JP2647792B2 - 無線式・排掃不要のハイブリッド現像 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】〔発明の背景〕本発明は概略的には静電潜
像を可視化させることに関するものである。これをより
詳細にいえば、本発明は非相互作用性(noninteractive)
の、すなわち排掃不要(scavengeless)の現像システムに
関するものである。

【０００２】本発明は、静電写真の技術またはプリント
の技術において用いることができる。従来の静電写真の
技術の実施における一般的な手順は、第１に感光体を一
様に荷電することによって静電表面上に静電潜像を形成
させることである。該感光体は電荷保持表面からなるも
のである。該電荷は、原稿画像に対応して励起する放射
のパターンに従って選択的に消散される。電荷の選択的
な消散により、放射で露光されない領域に対応するイメ
ージ表面上に、潜在の電荷パターンが残留することにな
る。

【０００３】この電荷のパターンは、トナーによって現
像することにより可視的なものにされる。該トナーは一
般的にはカラーパウダーであり、静電的な引き付けによ
って電荷のパターンに付着される。

【０００４】これに次いで、現像されたパターンはイメ
ージ化表面に対して定着されるか、または、適当な融着
技術によって定着される通常の用紙のような受容基体に
対して転写される。

【０００５】本発明は、ハイライトカラーのプリント操
作システムにおいて用いるのに特に好適なものである。
ガンドラッチ（Gundlach）の名義で発行された米国特許
第４，０７８，９２９号明細書において説明されている
ものはその一つの形式のものであり、ハイライトカラー
のイメージ化について３レベルのイメージ化をするもの
である。ガンドラッチに対する特許で教示されているこ
とは、単一パスのハイライトカラーのイメージ化を達成
させる手段として、３レベルの静電写真技術を用いるこ
とである。その中で開示されているように、電荷のパタ
ーンは第１のカラーおよび第２のカラーのトナー粒子を
もって現像される。ある一つのカラーのトナー粒子は正
に帯電され、また、別のカラーのトナー粒子は負に帯電
される。ある一つの実施例においてはトナー粒子は現像
剤によって供給されるが、これを構成するものは、摩擦
電気的にみて相対的に正のキャリアビーズ（carrier be
ads ）と相対的に負のキャリアビーズとの混合したもの
である。該キャリアビーズはそれぞれに相対的に負のト
ナー粒子および相対的に正のトナー粒子を支持してい
る。このような現像剤は、一般的には、電荷のパターン
を支持するイメージ化表面を介して縦続化させることに
より、当該電荷のパターンに対して供給される。別の実
施例においては、トナー粒子は、一対の磁気ブラシによ
って電荷のパターンに与えられる。一つのカラーおよび
一つの電荷のトナーがそれぞれのブラシによって供給さ
れる。更に別の実施例においては、現像システムは背景
電圧を回すようにバイアスされている。このようなバイ
アス操作の結果として、改善された鮮明度のカラーを有
する現像イメージが得られる。

【０００６】ハイライトカラーの静電写真技術において
は、ガンドラッチによって教示されているように、電荷
保持表面または感光体上の静電写真的なコントラスト
は、従来の静電写真技術の場合におけるように、２通り
ではなく３通りに分割されている。ここでの感光体は典
型的には９００ｖに帯電されている。それはイメージ状
に露光されており、帯電されたイメージ領域（これは帯
電領域の現像剤、即ちＣＡＤによって後続して現像され
る）に対応する一つのイメージが完全な感光体の電位
（Ｖ_cad またはＶ_ddp ）にあるようにされる。別のイメ
ージはその残余の電位に対して感光体を放電するように
される。ここでの残余の電位、即ちＶ_dad またはＶ
_c （典型的には１００ｖ）は放電領域現像剤（ＤＡＤ）
によって後続して現像される放電領域のイメージに対応
し、また、その背景領域は露光されて感光体の電位がＶ
_cad 電位およびＶ_ddp 電位の中間点（典型的には５００
ｖ）まで減少するようにされており、これはＶ_white ま
たはＶ_w として参照される。ＣＡＤ現像剤は典型的には
Ｖ_white よりもＶ_cad の近傍に約１００ｖバイアスされ
ており（約６００ｖ）、また、ＤＡＤ現像剤システムは
Ｖ_white よりもＶ_dad の近傍に約１００ｖバイアスされ
ている（約４００ｖ）。

