濁し次いで同じ緩衝液で平衡化したイオ
ン交換カラム上に負荷させた。K99および987Pをそれぞ
れCMおよびDEAEカラム上に100ml/hrの流速で負荷し、2
倍量の負荷緩衝液で洗浄し、次いで平衡緩衝液中の10mM
から0.5MのNaClの直線傾斜溶離によってピリ線毛を溶出
した。画分についてTsaiおよびFraschの方法(1982年)
に従ってそのたん白質含有量とLPS汚染の程度を調べ
た。 LTB精製 3lのLTB上清みをdH2Oで6lに希釈した。氷酢酸でそのp
Hを6.5に調節し、pH6.5の10mMりん酸緩衝液で平衡させ
た第1流CM−セファロースのカラム(5×30cm)上に1.
2l/hrの流速で負荷させた。次いでカラムをpH6.5の10mM
リン酸緩衝液400mlで洗浄し、そしてpH6.5の10mMリン酸
緩衝液中の10〜500mMのNaClの直線傾斜溶離により結合
たん白質を溶出した。画分を採取しSDS-PAGEで分析し
て、LTBピークを回収した。 ベン毛単離 菌体の対数増殖期末期の培養物を遠心分離(3,000×
g、15分間、4℃)によりペレットとした。細胞を塩水
に再けん濁し、60℃で30分間加熱し、次いで遠心分離
(3,000×g、10分間、4℃)した。上清みに最終濃度
が10%(w/v)となる様に100%TCA(w/v)の溶液を加え
て沈でんさせ、次いで1,500×gで4℃で10分間回転さ
せた。こペレットをpH8.8の1Mトリス−HClの少量中に再
けん濁し、溶液状になるまで音波処理した。エタノール
を最終濃度が80%(v/v)となる様に加え、2,000×gで
4℃で10分間べん毛を回転処理した。このペレットをア
セトン中に再けん濁し、音波処理してけん濁液とし、遠
心分離(5,000×g)で再沈でんさせた。最後に、この
ペレットをpH8.0の10mMトリス−HCl中の10%SDSおよび5
0mM EDTA中で煮沸して溶液にし次いでセファクリルS-20
0クロマトグラフィーにかけた。 ベン毛精製 15分間煮沸後に、ベックマン ベンチトップマイクロ
ファージ中で5分間遠心分離して不溶性物質を除去する
ことによってべん毛を精製した。上清みをpH8.8の20mM
トリス−HCl、0.1%SDSおよび10mM EDTAで平衡にしたセ
ルファクリル−S200(Pharmacia Fine Chemicals社)の
カラム(2.5×80cm)中に供給し、同じ緩衝液を使用し
て溶出した。画分を採取し、SDS-PAGEで分析した。最後
に、べん毛ピークを回収し10%(最終濃度)TCAで沈で
んさせ次いで前記と同様にして遠心分離し、エタノール
およびアセトンで洗浄した。この最後に得られたベレッ
トをdH2O中に再けん濁した。 リポ多糖類(LPS)精製 S.チフィムリウムを1晩培養した培養物を、100mMク
エン酸塩(pH3.0)と5%チッタージェント(Zwitterge
nt)3.12(w/v)(Calbiochem社)を含有する20%エタ
ノール(v/v)中0.5MCaCl2で抽出(30分間、室温)し
た。菌体を遠心分離(3,000×g、10分間、4℃)して
ペレットとし、ペレットを10mM EDTA(pH8.0)中に再け
ん濁させた。このけん濁液を室温で30分間はげしく攪拌
した。遠心分離により菌株を除去した後、最終濃度が75
%となる様にエタノールを上清みに加えた。たん白質物
質をペレット化しそして上清みを90%エタノールとなる
様に調節した。生成した沈でんをペレットとし、アセト
ンで洗浄し、再沈でんしそして最後にdH2O中に再けん濁
させた。アンスロン(Authrone)試薬(Herbert等、198
5年)を使用して生成物の糖含量を分析し、SDS-PAGEを
使用してその汚染たん白質の存在を調べた。市販のE.コ
リLPS(シグマ社)を両分析における標準分室として使
用した。TsaiおよびFraschの方法(1982年)に従って銀
着色料を使用してLPS用にゲルを着色した。 多糖類(PS)の製造 S.チフィムリウムLPS製剤から、そのLPSを1M氷酢酸で
培養しそして100℃で2〜5時間加熱することによって
リピドAを切り出した。次いで3.000×gで10分間4℃
で遠心分離してリピドAを除去した。 抗原精製 精製K99および987Pピリ線毛製剤をSDS-PAGE分析する
ことによって、還元性条件下においてそれぞれ17,500お
よび20,000モル重量における単一バンドが存在すること
が確認された(第1図)。これはすでに報告されている
Isaacson等のデータと一致するものである(Isaacsonお
よびRichter(1981年);Morris等(1980年);de Graaf
等(1981年);Fusce等(1978年))。これらたん白質は
pH9.7および3.9(それぞれK99および987Pに対応する)
で容易に沈でんするということはこれら2つのたん白質
のpI値がこれらの範囲の付近にあることを示すものであ
る。(IsaacsonおよびRichter(1981年);de Graaf等
(1981年)参照)。これら製剤を銀着色したところ、こ
れらはLPSをほとんど含んでいない(1μg/100μgたん
白質より少ない)か又は全くこれに汚染されていないこ
とがわかった。 987Pアミノ末端酸配列の択定 アミノ末端微細構造配列択定はBiotechnology Resear
ch Enterprises S.A.Pty.Ltd.社(アデライド、南オー
ストラリア)が行った。前記の様にして精製した987Pの
100nモルサンプルを分析した。987Pのアミノ末端配列を
公知のK99の配列と比較したところこれら2つの分子間
には相同性がないことがわかった(第1図)(Gaastra
