JP2655024B2 - 移動体衝突回避装置 - Google Patents

移動体衝突回避装置

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JP2655024B2
JP2655024B2 JP4024060A JP2406092A JP2655024B2 JP 2655024 B2 JP2655024 B2 JP 2655024B2 JP 4024060 A JP4024060 A JP 4024060A JP 2406092 A JP2406092 A JP 2406092A JP 2655024 B2 JP2655024 B2 JP 2655024B2
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  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、移動体衝突回避装置
に関し、特に追尾される移動体Sの速度が、追尾する移
動体Tの速度より遅い場合の移動体衝突回避装置に関
し、移動体Sの生残率を向上させるものである。
【0002】
【従来の技術】移動体Sは移動体Tから追尾される。こ
の時、移動体Sの衝突回避装置は最適な経路をとって、
移動体Tからの回避運動を行なう(図9B)。また移動
体Tは移動体Sに対して単純追尾を行なう(図9A、
B)。その場合、図9に示すように移動体Tの経路の変
更は、移動体Tが移動体Sを常に正面に見るように実行
される。したがって、移動体Tは、移動体Sの後方から
まわり込むような経路をとり、移動体Sを追尾する。こ
のため、移動体Sの速度が、移動体Tの速度より遅い場
合には、移動体Sは、移動体Tから逃げられない。ここ
で、移動体Sが移動体Tに対して最適な回避経路をとっ
た場合、つまり移動体Tの追尾方向に回避した場合に、
追尾方向における移動体Sと移動体Tとの速度差が最大
となるので、移動体Sの速度が移動体Tの速度より遅く
最終的に衝突がさけられないにしても、衝突までの時間
を最も長くできる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の衝突回避装置では、移動体S(回避移動体)の速度
が移動体T(追尾移動体)の速度よりも遅い場合には、
移動体Sは移動体Tから回避することは不可能であっ
た。この発明は、移動体Sの生残率を改善した衝突回避
方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、移動体Tに
より追尾される移動体Sに搭載される経路予測装置と、
前記移動体Sより発射される移動体Hに搭載されるプロ
グラム誘導装置及び比例航法制御装置とを具備する移動
体衝突回避装置である。前記経路予測装置は、前記移動
体Sの探査装置から入力される前記移動体Tとの相対距
離LT 及び方位角ΨT と、前記移動体Sの自動操縦装置
より入力される移動体Sの位置、方位角ΨS 、速度VS
及び増速率ΔVS と、あらかじめ計画された移動体Sの
衝突回避操舵情報とを用いて、移動体Sの回避経路と、
移動体Tの追尾予測経路と、その経路上の前記移動体H
が最短時間で到達できる目標点の位置と、その目標点に
接する接線の方位角ΨCMD (方位角コマンドと言う)と
を予測演算して、それらの予測値を前記プログラム誘導
装置に入力するものである。
【0005】前記プログラム誘導装置は、前記経路予測
装置より入力された前記目標点の位置とその点の方位角
コマンドΨCMD と、前記移動体Hの慣性基準装置より入
力される移動体Hの位置、速度VH 及び方位角ΨH とを
用いて移動体Hを前記目標点の手前R(m)の点(しか
しRは移動体Hの最小旋回半径)迄誘導した後、方位角
ΨH が前記方位角コマンドΨCMD に一致する迄最大旋回
率ΔΨH max で回転するように誘導するものである。
【0006】前記比例航法制御装置は、移動体Hの慣性
