JP2654489B2 - 有害物質暴露量の計測装置 - Google Patents

有害物質暴露量の計測装置

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JP2654489B2 JP14308788A JP14308788A JP2654489B2 JP 2654489 B2 JP2654489 B2 JP 2654489B2 JP 14308788 A JP14308788 A JP 14308788A JP 14308788 A JP14308788 A JP 14308788A JP 2654489 B2 JP2654489 B2 JP 2654489B2
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、社会医学分野における身体的労働を伴う作
業環境下での労働量に対応した有害物質暴露量の計測装
置に関する。
従来の技術 近年、粉塵、有機溶剤等、例えば石綿等の繊維状粉塵
等の大気中に存在する有害物質の健康に及ぼす障害が大
きな社会問題となつている。特に、このような有害物質
に直接関係する作業環境下では、通常、これらの有害物
質を暴露しながら作業を行つており、作業者の労働量に
対応した有害物質の暴露量を計測し、環境の改善を逐次
達成していくことが社会的に重要なことである。
このとき、労働の身体的負荷が大きくなれば呼吸量の
増大が促進されるため、心拍が高くなる傾向にあること
は、運動生理学上の所見からも明かである。よつて、身
体的作業の範ちゆうにおいて、各々有害物質の許容暴露
量を決定し、作業環境の監視を継続的に行つていかなけ
ればならない。即ち、身体的負荷の大きい作業環境下で
は有害物質濃度を相対的に低く設定することが、このよ
うな作業を統括する実施者にとつては、社会的観点及び
経済的観点の双方において必要なことである。
ここに、従来、有害物質暴露量の測定方式としては、
心拍,呼吸量,身体的労働量等の生体情報と、環境温湿
度、環境の有害物質濃度等の環境条件情報とを、各々個
別の計測装置により測定し、各々の計測データを集計し
て解析することにより、有害物質の暴露量を決定するよ
うにしたものがある。
発明が解決しようとする問題点 このような測定方式による場合、装置全体が大型化
し、実質的には、屋内作業環境下での暴露量測定に限定
されてしまうものである。また、データの集計・解析等
にも膨大な時間を要する。この点からも、個々の計測装
置における計測精度は高いものの、実際的な測定では、
時々刻々と変化する作業環境に対する測定同期の困難性
があり、かつ、データ処理上でのミス等により得られる
暴露量データの信頼性に欠ける傾向にある。例えば、現
在市販されている粉塵計測装置によると、労働環境にお
ける粉塵量計測という一面のみであり、市販計測器単体
では、作業者の労働環境に対して十分には目的を達成で
きるものは存在しない。
特に、屋外等の比較的空間領域が広く、かつ、身体的
負荷の大きい作業環境下では、作業に対応した有機物質
暴露量を定量的ないしは定性的に計測することは、実質
上、不可能な現状にある。
また、この種の計測装置では、作業環境下での作業者
の有害物質暴露量を計測するといつても、その通常作業
に支障を来すことのないよう、拘束性のないことも重要
であるが、呼吸量の直接的測定等によると作業を中断せ
ざるを得ない等、このような点も特に考慮されていな
い。
問題点を解決するための手段 まず、センサとしては、少なくとも心拍数を検出する
心拍センサと、大気中の有害物質濃度を検出する有害物
質センサとを設ける。また、これらのセンサからの検出
信号は有線的又は無線的に結合させる接続端子を備えた
装置本体を設ける。さらに、この装置本体には、測定条
件を設定するキー入力手段と、表示手段とを設けるとと
もに、心拍センサにより検出された信号波形を心拍パル
スに変換する心拍パルス変換手段と、有害物質センサに
より検出された有害物質濃度の検出信号の振幅に対応し
たデジタル値に変換する濃度変換手段と、心拍数を呼吸
量に換算する換算値を格納したROMとを設け、かつ、心
拍パルス変換手段により得られる心拍パルスを計数して
心拍数を演算しROMから読出した換算値によりこの心拍