およびGraaf(1982年))。 還元条件下でSDS-PAGEで調べたところによると、精製
LTBおよびS.チフィムリウムべん毛は又LPSの汚染が全く
なくかつそれぞれ(2,500および52,000のみかけ分子量
のモノマーとして動作することがわかった。 精製LPSの銀着色したSDS-PAGEゲルからは検出可能な
程度のたん白質汚染はみられなかった。アンスロン反応
により分析したところによると、複合体糖含量は2mg/ml
であった。又、リピドAを含有しない多糖は2mg/mlの多
糖を含有していることがわかり、そしてこれはSDS-PAGE
上で移動しない(これは銀着色ゲル中で確認された)こ
とから、汚染リピドを含有しないことがわかった。 抗原のジニトロフェニル化 LittleおよびEsisenの方法(1967年)に従ってK99、L
TBおよびレクチンをジニトロフェニル化した。簡単に言
うと、担体(pH9.5の0.1M炭酸塩/重炭酸塩緩衝液中)
をDNFBの0.1M溶液(アセトン中)と室温で1晩反応させ
た。次いでたん白質をカップリング緩衝液で広範囲に透
析した。本発明者らの先の研究によれば、987Pはカップ
リングし得る遊離のアミノ基を有さないので、ジアミノ
スペーサーを次の様にしてたん白質の遊離カルボキシル
基と最初に結合させた。まず精製987Pの10mgを、これに
氷酢酸を加えることによってpH3.9で沈でんさせた。3,0
00×gで10分間4℃で遠心分離してピリ線毛を除去し
た。ペレットをdH2O中に再けん濁し、1NのNaOHでそのpH
を6.5に上げた。次いでピリ線毛溶液を、20mMの1,2−ジ
アミノエタン(BDH Chemicals Ltd.社、プール、英国)
の存在下に最終濃度0.5mMにおいて1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボゾイミド−HCl
(EDAC、Bio Red Laboratories、リッチモンド、カリフ
ォルニア)と室温(20〜23℃)で1晩反応させた。この
アミノ置換した987Pを0.1Mの炭酸塩/重炭酸塩緩衝液
(pH9.5)でこの緩衝液を2回交換して24時間透析し、
次いでこれを次の接合工程に使用した。そのDNFBとの反
応の間、レクチン特異性糖類を加えることによってレク
チン結合部位を保護しておいた。例えば、D−グルコー
ス、D−マンノース、D−グルコース、N−アセチル−
D−ガラクトサミン、D−ガラクトース、N−アセチル
−D−ガラクトサミン、D−ガル(1−3)−D−ガル
−N-ACおよびL−フコースの50mM溶液をそれぞれ次のレ
クチンに対応して加えた。コンカナバリンA、ポークウ
ィドウマイトーゲン、レンズクリナリス、ヘリクスポマ
チア、ファセオラスブルガリス(Phaseolus vulgari
s)、グリシンマックス、アラキス ハイポジアおよび
ウレクス ヨーロペウス。 抗原投与 雌C57BL/6丁マウス(18-22g)をAnimal Resources Ce
ntre(パース、西オーストラリア)から入手した。全マ
ウスは抗原を経口又は筋肉内(i.m.)投与する前3〜4
時間絶食させた。特別に用意した哺乳針を使用して、0.
1M炭酸塩/重炭酸塩緩衝液(pH9.5)中の適当な濃度の
抗原をマウスに経口投与した。一方、0.1mlの無菌生理
食塩水中に溶かした同投与量の抗原をマウスの左後足に
筋肉内注射した。経口投与又は筋肉内注射により抗原を
投与した各5匹のマウスのグループには、0日目と14日
目の2回に同量の抗原を投与した。14日目と21日目に後
部眼窩叢から血液サンプル(約0.5ml)を採取した。次
いで脊椎脱臼させてマウスを殺し、その小腸を次の様に
して洗浄した。まず小腸を注意しながら取り出し、先端
を丸めた注入針を使用して少量の洗浄緩衝液(1.0ml;30
mHトリス−HCl(pH8.8)、0.9%NaCl、50mH EDTAおよび
1.0%トウィーン20含有)を腸内膣中に注入した。腸を
静かにこねまわした後に、その内部物に人指ゆびと親ゆ
びを使ってしぼり出した。こうして得られた腸洗浄物を
直ちに遠心分離して砕片をとり出し次に分析に使用する
までの間−20℃で保存した。血液サンプルは4℃で凝固
させた後にその血清をとり出して−20℃で保存した。 酵素結合免疫分析(ELISA) 抗体力価択定のためのELISAはすでに報告されているR
ussell-Jonesらの方法(1984年)に従って行った。 実施例1 粘膜免疫原として活性な分子の同定 経口投与後に腸粘膜を結合して免疫応答生成を刺激す
る機能を有することが知られている種々の分子について
その活性種類を調べた。これらの分子により生起した応
答を、粘膜結合能を有さない他の分子を同様に投与した
後に見られる応答と比較した。 表1−1に示す様に、これらの実験において3つのグ
ループに大別されるたん白質が検出された。第1は試験
量を投与した時に血清および腸内応答を誘発する群(K9
9、987P、LTB、fluワクチンおよび種々のレクチン)
(第I群)(これらを以下粘膜免疫原と称する)であ
り、第2は血清応答のみを誘発する群(LPS)(第II
群)であり、第3は血清又は腸内応答のどちらかを誘発
しない群(ベン毛、BSAおよびPS)(第III群)である。
第I群抗原の中で、987PはLTB(12.2±4.4)又はK99
(3.2±4.9)と比較してIgA抗体(ab)に対する極めて
高い活性を有する刺激剤(48.5±1.8)であった。又987
PはK99(3.0±5.3)又はLTB(1.0)よりもはるかに硬度
に胃腸内IgGを刺激した(10.8±1.76)ことから、987P
だげが血清IgAを刺激し得るものであった(10.8±8.
