JP2655374B2 - 拡散スペクトル通信機 - Google Patents
拡散スペクトル通信機Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に送信すべき信号
の帯域幅と比較してけた違いに広い通信帯域を、広く薄
く利用して通信を行う拡散スペクトル通信機に関するも
のである。
の帯域幅と比較してけた違いに広い通信帯域を、広く薄
く利用して通信を行う拡散スペクトル通信機に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】拡散スペクトル通信は、一般に送信すべ
き信号の帯域幅と比較してけた違いに広い通信帯域を、
広く薄く利用して通信を行うシステムと定義できるが、
具体的にはいくつかの異なった方式が実用化されてい
る。
き信号の帯域幅と比較してけた違いに広い通信帯域を、
広く薄く利用して通信を行うシステムと定義できるが、
具体的にはいくつかの異なった方式が実用化されてい
る。
【0003】最も一般的な方法は直接拡散(DS)と呼
ばれる方式で、2値の疑似ランダム符号で信号にBPS
KやMSKによる2次変調を加える方法である。直接拡
散(DS)方式は、BPSKを使う場合を例にとると、
2次変調がデジタル信号のため扱いが簡単で容易かつ経
済的に拡散スペクトルシステムを構成できることから、
最も実用例が多い反面、利用する周波数帯全域を常時絶
え間なく利用する結果、同一帯域により強力な同種の信
号源が存在する場合は、所謂、遠近問題と呼ばれる通信
不能に陥りやすい欠点をもっている。このため、直接拡
散(DS)方式は、現在のところ、長距離通信には向か
ないシステムと考えられている。
ばれる方式で、2値の疑似ランダム符号で信号にBPS
KやMSKによる2次変調を加える方法である。直接拡
散(DS)方式は、BPSKを使う場合を例にとると、
2次変調がデジタル信号のため扱いが簡単で容易かつ経
済的に拡散スペクトルシステムを構成できることから、
最も実用例が多い反面、利用する周波数帯全域を常時絶
え間なく利用する結果、同一帯域により強力な同種の信
号源が存在する場合は、所謂、遠近問題と呼ばれる通信
不能に陥りやすい欠点をもっている。このため、直接拡
散(DS)方式は、現在のところ、長距離通信には向か
ないシステムと考えられている。
【0004】また、予め設定したいくつかの周波数スロ
ットを送信受信双方で持ち合った共通のスケジュールに
したがって離散的に切り替えて通信を行う周波数ホッピ
ング(FH)と呼ばれる方式もある。
ットを送信受信双方で持ち合った共通のスケジュールに
したがって離散的に切り替えて通信を行う周波数ホッピ
ング(FH)と呼ばれる方式もある。
【0005】また、あまり一般には採用されていない
が、搬送波を疑似的にランダムな周期と継続時間を持つ
パルス列でパルス変調するタイムホッピング(TH)と
呼ばれる方式がある。
が、搬送波を疑似的にランダムな周期と継続時間を持つ
パルス列でパルス変調するタイムホッピング(TH)と
呼ばれる方式がある。
【0006】そしてまた、上記の方式を2種以上結合し
たハイブリッド方式等、これ以外にもいくつかの方式が
存在している。
たハイブリッド方式等、これ以外にもいくつかの方式が
存在している。
【0007】図11に上記の直接拡散(DS)とタイム
ホッピング(TH)のハイブリッド形式(DS/TH)
の送・受信機が示されている。図11において、通常の
直接拡散(DS)システムと違うのは符号系列発生器の
状態を監視するゲート回路とその出力でオンオフするフ
リップフロップとRFスイッチの存在である。この構成
によって符号系列発生器の作動に従属して疑似ランダム
的にRF信号のスイッチングを行って一元的にタイムホ
ッピング(TH)を直接拡散(DS)に重畳させること
を狙っているが、一般的にはスペクトルの尖頭値が元の
M系列のピークよりかなり突出する好ましくない傾向に
あり、実用的には符号系列の選択自由度がかなり制約さ
れると見られ、また、この方式では下記の作用及び実施
例の項で説明する無信号区間の時間比率は概略50%程
度とならざるを得ず、干渉エネルギー排除についてあま
り高い性能は期待できない。
ホッピング(TH)のハイブリッド形式(DS/TH)
の送・受信機が示されている。図11において、通常の
