JP2658740B2 - 燃焼器の冷却構造と燃焼器の壁部の製造方法 - Google Patents
燃焼器の冷却構造と燃焼器の壁部の製造方法Info
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- JP2658740B2 JP2658740B2 JP4166174A JP16617492A JP2658740B2 JP 2658740 B2 JP2658740 B2 JP 2658740B2 JP 4166174 A JP4166174 A JP 4166174A JP 16617492 A JP16617492 A JP 16617492A JP 2658740 B2 JP2658740 B2 JP 2658740B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービンやジェッ
トエンジン等の内燃機関、またはボイラーの構成要素で
もある燃焼器の冷却構造及びその製造方法に関するもの
である。
トエンジン等の内燃機関、またはボイラーの構成要素で
もある燃焼器の冷却構造及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】燃焼器の内壁面は、高温の燃焼ガスによ
り壁面が熱変形したり酸化または腐食することを回避す
るため、燃焼用空気により壁面を冷却する構造が一般的
に採用されている。従来は冷却性能と製造コストの観点
から、図4に示すような板金成形により製造されるフィ
ルム冷却構造が一般的であった。
り壁面が熱変形したり酸化または腐食することを回避す
るため、燃焼用空気により壁面を冷却する構造が一般的
に採用されている。従来は冷却性能と製造コストの観点
から、図4に示すような板金成形により製造されるフィ
ルム冷却構造が一般的であった。
【0003】フィルム冷却構造とは、図4に示すような
壁面の一部が2重の板になっており、その2重の部分に
明けられた複数の小孔から冷却空気を流入させて、燃焼
ガスと内壁面の間に空気の膜、つまりフィルムを形成さ
せることにより、内壁面を冷却する構造のことである。
壁面の一部が2重の板になっており、その2重の部分に
明けられた複数の小孔から冷却空気を流入させて、燃焼
ガスと内壁面の間に空気の膜、つまりフィルムを形成さ
せることにより、内壁面を冷却する構造のことである。
【0004】しかしながら、最近、エンジンの性能向上
の目的から燃焼ガスの温度は増加する傾向にあり、これ
に伴い燃焼器の内壁面の冷却構造も更に冷却性能の良い
ものが必要とされるようになってきた。更に、環境保護
の観点から、燃焼排気物中のNOxを低減させることが
社会的に要求されており、その為には燃焼器の冷却空気
を低減させて、その空気を燃焼過程に供給することが必
要とされている。
の目的から燃焼ガスの温度は増加する傾向にあり、これ
に伴い燃焼器の内壁面の冷却構造も更に冷却性能の良い
ものが必要とされるようになってきた。更に、環境保護
の観点から、燃焼排気物中のNOxを低減させることが
社会的に要求されており、その為には燃焼器の冷却空気
を低減させて、その空気を燃焼過程に供給することが必
要とされている。
【0005】このような要求に対して、図5に示すよう
なインピンジ+フィルム冷却構造や、図6に示すような
積層構造が開発された。インピンジ+フィルム冷却構造
とは、インピンジ冷却構造とフィルム冷却構造を複合化
した構造である。更にインピンジ冷却構造とは図5のa
部に相当し、2重の板構造で、冷却空気が外側の板に明
けられた複数の小孔から内側の板に吹きつけられること
により、内側の板を冷却する構造のことである。そし
て、図5のb部がフィルム冷却構造にあたり、この部分
の構造・作用は図4に示したものと同じである。
なインピンジ+フィルム冷却構造や、図6に示すような
積層構造が開発された。インピンジ+フィルム冷却構造
とは、インピンジ冷却構造とフィルム冷却構造を複合化
した構造である。更にインピンジ冷却構造とは図5のa
部に相当し、2重の板構造で、冷却空気が外側の板に明