8)。これら4つの全部の第I群抗原は同程度に血清IgG
を刺激した(表I−1)。第II群抗原であるLPSは少し
血清IgG応答を刺激した(12.1±1.0)が、同時にIgAや
胃腸内活性を有さなかった。最後に第III群抗原であるB
SA、べん毛およびLPSの多糖部は、血清又は腸内IgG2はI
gAのいずれかを誘発しなかった。これら3つの全群から
の代表的なサンプルとしてK99、987P、LTB、LPSおよび
べん毛を筋肉内投与し、血清および腸内応答の両方につ
いてスクリーングした(表I−2)。第IおよびII群の
抗原は同様な血清IgG応答を与えたが,血清IgA又は腸内
IgA/IgAAb応答を生成しなかった。この筋肉内免疫付与
によって、抗LPS血清IgG応答だげが顕著に改善されたの
が見られた。更に987P、K99およびLTBの各々についてそ
の経口および筋肉内投与における投与量/応答の関係を
調べた。表I−3およびI−4に見られる様に、987Pは
その投与形態に関係なくK992はLTBのいずれよりも一貫
して高力価を示した。驚くべきことには、第I群抗原で
あるLTBは10〜50μgの間にプラトー極大値を有するベ
ル型投与量/応答関係曲線を示した。他の第I群抗原は
どれもこの効果を示さず、又はLTBも筋肉内投与した場
合にはこの効果を示さなかった。第I群の抗原(Ag)は
すべてこれを経口投与した時に、試験した広範囲の投与
量にわたって高レベルの腸内IgAAb(S-IgA)を誘発し
た。2つの投与形態を比較してみるに、筋肉内注射によ
る投与は一貫して高力価を達成し得るけれども、粘膜免
疫原を経口投与した場合には第I群および第II群の抗原
を10〜100μgの投与量で筋肉内注射した場合に得られ
る抗体生成とほぼ同じレベルの抗体生成が達成されるこ
とがわる。 実施例2 経口投与における粘膜免疫原に対する免疫応答におけ
る食物分子の作用。 累系交配スイス雄マウスを使用しての本発明者らの先
の研究によれば、ある種の食物分子を抗原と共使用する
ことによって経口投与した抗原の免疫応答を変化させる
ことが可能なことがわかった。従って、粘膜免疫原であ
るK99、987PおよびLTBを種々の食用糖類およびビタミン
と一緒にマウスに投与した。累種の抗原は腸内上皮の表
面上で累種の分子と結合することが知られており、又、
腸全長にわたって糖たん白質と糖脂質の分布が変化して
おり又吸収細胞の分布も変化していることが知られてい
るので、これらの細胞により通常摂取される特定の食物
分子と一緒に抗原を投与することによりこれら細胞に結
合した分子の摂取状態を刺激することが可能であろうこ
とから、先の処置は意味のあることである。この理論を
増幅するならば、刺激分子の機能は抗原から抗原へと変
化することになる。 表2−1、2−2および2−3の結果によれば、ビタ
ミン類および糖類の多くはK99、987PおよびLTBに対する
免疫応答を調整する何らかの作用を有しているけれど
も、ある種の食物分子についてみるとそれがどの粘膜免
疫原に対して影響を及ぼし又それらが主として分泌腺又
は血清応答を誘発するかどうかについては個々に選択性
があるらしいことがわかる。例えば、K99に対する血清
抗体応答はメリビオースのビタミンB12との共投与によ
り有意に増加(P<0.05)したけれども、ビタミンB2
ビタミンD、ビタミンE、フルクトース又はマンノース
との共投与では変化がなく、又ビタミンA、ビタミン
B1、ビタミンB6、ビタミンC、ラクトース、ソルビトー
ルおよびキシロースとの共投与ではその程度が低下した
(表2−1)。 一方、987Pの経口投与に対する血清Ab応答についてみ
ると(表2−2)、987PをビタミンB6、ビタミンB12
ビタミンC、ビタミンE、フルクトース又はマンノース
と共投与すると該応答は増大し、ビタミンA、ビタミン
B1、ビタミンB2、ラクトース、メリビオース、ソルビト
ールおよびキシロースと共投与した場合には変化がな
く、又、ビタミンDの存在下では減少した。又一方LTB
についてみると、これを食物分子と共投与した場合の血
清Abレベルにおける作用結果は独特の様相を示した。こ
れを表2−3に示したが、これによれば、ビタミンA、
ビタミンB2、ビタミンD、フルクトース、マンノースお
よびキシロースの存在下ではLTBに対する血清力価は増
大しており、ビタミンB1、ビタミンB12、ビタミンC又
はメリビオースとの共投与ではほとんど変化がないか又
は全く変化がなく、そしてビタミンB6、ビタミンE、ラ
クトース、メリビオースおよびソルビトールとの共投与
ではほぼ完全に抑制されていた。この様にビタミンB6
ラクトース、メリビオースおよびソルビトールの存在下
に免疫応答が抑制されるということは、LTBが結合する
ことが知られているGM1ガングリオシドにおける本発明
で言うところの特異性糖択定因子であるガラクトースに
これら化合物の構造が類似しているためであると考えら
れる。これらの結果から、K99、987PおよびLTBは微小繊
毛上皮の別々の細胞に結合しこれらと内部結合を形成す
ることが広く理解される。 投与量/応答実験結果(表2−4、2−5および2−
6)によると、経口投与する粘膜免疫原に食物分子を添
加するだけで、血清抗体の同時刺激をひき起こすことな
く免疫系統の分泌性を刺激することが可能であり、ある
いは逆に分泌腺Absのレベルに影響を与えることなく血
清応答を増大せしめることが可能であることがわかる。
例えば、大量の投与量のビタミンB12又はメリビオース
をK99と共投与すると、それぞれ2から8倍の血清Abが
増加してしかも分泌腺Absの同時増加はほとんどない。
又それは逆に、ビタミンDの共投与量を増加すると、血
清Absは減少して分泌腺Abが増加する。又一方ある種の
食物分子は分泌腺および血清Ab価の両方を刺激し、例え
ば、ビタミンCと987Pとを共投与すると血清Abは8倍増
加しそしてS-IgAは1000倍増加する。 粘膜免疫原をビタミン類や糖類と一緒に筋肉内注射し
た実験ではその免疫応答に対する効果はあったとしても
ごくわずかかあるいはほとんどなく、この事はこれらの
分子を粘膜免疫原と一緒に共投与したことによる応答に
対する変化はその免疫原に直接起こるのではなくむしろ
これらの分子の吸収部位又はその近くに起るべきである
ことがわかる。(表2−7)。 実施例3 上記実施例1および2は、粘膜免疫原を少量経口投与
すると分泌腺IgA抗体レベルを同時に上昇させあるいは
上昇させることなくかなりの血清IgG力価を誘発し得る
ことを立証した。更に又、免疫応答は食物分子の共投与
により調整される事も示された。最初の実験で使用した
レクチンは担体として作用して抗DNP応答を誘発し得る
事がわかり、これにより少なくともある種のこれら粘膜
免疫原は他の抗原に対して「担体」として作用する能力
を有し従って腸内上皮と交差する多くの抗原のかなり少
ない吸収量を改善するものと考えられる。 下記の実験はこの担体能が存在するかどうかを検討し
そしてこれを新規なかつより効果的な経口ワクチンおよ
び(または)経口投与用医薬の製造に有効に利用するた
めの種々のパラメーターをいくつか確立するために行っ
たものである。 材料と方法 抗原の粘膜免疫原への接合 担体のジントロフェニル化 DNFBを上記の様にしてレクチンおよび担体と反応させ
た(常法参照)。 リポ夛糖(LPS)および多糖(PS)の接合 S、チフィムリウムLPSおよびPSを上記の様にして精
製した(実施例参照)。LPSとPSを常法に従って(Auram
eusおよびTerngnck,1971年)カップリングしてMIとし
た。 グレタールアルデヒドカップリング Aurameus等の方法(1978年)による2工程グルタール
アルデヒド法によって、黄体形成ホルモン放出ホルモン
(LHRH)、ウシ血清アルブミン(BSA)(シグマ社製)
およびS、チフィムリウムベン毛を個々にカップリング