【０００７】３レベルのハイライトカラーの静電写真技
術のようなプリント操作システムのコンセプトについて
の成長性で必要とされるものは、先に階調操作されたイ
メージの排掃またはそれとの相互作用がなされない現像
剤システムである。磁気ブラシによる現像剤およびジャ
ンプ式の単一構成部による現像剤のような商用の現像剤
システムはイメージ受容体との相互作用をすることか
ら、先に階調操作されたイメージは後続の現像剤によっ
て排掃される。相互作用を最小にする現像用材料および
処理条件を最適にするためには細心の注意が必要とされ
る。この商用の現像剤システムはイメージ保持部材との
相互作用が著しいことから、排掃不要の即ち非相互作用
的な現像剤システムが必要とされる。

【０００８】この技術分野で知られていることは、先行
の問題を排除するために、第２のハウジングにおける磁
気ブラシの磁気的な特性を変更することである。例え
ば、マツモトらに対して許可された米国特許第４，３０
８，８２１号明細書には次の事項が開示されている。即
ち、第２の現像処理の間に第１に現像されたイメージの
擾乱や破壊が生じないような２カラーイメージを現像す
るための、２個の磁気ブラシを用いてなる静電写真的な
現像方法および装置が開示されている。これは次のよう
な理由によるものである。即ち、第２の磁気ブラシは、
第１の磁気ブラシよりも軽く静電潜像の保持部材の表面
に接触しており、また、第１の磁気スリーブにおける磁
束密度よりも小さく、内部に配置された磁石をもって第
２の非磁気スリーブにおける磁束密度をセットすること
により、または、第２の非磁気スリーブと静電潜像の保
持部材の表面との間の距離を調節することにより、該第
２の磁気ブラシのトナーかき落し力が第１の磁気ブラシ
のそれに比べて小さくされている、という理由によるも
のである。更に、異なる電荷量のトナーを採用すること
によって高品質の２カラーイメージが得られる。

【０００９】米国特許第３，４５７，９００号明細書に
開示されていることは、ブラシと静電潜像の保持表面に
よって形成されている空洞部に対して、それが放電され
るよりも速く現像剤を供給するために単一の磁気ブラシ
を用いることであり、このようにすることで、イメージ
の階調操作をする上で効果的な現像剤のロールバックの
生成がなされる。ブラシの給送部位に強い磁石を配置
し、また、ブラシの放電部位に弱い磁石を配置すること
により、該磁気ブラシはその放電よりも迅速に給送する
ように適合されている。

【００１０】米国特許第３，９００，００１号明細書に
開示されているものは、通常の静電写真的なイメージに
関連して用いられる静電写真的な現像装置である。それ
は静電潜像のパターンに従って現像剤受け入れ表面に対
して現像用材料を適用するために用いられており、ここ
に、該現像剤は現像剤供給部から磁気ブラシ構造体内に
あるときの現像ゾーンへと移送され、その後で、該現像
ゾーンを通して、現像剤受け入れ表面に接触する磁気的
な限定のないブランケットへと移送される。

【００１１】イタヤらに対して１９８４年１２月４日に
許可された米国特許第４，４８６，０８９号明細書に開
示されているように、静電写真的なコピー機器または静
電写真的な記録機器のための磁気ブラシ式の現像装置に
設けられたスリーブには、複数の磁気ピースが交番的な
極性をもって配列されている。各ピースが有する形状に
よれば、２個またはそれよりも多くの磁気ピークが生成
される。スリーブおよび磁石は対向する方向に回転され
る。上記の結果として、ソフトな現像剤の本体が確実に
得られ、また、イメージの濃度の不均一性(unevenness)
または剥離(stripping) の回避がなされる。