数を呼吸量に変換し前記濃度変換手段により得られた有
害物質濃度のデジタル値から単位時間当りの有害物質暴
露量を演算するマイクロプロセツサを設ける。
さらには、装置本体に着脱自在で測定結果を格納する
カード形の電子的記憶装置を設ける。
作用 有害物質の暴露量を測定するためには、大気中の有害
物質量とともに、呼吸量が判ればよい。しかるに、呼吸
量を直接的に測定するとなると、被検者となる作業者を
拘束することになる。この点、本出願人の実験結果によ
れば、心拍数と呼吸量との間には極めて密接な相関関係
があり、特に、屋外等の比較的強度な身体的負荷を伴う
作業環境板では、心拍数と呼吸量とに直接的な関係があ
ることが判明したものである。よつて、このような関係
に基づき心拍数から呼吸量に換算するための換算値を予
めROMに格納しておき、呼吸量測定の代替として、ま
ず、身体的拘束性の少ない心拍センサにより被検者の心
拍信号波形を測定し、これを心拍パルス変換手段により
心拍パルスに変換してマイクロプロセツサにより心拍数
を計数し、換算値を用いて演算することにより呼吸量に
換算する。一方、環境的な大気中の有害物質濃度は、通
常通り、有害物質センサにより検出し、濃度変換手段に
よりセンサ検出信号の振幅に対応してデジタル値化す
る。よつて、両方のデータを用いてマイクロプロセツサ
で演算処理することにより、単位時間当りの有害物質暴
露量が定性的かつ定量的に算出される。また、このよう
に算出された暴露量の結果は電子的記憶手段に記憶され
る。
実施例 本実施例の一実施例を図面に基づいて説明する。ま
ず、第2図は本実施例による測定装置の外観を示すもの
で、携帯的なサイズの装置本体1の表面には、電卓等と
同様に0〜9なるテンキー2や、A,B,C,D,*,#等で示
す数個のフアンクシヨンキー3が設けられている。これ
らのキー2,3がキー入力手段となる。即ち、これらのキ
ー2,3は、使用者が測定に際して被験者IDコード、日
付、時刻、各チヤンネルの測定間隔等の測定条件をプリ
セツト設定するために用いられる。この他、電源スイツ
チ4やマーキングスイツチ5、測定中断コントロールス
イツチ6も設けられている。これらのスイツチ5,6はオ
ン/オフ動作可能なものであり、各々大幅な体動等の瞬
間的アクシデントが発生した時、食事などにより測定を
中断する時などに際して被験者が操作するものである。
また、これらのキー2,3の上部には表示手段としてのL
CD(液晶デイスプレイ)7が設けられている。このLCD7
は例えば16文字×2行表示の文字型表示形態をとるもの
で、主として、使用者が測定条件を設定する場合又は測
定中の測定ミス或いは誤動作発生時のエラーメツセージ
等を表示するために用いられる。
さらに、装置本体1内には、第1図に示すように、マ
イクロプロセツサとしてのCPU8やRAM9、ROM10等が内蔵
されている。まず、CPU8は8ビツトマイクロプロセツサ
であり、ch1〜ch5の各チヤンネルから検出入力されるア
ナログ信号の計測制御及びデータ処理等をROM10に格納
されたプログラムに従い時間的にシーケンシヤルに実行
するものである。RAM9は測定条件等の測定制御に必要な
定数を一時的に記憶するために使用される。これらのRA
M9やROM10及び前記キー2,3、スイツチ5,6、前記LCD7を
駆動させるLCDドライバ11はCPU8に対しデータバス12に
より接続されている。この他、カレンダ13もデータバス
12に接続されている。このカレンダ13は通常のデジタル
型腕時計等に利用されているIC構成であつて、プリセツ
ト端子が付いたものが用いられ、測定中の測定間隔及び
測定時刻を参照するために使用される。また、サウンド
回路14も設けられている。サウンド回路14は制御信号に
従い通常の電子音を発生する回路構成のもので、誤動作
発生時、測定条件の各項目プリセツト完了時、電池起動
電力消耗時等に電子音を発し、使用者や被験者に知らせ
るものである。また、本装置は携帯的であつて、内蔵し
た電池15により動作可能に構成され、測定中の電池消耗
等はバツテリチエツカ回路16により常に検知される。
また、装置本体1の先端端面にはチヤンネルch1〜ch5
で示す測定対象センサ接続用の5個の接続端子17が設け