してMIとした。これを簡単に述べると、まず所望のたん
白質を0.2%グルタールアルデヒドと室温で2時間反応
させた。たん白質を炭酸塩/重炭酸塩緩衝液(pH9.5)
に対して1晩透析し、次いでMIを5、10、20および40:1
(抗原:MI)の所望のモル比で加え24時間室温で反応さ
せた。最後にエタトルアミン(シグマ社)も最終濃度
が、0.1Mとなる様に加え(1時間、室温)次いで0.1M炭
酸塩/重炭酸塩緩衝液(pH9.5)に対して4℃で1晩透
析した。 パーオキシダーゼ接合レクチン グリシンマックス、アラキスハイポジア、テトラゴノ
ロブスプルプレアスおよびコンカナバリンA由来のレク
チンと接合したパーオキシダーゼの市販品をシグマ社か
ら購入した。 LHRH接合体の化学合成 前記したグルタールアルデヒド法を使用してLHRHをLT
Bと接合した。即ち、グルタールアルデヒドで活性化し
たLHRHをLTBに、20:1(LHRH:LTB)の比で加え、常温で
1晩カップリングした。得られた接合体を0.1M炭酸塩/
重炭酸塩緩衝液(pH9.5)に対して広く透析し、これを
投与用剤として使用した。コントロール剤は、グルター
ルアルデヒドだけで処理したLHRH又はLTBから成るもの
である。 LHRHのβ−ガラクトシダーゼおよびLTBへの遺伝子融合 融合LTB/LHRHハイブリッドポリペプチドを発現するプラ
スミドベクターの構築 1.LTBコード配列を含有するDNA断片 変成したE、コリ株RC411(Dallus等、1979年)中の
プラスミドNP307からのLTB遺伝子クローン(Leong等、1
985年)を含有するpBR322プラスミドから、LTBの終止コ
ドンに近いSpe I部位を使用してHind III断片を得て次
いでこれを標準条件を使用してムング豆(mung bean)
ヌクレアーゼ消化した。(ここで特記しない限り、標準
組換えDNA技術に使用した条件および核酸変成用酸素
は、Moleculan Cloning(Maniatis,FritschおよびSambr
ookによる実験室用手引き。Cold Spring Harbor Labora
tory,1982年)に記載のものである。)これは下記の様
にして、LTB中アミノ酸123の後に通常見られる終止コド
ンをはずし、DNAの9塩基対を除去しそして偶然にもHin
d III部位を生成した。 サイズ=573bp 標準条件を使用してプラスミドをHind III消化しそし
てホスファターゼ処理した後に、この断片をベクターpV
C13(Messing,1983年)中にライゲーションした。これ
によりDNAインサートを有するLTB配列の下流のPst I、S
al Iおよびxba I、Bam HI、Sat IおよびEloR I部位を含
めてのpVC13の残りのポリリンカー領域の配列が選定さ
れた。 2.合成LHRHをコードするオリゴヌクレオチドの創製 下記のAおよびBの配列を有する長さ30塩基の2種の
オリゴヌクレオチドを処理して、下記Cの様な重なりハ
イブリッド重複体を作った。これはペプチドホルモンLH
RH(SchallyおよびCoy,1983年)をコードする10アミノ
酸の末端から末端までの直線反復をコードする重複体と
なると思われる。(Role of Peptides and Proteins in
Control of Reproduction;Mc CannおよびDhindsa編、E
lsevier Science Publishing Co,刊、89-110ページ参
照。)この配列においてはグルタミン酸が通常のN−末
端ピログルタミン酸と置換している。 常法によって、2つのオリゴヌクレオチドを一緒にし
て50mM Nall、10mMトリス−Hcl(pH7.5)中40℃で1時
間アニーリングし、クレノウ(Klenow)で末端充てん
し、そして次いでこの混合物をSma I切断M13mp18中にラ
イゲーションした。インサートを含有するM13ファージ
を単離し、このインサートのDNA配列をジデオキシ法に
よって決定した。P29と命名した1つの組換え体を融合
体構築のために選んだ。Sma I部位でのインサートの領
域中のそのDNA配列を、そのコードするアミノ酸を含め
て、下記に示した。 このDNA配列において、合成オリゴヌクレオチド由来
のDNAの挿入によりLHRHのコード配列の約31/2反復(34
アミノ酸)が枠内融合して配列していることが確認され
た。LHRHの全コード配列は矢印で示した。 P29のDNAからの複製型をEcoR IおよびHinc IIで消化
し(その位置は上記のDNA配列中に示した)、そして通
常の方法で末端充てんした。ポリアクリルアミドゲルか
ら140塩基対の小断片を単離した。 3.LTB/LHBH融合ベクターの構築 Hind III部位(上記部分1)に挿入したLTBをコード
する配列を含有するpVC13プラスミドをSal Iで消化し、
そして常法により末端充てんしそしてりん酸化した。次
いでベクターDNAを、P29からの末端充てんEcoR/Hinc II
断片(上記部分2)とライゲーションした。2つの融合
体は下記のアミノ酸配列を持つべきである。 aal-122(lys)−ala-trp-ala-ala-gly-arg-arg-asn-se
r-ser-val-pro-LTBコード配列。 leu-arg-pro-gly-〔glu-his-trp-ser-tyr-gly-leu-arg-
LHRHpro-gly〕3‐gly-asp-pro-leu-glu-ser-arg-leu LTBからの122アミノ酸を、LHRH反復をコードする34ア
ミノ酸と、隣接する領域由来の更に20アミノ酸とを有す
る176アミノ酸ポリペプチドの生成を決定するLHRH配列
の外側に終止コドン24塩基がある。 生成物の小部分から採ったDNAをEcoR Iで消化するこ
とによって正しい掲成体をスクリーニングしそしてその
EcoR Iの適当な大断片を有するプラスミドを求めた。pV
C13の、lacプロモーター由来の、このポリペプチドの発
現用の推定構造を更にスクリーニングした。菌体抽出物
をポリアクリルアミドゲルで分析し、次いでニトロセル
ロース紙に転写しそしてLTBおよびLHRHの接合体に対す
るウサギ抗血清を使って、ウェスタンブロッティング法
によってブロッティングした。目的のサイズのペプチド
の両抗血清により検出された。 4.発現プラスミドK66および発現株BTA1185の構築 LTB-LHRH融合をコードする領域を完全な体で有してい
る、前記第3項で得られたpVC13LTB-LHRH融合プラスミ
ドの573bpのEcoR I断片をアゼロースゲルから単離し、
そしてEcoR Iで切り出したりん酸化発現ベクターPKK223
-3(ファルマシア社製)中にライゲーションした。得ら
れた発現プラスミドPBTA K66はtacプロモーターの支配
下に融合たん白質を発現した。(この発現はIPTGで誘発
されるものである。)このプラスミドでE、コリ病主株
JM101(SupE、thi、(lac-pro AB)〔F′tra D36 pro
AB lae Ig ZH15〕)を形質転換して病主ベクター発現系
BTA1185を得た。 5.動物実験用のLTB/LHRH融合たん白質の生成と精製 上記した方法によってLTB(LHRH)3.5産主株を増殖させ
た。2時間IPTGで誘発した後に、遠心分離(3,000×
g、10分間、4℃)により菌体をペレット化した。次い
でこの菌体をdH2O中に再けんだくしをしてフレンチプヒ
ス(French Press)により分解した。遠心分離(18,000
×g、10分間、4℃)により菌体破砕切を除去した後
に、上積みをアグチオ−ガラクトースカラム(シグマ
社)上に負荷した。次いで融合たん白質を0.5Mガラクト
ースで溶出しそして0.1M炭酸塩/重炭酸塩緩衝液(pH9.