基準装置より入力される移動体Hの位置、速度VH 及び
方位角ΨH と、移動体Hの探査装置より入力される前記
移動体Tとの相対距離LT 及び方位角ΨT とを用いて、
前記移動体Hに対して比例追尾方式により前記移動体T
を追尾し、会合するように誘導するものである。
【0007】
【実施例】この発明の移動体衝突回避装置は、図1に示
すように、移動体Tにより追尾される移動体Sに搭載さ
れ、移動体Tの追尾経路を予測する経路予測装置1と、
移動体H(常時移動体Sに搭載され、非常時に移動体S
より発射され、誘導されて移動体Tと会合する移動体)
に内蔵される、プログラム誘導装置2及び比例航法制御
装置3とにより構成される。
【0008】以下にこれらの構成要件につき順次詳しく
説明する。 (a)経路予測装置1 経路予測装置1は、移動体Sに搭載される探査装置4
(ソーナー或いはレーダ等)から入力される移動体Tの
相対距離LT 、方位角ΨT 或いは仰角(ふ角)の情報
と、移動体Sの自動操縦装置5から入力される移動体S
の現在位置xS ,y S と、移動体Sの乗員及び自動操縦
装置5から入力される計画された回避操縦の情報(指
令)Fとを用いて、移動体Tの追尾経路を予測演算す
る。
【0009】前記の計画された回避操舵では、移動体T
が移動体Sの真うしろに来た時、つまりΨS (移動体S
の方位角)=ΨT (移動体Tの方位角)の時には、移動
体Sは現在の方位角ΨS を保持して、Δt秒間における
速度増加分ΔVS 、従ってa S =ΔVS /Δtの加速度
で移動体Tより回避する。また、ΨS ≠ΨT の時には、
移動体Sは最小旋回半径Rの円運動で、aS =ΔVS
Δtの加速度で回避する。 (a−1)移動体S及び移動体Tの初期予測経路の計算 時間間隔Δtの時系列をt0 (≡0),t1 ,t2 …t
i …とするとき、自動操縦装置5より入力される移動体
Sの速度VS (0)及びΔt秒間の速度増加分ΔVS
用いて、速度VS (t1 )、座標位置xS (t1 ),y
S (t1 )が計算される(図2)。
【0010】 VS (t1 )=VS (0)+ΔVS ・Δt …(1a) xS (t1 )=xS (0)+VS (t1 )Δtcos{ΨS (t1 )}; yS (t1 )=yS (0)−VS (t1 )Δtsin{ΨS (t1 )} …(1b) ΨS (t1 )=VS (t1 )/R …(1c) しかし、Rは移動体Sの旋回性能により決まり、自動操
縦装置5から入力される。通常は最小旋回半径で固定値
とされる。xS (0),yS (0)は、移動体Sが移動
体Tからの回避行動を始める地点(従ってt0 ≡0はS
が回避行動を始める時刻)であって、これを座標の原点
に選び、機首方向をx軸、それと直交する軸をy軸とす
る。従って、 xS (0)=yS (0)=0 探査装置4より入力される移動体TのtO 時点の相対距
離L(tO )と仰角θ(tO )(図3)とから初期座標
位置 xT (tO )=L(tO )cos{θ(tO )}; yT (tO )=L(tO )sin{θ(tO )} …(1d) が計算され、これらと、いま計算したxS (t1 ),y
S (t1 )とから、移動体Tの方位角 ΨT (t1 )=tan-1〔{xS (t1 )−xT (t0 )}/{yS (t 1 )−yT (t0 )}〕 …(1e) が計算される。また探査装置4から入力されるtO 時点
の移動体Tの傾角θ(t O )と、相対距離L(tO
と、自動操縦装置5から入力される移動体Sの移動体経
路情報とから、tO 時刻の移動体Tの速度VT (tO
が算出され、以後V T (ti )は一定でVT (tO )に
等しいものと仮定して予測演算が行われる。以後V
T (ti )をVT で表す。移動体Tの座標位置は(1
d),(1e)式より得られる次の式より計算される
(図2)。