直接拡散(DS)システムと違うのは符号系列発生器の
状態を監視するゲート回路とその出力でオンオフするフ
リップフロップとRFスイッチの存在である。この構成
によって符号系列発生器の作動に従属して疑似ランダム
的にRF信号のスイッチングを行って一元的にタイムホ
ッピング(TH)を直接拡散(DS)に重畳させること
を狙っているが、一般的にはスペクトルの尖頭値が元の
M系列のピークよりかなり突出する好ましくない傾向に
あり、実用的には符号系列の選択自由度がかなり制約さ
れると見られ、また、この方式では下記の作用及び実施
例の項で説明する無信号区間の時間比率は概略50%程
度とならざるを得ず、干渉エネルギー排除についてあま
り高い性能は期待できない。
【0008】図12に、直接拡散(DS)とタイムホッ
ピング(TH)のハイブリッド形式(DS/TH)で生
成した符号のスペクトル分布が例示されている。図13
は、この符号系列の自己相関特性を示す。なお、図中の
スペクトルの横軸は、無次元周波数 ωT/2π を示
す。
ピング(TH)のハイブリッド形式(DS/TH)で生
成した符号のスペクトル分布が例示されている。図13
は、この符号系列の自己相関特性を示す。なお、図中の
スペクトルの横軸は、無次元周波数 ωT/2π を示
す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】直接拡散(DS)につ
いて本質的な欠点とされる遠近問題は直接拡散(DS)
システムが連続したBPSK信号などを搬送波として使
っているため、同種の信号源があれば干渉も連続的に発
生し、これに含まれる僅かな相関成分が同期システムの
誤作動を引き起こすことが最大の原因である。
いて本質的な欠点とされる遠近問題は直接拡散(DS)
システムが連続したBPSK信号などを搬送波として使
っているため、同種の信号源があれば干渉も連続的に発
生し、これに含まれる僅かな相関成分が同期システムの
誤作動を引き起こすことが最大の原因である。
【0010】この問題を軽減するひとつの方法は、送信
信号に無信号状態を介在させ時間的に干渉の確率を低減
する方法であり、従来形式の直接拡散(DS)とタイム
ホッピング(TH)のハイブリッド形式(DS/TH)
もこの方法のひとつである。
信号に無信号状態を介在させ時間的に干渉の確率を低減
する方法であり、従来形式の直接拡散(DS)とタイム
ホッピング(TH)のハイブリッド形式(DS/TH)
もこの方法のひとつである。
【0011】本発明では、従来のように、仮令、同一の
符号発生器から生成する場合であっても、別々のPN符
号系列を直接拡散(DS)とタイムホッピング(TH)
にそれぞれ使用するという考え方を排し、はじめから全
ての変調状態に対応した3値のPN符号系列を採用し、
より良質のスペクトル拡散操作を実現することを狙いと
している。
符号発生器から生成する場合であっても、別々のPN符
号系列を直接拡散(DS)とタイムホッピング(TH)
にそれぞれ使用するという考え方を排し、はじめから全
ての変調状態に対応した3値のPN符号系列を採用し、
より良質のスペクトル拡散操作を実現することを狙いと
している。
【0012】従来のハイブリッド形式のDS/THの場
合、図12から分かる通り、スペクトルの尖頭値は直接
拡散(DS)で使用しているPN系列のスペクトルエン
ベロープを3dB程度上回る例が出ている。さらに、タ
イムホッピング(TH)によって50%の無信号状態が
組み込まれているため、実質上は6dBのピーク上昇が
発生していることになる。図13は従来のDS/THハ
イブリッドシステムの周波数領域での2次変調符号系列
の自己相関特性を示す。
合、図12から分かる通り、スペクトルの尖頭値は直接
拡散(DS)で使用しているPN系列のスペクトルエン
ベロープを3dB程度上回る例が出ている。さらに、タ
イムホッピング(TH)によって50%の無信号状態が
組み込まれているため、実質上は6dBのピーク上昇が
発生していることになる。図13は従来のDS/THハ
イブリッドシステムの周波数領域での2次変調符号系列
の自己相関特性を示す。
【0013】他方、本発明によるPN符号発生器の出力
信号スペクトルでは、ピークがあっても、もとのM系列
のスペクトルエンベロープを殆ど越えないことが、経験
的に分かっており、2個の2進PN符号発生器で合成し
た系列では、実質3dBのピーク上昇しかないことにな
