JP2658370B2

JP2658370B2 - 燃料噴射装置

Info

Publication number: JP2658370B2
Application number: JP7453489A
Authority: JP
Inventors: 栄次伊藤; 隆山口
Original assignee: Denso Corp
Current assignee: Denso Corp
Priority date: 1989-03-27
Filing date: 1989-03-27
Publication date: 1997-09-30
Anticipated expiration: 2012-09-30
Also published as: JPH02252963A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］この発明は、それぞれ低開弁圧および高開弁圧で２段
階に動作するディゼルエンジン用の燃料噴射装置に関す
る。

［従来の技術］ディーゼルエンジン用の燃料噴射装置としては、ノズ
ル開弁圧設定用のスプリングを２本設定し、低開弁圧で
低リフトの第１段目と、高開弁圧で高リフトの第２段目
の２段階作動する燃料噴射弁が知られている。

このように２段階に作動する燃料噴射弁は、低速低負
荷域と高速高負荷域のそれぞれに最適にマッチングする
ことができ、また騒音特性並びにドライバビリティの改
善効果が著しいものであることが知られている。

このような２段階作動する燃料噴射弁としては、例え
ば実公昭54−3224号公報、さらに実開昭56−45167号公
報に示されているもので、２本のスプリングを同心的に
２重に設定する構造が知られている。しかし、このよう
な構成ではノズルホルダ内に２重にしたスプリングを収
容する必要があるため、必然的に外径が大きくなり、小
型化して構成することができない。また、実開昭56−12
968号公報、実開昭56−47254号公報等にも提案されてい
るが、この噴射弁においては第２のスプリングのための
部屋を、ノズルホルダの内部にさらに形成するようにし
ている。したがって、ノズルホルダの構成が必然的に大
型化する。

さらに将来のディゼルエンジンの制御について考えて
みると、さらに決め細かな制御がエンジン特性に対応し
て要求されるものであり、例えば３段階作動、４段階作
動の噴射弁が必要となることが考えられる。このような
場合、従来の２段階作動の噴射弁では対応できない。

［発明が解決しようとする課題］この発明は、上記のような従来の大型化する問題点、
さらに３段階作動、４段階作動等の要求に対応できない
ような問題点を解決し、小型化しさらにエンジン制御の
種々の要求に対しても効果的に対応することができるよ
うにする、ディゼルエンジン等において使用される燃料
噴射装置を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］この発明に係る噴射装置装置にあっては、圧送燃料が
供給されるノズルを一端部に有するホルダボディ内に、
第１のスプリングにより付勢されるプレッシャピンを設
定すると共に、ホルダボディの他端部に第１の雌ねじを
形成し、この雌ねじに螺合される第１の雄ねじを有する
カプセルスクリュウを設定し、このカプセルスクリュウ
に前記プレッシャピンの作動状態で駆動される第２のス
プリングで付勢されたプッシュロッドを設定する。そし
て、前記カプセルスクリュウの他端には前記第１の雌ね
じと同一の呼び径およびピッチの第２の雌ねじを形成
し、前記第１の雄ねじと同一の呼び径およびピッチの第
２の雄ねじを有するキャップナットが第２の雌ねじ部に
嵌め込み設定されるようにする。そして、前記第１およ
び第２のスプリングの付勢力は、それぞれシムにより調
整されるようにする。

［作用］このように構成される燃料噴射弁にあっては、低開弁
圧で低リフトの状態ではプレッシャピンのみが第１のス
プリングに抗して動作され、高開弁圧高リフトの状態で
は、さらに第２のスプリングに抗してカプセルスクリュ
ウ内のプッシュロッドが作動される。この場合、このカ
プセルスクリュウは第１の雄ねじによってホルダボディ
の第１の雌ねじに螺合することによってホルダボディに
結合されるもので、第１の雌ねじと同一のカプセルスク
リュウに形成された第２の雌ねじに、さらに他の同一構
成のカプセルスクリュウが選択的に直列に連結可能な状
態とされる。したがって、規格化された部品を組合わせ
使用することによって、１段階作動はもとより、２段階
さらに多段階作動の噴射弁とすることができるものであ
り、この場合に作動開弁圧は、シムによって各スプリン
グの付勢力を調整することにより、それぞれ設定可能と
される。

