JP2648163B2 - エッチング用剤 - Google Patents
エッチング用剤Info
- Publication number
- JP2648163B2 JP2648163B2 JP63058083A JP5808388A JP2648163B2 JP 2648163 B2 JP2648163 B2 JP 2648163B2 JP 63058083 A JP63058083 A JP 63058083A JP 5808388 A JP5808388 A JP 5808388A JP 2648163 B2 JP2648163 B2 JP 2648163B2
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- JP
- Japan
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- edta
- etching
- tooth
- dentin
- etching agent
- Prior art date
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明はムシ歯治療を目的とした処置をするときに
行なわれる歯牙の表面処理、或いは、ムシ歯その他の理
由で欠損を生じた歯牙の修復に際し行なわれる歯牙の表
面処理に適した前処理剤組成物を提供するにある。従っ
て、歯科医療分野で利用される。
行なわれる歯牙の表面処理、或いは、ムシ歯その他の理
由で欠損を生じた歯牙の修復に際し行なわれる歯牙の表
面処理に適した前処理剤組成物を提供するにある。従っ
て、歯科医療分野で利用される。
（従来の技術） 潤滑状態にある口腔内で、欠損を生じた歯牙を修復す
るとき、歯牙と材料とを接着性組成物により、接着し
て、より強固にくっつけるため、被着面を前処理するこ
とが行なわれている。この前処理によって、歯牙表面に
微細な凹凸構造をつくり、接着面積を拡げるとともに、
機械的な嵌合や投錨効果を求めることができる。
るとき、歯牙と材料とを接着性組成物により、接着し
て、より強固にくっつけるため、被着面を前処理するこ
とが行なわれている。この前処理によって、歯牙表面に
微細な凹凸構造をつくり、接着面積を拡げるとともに、
機械的な嵌合や投錨効果を求めることができる。
ここにおいて採られている前処理方法に、酸エッチン
グ法がある。使用されるものとして、リン酸、塩酸など
の無機酸、ギ酸、クエン酸などの有機酸があげられる。
これらはいづれも歯牙面の脱灰に関与すると考えられて
いる。脱灰能、接着性向上においてリン酸が最も優れて
おり、多用されている。しかしながら、リン酸を代表と
する酸エッチング法は、エナメル質に対する接着強度に
は著しく関与したが象牙質への接着については効果乏し
く、未だ探索の段階である。
グ法がある。使用されるものとして、リン酸、塩酸など
の無機酸、ギ酸、クエン酸などの有機酸があげられる。
これらはいづれも歯牙面の脱灰に関与すると考えられて
いる。脱灰能、接着性向上においてリン酸が最も優れて
おり、多用されている。しかしながら、リン酸を代表と
する酸エッチング法は、エナメル質に対する接着強度に
は著しく関与したが象牙質への接着については効果乏し
く、未だ探索の段階である。
（発明が解決しようとする問題点） 接着という手段で歯牙を修復するとき或いはムシ歯の
進行を予防するときエナメル質であると象牙質であると
を問わず接着強度を高めるためにエッチングと称する前
処理を施すが、エナメル質部分でのエッチングに用いら
れるエッチング剤を象牙質にそのまま適用することは象
牙質が有機物に富んだ層であることと、該層は歯髄に近
いため、それへの影響が憂慮されていることなどからみ
て、種々の問題を引き起こす。
進行を予防するときエナメル質であると象牙質であると
を問わず接着強度を高めるためにエッチングと称する前
処理を施すが、エナメル質部分でのエッチングに用いら
れるエッチング剤を象牙質にそのまま適用することは象
牙質が有機物に富んだ層であることと、該層は歯髄に近
いため、それへの影響が憂慮されていることなどからみ
て、種々の問題を引き起こす。
しかし、象牙質への接着を強固にするためにはスメア
層の除去を行なうことが必要であると考えられており、
既に象牙質用の前処理剤が市販されている。それら市販
品はクエン酸を主成分とするもの、エチレンジアミン四
酢酸（EDTA）を主成分とするものなどである。しかし、
クエン酸はエナメル質の前処理に使用されるリン酸に次
ぐ強いエッチング剤であるので歯髄への作用が憂慮され