る。
信号スペクトルでは、ピークがあっても、もとのM系列
のスペクトルエンベロープを殆ど越えないことが、経験
的に分かっており、2個の2進PN符号発生器で合成し
た系列では、実質3dBのピーク上昇しかないことにな
る。
【0014】また、この方式によれば、同様に、2個の
PN発生器を使用して合成するゴールド符号と同じく、
コードの選択自由度が極めて高く実用性に優れている。
PN発生器を使用して合成するゴールド符号と同じく、
コードの選択自由度が極めて高く実用性に優れている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き観
点に鑑みてなされたものであって、搬送波発振器と、こ
の出力を送信信号で変調する1次変調器と、2個以上の
2進疑似雑音源の並列出力から得られる2ビット以上の
パラレルデータの各時点の値をBPSKの2種類の位相
状態に「無信号」を加えた3種類の変調状態に割り当て
る第1の論理装置と、割り当てられた変調状態で出力信
号を変調する2次変調装置と、この結果を外部に送信す
る送信回路とにより構成された送信装置と、送信されて
くる信号を受信する受信回路と、2個以上の2進疑似雑
音源の並列出力から得られる2ビット以上のパラレルデ
ータの各時点の値をBPSKの2種類の位相状態に「無
信号」を加えた3種類の変調状態に割り当てる第2の論
理装置と、割り当てられた変調状態で受信信号を再変調
する2次復調器と、局部発振器と、この出力で受信信号
を復調する1次復調器とで構成された受信装置とからな
る拡散スペクトル通信機、並びに、上記第1または第1
第2の論理装置で割り当てられた各時点の変調状態か
ら、その変調が維持されるべき時間幅の一定部分をさら
に無変調状態に割り当てる再割当機構を有する拡散スペ
クトル通信機を提供しようとするものである。
点に鑑みてなされたものであって、搬送波発振器と、こ
の出力を送信信号で変調する1次変調器と、2個以上の
2進疑似雑音源の並列出力から得られる2ビット以上の
パラレルデータの各時点の値をBPSKの2種類の位相
状態に「無信号」を加えた3種類の変調状態に割り当て
る第1の論理装置と、割り当てられた変調状態で出力信
号を変調する2次変調装置と、この結果を外部に送信す
る送信回路とにより構成された送信装置と、送信されて
くる信号を受信する受信回路と、2個以上の2進疑似雑
音源の並列出力から得られる2ビット以上のパラレルデ
ータの各時点の値をBPSKの2種類の位相状態に「無
信号」を加えた3種類の変調状態に割り当てる第2の論
理装置と、割り当てられた変調状態で受信信号を再変調
する2次復調器と、局部発振器と、この出力で受信信号
を復調する1次復調器とで構成された受信装置とからな
る拡散スペクトル通信機、並びに、上記第1または第1
第2の論理装置で割り当てられた各時点の変調状態か
ら、その変調が維持されるべき時間幅の一定部分をさら
に無変調状態に割り当てる再割当機構を有する拡散スペ
クトル通信機を提供しようとするものである。
【0016】
【作用及び実施例】以下、本発明一実施例を図面図1乃
至図10を参照しながら説明する。まず、本発明に不可
欠な疑似雑音発生装置の構成を例示して説明する。図1
は、従来の2を法とした1ビット疑似雑音発生器を複数
使用して、3以上の数を法とする符号系列を間接的に生
成する最も単純な構成例を示している。この例は、従来
からあるゴールド符号発生器と同様に7段の帰還付シフ
トレジスター(SR)を使用したM系列発生器を2個用
いており、ゴールド符号はこれらの出力の排他的論理和
をとって2値出力を構成するのに対し、本発明の場合、
これらの出力2ビットを論理処理して3値の出力信号を
得る構成となっている。図1において、2個のSR出力
の論理積はプラス出力、論理和の反転はマイナス出力に
対応させてあり、2次変調状態との対応では、どちらの
出力も発生していない状態を「無信号(−)」に、プラ
ス出力は「位相状態1(P)」に、マイナス出力は「位
相状態2(N)」にそれぞれ対応させてある。尚、位相
状態1と2は互いに180度ずれた同一周波数の信号に
よる変調状態を示す。
至図10を参照しながら説明する。まず、本発明に不可
欠な疑似雑音発生装置の構成を例示して説明する。図1
は、従来の2を法とした1ビット疑似雑音発生器を複数