［発明の実施例］以下、図面を参照してこの発明の一実施例を説明す
る。第１図は２段階作動の燃料噴射弁を構成を示すもの
で、ホルダボディ11は筒状に構成され、その先端にはニ
テーニングナット12によってノズル13が保持されるもの
で、このノズル13とホルダナット11との間には、チップ
パッキン14が介在設定されている。チップパッキン14に
は、ホルダボディ11の中空部に同軸にしてノズル13部に
通ずる中空部が形成され、この中空部を貫通してノズル
13に至るようにしてプレッシャピン15が設定される。こ
のプレッシャピン15は、ホルダボディ11の中空部内で軸
方向移動自在に設定されるもので、第１のスプリング16
によってノズル13の方向に向けた付勢力が作用されるよ
うにしている。

ここで、ホルダボディ11には、燃料通路17が形成さ
れ、図示しない燃料噴射ポンプによって圧送された燃料
が、この通路17を介してノズル13部に供給されるように
なっている。そして、ノズル13部における燃料圧力が上
昇すると、ニードル18がスプリング16の付勢力に打ち勝
ってプレッシャピン15を上昇させるようになる。

ホルダボディ11の他端、すなわち図上で上方の端部に
は、このボディ11の中空部内面に対応して第１の雌ねじ
19が形成されている。そして、この雌ねじ19に螺合する
第１の雄ねじ20を備えたカプセルスクリュウ21が、雄ね
じ20を雌ねじ19に螺合することによって、ホルダボディ
11に連結される。

このカプセルスクリュウ21は円筒体によって構成され
るもので、その中空部はホルダボディ11の中空部と同軸
的に設定されるようになる。また、このカプセルスクリ
ュウ21は、ホルダボディ11に連結された状態で、第１の
スプリング16の一端を支える部材として作用するように
なり、この第１のスプリング16とカプセルスクリュウ21
との間には、第１のシム22を介在設定し、このシム22の
厚さを調整することによって、第１のスプリング16の強
さが調整されるようになる。

カプセルスクリュウ21の中空部内には、一端がホルダ
ボディ11の中空部内に挿入され、先端面がプレッシャピ
ン15と小間隔で対向設定されるようになるプッシュロッ
ド23が設定される。このプッシュロッド23は、一体的に
鍔部24を備え、この鍔部24がカプセルスクリュウ21のホ
ルダボディ11側に形成した肩部に第２のシム25を介して
当たるように設定されるもので、このプッシュロッド23
に対しては第２のスプリング26によるホルダボディ11の
方向に向けた付勢力が作用されるようにしている。

このカプセルスクリュウ21の上端には、第１の雌ねじ
19と同一の呼び径およびピッチの第２の雌ねじ27が形成
されている。そして、この第２の雌ねじ27にはキャップ
ナット28の第２の雄ねじ29が螺合されるようになるもの
で、この第２の雄ねじ29は第１の雄ねじ20と同一に構成
される。そして、このカプセルスクリュウ21に取付けら
れたキャップナット28によって、第２のスプリング26が
支えられるもので、このスプリング26とキャップナット
29との間には、第３のシム30が介在設定されるようにす
る。

すなわち、このように構成される燃料噴射装置にあっ
ては、燃料噴射ポンプで圧送された燃料が、燃料通路17
を介してノズル13内に供給されると、ニードル18にプレ
ッシャピン15を第１のスプリング16に抗して上昇させる
力が作用する。そして、このニードル18を押し上げる力
が第１のスプリング16に打ち勝つと、プレッシャピン15
がプッシュロッド23に当接するまで上昇される。ここ
で、プレッシャピン15とプッシュロッド23との間には、
プレリフトLp分の間隔が設定されるもので、プレッシャ
ピン15はこのプレリフトLp分上昇されることになる。

この状態で、さらに燃料噴射ポンプから燃料が圧送さ
れると、ノズル13内の圧力がさらに上昇し、第１および
第２のスプリング16および26に抗してプッシュロッド23
を押し上げるようになり、ノズル13内の燃料圧力が第１
および第２のスプリング16および26の合成付勢力に打ち
勝つと、ニードル18はさらに上昇されて、このニードル
18部で設定される最高リフト（Maxリフト＝Lm）まで上
昇するようになる。そして、主噴射が実行される。

このような燃料噴射装置においては、ニードル18がプ
レリフトLp分上昇する第１の開弁圧、さらにニードル18
がMaxリフトLm分上昇される第２の開弁圧が設定される
もので、この第１および第２の開弁圧は適宜調整できる
ようにすることが望まれる。

まず第１の開弁圧の調整は、ホルダボディ11からカプ
セルスクリュウ21を取外し、第１のスプリング16を支え
る第１のシム22の厚さを選定する。すなわち、第１の開
弁圧を上げたいときはこの第１のシム22の厚さを厚くす
るものであり、所定の厚さのシムを設定した後は、カプ
セルスクリュウ21を第１の雌ねじ19部に螺合し、締付け
連結すればよい。