るところである。
層の除去を行なうことが必要であると考えられており、
既に象牙質用の前処理剤が市販されている。それら市販
品はクエン酸を主成分とするもの、エチレンジアミン四
酢酸（EDTA）を主成分とするものなどである。しかし、
クエン酸はエナメル質の前処理に使用されるリン酸に次
ぐ強いエッチング剤であるので歯髄への作用が憂慮され
るところである。
歯髄に対し安全でしかもスメア層の除去に効果がある
とされているEDTAを主成分とする前処理剤は多少効果の
点において弱いとされている。
とされているEDTAを主成分とする前処理剤は多少効果の
点において弱いとされている。
本発明者らは特開昭61−183203においてEDTAまたはそ
のアルカリ金属塩とEDTA金属錯塩とを組み合わせること
によって象牙質の好適なエッチング剤としての使用が可
能となることを見出したが、更にこの系の発展を考え短
時間にしかも好ましい作用機能を保持しつつ弱点とされ
ている点の改善に成功した。加えて、単に象牙質のみな
らずエナメル質のエッチング剤としても、多用されてい
るエッチング剤と同等の効果を発揮することが判った。
のアルカリ金属塩とEDTA金属錯塩とを組み合わせること
によって象牙質の好適なエッチング剤としての使用が可
能となることを見出したが、更にこの系の発展を考え短
時間にしかも好ましい作用機能を保持しつつ弱点とされ
ている点の改善に成功した。加えて、単に象牙質のみな
らずエナメル質のエッチング剤としても、多用されてい
るエッチング剤と同等の効果を発揮することが判った。
（問題点を解決するための手段） 本発明によって提供される歯牙象牙質のエッチング剤
はEDTAアミン塩とEDTA金属錯体アミン塩とを成分とする
ものである。
はEDTAアミン塩とEDTA金属錯体アミン塩とを成分とする
ものである。
ここにおいてEDTAアミン塩とはEDTAアンモニウム塩、
EDTAトリエチルアミン塩、EDTAトリエタノールアミン塩
などを指称し、EDTA金属錯体アミン塩とは上記EDTAアミ
ン塩の金属（例えば、鉄、コバルト、マンガン、カルシ
ウム、銅など）錯体を指称する。
EDTAトリエチルアミン塩、EDTAトリエタノールアミン塩
などを指称し、EDTA金属錯体アミン塩とは上記EDTAアミ
ン塩の金属（例えば、鉄、コバルト、マンガン、カルシ
ウム、銅など）錯体を指称する。
これらは通常水溶液として用いる。濃度は特に限定さ
れる訳ではないが0.1〜1.0モル濃度で良い。
れる訳ではないが0.1〜1.0モル濃度で良い。
（発明の効果） 本発明によって提供される組成物は、ほぼ中性であ
り、これを象牙質のエッチング剤に使用すると非常に短
時間に、しかも、10％クエン酸−３％塩化第二鉄（10−
3:現在象牙質のエッチング剤として使用されている。）
にてエッチングしたときに得られる接着強度と同等の結
果がえられるうえに、（10−３）では憂慮される歯髄へ
の影響を心配しなくてもよく、更に（10−３）やリン酸
に比較して脱灰量が少なく歯牙へ与える損傷を減らせる
ことも従来技術に較べ本発明の利点といえる。本発明に
よって提供される組成物は、エナメル質のエッチング剤
として使用しても治療上十分な接着強度が得られる。
り、これを象牙質のエッチング剤に使用すると非常に短
時間に、しかも、10％クエン酸−３％塩化第二鉄（10−
3:現在象牙質のエッチング剤として使用されている。）
にてエッチングしたときに得られる接着強度と同等の結
果がえられるうえに、（10−３）では憂慮される歯髄へ
の影響を心配しなくてもよく、更に（10−３）やリン酸
に比較して脱灰量が少なく歯牙へ与える損傷を減らせる
ことも従来技術に較べ本発明の利点といえる。本発明に
よって提供される組成物は、エナメル質のエッチング剤
として使用しても治療上十分な接着強度が得られる。
以下本発明を具体的に説明するために実施例を記述す
る。
る。
実施例１ 0.5M EDTAアンモニウム塩と0.5M EDTA鉄アンモニウ
ム塩とを3:2の比で混合し均一な溶液を得た（pH7.4）。
得られた溶液40μｌで、エメリペーパー＃600で研削し
た牛歯の象牙質面を10秒間、30秒間エッチング処理した
のち、蒸溜水でよく洗浄し、気銃で表面に付着した水分
を除去し、被着面とした。添加モノマーとして４−META
を２％含むメチルメタクリレートにTBBを添加し、筆積
法にてポリメチルメタクリレート粉末とともに被着面に
とり、直系5.00mmのアクリル棒を被着面に垂直に立て、
30分間性静置し37℃の水中に１日浸漬したのち接着強度
を測定した。
ム塩とを3:2の比で混合し均一な溶液を得た（pH7.4）。