使用して、3以上の数を法とする符号系列を間接的に生
成する最も単純な構成例を示している。この例は、従来
からあるゴールド符号発生器と同様に7段の帰還付シフ
トレジスター(SR)を使用したM系列発生器を2個用
いており、ゴールド符号はこれらの出力の排他的論理和
をとって2値出力を構成するのに対し、本発明の場合、
これらの出力2ビットを論理処理して3値の出力信号を
得る構成となっている。図1において、2個のSR出力
の論理積はプラス出力、論理和の反転はマイナス出力に
対応させてあり、2次変調状態との対応では、どちらの
出力も発生していない状態を「無信号(−)」に、プラ
ス出力は「位相状態1(P)」に、マイナス出力は「位
相状態2(N)」にそれぞれ対応させてある。尚、位相
状態1と2は互いに180度ずれた同一周波数の信号に
よる変調状態を示す。
【0017】また、図中の無信号ビットは、図8(b)
(c)(d)で後述する2次変調回路の例などで、RF
スイッチより確実に「無信号状態」を実現するために用
いられる補助的な出力を示し、この例のような2系列の
合成の場合は、ゴールド符号出力とたまたま一致してい
る。
(c)(d)で後述する2次変調回路の例などで、RF
スイッチより確実に「無信号状態」を実現するために用
いられる補助的な出力を示し、この例のような2系列の
合成の場合は、ゴールド符号出力とたまたま一致してい
る。
【0018】図1の割当回路の真理値表は表1に示す通
りであるが、より多くの符号系列から合成する場合は表
2のように一般化される。 表2 割当回路の一般的な真理値表の例(勝手に割り当てることができる。) 入力 出力 SR1 SR2 SR3 −− SRn (P)(N)(−) 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1 1 0 1 0 0 0 0 1 1 1 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 1 0 : : : : : : : 1 1 1 1 1 0 1
りであるが、より多くの符号系列から合成する場合は表
2のように一般化される。 表2 割当回路の一般的な真理値表の例(勝手に割り当てることができる。) 入力 出力 SR1 SR2 SR3 −− SRn (P)(N)(−) 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1 1 0 1 0 0 0 0 1 1 1 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 1 0 : : : : : : : 1 1 1 1 1 0 1
【0019】参考としてゴールド符号の場合を表3に
示す。 表3 ゴールド符号の真理値表(つまり単なる排他的論理和である。) 入力 出力 SR1 SR2 0 0 0 1 0 1 0 1 1 1 1 0
示す。 表3 ゴールド符号の真理値表(つまり単なる排他的論理和である。) 入力 出力 SR1 SR2 0 0 0 1 0 1 0 1 1 1 1 0
【0020】図1の構成から明らかなように、この回
路の出力信号は、ゴールド符号と同様に、使用するM系
列の選択とそれらの相対的な位相関係によって、相互に
異なる多様な符号系列を得ることが可能で、符号分割多
重(CDMA)などに有利な性質をもっている。
路の出力信号は、ゴールド符号と同様に、使用するM系
列の選択とそれらの相対的な位相関係によって、相互に
異なる多様な符号系列を得ることが可能で、符号分割多
重(CDMA)などに有利な性質をもっている。
【0021】図2は図1の疑似雑音発生器の出力状態を
(P)(N)(−)で時系列的に表現したものであり、
これを実際の2次変調符号の波形で示すと、図3のよう
になる。この例では、2系列のビット入力が共に1のと
き1を、共に0のとき−1を、また両系列のビットが違
う場合は0をそれぞれ出力するように構成されており、
この場合、−1、0、1の時間比率は、ほぼ1:2:1
となる。
(P)(N)(−)で時系列的に表現したものであり、
これを実際の2次変調符号の波形で示すと、図3のよう
になる。この例では、2系列のビット入力が共に1のと
き1を、共に0のとき−1を、また両系列のビットが違
う場合は0をそれぞれ出力するように構成されており、
この場合、−1、0、1の時間比率は、ほぼ1:2:1