5)に対して透析した。 抗原投与と免疫応答の測定 経口投与の処方、抗体採取およびELISA測定はすべて
上記と同様にして行った。 結果 粘膜免疫原の担体能の確認 試験したすべての粘膜免疫原は、腸内粘膜を通って共
有結合したハプテンDNPを効果的に運びかつジントロフ
ェンル化MIを投与後には血情抗DNPAb応答を誘発し得る
機能を有することが確認された。しかしながらDNP変性B
SAは、これを試験濃度において投与した時に、抗DNP又
は抗BSA応答を誘発する作用を全く示さなかった(表3
−1)。K99および987PをDNPよりもはるかに大きい分子
に複合せしめた最初の実験では、粘膜免疫原か又はこれ
とカップリングした分子に対する免疫応答を生起せしめ
るのに不成功であり(表3−2および3−2)、これは
多分ピリ線毛と粘膜上皮との結合における立体障害に起
因するものであると思われる。従って抗原とMIとの比を
変える事にした。種々の比のBSA:ピリ線毛の場合を試験
したところ、まずBSA:ピリ線毛が1:20よりも大きな割合
で投与した場合には、500μgβの量を投与してさえも
抗BSA又は抗ピリ線毛応答を生起させることは不可能で
あることがわかり、これにより、複合体と粘膜上皮とを
効果的に結合させることは不可能であり従って免疫応答
が起らないことがわかった。しかしながら、1:20又は1:
40の割合で投与した場合には、BSAおよびピリ線毛の両
方に対して良好な応答がみられた(表3−2および3−
3)。免疫応答の程度は、投与すべき複合体の投与量を
変えることにより変えられるものであった(表3−
4)。 LBTとカップリングしたLHRHの経口投与についてみる
と、例えば20μg又は50μgのLHRH-LTBを投与された雌
マウスの子宮および卵巣の合計重量がかなり減少するこ
とが見られた(P<0.05)(表3−5および3−6)。
ところが、LHRH又はLTBだけを投与したり又はその混合
物を投与したりあるいはLHRH-B−ガラクトシダーゼやLH
RH-LTBや遊離のLHRHを筋肉内注射したのではその様な重
量減少はみられなかった。又、その様な重量減少の効果
は発育的にみると、卵巣中に成熟卵胞が全く存在しなか
ったので、従ってこの実験動物は効果的に「去勢され
た」ことになる。又、遺伝子工学的に構築したLTB-(LHR
H )315融合たん白質をマウスに投与した場合にもその生
殖器官の重量がわずかに減少したが(表3−6)、しか
しこの実験においては、その試験投与量におけるその減
少は有無なものではなかった。 実施例4 抗原の経口投与後の細胞性免疫の誘発 血情および腸内抗体の生成によって測定された様に、
粘膜免疫原を投与することは体液性応答の誘発に効果的
であることが示された。しかしながら、粘膜免疫原に対
して細胞性免疫(CMI)応答を同時に刺激するかどうか
については不明であった。 下記の実験は、粘膜免疫原の経口投与により生起した
CMIと、フロイントの完全アジュバント(CFA)中の抗原
の常法による皮下(S.C)注射により生起したそれとの
比較のためのものである。 方法 雄C57B1/6Jマウスを、0.1M炭酸塩/重炭酸塩緩衝液
(pH9.65)中の20μgの抗原を経口投与することによ
り、あるいはCFA中の20μgの抗原を皮下注射すること
により免疫付与した。 コントロール群には緩衝剤又はアジュバントのみを投
与した。免疫付与してから7日後に、マウスの左後足に
20μlの食塩水中の10μgの抗原を注射してその右後足
には20μlの食塩水だけを注射した。更に24時間後に、
左後足と右後足の太さの違いを測微計により測定した。 結果 その結果を表4−1に示したが、これによると987P又
はLTB粘膜免疫原のどちらかを経口投与した場合に良好
な細胞性免疫反応が生起されることがわかる。その応答
はCFA中のこれら抗原を皮下注射した場合の応答よりも
わずかに小さいだけにすぎなかったことから、実際その
応答は驚くほど高いものであった。 この結果は抗原による免疫付与後の足の大きさの増加
量を示すものである。これらは5匹のマウスの平均値±
標準偏差で表わしたものである。 実施例5 LTB−テタヌス毒素複合体のマウスへの投与 これらの実施例は、LTBを毒素と結合させたLTB−毒素
複合体を経口投与し、その結果、経口免疫感作のあとに
対毒素保護を生じさせることを試みたものである。 遊離チオール基を、チオール化剤であるS−アセチル
メルカプトコハク酸無水物(SAMSA)を用いて、テタヌ
ス毒素のCサブユニット(CTT-SH)に導入した。LTBは
N−サクシニジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピ
オン酸塩(SPDP)で活性化した。未反応の試薬を透析に
より、CTT-SHおよびLTB-SPDPの双方から除去し、CTT-SH
をNH4OHで活性化してから、LTB-SPDPと反応した。この
反応はN−エチルマレイミドを添加して終了した。 マウスにこの複合体25μgづつ0、14、及び34日目の
3回経口投与することにより、免疫感作した。14日後に
マウスの採血を行い、58日目にテタナス毒素0.1μgを
腸内に抗原投与した。 上の資料より、経口摂取の後にLTBはTTCを効果的に免
疫系へ送達し、また1/130以上の力価を持つ動物は後に
続くテタナス毒素の抗原投与に対しての防御がなされた
事が分かる。 実施例6 グルタルアルデヒド結合 インフルエンザウイルス粒子を、アブレメウス(Avra
meus)ら(1978年)の2段階のグルタルアルデヒド処理
法によって、LTBと結合させた。簡単にいえば、LTBをpH
6.8の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液に1mg/mlに溶解さ
せ、0.2%グルタルアルデヒドと室温で2時間反応させ
た。pH9.5の0.1M炭酸/重炭酸緩衝液で1晩透析したあ
とにLTBを活性化するグルタルアルデヒドをLTBに1:1(W
/W)の割合で添加し、PBS(リン酸緩衝液)で透析する