けられた複数の小孔から内側の板に吹きつけられること
により、内側の板を冷却する構造のことである。そし
て、図5のb部がフィルム冷却構造にあたり、この部分
の構造・作用は図4に示したものと同じである。
【0006】図6の積層構造では、2枚の板を接合し、
その接合面には冷却空気の通路として溝が形成されてい
る。従って冷却空気は外側の板に明けられた多数の小孔
から接合面の溝部を通り、内側の板に明けられた小孔か
ら内側つまり燃焼ガス側に流入する。
その接合面には冷却空気の通路として溝が形成されてい
る。従って冷却空気は外側の板に明けられた多数の小孔
から接合面の溝部を通り、内側の板に明けられた小孔か
ら内側つまり燃焼ガス側に流入する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図5に示したインピン
ジ+フィルム冷却構造によれば、特に内側の壁が複雑な
構造であるため、鍛造、NC旋削、レーザ加工、溶接
等、高価な工作機械を多工程にわたって使用せざるを得
ず、製造コストが高価になるという問題があった。
ジ+フィルム冷却構造によれば、特に内側の壁が複雑な
構造であるため、鍛造、NC旋削、レーザ加工、溶接
等、高価な工作機械を多工程にわたって使用せざるを得
ず、製造コストが高価になるという問題があった。
【0008】また図6の積層構造では、接合及び接合面
の溝加工が難しい為、製造コストが高価になるという問
題があった。
の溝加工が難しい為、製造コストが高価になるという問
題があった。
【0009】本発明は、製造コストが安く、冷却性能の
優れた燃焼器の冷却構造を提供することを目的としてい
る。
優れた燃焼器の冷却構造を提供することを目的としてい
る。
【0010】本願請求項1の発明に係る燃焼器の冷却構
造によれば、図1及び図2の実施例に示すように、先端
側を小径とし、後端側を大径とし、両端が開口した筒状
の内壁部材10(10a,10b)と、周囲に複数の貫
通孔30が設けられ、前記内壁部材10(10a,10
b)の外側に同心状に結合された筒状の外壁部材20
(20a,20b)とから成る燃焼器の壁構成部材50
(50a,50b)が、複数個軸方向に接続して構成さ
れる。また、前記外壁部材20(20a,20b)は、
先端側の開口が前記内壁部材10(10a,10b)の
後端側よりも大径に、かつ後端側が外壁部材の先端側よ
りも大径に形成された周壁部21(21a,21b)
と、該周壁部の後端に一体に形成され、かつ内側に前記
内壁部材10(10a,10b)の先端側に嵌合する開
口部を有する端壁部22(22a,22b)とから成
り、外壁部材の先端側が内壁部材の先端の延長方向に向
けて延出された状態で前記端壁部22(22a,22
b)の開口部において内壁部材の外周面に結合されてい
る。また、前記内壁部材10(10a,10b)は、隣
接の外壁部材20(20a,20b)の内側に所定の環
状空間40をあけて挿入され、その後端側が隣接の内壁
部材10(10a,10b)の先端の外側に重複させ
て、該先端との間に所定の環状隙間60をあけると共
に、該環状隙間60と前記環状空間40とが連通するよ
うに配設され、さらに相互に隣接する外壁部材20(2
0a,20b)は、一方の外壁部材20aの先端が他方
の外壁部材20bの端壁部22bに結合されていること
を特徴としている。
造によれば、図1及び図2の実施例に示すように、先端
側を小径とし、後端側を大径とし、両端が開口した筒状
の内壁部材10(10a,10b)と、周囲に複数の貫
通孔30が設けられ、前記内壁部材10(10a,10
b)の外側に同心状に結合された筒状の外壁部材20
(20a,20b)とから成る燃焼器の壁構成部材50
(50a,50b)が、複数個軸方向に接続して構成さ
れる。また、前記外壁部材20(20a,20b)は、
先端側の開口が前記内壁部材10(10a,10b)の
後端側よりも大径に、かつ後端側が外壁部材の先端側よ
りも大径に形成された周壁部21(21a,21b)
と、該周壁部の後端に一体に形成され、かつ内側に前記