られている。これらの接続端子17につき、本実施例で
は、例えばチヤンネルch1には心拍センサの一例として
の心電センサ18、チヤンネルch2には有害物質センサ19
が接続される他、チヤンネルch3には体温センサ20、チ
ヤンネルch4には環境温度センサ21、チヤンネルch5には
環境湿度センサ22が必要に応じて接続されるようにチヤ
ンネル付けされている。ここで、心電センサ18は例えば
3極誘導型の電極を用いて被験者の身体の一部に直接粘
着テープ等により固定して心電波形を検出するものであ
るが、詳細は後述する。有害物質センサ19は大気中の粉
塵、有機溶剤等の有害物質の濃度を光学的方法又は蒸着
膜等の有機物質吸着量による抵抗変化を利用する方法等
により検出するものであり、その検知部分(センシング
部分)は装置本体1を装着する時にその近傍に設置され
るが、装置本体1の外縁部に一体的に設置してもよい。
体温センサ20はサーミスタ、IC温度センサ等の固体電子
材料で構成されたものであり、心電センサ18と同様に粘
着テープ等を用い被験者の腹部等に固定する。また、環
境温度センサ21は体温センサ20と同様の材料によるもの
が用いられるが、温度分解能は体温センサ20よりも粗く
設定される。また、環境湿度センサ22としてはセラミツ
クス等の水蒸気吸着特性による抵抗変化を利用して検出
する方式のものが用いられる。これらのセンサ21,22の
配線ないしは配設は、有害物質センサ19の場合と同様
に、装置本体1に一体的に組込んでもよいが、リード線
等を用いて近傍配置としてもよい。何れにしても、これ
らのセンサ・接続端子間の結合は、有線的な結合に限ら
ず、無線的な結合方式であつてもよい。
これらのセンサ18〜22による検出信号は、何れもアナ
ログ信号であり、その検出レベルが各々異なるため、各
々増幅器23〜27により基準レベル、例えばTTLレベルま
で増幅した後、データバス12側に取込まれるようにされ
ている。この際、チヤンネルch1なる接続端子17は心電
センサ18用として固定であり、この心電センサ18からの
検出信号は増幅器23により増幅された後、心拍パルス変
換手段としての心拍パルス変換回路28を介してデータバ
ス12によりCPU8に取込まれるように構成されている。一
方、残りのセンサ19〜22からの検出信号は各々の増幅器
24〜27により増幅された後、アナログマルチプレクサ29
及び濃度変換手段となるA/D変換器30を介してデータバ
ス12によりCPU8に取込まれるように構成されている。即
ち、有害物質センサ19については固定端子方式ではな
く、測定対象が変化しても対応可能な構成とされてお
り、測定条件設定時に、センサの構成条件を測定対象に
対応させて設定し、その構成条件を予めROM10に格納し
ておくだけで、外観上の構成変更を伴うことなく、仕様
変更できる。また、本実施例ではセンサとしては心電セ
ンサ18と有害物質センサ19とを必要不可欠のものとし、
センサ20,21,22類は作業環境と身体的負荷をより詳細に
知るための参照データを得るためのものであり、もし、
必要であれば、この他に血圧、運動量、筋電等の生体情
報用のセンサを付加し、それに当せてチヤンネル数を増
やすようにししてもよい。
さらに、装置本体1に対しては電子的記憶手段として
のRAMカード31が着脱自在とされており、装着された状
態ではRAMカードインターフエース32を介してCPU8側と
接続されるように構成されている。このRAMカード31は
チヤンネルch1〜ch5を通じて入力されるデータを継続的
に格納するための記憶媒体であり、内部にバツクアツプ
電池を内蔵し、長時間に渡つてデータの保存及び読出し
/書込みが可能とされている。この他、読出し/書込み
可能なE2ROMを用いれば、電池を内蔵させることなく、
半永久的に仕様可能ともなる。
このような構成において、心電センサ18を用いること
が本実施例の大きな特徴の1つであるが、被験者の心電
図パターンを認識すること自体が目的でなく、その心拍
数を計測することが目的である。これは、心拍数が呼吸
量と密接な関係があるからである。これらの点につい
て、詳細に説明する。
まず、第3図は心電図の一般的波形を示す図であり、