前に24時間室温で反応させた。 抗原投与 わずかに麻酔(CO2ショック)のかかったマウスへの
経口投与は、0.25mlもしくは0.5mlのインフルエンザウ
イルス、0.5mlのウイルス/LTB結合体、0.5mlの塩水また
は0.5mlのLTB溶液を胃内挿管により行った。1日目と8
日目にマウスを免疫付けさせて、22日目にこれらのマウ
スをCO2で窒息させて試料(血液、洗浄分泌液)を回収
した。 酵素結合免疫分析(ELISA) 不活性化したインフルエンザウイルスA/レニングラー
ド/360/86型(HIN1,46μg/ml、を0.05M、pH9.6の炭酸/
重炭酸緩衝液に1:100に希釈)を平底のポリスチレン製
マイクロテストプレート(ダイナテック(製)、アレク
サンドリア、バージニア州)にのせて4℃で1晩放置
し、その後に2%牛血清アルブミンPBS溶液でブロッキ
ングを37℃で2時間行った。洗浄液(ツイーン20を2%
含むPBSで5回(EWB))、血清試料はPBSで1:8及び1:12
5に希釈並びに肺洗浄試料は希釈しないか若しくは1:32
に希釈し、これらをウイルスをのせてコートしたプレー
ト上で4℃で18時間インキュベートした。 洗浄後、アルカリホスファターゼ結合ヤギ抗マウスIg
AまたはIgG抗血清(サザンバイオテクノロジー協会、バ
ーミングハム、アラバマ州)を添加して、37℃で2時間
放置した。洗浄後、アルカリホスファターゼの基質であ
るP−ニトロフェニルホスフェート基質(シグマ)1mg/
mlをpH9.8、1Mのジエタノールアミンに加え、よくなじ
ませて、60分後にOD405を自動マイクロプレートリーダ
ーで測定した。酵素結合体(試料無添加)コントロール
よりも0.05高いODの希釈液を最も高い試料として、測定
終点を計算した。それぞれの試料について、2回の試験
を行った。 経口投与したインフルエンザウイルスの免疫応答 インフルエンザウイルスをLTBに共有的に結合させマ
ウスの胃内に投与すると、血清IgGと気管支IgAの双方の
インフルエンザウイルスに対する反応はかなりの増加を
示した。これは表6−1〜6−5の資料より知ることが
出来る。実際に、担体を使用しないでインフルエンザワ
クチンのみを2倍量投与した場合よりも、7〜8倍の力
価を示した。 産業上の利用可能性 本発明の産業上の利用可能性は、脊椎動物病主への経
口投与用医薬の製造にある。 経口ワクチン用に可能なワクチンの例 アレルゲン類:種々の緑草花粉(大麦、ひめかもじぐ
エ)、雑草花粉(クローバー、スカンポ)、木の花粉
(トネリコ、スギ)、他の植物の花粉(えにしだ)、上
皮(ネコの毛、イヌの毛、ブタの毛)、その他(家ぼこ
り、小麦もみがら、カポック)。 ホルモン類:LHRH、FSH、HGH、インヒビン ワクチン類:インフルエンザ、はしか、紅疹、天然痘、
黄熱病、ジフテリア、破傷風、コレラ、ペスト、チフ
ス、BCG、ヘモフィルヌインフルエンザ、ネイゼリア、
カタラリス、クレブジェラ、ニューモニア、ニューモコ
クシ、ストレプトコクシ特にS、ミュータンス等由来の
血球凝集素。E、コリ、N、ゴノルホエ、N、メニンジ
テス、N、カタラリス、エルシニアssp、プソイドモナ
ス、アエルギノーザ、プソイドモナスssp、モラクセラ
ボビス、バクテロイデスノドサス、スタフィロコクシss
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───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ド・エイツプリユア,ヘンリー・ジエイ ムス オ−ストラリア国 ニユ−・サウス・ウ エ−ルズ 2207、ベツクスレイ、ダグラ ス・ストリート 9 (72)発明者 ハウエ,ピーター オ−ストラリア国 ニユ−・サウス・ウ エ−ルズ 2120、ウエスト・ペナント・ ヒルズ、ミユンドン・プレイス 6 (72)発明者 ランド,ケイス・ノーマン オ−ストラリア国 ニユ−・サウス・ウ エ−ルズ 2067、カツツウツド、フレン コート・アヴエニユー 10エイ (56)参考文献 特開 昭57−171926(JP,A) 特開 昭57−81415(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.脊椎動物宿主の粘膜上皮と特異的に相互反応し得る
    担体分子に結合した免疫原から成る複合体であって、該
    複合体は該免疫原の免疫活性とその脊椎動物宿主の粘膜
    上皮と特異的に相互反応する担体分子の活性とを実質的
    にあわせ持っておりかつ、この複合体は脊椎動物宿主に
    おいて組織体系的な細胞性および(または)粘膜性免疫
    応答を誘発せしめ得るものであることを特徴とする前記
    複合体。 2.免疫原がホルモン、医薬、抗原又はハプテンの全
    部、1部又はその同族体、相同体又は誘導体又はこれら
    の組合わせから選択したものである、前記請求の範囲第
    1項に記載の複合体。 3.該複合体が脊椎動物宿主における組織体系的な又は
    細胞性免疫応答を誘発せしめ得るものである、前記請求
    の範囲第1項に記載の複合体。 4.該複合体が脊椎動物宿主において粘膜性応答を誘発
    せしめ得るものである、前記請求の範囲第1項に記載の
    複合体。 5.免疫原が抗原又はハプテンの全部、1部又はその同
    族体、相同体又は誘導体又はこれらの組合わせである、
    前記請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の複合体。 6.免疫原がホルモンの全部、1部又はその同族体、相
    同体又は誘導体又はこれらの組合わせである、前記請求
    の範囲第1〜5項のいずれかに記載の複合体。 7.免疫原が黄体形成ホルモン放出ホルモンの全部、1
    部又はその同族体、相同体又は誘導体又はこれらの組合
    わせである、前記請求の範囲第1〜6項のいずれかに記
    載の複合体。 8.免疫原がFSH、HGH又はインヒビンである、前記請求