【００１２】パーカー(Parker)らに対して１９８９年５
月２３日に許可された米国特許第４，８３３，５０４号
明細書に開示されているものは、複数の現像剤ハウジン
グからなる磁気ブラシ式の現像装置であり、該ハウジン
グの各々にはそれと関連した複数の磁気ロールが含まれ
ている。第２の現像剤ハウジング内に配置された磁気ロ
ールは、磁界の放射状成分により、電荷保持表面と磁気
ロールとの中間位置に磁気的にフリーな現像ゾーンが生
成するように構成されている。現像剤は磁気的に限定の
ないゾーンを通して移動するものであり、このために、
第１の現像剤ハウジングによって現像されるイメージの
擾乱が最小になるようにされる。また、該現像剤はある
一つの磁気ロールから隣接のものにも移送される。この
装置によって付与される効果的な手段は、３レベルの潜
像の上質な半分を現像させ、これと同時に、既に現像さ
れた第１の半分を最小限のイメージの擾乱をもって第２
のハウジングを通過させるためのものである。

【００１３】フリードリッヒ・Ｗ・シュミットリン(Fre
derick W. Schmidlin)に対して１９８７年３月３０日に
許可された米国特許第４，８１０，６０４号明細書に開
示されているものは、組み合せの静電写真−ＲＥＰ式の
プリント装置であり、ここでのハイライトカラーのイメ
ージは、第１に現像されたイメージの排掃および再現像
をすることなく形成されるものである。第１のイメージ
は、通常の（即ち、全体的な電圧範囲で利用可能な）静
電的なイメージを形成する技術によって形成される。連
続するイメージがコピー基体上に形成されるが、このコ
ピー基体には、直接的な静電的プリント操作を用いるこ
とにより、融着操作の前後のいずれかにおいて第１のイ
メージの転送に後続する第１のイメージが含まれてい
る。かくして、’９６５の出願によれば、第１のイメー
ジが形成された電荷保持表面上に代えてコピー基体上に
第２のイメージを形成することにより、現像剤と先に記
録されたイメージとの相互作用についての問題が解決さ
れる。

【００１４】１９８４年１０月２３日に発行された米国
特許第４，４７８，５０５号明細書には、フライイング
トナーについて改良された帯電操作をするための現像装
置が関連している。そこで開示された装置に含まれてい
るものは、現像剤支持手段から現像粒子を搬送するため
のコンベア、および、その間のギャップを規定するため
に配置された光導電体である。現像粒子を搬送するため
の現像剤支持経路は、該現像剤支持手段とギャップとの
間に設けられる。該現像剤支持経路の規定は、コンベア
と、該コンベアと所定のインタバルをもって設けられた
電極板とによってなされるものである。交番的な電界が
交流電源により現像剤支持経路に適用され、コンベアと
電極板との間で現像粒子が往復されて、これにより、現
像粒子の十分で一様な帯電が摩擦によってなされること
になる。’５０５特許の図６で開示された実施例におい
ては、光感知層とドナー部材との間のスペースにグリッ
ドが配置されている。

【００１５】ホソヤらに対して１９８６年２月４日に発
効された米国特許第４，５６８，９５５号明細書に開示
された記録装置においては、イメージ情報に基づく可視
イメージが現像剤によって通常の用紙上に形成されてい
る。この記録装置は次の諸手段からなるものである。即
ち、ある所定の距離をおかれ、通常の用紙に対向してお
り、現像剤をその上に搬送している現像用ローラ；それ
に接続された記録用電極および信号源であって、イメー
ジ情報に従って通常の用紙と現像用ローラとの間で電界
を発生させることにより、現像用ローラ上の現像剤を通
常の用紙に向けて推進させるもの；該現像用ローラ上に
設けられ、それから一つの方向に伸長している、互いに
絶縁された複数の電極であって、交流電源および直流電
源が該電極に接続されており、電極の隣接したものの間
で交流電界を発生させて、それらの間の電気力線に沿っ
て隣接の電極間で見出される現像剤を振動させ、これに
より、現像剤が現像用ローラから解放されるもの；の諸
手段からなるものである。

【００１６】ホソヤらに対して１９８７年３月３１日に
許可された米国特許第４，６５６，４２７号明細書に開
示された方法および装置においては、現像剤の層が絶縁
粒子と磁気粒子との混合したものであり、また、絶縁ト
ナー粒子が磁気ブラシの部分を形成する現像剤スリーブ
の表面上で支持されている。現像されるべきイメージを
支持する潜像保持部材は、磁気ブラシに関して移動する
ようにされる。該ブラシはイメージ保持部材から間隔を
おかれており、また、交流電界が該間隔を通して形成さ
れていて、イメージ領域および非イメージ領域に対して
トナーを転写すること、および、過剰のトナーをバック
転写することに効果があるようにされる。