したがって、このようなシム22の厚さを変える調整を
行なえば、他の部品の位置関係は変化せず、またプレリ
フトLpも変化することがなく、その他の再調整の必要は
ない。

また第２の開弁圧の調整は、キャップナット28を取外
し、第３のシム30の厚さを変えることによって実行され
るもので、第１の開弁圧の調整の場合と同様にキャップ
ナット28を再び螺合し取付けることによって、この第２
の開弁圧のみが調整されることになり、プレリフトLpの
再調整は必要としない。

そして、もしプレリフトLpの調整をする必要が生じた
場合には、第２の開弁圧の調整の場合と同様にキャップ
ナット28を取外し、さらに第２のスプリング26およびプ
ッシュロッド23を取外して、第２のシム25の厚さを変え
るようにすれば、簡単に調整できるものである。

すなわち、第１および第２の開弁圧の調整、さらにプ
レリフトの調整が、カプセルスクリュウ21とキャップナ
ット28を着脱することによって簡単に行なうことができ
る。またカプセルスクリュウ21に第２段目の作動部品を
組込んで１つの部品として構成されるようにし、これを
ホルダボディ11に螺合結合するようにしたものであるた
め、ホルダボディ11に特に手を加えることなく、簡単に
２段作動の燃料噴射弁とすることができる。特に、第１
および第２の雌ねじ19および29を同じ大きさとしたた
め、カプセルスクリュウ21取外し、キャップナット28を
ホルダボディ11に直接取付けることができ、この組合わ
せによって１段作動の燃料噴射弁とすることができる。

第２図は３段階作動の燃料噴射弁とした場合を示して
いるもので、第１図の例と同様にホルダボディ11に対し
て第１のカプセルスクリュウ21を結合し、さらにこの第
１のカプセルスクリュウ21に第２のカプセルスクリュウ
211を直列的に結合し、組合わせ構成するようにしてい
る。この第２のカプセルスクリュウ211は、第１のカプ
セルスクリュウ21と同様に構成されるもので、このカプ
セルスクリュウ211のプッシュロッド231と第１のカプセ
ルスクリュウ21のプッシュロッド23との間に、第２のプ
レリフトLp2が設定されるようにする。

この第２図において第１図と同一構成部分は同一符号
を付してその説明は省略する。そして、第１のカプセル
スクリュウ21のプッシュロッド23とプレッシャピン15と
の間に第１のプレリフトLp1が設定される。また第２の
カプセルスクリュウ211のプッシュロッド231は、第３の
スプリング261によって付勢されるもので、このプッシ
ュロッド231の鍔部は第４のシム251て支えられ、また第
３のスプリング261とキャップナット28との間には第５
のシム301が介在設定される。

すなわち、第１の雌ねじ19と第２の雌ねじ27が同一に
構成されているものであるため、キャップナット28に代
わりさら他のカプセルスクリュウが継ぎ足し連結できる
ようになり、３段階さらに多段階作動の燃料噴射弁も、
同様の部品を組合わせることによって構成できるように
なる。

すなわち、このように構成される燃料噴射装置にあっ
ては、第１図で示した実施例と同様にノズル13の燃料圧
力が上昇するにしたがって、プレッシャピン15が第１の
プッシュロッド23に当たるまで第１のプレリフトLp1分
上昇させる第１段（Ｉ）の低速低負荷の噴射動作を実行
する。その後、さらにノズル13部の燃料圧力が上昇する
ことによって、プレッシャピン15が第１のプッシュロッ
ド23を、第２のプッシュロッド231に当たるまで第２の
プレリフトLp2分上昇させ、第２段（II）の中速中負荷
の噴射動作を実行する。そして、さらにノズル13部の燃
料圧力が上昇されると、プレッシャピン15がニードル18
により、第１乃至第３のスプリング16、26および261に
合成力に抗して、ニードル18がチップパッキン14に当た
るまで、MaxリフトLm分押し上げられ、第３段（III）の
高速高負荷の噴射動作が実行されるようになる。