【0011】 xT (t1 )=xT (tO )−VT Δtsin{ΨT (t1 )}; yT (t1 )=yT (tO )−VT Δtcos{ΨT (t1 )} …(1f) なお、移動体Tは単純追尾を行うものと仮定している。 (a−2)移動体S及び移動体Tの予測経路の計算 一般に時刻ti (i=1,2,3…)における移動体S
の速度、位置及び方位角は次のように計算される。
【0012】 Vs (ti )=Vs (ti-1 )+ΔVs ・Δt …(2a) xs (ti )=xs (ti-1 )+Vs (ti )Δtcos{Ψs (ti )}; ys (ti )=ys (ti-1 )−Vs (ti )Δtsin{Ψs (ti )} …(2b) Ψs (ti )=Vs (ti )/R (しかし、Ψs (ti )≠ΨT (ti )とする) …(2c) 又は Ψs (ti )=k …(2d) 上式でkはΨS (ti )=Vs (ti )/R=ΨT (t
i-1 )になった時点でのΨT (ti-1 )の値であり、そ
れ以後ΨS (ti )は一定値kを保持するものとされ
る。
【0013】時刻ti における移動体Tの方位角及び位
置は図2を参照して、 ΨT (ti )=tan-1〔{xS (ti )−xT (ti-1 )}/ {yS (ti )−yT (ti-1 )} …(2e) xT (ti )=xT (ti-1 )−VT Δtsin{ΨT (ti )}; yT (ti )=yT (ti-1 )−VT Δtcos{ΨT (ti )} …(2f) 上述のようにして経路予測装置1は、移動体Tの単純追
尾する経路を予測し、更に移動体Sより発射される第3
の移動体Hが追尾目標とすべきその予測経路上の点の座
標とその点の方位角とを計算して、移動体Hに搭載され
るプログラム誘導装置2に入力する。次に項を改ためて
それらの計算方法につき述べる。 (a−3)移動体Hの追尾目標点の計算(ΨTa<135
°) 図4に示すように、移動体Sの探査装置の測定レンジ範
囲に最初に移動体Tを発見したときの仰角(進入角度)
をΨTaとする。ΨTaは図3及び(1d)式のθ(tO
と考えてよい。ΨTa<135°の場合には、図5に示す
ように、移動体Hは、移動体Sからの傾角45°で、所
定の距離L1 (例えば83mとする)だけ離れたウエイ
ポイント(通過点)A(xHA,yHA)に直線移行され、
その点から移動体TのウエイポイントD(xTD,yYD
を目標にして追尾するようにされる。
【0014】ウエイポイントDは(a−1),(a−
2)で求めた移動体Tの予測追尾経路上の点x
T (ti ),yT (ti )とウエイポイントAとの距離 L={(xHA−xT 2 +(yHA−yT 2 1/2 …(3) が最小となる点とされる。またウエイポイントDにおけ
る移動体Tの予測経路の接線方向、つまり接線のx軸と
のなす角ΨTDが移動体Hが後に目標とすべき方位角コマ
ンドΨCMD とされる。
【0015】図から分るように、移動体Sに搭載された
経路予測装置1内で、あらかじめ予測された移動体Tの
経路上に、ウエイポイントA点から一番早く到達できる
点は、A点から経路上に引いた線と経路上の接線が直交
する点であり、これが(3)式のLが最小となるD(x
TD,yTD)点である。D点の座標及び方位角(コマン
ド)ΨTDは経路予測装置1で計算される。 (a−4)移動体Hの追尾目標点の計算(ΨTa≧135
°) コンピュータシュミレーションによれば、移動体Tの進
入角度ΨTa=135°を境にして、移動体Hによる移動
体Tの追尾方式の変更が必要とされる。ΨTa≧135°
の場合には、図6に示す移動体Hの初期位置P
O (xHO,yHO)より移動体Tの予測追尾経路迄の距離 L={(xHO−xT 2 +(yHO−yT 2 1/2 …(4) が最小となるウエイポイントCの座標(xTC,yTC)及
びC点の接線の軸とのなす角ΨTCが後に移動体Hが目標
とすべき方位角コマンドΨCMD とされる。図6のC点は
移動体HがP0 点より移動体Tの予測経路上に最短時間
で到達できる点である。C点の位置と方位角コマンドΨ
CMD は経路予測装置1で計算される。(a−3)で述べ