内壁部材10(10a,10b)の先端側に嵌合する開
口部を有する端壁部22(22a,22b)とから成
り、外壁部材の先端側が内壁部材の先端の延長方向に向
けて延出された状態で前記端壁部22(22a,22
b)の開口部において内壁部材の外周面に結合されてい
る。また、前記内壁部材10(10a,10b)は、隣
接の外壁部材20(20a,20b)の内側に所定の環
状空間40をあけて挿入され、その後端側が隣接の内壁
部材10(10a,10b)の先端の外側に重複させ
て、該先端との間に所定の環状隙間60をあけると共
に、該環状隙間60と前記環状空間40とが連通するよ
うに配設され、さらに相互に隣接する外壁部材20(2
0a,20b)は、一方の外壁部材20aの先端が他方
の外壁部材20bの端壁部22bに結合されていること
を特徴としている。
【0011】本願請求項2の発明に係る燃焼器の壁部の
製造方法は、上記請求項1の発明に係る燃焼器の冷却構
造の製造方法であり、図1及び図2の実施例に示すよう
に、両端が開口し、先端側より後端側を大径とした筒状
の内壁部材10(10a,10b)を形成すると共に、
先端側より後端側を大径とし、該先端側の開口が内壁部
材10(10a,10b)の後端側より大径とし、周囲
に複数の貫通孔30を有する周壁部21(21a,21
b)と、中心部に開口を有し前記周壁部の後端に一体に
形成された端壁部22(22a,22b)とから成る筒
状の外壁部材20(20a,20b)を形成する。そし
て、外壁部材20(20a,20b)の先端側を内壁部
材10(10a,10b)の先端の延長方向に向けて延
出した状態で、前記内壁部材の先端側の外周に外壁部材
の端壁部22(22a,22b)の開口部を嵌合して、
該嵌合部で内壁部材と外壁部材とを同心状に一体に結合
することにより内外壁部材の単位となる壁構成部材50
(50a,50b)を形成する。その後に、一方の壁構
成部材50aの外壁部材20aの内側に、該外壁部材2
0aとの間に所定の環状空間40をあけて他方の壁構成
部材50bの内壁部材10bを挿入し、該内壁部材10
bの後端側を一方の壁構成部材50aの内壁部材10a
の先端側の外側に重複させて、それらの間に所定の環状
隙間60をあけると共に、該環状隙間60と前記環状空
間40とを連通させた状態において、一方の壁構成部材
50aの外壁部材20aの先端部を他方の壁構成部材5
0bの外壁部材20bの端壁部22bに接合し、同様に
して複数の壁構成部材50(50a,50b)を同一軸
線上に配置して順次接合することを特徴としている。
製造方法は、上記請求項1の発明に係る燃焼器の冷却構
造の製造方法であり、図1及び図2の実施例に示すよう
に、両端が開口し、先端側より後端側を大径とした筒状
の内壁部材10(10a,10b)を形成すると共に、
先端側より後端側を大径とし、該先端側の開口が内壁部
材10(10a,10b)の後端側より大径とし、周囲
に複数の貫通孔30を有する周壁部21(21a,21
b)と、中心部に開口を有し前記周壁部の後端に一体に
形成された端壁部22(22a,22b)とから成る筒
状の外壁部材20(20a,20b)を形成する。そし
て、外壁部材20(20a,20b)の先端側を内壁部
材10(10a,10b)の先端の延長方向に向けて延
出した状態で、前記内壁部材の先端側の外周に外壁部材
の端壁部22(22a,22b)の開口部を嵌合して、
該嵌合部で内壁部材と外壁部材とを同心状に一体に結合
することにより内外壁部材の単位となる壁構成部材50
(50a,50b)を形成する。その後に、一方の壁構
成部材50aの外壁部材20aの内側に、該外壁部材2
0aとの間に所定の環状空間40をあけて他方の壁構成
部材50bの内壁部材10bを挿入し、該内壁部材10
bの後端側を一方の壁構成部材50aの内壁部材10a
の先端側の外側に重複させて、それらの間に所定の環状
隙間60をあけると共に、該環状隙間60と前記環状空
間40とを連通させた状態において、一方の壁構成部材
50aの外壁部材20aの先端部を他方の壁構成部材5
