JP2653855B2 - 音響式流体温度測定方法 - Google Patents

音響式流体温度測定方法

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JP2653855B2 JP26543088A JP26543088A JP2653855B2 JP 2653855 B2 JP2653855 B2 JP 2653855B2 JP 26543088 A JP26543088 A JP 26543088A JP 26543088 A JP26543088 A JP 26543088A JP 2653855 B2 JP2653855 B2 JP 2653855B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、流体温度の測定を目的とした音響式流体温
度測定方法に係り、特にボイラなどの内部の高温の流体
を測定するのに外周壁に取付ける送受信器用導波管によ
り生じる測定誤差をなくした音響式流体温度測定方法に
関する。
〔従来の技術〕
高温の流体温度を測定する装置の1つの音波を用いた
ものがある。この装置をボイラ内部の温度計測に適用し
た例を第8図に示す。第8図において、音波は送信器18
から送信され、ボイラ火炉内のガスなどの流体中を伝わ
って受信器19で検出される。そして、コントローラ演算
器9により送信から受信までの伝播時間t(s)が算出
される。ここで、伝播時間tと温度T(k)には次の関
係がある。
γ:ガス性状で決まる定数 L:受信器と受信器間の距離(m) この関係式を用いて、伝播時間から高温流体の平均温
度が算出できる。
以上のような音波を用いた高温流体の温度計測装置の
従来構造を第9図に示す。この図は、火炉の外周壁とな
る炉壁1ののぞき窓2に取付ける構造になっている。こ
こで、90゜曲がりを持つ導波管3を炉壁1とセンサボッ
クス4の間に取付け、音波送信器18、受信器19を熱から
守るためにセンサボックス4内を冷却することで、セン
サボックス4は炉内の高温流体(約1500℃)の輻射熱か
ら守られ、70℃程度に保たれる。
しかしながら、上記従来技術による温度の算出におい
て、送信から受信までの音波の伝播時間には、音波が炉
内の流体中だけでなく導波管3中を伝わる時間も含んで
おり、算出される温度には前記導波管3中を伝わる時間
が誤差として含まれることになる。すなわち、検出され
る送信から受信までの伝播時間t′は、次式のようにな
っている。
t′=t+t1+t2 (2) ここで、tは炉内の流体中を伝わる音波の伝播時間で
あり、t1は送信器側の導波管中を伝わる音波の伝播時間
であり、t2は受信器側の導波管中を伝わる音波の伝播時
間である。
また、炉内の温度測定を行う場合、センサボックス4
内を冷却されているため、音波は流体の温度より低い温
度の導波管内の気体中を伝わることになる。例えば炉幅
10m、炉内温度1500℃で、第9図に示す音波センサを用
いて伝播時間を測定すると13.67msであった。このまま
温度を算出すると1305℃となり、かなり低温側へずれた
値となる。
このような課題を解決するためには、測定時に導波管
中を伝わる音波の伝播時間がわかればよい。導波管の長
さがわかっていれば、導波管内の温度を知ることで導波
管中を伝わる音波の伝播時間が算出できる。けれども、
炉壁側約500℃、センサボックス内約70℃と導波管内外
での温度勾配が急なため、熱電対等で導波管内の平均温
度を測定するのは困難である。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記した課題を解決し、誤差のない
温度測定が可能な音響式流体温度測定方法を提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記従来技術の課題は、流体流路を囲む流路壁の相対
抗する位置にそれぞれ開口部を設け、各開口部には導波
管を介して送信器と受信器を備えたセンサボックスを連
通させ、一方の開口部に連通する送信器から発信した音
波を他方の開口部に連通する受信器で受信して受信から
受信までの時間を計測することにより流体の温度を測定
する音響式流体温度測定方法において、被測定流体とセ
ンサボックスをつなぐ導波管の流体側出口を反射板で開
閉し、同一センサボックス内にて送信器からの信号を受
信器で受信し、反射板の開閉時におけるそれぞれの受信
信号の差から導波管内の音波伝播時間を求め、この値を
流体温度の補正値として使用するとを特徴とする音響式
流体温度測定方法に関する。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。
第1図は、本発明の一実施例による音波送受信器の断
面図である。この装置は、ボイラ内部の温度を測定する
ために炉壁1ののぞき窓2に取付けるように設計されて
いる。のぞき窓2に導波管3がつけられ、その後ろにセ
ンサボックス4がつけられている。センサボックス4の
中には音波送信器18、音波受信器19がある。導波管3の
のぞき窓2側の開端である炉壁側には可動式反射板5が
つけられている。この可動式反射板5は、モータ8によ
り開閉の動作を行うことができるようになっている。
本発明になる炉内の音波の伝播時間の測定方法を第2
図の系統図により説明する。
まず、導波管3内の伝播時間の測定を行う。反射板閉
の状態で、コントローラ演算器9より音波発信用パルス
がパルス発生器10に送られ、パルス発生器10より音波信
号が送信され、送信用アンプ11で増幅されてリレーボッ
クス12を経てセンサボックス4内の送信器18で音波に変
換される。パルス発生器10より音波信号が送信されると
同時にトリガ信号がA/D変換器15に送られ、A/D変換器が
データの取込みを開始する。音波送信器18から送信され
た音波は導波管3中へ反射板5で反射して同一ボックス