たΨTa<135°の場合で、ΨTaが0°に近い進入角度
の場合、移動体Tの予想経路上の原点からの最短地点
が、移動体Sの回避経路と交叉してしまい、移動体Hが
移動体Sに衝突してしまう恐れがある。そこで、ΨTa
135°の場合、(a−3)で述べたように移動体Hは
移動体Sから傾角45°で距離L1 だけ離れた地点Aか
ら、最短地点Dへ追尾するようにしている。 (b)プログラム誘導装置2 第3の移動体Hにはプログラム誘導装置2が搭載されて
おり、この誘導装置2が、経路予測装置1より入力され
るウエイポイントA(xHA,yHA)、追尾目標点D(x
TD,yTD)その方位角コマンドΨCMD (a−3の場合)
や追尾目標点C(xTC,yTC)、その方位角コマンドΨ
CMD (a−4の場合)と、移動体Hの慣性基準装置6か
ら入力される移動体Hの位置xH ,yH 及びHの姿勢角
及び移動体Hの深度計7から入力されるHの深度情報
(移動体Hが水中航走体である場合)を基に移動体Hを
目標点にプログラム誘導する。次にその詳細を述べる。 (b−1)移動体Hの誘導(進入角ΨTa<135°) O→A間の誘導 移動体Hは初期位置O(xH =0,yH =0)よりウエ
イポイントA迄、方位角ΨH =45°の直線に沿って距
離L1 (例えば83m)だけ誘導される。
【0016】A→B間の誘導 移動体HはウエイポイントAに来たとき、移動体Tがそ
の予測経路上のウエイポイントD(xTD ,TD)を目標
に従来例で述べた単純追尾を行うように誘導される。そ
してD点の手前L2 (移動体Hの最大旋回半径で例えば
13m)の距離の点Bまで誘導される。
【0017】B→C間の誘導 移動体HはB点から最大旋回率ΔΨH max で左回りをし
て、移動体Hに搭載されている慣性基準装置6から得ら
れる方位角ΨH があらかじめ経路予測装置1より入力さ
れた方位角コマンドΨCMD (D点の接線とx軸のなす
角)に等しくなるC点まで誘導される。従って、初期方
位角(B点の方位角)ΨH (t0 )に対して次の時点t
1 の方位角ΨH (t1 )は ΨH (t1 )=ΨH (t0 )−ΔΨH max …(5) 移動体HのB点の位置をxH (t0 ),yH (t0 )す
れば、次の時刻t1 の位置は xH (t1 )=xH (t0 )+VH ・Δtcos{ΨH (t1 )}; yH (t1 )=yH (t0 )+VH ・Δtsin{ΨH (t1 )} …(6) 上式でVH は移動体Hの速度で慣性基準装置6から得ら
れる。一般的にはB→C間のHの方位角と座標位置は時
系列的に次式で与えられる。
【0018】 ΨH (ti )=ΨH (ti-1 )−ΔΨH max …(7) xH (ti )=xH (ti-1 )+VH ・Δtcos{ΨH (ti )}; yH (ti )=yH (ti-1 )+VH ・Δtsin{ΨH (ti )}…(8) 上式でΨH (ti-1 ),xH (ti-1 ),y
H (ti-1 ),VH は慣性基準装置6より与えられる。 (b−2)移動体Hの誘導(進入角ΨTa≧135°) O→A点間の誘導 移動体HはウエイポイントC(xTC,yTC)を目標に単
純追尾して、C点の手前のL3 (Hの最大旋回半径で、
例えば13mとされる)の距離の点A迄誘導される。 A→B点間の誘導 移動体Hは、A点から最大旋回率ΔΨH max で左回りを
して、方位角ΨH (慣性基準装置6から得られる)が、
あらかじめ経路予測装置1より入力された方位角コマン
ドΨCMD (C点の接線とx軸のなす角)に等しくなるB
点まで誘導される。慣性基準装置6より得られる時刻t
i-1 の方位角及びx,y座標位置及び速度VH より時刻
i の方位角及び位置は ΨH (ti )=ΨH (ti-1 )+ΔΨH max …(9) xH (ti )=xH (ti-1 )+VH ・Δt cos{ΨH (ti )}; yH (ti )=yH (ti-1 )+VH ・Δt sin{ΨH (ti )} …(10) より計算される。(c)比例航法制御装置3 移動体Hの方位角ΨH が方位角コマンドΨCMD 一致した