0bの外壁部材20bの端壁部22bに接合し、同様に
して複数の壁構成部材50(50a,50b)を同一軸
線上に配置して順次接合することを特徴としている。
【0012】
【作用】冷却空気は、外壁部材の貫通孔30から内部の
環状空間40に吹き込み、内壁部材を外側から冷却す
る。そして、該冷却空気は隣接する内壁部材の環状隙間
60から内部に吹き込み、燃焼ガスと内壁部材の内面と
の間に空気の膜を形成する。
環状空間40に吹き込み、内壁部材を外側から冷却す
る。そして、該冷却空気は隣接する内壁部材の環状隙間
60から内部に吹き込み、燃焼ガスと内壁部材の内面と
の間に空気の膜を形成する。
【0013】
【実施例】図3は本発明の燃焼器の冷却構造を適用した
ガスタービンを示す。このガスタービンにおいて、吸気
プレナム1から入った空気は、第1段圧縮機2及び第2
段圧縮機3で圧縮され、燃焼器4に送られる。この空気
は、略円筒形の燃焼器4の外面に沿って上昇し、上方に
設けられた複数の孔5から該燃焼器4の内部に入る。そ
して、燃料噴射弁6からの燃料は、この空気と混合され
て点火プラグ7で点火される。燃焼ガスは図中下方へ向
けて流れ、タービン8を回転させた後に排気される。
ガスタービンを示す。このガスタービンにおいて、吸気
プレナム1から入った空気は、第1段圧縮機2及び第2
段圧縮機3で圧縮され、燃焼器4に送られる。この空気
は、略円筒形の燃焼器4の外面に沿って上昇し、上方に
設けられた複数の孔5から該燃焼器4の内部に入る。そ
して、燃料噴射弁6からの燃料は、この空気と混合され
て点火プラグ7で点火される。燃焼ガスは図中下方へ向
けて流れ、タービン8を回転させた後に排気される。
【0014】図1は前記燃焼器4の壁部の断面図であ
り、その冷却構造を示すものである。燃焼器4の壁部
は、主として複数の筒状の内壁部材10(10a,10
b,…)と、それぞれ複数の孔30が形成されている複
数の筒状の外壁部材20(20a,20b,…)から構
成されている。
り、その冷却構造を示すものである。燃焼器4の壁部
は、主として複数の筒状の内壁部材10(10a,10
b,…)と、それぞれ複数の孔30が形成されている複
数の筒状の外壁部材20(20a,20b,…)から構
成されている。
【0015】前記各内壁部材10は、先端側(下端側)
が後端側(上端側)より小径とされたテーパ形状に形成
され、図中矢印で示す燃焼ガスの流れ方向について、そ
の先端側が内側となり、隣接する内壁部材10の後端側
が前記先端側の外側にかくれるように、所定寸法の隙間
をおいて重ねて組み合わせてある。
が後端側(上端側)より小径とされたテーパ形状に形成
され、図中矢印で示す燃焼ガスの流れ方向について、そ
の先端側が内側となり、隣接する内壁部材10の後端側
が前記先端側の外側にかくれるように、所定寸法の隙間
をおいて重ねて組み合わせてある。
【0016】各外壁部材20は、各内壁部材10の外側
に同心状に結合されて壁構成部材50(50a,50
b,…)を構成している。各外壁部材20は、先端側の
開口が前記内壁部材10の後端側よりも大径に、かつ後
端側が外壁部材の先端側よりも大径に形成された周壁部
21(21a,21b)と、該周壁部の後端に一体に形
成され、かつ内側に上記内壁部材10の先端側に嵌合す
る開口部を有する端壁部22(22a,22b)とから
成り、外壁部材の先端側が内壁部材の先端の延長方向に
向けて延出された状態で各壁構成部材50を形成してい
る。また、各壁構成部材50を形成する各外壁部材20
は、その後端側(上端側)が内壁部材10の先端側の外
面に固定され、その先端側(下端側)は隣接する外壁部
材20の先端側端壁部22に固定されており、前記各内
壁部材10との間に所定寸法の隙間をあけて成る環状空
間40が設けられている。
に同心状に結合されて壁構成部材50(50a,50
b,…)を構成している。各外壁部材20は、先端側の
開口が前記内壁部材10の後端側よりも大径に、かつ後
端側が外壁部材の先端側よりも大径に形成された周壁部
21(21a,21b)と、該周壁部の後端に一体に形