となる。
【0022】一般にN系列のビット入力のすべてが1、
またはすべてが0になる場合をそれぞれ1、−1に割り
当てる方式では、−1、0、1の時間比率は 1:(2N−2):1 ・・・・・・1 であり、系列の数を増すにしたがって、無信号区間の比
率も高くなる。
またはすべてが0になる場合をそれぞれ1、−1に割り
当てる方式では、−1、0、1の時間比率は 1:(2N−2):1 ・・・・・・1 であり、系列の数を増すにしたがって、無信号区間の比
率も高くなる。
【0023】図4は、周波数領域でのこの符号のスペク
トル分析の結果を示す。このスペクトルのエンベロープ
は、図5に示すように、基にしているSR1またはSR
2の出力のスペクトルにほぼ一致している。尚、図4の
横軸は角周波数にT/2π(TはSR1,2のチップ時
間)を乗じた無次元周波数を示す。(以下、スペクトル
表示はこの方式による。)
トル分析の結果を示す。このスペクトルのエンベロープ
は、図5に示すように、基にしているSR1またはSR
2の出力のスペクトルにほぼ一致している。尚、図4の
横軸は角周波数にT/2π(TはSR1,2のチップ時
間)を乗じた無次元周波数を示す。(以下、スペクトル
表示はこの方式による。)
【0024】図6はこの符号系列の自己相関特性を示
す。横軸は時間を示し、原点はt=0、右端はt=12
6Tに対応しており、この例の場合、t=0での最大相
関は約50%、サイドローブの最大値は約7%で、充分
に実用的であると判断され、図11、図12に示す従来
のDS/THハイブリッドシステムの特性よりスペクト
ル、相関両面で良好な結果となっている。
す。横軸は時間を示し、原点はt=0、右端はt=12
6Tに対応しており、この例の場合、t=0での最大相
関は約50%、サイドローブの最大値は約7%で、充分
に実用的であると判断され、図11、図12に示す従来
のDS/THハイブリッドシステムの特性よりスペクト
ル、相関両面で良好な結果となっている。
【0025】上記の如く、本発明による変調の場合、拡
散の過程で不規則な位置に無信号のビットが配置される
が、この区間は送信にあっては他のシステムに干渉を与
えないことの保証された期間であると同時に、受信の場
合、他のシステムからの干渉を阻止できることの保証さ
れた期間となり、総合的に他局からの干渉エネルギーを
大幅に削減することが可能となる。
散の過程で不規則な位置に無信号のビットが配置される
が、この区間は送信にあっては他のシステムに干渉を与
えないことの保証された期間であると同時に、受信の場
合、他のシステムからの干渉を阻止できることの保証さ
れた期間となり、総合的に他局からの干渉エネルギーを
大幅に削減することが可能となる。
【0026】上記式1から概算すると、自局と他局の無
信号でない区間が干渉する確率Pは以下のように算定さ
れ、通常のSS−DSの場合のP=1に対して減少す
る。 P=4/22N=2(2-2N) ・・・・・・2
信号でない区間が干渉する確率Pは以下のように算定さ
れ、通常のSS−DSの場合のP=1に対して減少す
る。 P=4/22N=2(2-2N) ・・・・・・2
【0027】このことは、干渉エネルギーの時間平均
が、Pまで減少することを意味し、減少率Rは下記の式
3で算定される。 R=−6.02(N−1)dB ・・・・・・3
が、Pまで減少することを意味し、減少率Rは下記の式
3で算定される。 R=−6.02(N−1)dB ・・・・・・3
【0028】従って、見かけ上は干渉局の送信エネルギ
ーがRだけ低減したのと同じ結果が得られ、この効果は
Nが大であるほど高くなる。
ーがRだけ低減したのと同じ結果が得られ、この効果は
Nが大であるほど高くなる。
【0029】図7は最もポピュラーな構成を基に本発明
の応用例を説明している。この構成自体は、従来のDS
方式のシステムと極めて良く似ているが、「2次変復
調」に用いられる信号発生器が、2個以上の2進疑似雑
音源の並列出力から得られる2ビット以上のパラレルデ
ータの各時点の値をBPSKの2種類の位相状態に「無
信号」を加えた3種類の変調状態に割り当てられた変調
状態で出力信号を変調する2次変調装置と、2個以上の
2進疑似雑音源の並列出力から得られる2ビット以上の
パラレルデータの各時点の値をBPSKの2種類の位相
状態に「無信号」を加えた3種類の変調状態に割り当て