点C(ΨTa<135°の場合)又は、ΨH が方位角コマ
ンドΨCMD に一致した点B(ΨTa≧135°の場合)か
ら移動体Hは比例航法制御装置3によって移動体Tに衝
突する会合点Fまで誘導される。
【0019】図7を参照して、移動体Hの方位角Ψ
H は、 ΨH (ti )=tan-1〔{xT (ti )−xH (ti-1 )}/ {yT (ti )−yH (ti-1 )}〕 …(11) で求められる。ここで ΔΨH (ti )=ΨH (ti )−ΨH (ti-1 ) …(12) と置くと、移動体Hに対する方位角コマンド(命令角
度)ΨCMD は ΨCMD (ti )=ΨH (ti-1 )+ΔΨH (ti )・K …(13) ただし K=1(単純追尾方式) …(14) K=N(比例追 〃 );Nは1以上の固定値 …(15) 例えば3とされる。移動体Hの位置は xH (ti-1 )=xH (ti-1 )+VH ・Δt sinΨCMD ; yH (ti-1 )=yH (ti-1 )+VH ・Δt cosΨCMD …(16) 単純追尾では、従来例で述べたように移動体Hは、移動
体Tが逃げて行く方向へと犬が追いかけるように移動体
Tを追尾する。このような意味で、単純追尾は犬追い追
尾とも呼ばれる。単純追尾ではti-1 の時刻で、移動体
Tは移動体Hの命令角度ベクターの延長上にいるが、次
のti の時刻には更に先に逃げてしまう。この逃げるの
を見越して、命令角度にあるゲインを掛けた方式が比例
追尾方式であって、従来からよく知られている方式であ
る。移動体Hは移動体Sから発射された後、最短時間で
予測経路の近傍に達した後、最大旋回率で左回転され、
方位角ΨH が方位角(コマンド)ΨTD又はΨTCに一致す
る、予測経路の近傍の点C又はBまで到達しているの
で、その後は比例追尾によって移動体Tに高確度で会合
できるのである。比例航法制御装置3による誘導は従来
よく知られているので詳細な説明は省略する。
【0020】図8は、速度VS =10kt(ノット),
増速率=ΔVS =20kt/min;速度VH =20k
t,最大旋回率ΔΨH max =90°/sec;速度VT
=60kt,最大旋回率ΔΨT max =90°/secで
移動体Tが単純追尾するものと仮定して、移動体S,
H,Tの経路をコンピュータシュミレーションで求めた
図である。移動体Sの衝突回避経路は、移動体Tの進
入角ΨTaが90°より小さい場合、は90°〜135
°の場合、は135°より大きい場合である。なお移
動体Tが比例追尾する場合にはその経路が単純追尾の場
合より多少ずれるが、移動体Hは移動体Tの経路の近傍
に到達しているので、比例追尾によって同様に移動体T
に会合できるのである。
【0021】プログラム誘導装置2及び比例航法制御装
置3は、移動体Hを所定の位置に誘導するために、ピッ
チアクチュエータコントローラ11、ロールアクチュエ
ータコントローラ12及びヨーアクチュエータコントロ
ーラ13を通じて移動体Hのピッチ角、ロール角、ヨー
角を制御する。これらの制御についてはよく知られてい
るので説明は省略する。
【0022】これ迄の説明では移動体S,T,Hの経路
が2次元であるとしたが、3次元に容易に拡張できるこ
とは明らかである。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では移動
体Sの経路予測装置1で、移動体Tの追尾経路CT を予
測演算すると共に、移動体Sより発射する移動体Hが、
その予測経路CT 上に最短時間で到達できる追尾目標点
(D点又はC点)及びその点にひいた接線の方位角ΨTD
又はΨTC(方位角コマンド)を計算して、移動体Hのプ
ログラム誘導装置2に入力する。
【0024】プログラム誘導装置2は移動体Hを追尾目
標点(D点又はC点)の近傍まで誘導した後、最大旋回