成され、かつ内側に上記内壁部材10の先端側に嵌合す
る開口部を有する端壁部22(22a,22b)とから
成り、外壁部材の先端側が内壁部材の先端の延長方向に
向けて延出された状態で各壁構成部材50を形成してい
る。また、各壁構成部材50を形成する各外壁部材20
は、その後端側(上端側)が内壁部材10の先端側の外
面に固定され、その先端側(下端側)は隣接する外壁部
材20の先端側端壁部22に固定されており、前記各内
壁部材10との間に所定寸法の隙間をあけて成る環状空
間40が設けられている。
【0017】次に、前記燃焼器4の壁部の製造方法を説
明する。まず、一様な板厚を有する板金のスピニングに
よって内壁部材10と外壁部材20を形成する。次に、
各内壁部材10の先端部と、これに隣接すべき外壁部材
20の後端部をそれぞれ溶接接合して壁構成部分50を
形成する。図1では、内壁部材10aと外壁部材20a
を溶接して壁構成部分50aを形成し、内壁部材10b
と外壁部材20bを別に溶接して壁構成部分50bを構
成する。
明する。まず、一様な板厚を有する板金のスピニングに
よって内壁部材10と外壁部材20を形成する。次に、
各内壁部材10の先端部と、これに隣接すべき外壁部材
20の後端部をそれぞれ溶接接合して壁構成部分50を
形成する。図1では、内壁部材10aと外壁部材20a
を溶接して壁構成部分50aを形成し、内壁部材10b
と外壁部材20bを別に溶接して壁構成部分50bを構
成する。
【0018】次に、溶接した内壁部材10と外壁部材2
0の組合せよりなる壁構成部分50を隣接する他の壁構
成部分50と同一軸線上に配置して連結し、外壁部材2
0どうしを溶接接合する。図1では、壁構成部分50b
の内壁部材10b及び外壁部材20bを、他の壁構成部
分50aの外壁部材20aの内側に差し込み、外壁部材
20aの先端側と外壁部材20bの後端側端壁部22b
を溶接する。
0の組合せよりなる壁構成部分50を隣接する他の壁構
成部分50と同一軸線上に配置して連結し、外壁部材2
0どうしを溶接接合する。図1では、壁構成部分50b
の内壁部材10b及び外壁部材20bを、他の壁構成部
分50aの外壁部材20aの内側に差し込み、外壁部材
20aの先端側と外壁部材20bの後端側端壁部22b
を溶接する。
【0019】従って、上述のような組み立て構造とする
ため、図1に示すように、ある外壁部材20aの内径φ
Aは、燃焼ガスの流れ方向について該外壁部材20aよ
りも下流にある内壁部材10cの外径φBよりも大とな
っている。
ため、図1に示すように、ある外壁部材20aの内径φ
Aは、燃焼ガスの流れ方向について該外壁部材20aよ
りも下流にある内壁部材10cの外径φBよりも大とな
っている。
【0020】上述したような燃焼器4の構造によれば、
燃焼器4の外部を流れる冷却空気は、内壁部材10と外
壁部材20で区画された環状空間40内に外壁部材20
の貫通孔30から流入し、燃焼ガスに熱せられる内壁部
材10を冷却する。
燃焼器4の外部を流れる冷却空気は、内壁部材10と外
壁部材20で区画された環状空間40内に外壁部材20
の貫通孔30から流入し、燃焼ガスに熱せられる内壁部
材10を冷却する。
【0021】次に、環状空間40内の空気は、隣接する
内壁部材10,10の環状隙間60から燃焼ガスの流れ
方向に沿って燃焼器4内に流入し、内壁部材10の内面
と燃焼ガスの間に空気の膜(フィルム)を形成する。こ
れにより、内壁部材10はさらに冷却される。
内壁部材10,10の環状隙間60から燃焼ガスの流れ
方向に沿って燃焼器4内に流入し、内壁部材10の内面
と燃焼ガスの間に空気の膜(フィルム)を形成する。こ
れにより、内壁部材10はさらに冷却される。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、内壁部材(10)と外
壁部材(20)とを同心状に一体に結合することにより
内外壁部材の単位となる複数の壁構成部材(50)を形
成し、該複数の壁構成部材(50)を同一軸線上に配置
して順次接合することにより燃焼器の冷却壁部を形成し