られた変調状態で受信信号を再変調する2次復調器とで
規定されたものであることが特徴である。
の応用例を説明している。この構成自体は、従来のDS
方式のシステムと極めて良く似ているが、「2次変復
調」に用いられる信号発生器が、2個以上の2進疑似雑
音源の並列出力から得られる2ビット以上のパラレルデ
ータの各時点の値をBPSKの2種類の位相状態に「無
信号」を加えた3種類の変調状態に割り当てられた変調
状態で出力信号を変調する2次変調装置と、2個以上の
2進疑似雑音源の並列出力から得られる2ビット以上の
パラレルデータの各時点の値をBPSKの2種類の位相
状態に「無信号」を加えた3種類の変調状態に割り当て
られた変調状態で受信信号を再変調する2次復調器とで
規定されたものであることが特徴である。
【0030】一般に拡散スペクトル通信器は従来の通信
装置に相当する「1次変復調部分」とスペクトルの拡散
と逆拡散を加える「2次変復調部分」を含んでおり、具
体的な構成において、これらの順序や組合せには多種多
様な構成が存在する。
装置に相当する「1次変復調部分」とスペクトルの拡散
と逆拡散を加える「2次変復調部分」を含んでおり、具
体的な構成において、これらの順序や組合せには多種多
様な構成が存在する。
【0031】図8は図1に示す疑似雑音発生器の出力を
使って変調又は復調を行う具体的な回路構成のいくつか
の例を示している。図8(a)は(P)(N)出力の差
動信号を変調または復調に用いる最も単純な構成例であ
る。この例では(P)(N)出力が両方ゼロである場合
がゼロによる変調即ち「無信号」に相当するが、実際の
システムではアンプのドリフトなどによって確実に「無
信号」とするのが困難であり、より確実に「無信号」を
実現するためには、図8(b)に示すようなRFスイッ
チによる信号の遮断が有効である。図8(c)は図8
(b)をヘテロダイン受信機に応用する場合の例で、2
次復調のための混合器に局部発信器と疑似雑音系列の混
合結果を使用している。図8(d)は送信器の1次変調
器を2次変調器と一体に構成し送信すべき情報ビットで
(P)(N)出力の差動回路への接続を切り替え、BP
SKによる1次変調を加える構成の例である。
使って変調又は復調を行う具体的な回路構成のいくつか
の例を示している。図8(a)は(P)(N)出力の差
動信号を変調または復調に用いる最も単純な構成例であ
る。この例では(P)(N)出力が両方ゼロである場合
がゼロによる変調即ち「無信号」に相当するが、実際の
システムではアンプのドリフトなどによって確実に「無
信号」とするのが困難であり、より確実に「無信号」を
実現するためには、図8(b)に示すようなRFスイッ
チによる信号の遮断が有効である。図8(c)は図8
(b)をヘテロダイン受信機に応用する場合の例で、2
次復調のための混合器に局部発信器と疑似雑音系列の混
合結果を使用している。図8(d)は送信器の1次変調
器を2次変調器と一体に構成し送信すべき情報ビットで
(P)(N)出力の差動回路への接続を切り替え、BP
SKによる1次変調を加える構成の例である。
【0032】図9は、図1に示す論理装置に無信号区間
再割当機構を付加した具体例を図示している。図におい
て、カウンターはマスタークロックを分周しシフトレジ
スターSR1,SR2のクロックを供給すると同時に、
カウンターの内容が所定の数値に達するとゼロを出力す
るよう構成されている。この出力が1である場合に限
り、無信号ビットは1を保持するため、図8(b)など
の2次変調器のRFスイッチで遮断され無信号状態を保
つ。この結果、図10に示すように母系列をさらに短い
パルスの列で置き換えた新たな系列で変調が行われるよ
うになり、スペクトルのメインローブ幅は拡大される。
再割当機構を付加した具体例を図示している。図におい
て、カウンターはマスタークロックを分周しシフトレジ
スターSR1,SR2のクロックを供給すると同時に、
カウンターの内容が所定の数値に達するとゼロを出力す
るよう構成されている。この出力が1である場合に限
り、無信号ビットは1を保持するため、図8(b)など
の2次変調器のRFスイッチで遮断され無信号状態を保
つ。この結果、図10に示すように母系列をさらに短い
パルスの列で置き換えた新たな系列で変調が行われるよ
うになり、スペクトルのメインローブ幅は拡大される。