    の範囲第1〜6項のいずれかに記載の複合体。 9.免疫原がアレルゲンである、前記請求の範囲第1〜
    5項のいずれかに記載の複合体。 10.アレルゲンが緑草花粉、雑草花粉、木の花粉、そ
    の他の植物の花粉、ネコの毛、イヌの毛、ブタの毛又は
    その他の上皮、家ぼこり、小麦のもみがら又はカポック
    である、前記請求の範囲第9項に記載の複合体。 11.免疫原がインフルエンザ、はしか、紅疹、天然
    痘、黄熱病、ジフテリア、破傷風、コレラ、ペスト、チ
    フス又はBCG原因剤、ヘモフィルス、インフルエンザ、
    ネイゼリア カタラリス、クレブジエラ ニューモニ
    ア、ニューモノコクシおよびストレプトコクシ由来の表
    面たん白質、又はE.コリ、N.ゴノルホエ、N.ネニンジテ
    ィジス、N.カタラリス、エルシニアSPP、プソイドモナ
    ス アエルギノーザ、プソイドモナスSPP、モラクセラ
    ボビス、バクテロイデス ノドサス、スタフィロコク
    シSPP、ストレプトコクシSPPおよびボルデテラSPP由来
    のピリ線毛である、前記請求の範囲第1〜4項のいずれ
    かに記載の複合体。 12.免疫原がジフテリア、破傷風、コレラ、ペスト、
    チフス又はBCG原因剤、ヘモフィルス インフルエン
    ザ、ネイゼリア カタラリス、クレブジエラ ニューモ
    ニア、ニューモノコクシおよびストレプトコクシ由来の
    表面多糖類、又はE.コリ、N.ゴノルホエ、N.ネニンジテ
    ィジス、N.カタラリス、エルシニアSPP、プソイドモナ
    ス アエルギノーザ、プソイドモナスSPP、モラクセラ
    ボビス、バクテロイデス ノドサス、スタフィロコク
    シSPP、ストレプトコクシSPPおよびボルデテラSPP由来
    のピリ線毛である、前記請求の範囲第1〜4項のいずれ
    かに記載の複合体。 13.免疫原がジフテリア、破傷風、コレラ、ペスト、
    チフス又はBCG原因剤、ヘモフィルス インフルエン
    ザ、ネイゼリア カタラリス、クレブジエラ ニューモ
    ニア、ニューモノコクシおよびストレプトコクシ由来の
    分泌性生成物、又はE.コリ、N.ゴノルホエ、N.ネニンジ
    ティジス、N.カタラリス、エルシニアSPP、プソイドモ
    ナス アエルギノーザ、プソイドモナスSPP、モラクセ
    ラ ボビス、バクテロイデス ノドサス、スタフィロコ
    クシSPP、ストレプトコクシSPPおよびボルデテラSPP由
    来のピリ線毛である、前記請求の範囲第1〜4項のいず
    れかに記載の複合体。 14.表面たん白質、多糖類又は分泌性生成物がストレ
    プトコッカス ミュータンス由来のものである、前記請
    求の範囲第11〜13項のいずれかに記載の複合体。 15.担体分子が細菌性粘着素、ウイルス性血球凝集
    素、毒素又はその結合サブユニットあるいは植物や他の
    生物由来のレクチンの全部、1部又はその同族体、相同
    体又は誘導体又はこれらの組合せである、前記請求の範
    囲第1〜14項のいずれかに記載の複合体。 16.担体分子が腸毒素原性大腸菌の非熱安定性毒素の
    全部、1部又はその同族体、相同体又は誘導体又はこれ
    らの組合せである、前記請求の範囲第15項に記載の複合
    体。 17.担体分子が細菌性ピリ線毛の全部、1部又はその
    同族体、相同体又は誘導体又はこれらの組合せである、
    前記請求の範囲第15項に記載の複合体。 18.細菌性ピリ線毛がE.コリのK99又は987Pピリ線毛
    である、前記請求の範囲第17項に記載の複合体。 19.細菌性ピリ線毛がCFAI、CFAII、K88又はF41であ
    る、前記請求の範囲第17項に記載の複合体。 20.担体分子がレクチンの全部、1部又はその同族
    体、相同体又は誘導体又はこれらの組合せである、前記
    請求の範囲第15項に記載の複合体。 21.レクチンがコンカナバリンA又はポークウィドウ
    マイトーゲンあるいはレンズ クリナリス、ヘリクス
    ボマチア、ダリシン マックス、アラキス ハイボジア
    又はウレクス ヨーロペウス由来のレクチンである、前
    記請求の範囲第20項に記載の複合体。 22.レクチンがアブリン、アスパラガス豆、そら豆
    (Broad bean,Fava Bean)Camels foot tree、ひまの
    実、緑藻類、毛状からすのえんどう、ホースグラム、か
    ぶとがに、ジャック豆、のだふじ、とうあずき、スコッ
    チきばなふじ、ソラ豆、リムリン、ロータス、ヨーロッ
    パヤドリ木、ムング豆、オーセージ オレンジ、えんじ
    ゅ、庭豆、じゃがいも、レッド キドニー豆、赤藻類、
    ジベリア豆の木、食用かたつむり、庭かたつむり、にし
    き木、スイートピー、トマト、小麦胚芽又は翼果レクチ
    ンである、前記請求の範囲第20項に記載の複合体。 23.担体分子がウイルス性血球凝集素の、全部、1部
    又はその同族体、相同体又は誘導体はこれらの組合せで
    ある、前記請求の範囲第15項に記載の複合体。 24.ウイルス性血球凝集素が、インフルエンザ、はし
    か、紅疹、天然痘又は黄熱病のウイルス由来の血球凝集
    素である、前記請求の範囲第23項に記載の複合体。 25.免疫原がLHRHの全部、1部又はその同族体、相同
    体又は誘導体又はこれらの組合せであり、担体分子がLT
    Bの全部、1部又はその同族体、相同体又は誘導体又は
    これらの組合せである、前記請求の範囲第1〜4項のい
    ずれかに記載の複合体。 26.担体分子がLTBで、免疫原がインフルエンザウイ
    ルス粒子である、前記請求の範囲第1〜4項のいずれか
    に記載の複合体。 27.形質転換宿主の発現生成物である、前記請求の範
    囲第1〜4項のいずれかに記載の複合体。 28.(a)免疫原と担体分子とを反応させて複合体を