たので、順次接合される内外壁部材の位置決め加工が容
易且つ正確となる。さらに、溶接位置も内壁部材と外壁
部材の結合部及び外壁部材の先端部と後端端壁部の結合
部であり、全て壁部の外側からの溶接となることからそ
の作業はきわめて容易である。従って、製造コストを安
価におさえることができ、不良品の発生も少ない。さら
に、冷却空気は、外壁部材の貫通孔(30)から内部の
環状空間(40)に吹き込み、内壁部材を外側から冷却
する。そして、該冷却空気は隣接する内壁部材の前後筒
端部の全周囲に形成される環状隙間(60)から内部に
吹き込み、燃焼ガスと内壁部材の内面との間に空気の膜
を形成し、内壁部材の内面の全周にわたり均一に冷却す
るところから、製造コストが従来のフィルム冷却構造並
みに安価であるにもかかわらず、その冷却性能が向上
し、従来の図4又は図5のフィルム冷却構造と比較し
て、冷却空気の消費量が約30%も低減している。即
ち、本発明によれば、従来なしえなかった低コストで優
れた冷却性能を有する燃焼器の冷却構造が実現できた。
壁部材(20)とを同心状に一体に結合することにより
内外壁部材の単位となる複数の壁構成部材(50)を形
成し、該複数の壁構成部材(50)を同一軸線上に配置
して順次接合することにより燃焼器の冷却壁部を形成し
たので、順次接合される内外壁部材の位置決め加工が容
易且つ正確となる。さらに、溶接位置も内壁部材と外壁
部材の結合部及び外壁部材の先端部と後端端壁部の結合
部であり、全て壁部の外側からの溶接となることからそ
の作業はきわめて容易である。従って、製造コストを安
価におさえることができ、不良品の発生も少ない。さら
に、冷却空気は、外壁部材の貫通孔(30)から内部の
環状空間(40)に吹き込み、内壁部材を外側から冷却
する。そして、該冷却空気は隣接する内壁部材の前後筒
端部の全周囲に形成される環状隙間(60)から内部に
吹き込み、燃焼ガスと内壁部材の内面との間に空気の膜
を形成し、内壁部材の内面の全周にわたり均一に冷却す
るところから、製造コストが従来のフィルム冷却構造並
みに安価であるにもかかわらず、その冷却性能が向上
し、従来の図4又は図5のフィルム冷却構造と比較し
て、冷却空気の消費量が約30%も低減している。即
ち、本発明によれば、従来なしえなかった低コストで優
れた冷却性能を有する燃焼器の冷却構造が実現できた。
【図1】本発明の一実施例の断面図である。
【図2】本発明の一実施例の分解断面図である。
【図3】本発明の一実施例が適用されるガスタービンの
断面図である。
断面図である。
【図4】従来のフィルム冷却構造を示す断面図である。
【図5】従来のインピンジ+フィルム冷却構造を示す断
面図である。
面図である。
【図6】従来の積層構造を示す一部破断斜視図である。
4 燃焼器 10(10a,10b) 内壁部材 20(20a,20b) 外壁部材 21(21a,21b) 周壁部 22(22a,22b) 端壁部 30 貫通孔 40 環状空間 50(20a,20b) 壁構成部材 60 環状隙間
Claims (2)
- 【請求項1】 先端側を小径とし、後端側を大径とし、
両端が開口した筒状の内壁部材と、周囲に複数の貫通孔
が設けられ、前記内壁部材の外側に同心状に結合された
筒状の外壁部材とから成る燃焼器の壁構成部材が、複数
個軸方向に接続して構成された燃焼器の冷却構造であっ
て、前記外壁部材は、先端側の開口が前記内壁部材の後
端側よりも大径に、かつ後端側が外壁部材の先端側より
も大径に形成された周壁部と、該周壁部の後端に一体に
形成され、かつ内側に前記内壁部材の先端側に嵌合する
開口部を有する端壁部とから成り、外壁部材の先端側が
内壁部材の先端の延長方向に向けて延出された状態で前
記端壁部の開口部において内壁部材の外周面に結合され
ており、また、前記内壁部材は、隣接の外壁部材の内側
に所定の環状空間をあけて挿入され、その後端側が隣接
の内壁部材の先端の外側に重複させて、該先端との間に
所定の環状隙間をあけると共に、該環状隙間と前記環状
空間とが連通するように配設され、さらに相互に隣接す