【0033】図10の例は符号1区間の3/4を無信号
に割り当てた例であるが、この場合の干渉確率は、 P=(0.5/2N)2=2-2(N+1)・・・・・・4 干渉エネルギー低減率Rは R=−6.02(N+1)dB ・・・・・・5 となり、N=2とすれば、−18.06dB と算定さ
れる。
に割り当てた例であるが、この場合の干渉確率は、 P=(0.5/2N)2=2-2(N+1)・・・・・・4 干渉エネルギー低減率Rは R=−6.02(N+1)dB ・・・・・・5 となり、N=2とすれば、−18.06dB と算定さ
れる。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかなよう
に、下記のような効果を生ずる。1.従来のM系列やゴー
ルド系列を用いたSS−DSに対して、無信号の時間が
介在するため「遠近問題」の発生が効果的に抑止でき
る。2.ゴールド系列と同様に、SR1,SR2の初期値
の選択によっても多種の符号生成が可能であり、CDM
Aなどに適した符号が生成できる。3.従来のSS−DS
/THに対して、発生するスペクトルの尖頭値が数dB
は改善され、拡散符号としての性能が高く、自己相関の
特性もより良好になる。
に、下記のような効果を生ずる。1.従来のM系列やゴー
ルド系列を用いたSS−DSに対して、無信号の時間が
介在するため「遠近問題」の発生が効果的に抑止でき
る。2.ゴールド系列と同様に、SR1,SR2の初期値
の選択によっても多種の符号生成が可能であり、CDM
Aなどに適した符号が生成できる。3.従来のSS−DS
/THに対して、発生するスペクトルの尖頭値が数dB
は改善され、拡散符号としての性能が高く、自己相関の
特性もより良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による2系列の符号系列を使った変調割
当のための論理装置の例を示す疑似雑音発生器の回路図
である。
当のための論理装置の例を示す疑似雑音発生器の回路図
である。
【図2】図1の疑似雑音発生器の出力状態を(P)
(N)(−)で時系列的に表現した符号列である。
(N)(−)で時系列的に表現した符号列である。
【図3】図1の疑似雑音発生器の出力状態を実際の2次
変調符号の波形で示す波形図である。
変調符号の波形で示す波形図である。
【図4】周波数領域での実際の2次変調符号のスペクト
ル図である。
ル図である。
【図5】図4に示すスペクトルのエンベロープ図であ
る。
る。
【図6】周波数領域での実際の2次変調符号系列の自己
相関特性図である。
相関特性図である。
【図7】本発明の応用例の構成を示す回路図である。
【図8】図1に示す疑似雑音発生器の出力を使って変調
又は復調を行う具体的ないくつかの構成を示す回路図で
ある。
又は復調を行う具体的ないくつかの構成を示す回路図で
ある。
【図9】図1に示す論理装置に無信号区間再割当機構を
付加した具体例を示す回路図である。
付加した具体例を示す回路図である。
【図10】母系列をさらに短いパルスの列で置き換えた
新たな系列で変調が行われた場合のスペクトル図であ
る。
新たな系列で変調が行われた場合のスペクトル図であ
る。
【図11】従来のDS/THハイブリッドシステムのブ
ロックダイアグラムである。
ロックダイアグラムである。
【図12】従来のDS/THハイブリッドシステムの周
波数領域での2次変調符号のスペクトル図である。
波数領域での2次変調符号のスペクトル図である。
【図13】従来のDS/THハイブリッドシステムの周
波数領域での2次変調符号系列の自己相関特性図であ
る。
波数領域での2次変調符号系列の自己相関特性図であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 搬送波発振器と、この出力を送信信号で
変調する1次変調器と、2系列以上のPN符号の各時点
の値から得られる2ビット以上のパラレルデータの値を
BPSKの2種類の位相状態に「無信号」を加えた3種
類の変調状態に割り当て、疑似ランダム的に無信号の期
間を設定する機能を有する第1の論理装置と、割り当て
られた変調状態で出力信号を変調する2次変調装置と、
この結果を外部に送信する送信回路とにより構成された
送信装置と、 送信されてくる信号を受信する受信回路と、2系列以上
のPN符号の各時点の値から得られる2ビット以上のパ