率ΨH max で旋回させ、その方位角ΨH が方位角コマン
ドΨ TD又はΨTCに一致する迄誘導する。最後に移動体H
の比例航法制御装置3が比例追尾方式によって移動体H
を移動体Tに追尾させ、会合させる。
【0025】このようにして、移動体Hが移動体Tより
低速である場合も含め、移動体Hを移動体Tに高確度で
会合させることによって、移動体Sは移動体Tとの衝突
を回避し、生残率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すブロック図。
【図2】回避移動体SとSを追尾する移動体Tのx,y
座標と方位角とを示す図。
【図3】移動体Sが移動体Tを発見して、最初に回避行
動をとった時刻t0 における移動体Tの相対距離L(t
0 )と進入角(仰角、方位角又は傾角とも言う)θ(t
0 )を示す図。
【図4】移動体S探査装置の測定レンジ範囲内に最初に
移動体Tが発見された時の仰角ΨTaが135°より大き
い範囲と小さい範囲とを示す図。
【図5】移動体Tの進入角ΨTa<135°の場合の移動
体Tの予測経路CT と移動体Hの移動体Tへの追尾経路
H とを示す図。
【図6】移動体Tの進入角ΨTa≧135°の場合の移動
体Tの予測経路CT と移動体Hの移動体Tへの追尾経路
H とを示す図。
【図7】移動体Hによって移動体Tを比例追尾する場合
の移動体Hの方位角コマンドΨ CMD を説明するための
図。
【図8】図1の実施例によって移動体Sより発射した移
動体Hを移動体Tと会合させ、これにより移動体Sが移
動体Tとの衝突を回避する場合の各移動体の経路をコン
ピュータシュミレーションにより求めた図。
【図9】移動体Tが移動体Sを単純追尾する経路CT
示す図で、Aは移動体Sが直線回避経路をとる場合、B
は最適回避経路をとる場合。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体Tにより追尾される移動体Sに搭
    載される経路予測装置と、前記移動体Sより発射される
    移動体Hに搭載されるプログラム誘導装置及び比例航法
    制御装置とを具備する移動体衝突回避装置であって、 前記経路予測装置は、前記移動体Sの探査装置から入力
    される前記移動体Tとの相対距離LT 及び方位角Ψ
    T と、前記移動体Sの自動操縦装置より入力される移動
    体Sの位置、方位角ΨS 、速度VS 及び増速率ΔV
    S と、あらかじめ計画された移動体Sの衝突回避操舵情
    報とを用いて、移動体Sの回避経路と、移動体Tの追尾
    予測経路と、その経路上の前記移動体Hが最短時間で到
    達できる目標点の位置と、その目標点に接する接線の方
    位角ΨCMD (方位角コマンドと言う)とを予測演算し
    て、それらの予測値を前記プログラム誘導装置に入力す
    るものであり、 前記プログラム誘導装置は、前記経路予測装置より入力
    された前記目標点の位置とその点の方位角コマンドΨ
    CMD と、前記移動体Hの慣性基準装置より入力される移
    動体Hの位置、速度VH 及び方位角ΨH とを用いて、移
    動体Hを前記目標点の手前R(m)の点(しかしRは移
    動体Hの最小旋回半径)迄誘導した後、方位角ΨH が前
    記方位角コマンドΨCMD に一致する迄最大旋回率ΔΨ
    H max で回転するように誘導するものであり、 前記比例航法制御装置は、移動体Hの慣性基準装置より
    入力される移動体Hの位置、速度VH 及び方位角Ψ
    H と、移動体Hの探査装置より入力される前記移動体T
    との相対距離LT 及び方位角ΨT とを用いて、前記移動
    体Hに対して比例追尾方式により前記移動体Tを追尾
    し、会合するように誘導するものであることを特徴とす
    る、 移動体衝突回避装置。
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