    作るか、(b)免疫原を化学的に変成してこれに化学結
    合を形成し得る少なくとも1個の官能基を導入してから
    この免疫原を担体分子と反応させて複合体を作るか、
    (c)担体分子を化学的に変成してこれに化学結合を形
    成し得る少なくとも1個の官能基を導入してからこの担
    体分子を免疫原と反応させて複合体を作るか、(d)免
    疫原および担体分子の両方を化学的に変成してこれらに
    化学結合を形成し得る官能基を導入してからこれらの免
    疫原と担体分子を反応させて複合体を作るか、(e)免
    疫原を少なくとも1つの結合剤と反応させてからこの免
    疫原を担体分子とを反応させて複合体を作るか、(f)
    担体分子を少なくとも1つの結合剤とを反応させてから
    この担体分子を免疫原とを反応させて複合体を作るか、
    (g)免疫原と担体分子の両方を少なくとも1つの結合
    剤と反応させてからこれらの免疫原と担体分子とを反応
    させて複合体を作るか、あるいは(h)これらの工程の
    いずれかを組合せることを特徴とする、脊椎動物宿主の
    粘膜上皮と特異的に相互反応し得る担体分子に結合した
    免疫原から成り、該免疫原の免疫活性とその脊椎動物宿
    主の粘膜上皮と特異的に相互反応する担体分子の活性と
    を実質的にあわせ持っており、かつ脊椎動物宿主におい
    て組織体系的な細胞性および(または)粘膜性免疫応答
    を誘発せしめ得る複合体の製造方法。 29.担体分子がLTBであり、結合剤がグルタールアル
    デヒドである、前記請求の範囲第28項に記載の方法。 30.免疫原および(または)担体分子を化学的に合成
    することを特徴とする前記請求の範囲第28項に記載の方
    法。 31.合成した免疫原又は担体分子を、これが固相ペプ
    チド合成装置中の樹脂を結合している間に、それぞれ対
    応する担体分子または免疫原とカップリング反応させる
    ものである、前記請求の範囲第29項に記載の方法。 32.脊椎動物宿主の粘膜上皮と特異的に相互反応し得
    る担体分子に結合した免疫原から成り、該免疫原の免疫
    活性とその脊椎動物宿主の粘膜上皮と特異的に相互反応
    する担体分子の活性とを実質的にあわせ持っており、か
    つ脊椎動物宿主において組織体系的な細胞性および(ま
    たは)粘膜性免疫応答を誘発せしめ得る複合体の製造方
    法であって、発現時に免疫原のアミノ酸配列をコードす
    る第1のDNA配列と発現時に担体分子のアミノ酸配列を
    コードする第2のDNA配列とベクターDNAとから成る組換
    えDNA分子を作り、この組換えDNA分子で宿主を形質転換
    して該宿主が複合体から成るハイブリッドたん白質産物
    を発現し得る様に成し、この宿主を培養して該産物を発
    現せしめ、そして得られたハイブリッドたん白質産物を
    採取することを特徴とする製造方法。 33.脊椎動物宿主の粘膜上皮と特異的に相互反応し得
    る担体分子に結合した免疫原から成り、該免疫原の免疫
    活性とその脊椎動物宿主の粘膜上皮と特異的に相互反応
    する担体分子の活性とを実質的にあわせ持っており、か
    つ脊椎動物宿主において組織体系的な細胞性および(ま
    たは)粘膜性免疫応答を誘発せしめ得る複合体の製造方
    法であって、免疫原および担体分子の両アミノ酸配列を
    有するハイブリッドペプチドを合成することを特徴とす
    る製造方法。 34.ペプチドを固相法、酵素法又は人工合成法による
    ペプチド合成により作るものである、前記請求の範囲第
    33項に記載の方法。 35.ペプチドを固相法ペプチド合成により作るもので
    ある、前記請求の範囲第34項に記載の方法。 36.合成ペプチドがLHRHの全部、1部又はその同族
    体、相同体又は誘導体又はこれらの組合せである、前記
    請求の範囲第33〜35項のいずれかに記載の方法。 37.脊椎動物宿主の粘膜上皮と特異的に相互反応し得
    る担体分子に結合した免疫原から成り、該免疫原の免疫
    活性とその脊椎動物宿主の粘膜上皮と特異的に相互反応
    する担体分子の活性とを実質的にあわせ持っており、か
    つ脊椎動物宿主において組織体系的な細胞性および(ま
    たは)粘膜性免疫応答を誘発せしめ得る複合体を薬学的
    に許容される担体又は希釈剤とを含有してなる経口ワク
    チン。 38.経口投与用のものである、前記請求の範囲第37項
    に記載の経口ワクチン。 39.経鼻投与用のものである、前記請求の範囲第37項
    に記載の経口ワクチン。 40.該医薬がカプセル剤、錠剤、徐放性剤、万能薬、
    ゲル剤、ぺースト剤又は点鼻スプレー剤の形である、前
    記請求の範囲第37〜39項のいずれかに記載の経口ワクチ
    ン。 41.該医薬の免疫原の免疫応答の程度および(また
    は)形を選択的に調整し得る様な食物分子を更に含有し
    てなる、前記請求の範囲第37〜40項のいずれかに記載の
    経口ワクチン。 42.食物分子がアミノ酸、ビタミン、単糖類およびオ
    リゴ糖類から選択したものである、前記請求の範囲第41
    項に記載の経口ワクチン。 43.食物分子が、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミン
    B2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミン
    D、ビタミンE、フルクトース、ラクトース、マンノー
    ス、メリビオース、ソルビトール又はキシロースより選
    択したものである、前記請求の範囲第41又は42項に記載
    の経口ワクチン。
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