る外壁部材は、一方の外壁部材の先端が他方の外壁部材
の端壁部に結合されていることを特徴とする燃焼器の冷
却構造。 - 【請求項2】 両端が開口し、先端側より後端側を大径
とした筒状の内壁部材を形成すると共に、先端側より後
端側を大径とし、該先端側の開口が内壁部材の後端側よ
り大径とし、周囲に複数の貫通孔を有する周壁部と、中
心部に開口を有し前記周壁部の後端に一体に形成された
端壁部とから成る筒状の外壁部材を形成し、そして、外
壁部材の先端側を内壁部材の先端の延長方向に向けて延
出した状態で、前記内壁部材の先端側の外周に外壁部材
の端壁部の開口部を嵌合して、該嵌合部で内壁部材と外
壁部材とを同心状に一体に結合することにより内外壁部
材の単位となる壁構成部材を形成した後に、一方の壁構
成部材の外壁部材の内側に、該外壁部材との間に所定の
環状空間をあけて他方の壁構成部材の内壁部材を挿入
し、該内壁部材の後端側を一方の壁構成部材の内壁部材
の先端側の外側に重複させて、それらの間に所定の環状
隙間をあけると共に、該環状隙間と前記環状空間とを連
通させた状態において、一方の壁構成部材の外壁部材の
先端部を他方 の壁構成部材の外壁部材の端壁部に接合
し、同様にして複数の壁構成部材を同一軸線上に配置し
て順次接合することを特徴とする燃焼器の壁部の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4166174A JP2658740B2 (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | 燃焼器の冷却構造と燃焼器の壁部の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4166174A JP2658740B2 (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | 燃焼器の冷却構造と燃焼器の壁部の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0658527A JPH0658527A (ja) | 1994-03-01 |
JP2658740B2 true JP2658740B2 (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=15826453
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4166174A Expired - Fee Related JP2658740B2 (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | 燃焼器の冷却構造と燃焼器の壁部の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2658740B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101228423B1 (ko) * | 2012-09-13 | 2013-01-31 | (주)유성 | 공냉식 연소로 설비 |
WO2021083047A1 (zh) * | 2019-10-31 | 2021-05-06 | 芜湖美的厨卫电器制造有限公司 | 燃烧室和燃气设备 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02183721A (ja) * | 1989-01-06 | 1990-07-18 | Hitachi Ltd | ガスタービン燃焼器 |
-
1992
- 1992-06-24 JP JP4166174A patent/JP2658740B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0658527A (ja) | 1994-03-01 |
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