医療診察面では、連続的な心電波形を用いて心疾患等の
臨床的診断が行われる。これに対し、本実施例ではこの
ような心電波形のパターンに直接関係するものではない
が、心電波形に基づき心拍数を算出するために心電パタ
ーンの特にR波を取扱うことと、心拍数を高精度に検出
するために心電図と同一の心電センサ18を用いることか
ら、心電波形の性質を簡単に説明する。一般に、健常人
の心電波形では、第3図に示すように心臓の収縮に対応
した特徴的なパターンが表れ、臨床上、これらは各々P,
Q,R,S,T,U波と称される。ここに、心疾患等の異常があ
ると、これらのパターンが部分的に乱れるが、臨床上で
は、ミネソタコードと称される各病名に対応したカテゴ
リーに分類され、体系的にまとめられる。
そして、心拍数を測定する場合、単位時間当りの心拍
パルス数を測定すればよい。この測定には、一般には、
心電波形R波を利用するのが普通である。その理由は、
R波が極めて急峻な波形であり、その振幅レベルが大き
いため、検出が容易であり、極めて高精度に心拍パルス
に変換可能だからである。
ここに、具体的な負荷がある場合、その負荷が大きい
程、又は負荷の継続時間が長い程、心拍数は多くなる。
例えば、ある検体に対して作業前の心電図と軽い作業を
行つている最中の心電図とをとつた場合、各々第4図
(a)(b)に示すような特性が得られたものである。
この場合、心電波形のR波の間隔を心周期と定義し、前
者の心周期をTi、後者の心周期をTi′とすると、 Ti>Ti′ なる関係となり、身体的負荷が加わることにより、心拍
数が増加することが判る。
そして、健康増進分野でよく利用されるトレツドミル
を用いた時の、負荷時間に対する心拍数と呼吸量との関
係を、ある健常人を検体として測定したところ、第5図
に示すような特性が得られたものである。第6図はこの
結果に基づく、心拍数と呼吸量との直接的な関係を示す
ものである。第6図において、心拍数75は平常時(第4
図(a)相当)の心拍数を示し、Eが身体的負荷を伴う
作業の心拍数変動範囲を示す。これらの特性図によれ
ば、心拍数と呼吸量との間には極めてよい相関関係があ
り、特に範囲Eで代表されるように、屋外等での比較的
強度な身体的負荷を伴う作業環境では心拍数と呼吸量と
が直線的な関係にあることが判る。この結果、有害物質
暴露量を測定するために、一般に身体的拘束を伴う呼吸
量測定を直接的に行うことなく、この呼吸量の代替とし
て心拍数を経時的に検出して呼吸量に換算すればよいこ
とが理解される。そのため、本実施例ではその前段階と
して、身体的拘束を殆ど伴わない心電センサ18により心
電波形を検出し、その検出結果を心拍パルス変換回路28
により心拍パルスに変換し、一定時管内のこの心拍パル
スをCPU8にて計数することにより心拍数を算出するもの
である。このため、心拍パルス変換回路28は例えば演算
増幅器(OPアンプ)を用いた比較回路構成のものであ
り、例えば第7図(a)に示すように予め設定された閾
値レベルTHと心電センサ18から得られる心電波形とを比
較し、同図(b)に示すような心拍パルスをCPU8側に対
して出力するものである。
一方、有害物質センサ19に基づきチヤンネルch2に得
られるアナログ信号は、計測値に対応、即ち有害物質濃
度に対応してその振幅レベルが変化する性質を持つ信号
であるため、アナログマルチプレクサ29を介してA/D変
換器30によりA/D変換され、振幅対応のデジタル値とさ
れてからデータバス12を介してCPU8に取込まれる。他の
センサ20,21,22に基づきチヤンネルch3,ch4,ch5に得ら
れるアナログ信号も、各々計測値に対応してその振幅レ
ベルが変化する性質を持つ信号であるため、同様に、ア
ナログマルチプレクサ29を介してA/D変換器30によりA/D
変換され、振幅対応のデジタル値とされてからデータバ
ス12を介してCPU8に取込まれる。アナログマルチプレク
サ29はCPU8からの制御信号により、チヤンネルch2〜ch5
中の1つのみを選択して取込むための切換え機能を持つ
ものである。
このような構成において、本実施例の有害物質暴露量
の算出方法を説明する。まず、t:測定時間〔分〕、e
(t):心拍数〔beats/分〕、b(t):呼吸量〔/