得られた溶液40μｌで、エメリペーパー＃600で研削し
た牛歯の象牙質面を10秒間、30秒間エッチング処理した
のち、蒸溜水でよく洗浄し、気銃で表面に付着した水分
を除去し、被着面とした。添加モノマーとして４−META
を２％含むメチルメタクリレートにTBBを添加し、筆積
法にてポリメチルメタクリレート粉末とともに被着面に
とり、直系5.00mmのアクリル棒を被着面に垂直に立て、
30分間性静置し37℃の水中に１日浸漬したのち接着強度
を測定した。
エッチング 脱灰量 接着強度 （sec） （μg/cm2） （MPa） 10 8.9±1.3 13.5±1.5 30 11.1±1.8 14.6±2.1 実施例２ 実施例１で用いたと同じエッチング液を同量使った牛
歯エナメル質を同様にエッチング処理したほかは実施例
１と同じにして接着強度を測定した。
歯エナメル質を同様にエッチング処理したほかは実施例
１と同じにして接着強度を測定した。
エッチング 脱灰量 接着強度 （sec） （μg/cm2） （MPa） 10 8.2±1.7 10.9±0.4 30 13.4±1.5 9.9±1.6 実施例３ EDTA銅アンモニウムを使用した外は実施例２と同じに
して接着強度を測定した。
して接着強度を測定した。
エッチング 脱灰量 接着強度 （sec） （μg/cm2） （MPa） 10 1.0±0.2 9.8±2.3 30 1.6±0.4 10.9±0.8 実施例４ EDTAコバルトアンモニウムを使用した外は実施例２と
同じにして接着強度を測定した。
同じにして接着強度を測定した。
エッチング 脱灰量 接着強度 （sec） （μg/cm2） （MPa） 10 4.7±0.4 9.6±2.1 30 5.5±0.4 12.7±2.9
Claims (1)
- 【請求項１】エチレンジアミン四酢酸アミン塩とエチレ
ンジアミン四酢酸金属錯体アミン塩とを成分としている
歯牙エッチング用剤
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63058083A JP2648163B2 (ja) | 1988-03-10 | 1988-03-10 | エッチング用剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63058083A JP2648163B2 (ja) | 1988-03-10 | 1988-03-10 | エッチング用剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01230509A JPH01230509A (ja) | 1989-09-14 |
| JP2648163B2 true JP2648163B2 (ja) | 1997-08-27 |
Family
ID=13074027
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63058083A Expired - Lifetime JP2648163B2 (ja) | 1988-03-10 | 1988-03-10 | エッチング用剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2648163B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2009131250A1 (ja) | 2008-04-25 | 2009-10-29 | サンメディカル株式会社 | 易除去性歯科用硬化性組成物 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5080940B2 (ja) * | 2007-11-06 | 2012-11-21 | 日本歯科薬品株式会社 | 歯科用歯面処理剤 |
-
1988
- 1988-03-10 JP JP63058083A patent/JP2648163B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2009131250A1 (ja) | 2008-04-25 | 2009-10-29 | サンメディカル株式会社 | 易除去性歯科用硬化性組成物 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01230509A (ja) | 1989-09-14 |
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