ここで、第１段乃至第３段（Ｉ、II、III）における
エンジン回転数と燃料噴射量との関係は、第３図の
（Ａ）に示すようになる。

第３図の（Ｂ）は、第１段乃至第３段（Ｉ〜III）そ
れぞれにおけるノズル13の室圧、ノズル13のリフトの状
態、さらに燃料の噴射率の状態を示しているもので、第
１段の低速低負荷の状態ではノズル13は第１のリフトLp
1分駆動され、第２段の中速中負荷の状態では第２リフ
トLp2まで駆動される。そして、第３段の高速高負荷の
状態では、ノズル13は最大リフトMaxリフトまで駆動さ
れるようになり、このリフトの状態に対応して燃料噴射
率が決定されるようになる。したがって、エンジンの
低、中、高速の各動作状態にそれぞれ対応して最適とな
る燃料噴射制御が実行されるものである。

［発明の効果］以上のようにこの発明に係る燃料噴射装置にあって
は、第２段作動用の部品が、１つのカプセルスクリュウ
に組込み設定され、１つのユニットとして構成されるよ
うになり、このユニットがホルダボディに組付けられる
ようになっている。この場合カプセルユニットのホルダ
ボディに組付け螺合するねじは、キャップナット等の開
弁圧を調整する部材に設定されるねじと同じ呼び径およ
び同じピッチに構成されるものであるため、カプセルス
クリュウは任意に着脱して噴射弁を構成することができ
るものであり、また複数のカプセルスクリュウを多段に
直列的に積み重ねるように構成することもできる。した
がって、この燃料噴射装置は２段作動に限らず、任意に
１段作動はもとより、３段以上の作動を行なうように、
特別の構成部品を使用することなく組合わせ構成できる
ものであり、またこの場合各段の開弁圧もシムの交換に
よって容易且つ確実に実行できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例に係る燃料噴射装置を説明
するための断面構成図、第２図はこの発明の他の実施例
を説明する断面構成図、第３図はこの実施例の作動状態
を説明するための図である。 11……ホルダボディ、13……ノズル、15……プレッシャ
ピン、16……第１のスプリング、18……ニードル、19、
27、271……雌ねじ（同一の状態）、20、29、201……雄
ねじ（同一の状態）、21、211……カプセルスクリュ
ウ、22、25、251、30、301……シム、23、231……プッ
シュロッド、28……キャップナット。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】先端にノズルを保持し、他端部に第１の雌
ねじを形成した筒状のホルダボディと、このホルダボディの内部に第１のスプリングによって前
記ノズル方向に付勢して設定され、このノズル部に供給
される燃料圧力によって前記スプリングに抗して移動さ
れるプレッシャピンと、一端に前記ホルダボティの他端部の第１の雌ねじに螺合
される第１の雄ねじをを備えると共に、他端部に前記第
１の雌ねじと同一の呼び径およびピッチとした第２の雌
ねじが形成され、前記ホルダボディの中空部に同軸的に
連通される中空部を備えた円筒状のカプセルスクリュウ
と、このカプセルスクリュウの中空部内に設定され、先端が
前記ホルダボディ内のプレッシャピンに小間隔で対向設
定されるようになり、第２のスプリングによって前記プ
レッシャピンの方向に付勢設定されるようにしたプッシ
ュロッドと、前記カプセルスクリュウの前記第２の雌ねじに螺合され
る第２の雄ねじを備え、このカプセルスクリュウの他端
部に螺合設定されるキャップナットとを具備し、前記カプセルスクリュウは、前記プッシュロッドと共に
ホルダボディから取外し、このホルダボディの他端部に
前記キャプナットが選択的に螺合設定されるようにした
燃料噴射装置。
【請求項２】前記第１のスプリングは、前記プレッシャ
ピンと、前記ホルダボディの他端に螺合されるカプセル
スクリュウ若しくはキャップナットとの間に設定され、
このカプセルスクリュウ若しくはキャップナットと前記
第１のスプリングとの間に第１のシムを介在設定するよ
うにした請求項１の燃料噴射装置。
【請求項３】前記プッシュロッドは、カプセルスクリュ
ウの中空部内の前記ホルダボディ側に形成される肩部に
当てられる鍔部を備え、この鍔部と前記肩部との間に第
２のシムを介在設定するものであり、さらに前記鍔部と
前記キャップナットとの間に前記第２のスプリングを設
定し、このスプリングと前記キャップナットとの間に第
３のシムを介在設定するようにした請求項１の燃料噴射
装置。
【請求項４】前記カスプセルスクリュウには、さらに他
の１つ乃至複数の前記カプセルスクリュウと同様に内部
にプッシュロッドさらにスプリングを設定した前記カプ
セルスクリュウと同一構造の他のカプセルスクリュウが
直列的に結合設定されるようにした請求項１の燃料噴射
装置。