分〕とすると、呼吸量b(t)は第6図により心拍数e
(t)の関係となるので、 b(t)=F{e(t)} ……………(1) として表される。
一方、p(t)を大気中の有害物質量〔μg/〕とす
ると、単位時間当りの吸気に含まれる有害物質量m
(t)〔μg/分〕は、 m(t)=p(t)・b(t) =p(t)・F{e(t)}……………(2) となる。
よつて、(2)式より、単位時間内の吸気中に含まれ
る有害物質量、即ち、被検者の呼吸器系に取込まれる単
位時間当りの有害物質暴露量m(t)は、被検者の心拍
数e(t)と、大気中の有害物質量p(t)とを測定す
ればよいことが判る。
また、時刻t1からt2までの間、作業を行つた場合の総
合暴露量Mは、(2)式より、 となる。実際には、サンプリング計測であるため、時刻
t1からt2までの間のサンプリング回数をnとすると、
(3)式は次のようになる。
但し、piはサンプリングi回目の大気中有害物質量、
eiはサンプリングi回目の心拍数である。
ここに、(1)式の関係、即ち、心拍数を呼吸量に換
算する換算値は、予めROM10内に格納されており、CPU8
はこの換算値をROM10から読出し、心電センサ18、心拍
パルス変換回路28を経て得られる心拍数を呼吸量に換算
し、有害物質センサ19側から得られる有害物質量のデジ
タル値とともに、前述した(2)式又は(4)式に示し
た演算処理を行うことにより、単位時間当りの有害物質
暴露量又は作業時間内の総合暴露量を算出する。
なお、(2)式や(4)式に示した測定間隔を可変的
なものとし、予めプリセツト可能な測定間隔で連続的に
心電波形と有害物質濃度とを測定するようにしてもよ
い。例えば、有害物質濃度が有機溶剤のように急激に変
化するものの場合には、(2)式や(4)式に示した測
定間隔を短く設定すればよい。
また、前述した(1)式中のb(t)は被検者の吸気
量であるが、吸気中の有害物質濃度を計測することによ
り、体内に蓄積される有害物質量を決定することが可能
であり、予めこれらの関係を検定し、その換算を行うよ
うにすれば、体内蓄積有害物質量を決定することが可能
であり、取込み量だけでなく、有害物質蓄積量の測定も
可能である。
そして、上記のように測定されたリアルタイムでの単
位時間内の有害物質暴露量又は作業時間内の総合暴露量
は、本実施例では、その計測日時、環境温度とともにRA
Mカード31にその結果が記録される。このようなRAMカー
ド31方式によれば、被検者個々のデータ管理が可能かつ
容易であり、これらの個々のRAMカードに基づき市販の
マイクロコンピュータ等の解析装置を用いる事により、
統計的に有害物質の作業環境基準を決定することが可能
となる。もつとも、RAMカード31には有害物質濃度p
(t)と心拍数e(t)とのデータのみを書込み、
(2)式や(4)式による暴露量算出の演算は上記のマ
イコン等の解析装置で行わせることも可能である。
なお、本実施例では、心拍センサとして心電センサ18
を用いた例で説明したが、要は、心周期を検出し得るセ
ンサであればよく、この他、例えば心音、脈拍等を検出
するセンサであつてもよい。
このように本実施例の測定装置によれば、非常に小型
のものであり、特に、第1図に示した主要部品をカスタ
ムIC化構成すれば、最近の電卓並みの小さなものとな
り、携帯性の高いものとなる。従つて、身体的負荷を伴
う作業環境下において、屋内・屋外を問わず、かつ、作
業者に対する拘束性が少なく作業内容を中断・変更する
ことなく、時々刻々と変化する身体的負荷及び有害物質
濃度に対応した暴露量の測定を継続的かつ定量的に測定
することができ、作業環境改善の一助となし得る。
また、本実施例方式の計測装置は、健康科学分野にお
ける生体情報計測モニター、特に日常健康管理における
小型・無拘束の健康度指標計測モニター等としても応用
できる。
発明の効果 本発明は、上述したように心拍数と呼吸量との深い相
関関係に着目し、心拍信号波形を変換した心拍パルスに
基づく心拍数から呼吸量を換算し、有害物質センサによ
り測定された有害物質濃度データとから有害物質暴露量
を算出すればよいので、センサとしては有害物質センサ
の他に、測定に際して拘束性の少ない心拍センサを設け
ればよく、よつて、身体的労働を伴う環境下で作業者に