ラレルデータの値をBPSKの2種類の位相状態に「無
信号」を加えた3種類の変調状態に割り当て、疑似ラン
ダム的に無信号の期間を設定する機能を有する第2の論
理装置と、割り当てられた変調状態で受信信号を再変調
する2次復調器と、局部発振器と、この出力で受信信号
を復調する1次復調器とで構成された受信装置とからな
ることを特徴とする拡散スペクトル通信機。 - 【請求項2】 前記第1または第1第2の論理装置で一
定の時間間隔で割り当てられた各時点の変調状態のう
ち、BPSKの2種類の位相で変調される時間区間の一
定部分をさらに無信号状態に割り当てて変調時間を削減
する無信号区間の再割り当て機構を有する請求項1記載
の拡散スペクトル通信機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30672291A JP2655374B2 (ja) | 1991-10-25 | 1991-10-25 | 拡散スペクトル通信機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30672291A JP2655374B2 (ja) | 1991-10-25 | 1991-10-25 | 拡散スペクトル通信機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05122193A JPH05122193A (ja) | 1993-05-18 |
JP2655374B2 true JP2655374B2 (ja) | 1997-09-17 |
Family
ID=17960513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30672291A Expired - Fee Related JP2655374B2 (ja) | 1991-10-25 | 1991-10-25 | 拡散スペクトル通信機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2655374B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2942923B2 (ja) | 1997-11-27 | 1999-08-30 | 株式会社ジーデイーエス | ランダムパルス型レーダー装置 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10049906A1 (de) * | 2000-10-10 | 2002-04-11 | Bosch Gmbh Robert | Sensoranordnung mit einem Puls-Echo-Radar |
KR101036057B1 (ko) * | 2009-03-24 | 2011-05-19 | 주식회사 바이오스페이스 | 생체 임피던스 측정 장치 및 그 측정 방법 |
CN115378461B (zh) * | 2022-10-25 | 2023-04-07 | 成都众享天地网络科技有限公司 | 一种跳时直扩信号的仿真方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0396138A (ja) * | 1989-09-08 | 1991-04-22 | Clarion Co Ltd | 符号発生装置 |
-
1991
- 1991-10-25 JP JP30672291A patent/JP2655374B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2942923B2 (ja) | 1997-11-27 | 1999-08-30 | 株式会社ジーデイーエス | ランダムパルス型レーダー装置 |
US6381261B1 (en) | 1997-11-27 | 2002-04-30 | G.D.S. Co., Ltd. | Random pulse type radar apparatus |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05122193A (ja) | 1993-05-18 |
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