内の受信器19で受信され、受信信号となる。受信信号は
受信用リレーボックス13を経て受信用アンプ14で増幅さ
れ、A/D変換器15でデータとして取込まれる。このデー
タはコントローラ演算器9に波形データHcとして蓄えら
れる。このときの波形の様子を第3図に示す。
次に、反射板を開にして上記と同様の操作が行われ、
受信信号が波形データHoとして演算器9に蓄えられる。
このときの波形の様子を第4図に示す。
第3図および第4図において、時間0((イ)で示す
部分)は、送信器18から音波を送信したときの時刻であ
り、この時刻はパルス発生器10からトリガ信号を出すこ
とで知ることができる。(ロ)で示す部分は、第1図の
センサボックス4内にある送信器18から受信器まで19ま
で最短距離(例えば音波経路A)で伝わった音波の到達
時刻である。第4図中にCで示す波形は、第1図中の例
えばBなどで示す経路をとった反射板や導波管3内での
反響による波形であり、反射板5が導波管3の先端にな
い場合の受信信号による波形である。
次に、第3図中のC+Dで示す波形は、導波管3の先
端に反射板5を置いた場合の受信信号による波形であ
り、5からの反射波Dが第4図のCの波形と重なってい
る。よって、第3図の波形から第4図の波形を差し引い
たものは第5図に示すように、反射板5からの反射板D
のみの波形を示す。
演算器9では次の計算が行われる。
Hh=Hc−Ho (3) 計算結果Hhの波形を第置5図に示す。この処理データ
から導波管内を伝わる反射波の伝播時間t1を検出する。
(イ)と(ハ)の間の時間t1は導波管3内を音波が往復
する時間となる。
上記一連の操作はコントローラ演算器9内のコンピュ
ータでプログム化されており、所要時間は10秒程度であ
る。以上の操作を、対をなす他方の音波センサに対して
も行い、他方の導波管内を伝わる反射板の伝播時間t2
検出する。
次に、対をなす一方の音波センサの送信器から音波を
送信し、他方の音波センサの受信器でその音波を受信す
ることでその間の伝播時間t′を検出する。そして、炉
内を伝わる伝播時間tの算出は次の式で行う。
t=t′−〔(t1/2)+(t2/2)〕 (4) 伝播時間tから炉内の温度が算出できる。
第6図は、本発明の他の実施例を示す音波送受信器の
断面図であり、導波管3を炉内に挿入できるようにした
例である。炉壁1は水冷構造となっているため、炉壁か
ら炉内約1mまでは温度の急勾配があり、必要な測定温度
はそれより炉内側である。第6図の装置により導波管を
1mほど炉内に挿入することで、必要な温度のみ測定でき
るようになり、さらに精度が向上する。ただし、炉内の
熱から導波管を守るため導波管を二重構造にしてその中
に水を流して冷却する必要がある。
第7図は、本発明のさらに他の実施例を示す導波管の
火炉側正面図、第7A図は第7図のA−A線矢視断面図で
あり、反射板が導波管をすべて覆わない構造になってい
る。このような構造にすることで反射波検出の精度を落
ちるが、コンパクトな構造にすることができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、導波管中を伝わる音波の伝播時間の
測定が正確にできるので、温度測定の精度が向上する効
果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例図、第2図は、本発明の実施
例系統図、第3図は、反射板閉時の受信波形図、第4図
は、反射板開時の受信波形図、第5図は、第3図と第4
図の受信信号の差によって得た処理波形図、第6図は、
本発明の他の実施例図、第7図は、本発明のさらに他の
実施例を示す導波管の火炉側正面図、第7A図は、第7図
のA−A線矢視断面図、第8図、第9図は、従来技術の
説明図である。 〔符号の説明〕 1……炉壁、2……のぞき窓、3……導波管、4……セ
ンサボックス、5……可動式反射板、6……歯車、7…
…歯車、8……モータ、9……コントローラ演算器、10
……パルス発生器、11……送信用アンプ、12……送信器
用リレー、13……受信器用リレー、14……受信用アン
プ、15……A/D変換器、16、17……リレー制御信号、18
……送信器、19……受信器。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体流路を囲む流路壁の相対抗する位置に
    それぞれ開口部を設け、各開口部には導波管を介して送
    信器と受信器を備えたセンサボックスを連通させ、一方
    の開口部に連通する送信器から発信した音波を他方の開
    口部に連通する受信器で受信して受信から受信までの時
    間を計測することにより流体の温度を測定する音響式流
    体温度測定方法において、被測定流体とセンサボックス
    をつなぐ導波管の流体側出口を反射板で開閉し、同一セ
    ンサボックス内にて送信器からの信号を受信器で受信
    し、反射板の開閉時におけるそれぞれの受信信号の差か
    ら導波管内の音波伝播時間を求め、この値を流体温度の
    補正値として使用するとを特徴とする音響式流体温度測
    定方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の反射板が可動式反射板であ
    ることを特徴とする音響式流体温度測定方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102818652A (zh) * 2012-08-15 2012-12-12 华北电力大学 一种基于声学测温的铝包内铝水温度在线监测系统及方法
CN102818654A (zh) * 2012-08-15 2012-12-12 华北电力大学 一种基于声学技术的铝电解槽连续测温装置及方法

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