対する拘束性が極めて少なく作業の中断・変更等を伴う
ことなく継続的かつ定量的に暴露量をリアルタイムで計
測することができ、電子的記憶手段をも設ければ計測結
果の記録も可能で、統計的な解析等に供し、有害物質の
作業環境基準決定の一助に供することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示し、第1図はブロツク図、
第2図(a)は装置本体の平面図、第2図(b)はその
正面図、第2図(c)はその側面図、第3図は一般的な
心電波形図、第4図は作業前・中の心電波形の変化を示
す波形図、第5図は時間−呼吸量、心拍数特性図、第6
図は心拍数−呼吸量特性図、第7図は心電波形図であ
る。 1……装置本体、2,3……キー入力手段、7……表示手
段、8……マイクロプロセツサ、10……ROM、17……接
続端子、18……心拍センサ、19……有害物質センサ、28
……心拍パルス変換手段、30……濃度変換手段、31……
電子的記憶手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 27/12 A61B 5/02 C (72)発明者 富田 豊 神奈川県横浜市港北区日吉3―14―1 慶応義塾大学理工学部内 (72)発明者 砂金 光記 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】心拍数を検出する心拍センサと、大気中の
    有害物質濃度を検出する有害物質センサと、これらのセ
    ンサからの検出信号を有線的又は無線的に結合させる接
    続端子を備えた装置本体と、測定条件を設定するキー入
    力手段と、表示手段と、前記心拍センサにより検出され
    た信号波形を心拍パルスに変換する心拍パルス変換手段
    と、前記有害物質センサにより検出された有害物質濃度
    の検出信号の振幅に対応したデジタル値に変換する濃度
    変換手段と、心拍数を呼吸量に換算する換算値を格納し
    たROMと、心拍パルス変換手段により得られる心拍パル
    スを計数して心拍数を演算し前記ROMから読出した換算
    値によりこの心拍数を呼吸量に変換し前記濃度変換手段
    により得られた有害物質濃度のデジタル値から単位時間
    当りの有害物質暴露量を演算するマイクロプロセツサと
    からなることを特徴とする有害物質暴露量の計測装置。
  2. 【請求項2】装置本体に着脱自在で測定結果を格納する
    カード形の電子的記憶手段を設けたことを特徴とする請
    求項1記載の有害物質暴露量の計測装置。
JP14308788A 1988-06-10 1988-06-10 有害物質暴露量の計測装置 Expired - Lifetime JP2654489B2 (ja)

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JP14308788A JP2654489B2 (ja) 1988-06-10 1988-06-10 有害物質暴露量の計測装置
US07/835,036 US5164898A (en) 1988-06-10 1992-02-10 System for determining hazardous substance exposure rate from concentration measurement and heart rate data

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14308788A JP2654489B2 (ja) 1988-06-10 1988-06-10 有害物質暴露量の計測装置

Publications (2)

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JPH021517A JPH021517A (ja) 1990-01-05
JP2654489B2 true JP2654489B2 (ja) 1997-09-17

Family

ID=15330609

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