【００１７】特開昭６２−７０８８１号公報に開示され
ているものは、磁気ブラシ現像剤とイメージ化表面との
中間に配置された複数の電気的にバイアスされたグリッ
ド線を用いてなるトナー分離手段である。２個の構成部
からなる現像剤は摩擦電気的なものであり、また、磁気
搬送体は磁気ブラシの磁極のＮ極およびＳ極の動作によ
りスリーブの外部周辺から排除される。

【００１８】ヘイズ(Hays)らに対して１９８９年９月１
９日に許可された米国特許第４，８６８，６００号明細
書に開示された非排掃式の現像システムにおいては、ド
ナーからのトナーの分離および制御されるパウダークラ
ウドは、現像用ニップ内に配置された自己間隔規制型の
電極構造体によって加えられる交流電界で得られるもの
である。該電極構造体は、ギャップまたは階調操作され
たドナーとイメージ受容体との間のニップ内で、該階調
操作されたドナーに近接して配置されている。そして、
前記の自己間隔規制はドナー上のトナーを介して効果を
生じるものである。このような間隔規制で可能にされる
ことは、気内放電の危険をおかすことなく比較的高い静
電界が生成されることである。

【００１９】ダン・Ａ・ヘイズ(Dan A.Hays) に対して
１９９１年４月２３日に許可された米国特許第５，０１
０，３６７号明細書に開示されているものは、ハイライ
トカラーのイメージ操作において用いるための非排掃式
／非相互作用式の現像システムである。ラインの現像可
能性およびトナーと受容体との間の相互作用の制御をす
るために、現像剤のドナーロール上の交流電圧とワイヤ
およびドナーロールを形成するトナークラウド間の交流
電圧との組み合せにより、ドナーからトナーを分離して
トナークラウドを形成すること、および、該クラウドの
一方の端部をイメージ受容体に近接して配置して、先に
階調操作されたイメージの排掃をすることなく、ライン
領域およびソリッド領域について最適の現像をすること
がなされる。

【００２０】ダン・Ａ・ヘイズの名義で１９９１年７月
１日に出願された米国特許出願第０７／７２４，２４２
号に開示されているものは、ハイライトカラーのイメー
ジ操作のようなイメージの形成において用いられるため
の非排掃式または非相互作用式の現像システムである。
ここに設けられているものは、絶縁支持構造体によって
物理的に支持された２セットの組み合わせ電極を有する
階調操作されたドナーロール構造体である。該電極の一
方のセットには直流バイアスがかけられており、これに
対して、他方のセットには交流バイアスがかけられてい
る。これらの交流バイアスおよび直流バイアスは、隣接
する電極間の周縁の直流電界を生成させることなく背景
の現像を防止するものである。

【００２１】ガンドラッチらに対して１９７６年１２月
１４日に許可された米国特許第３，９９７，６８８号明
細書に開示されている静電写真式のイメージ操作プロセ
スにおいては、ブレード形状の導電体および（その一方
の側に負に帯電されたトナー層を有する）非導電性でフ
レキシブルなドナーシートを用いて、光導電体の表面上
の正電荷イメージが現像される。ここで、ドナーシート
は該層が光導電体から離れてはいるがその近傍になるよ
うに搭載されており、また、シートが光導電体に最も近
くなっている領域においてドナーシートの他方の側に接
しており、導電体のエッジがスライドできるように搭載
されている。その結果として、該エッジに最も近いイメ
ージの部分により、該イメージとエッジとの間の非一様
な電界が設定される。該非一様な電界はエッジに最も近
いイメージにおいて最強のものであって、該層から光導
電体へのトナーの転写の原因になるものである。一つの
実施例においては、ドナーシートはベルト形式のもので
あり、それがエッジを越えてスライドするように駆動さ
れるものである。光導電体は回転可能なドラムの表面上
に配置されており、該ドラムが回転するとそのイメージ
が現像される。現像操作の間に用いられるトナーを補充
するための手段が設けられている。別の実施例において
は、ドナーシートと光導電体とは平行に支持されてお
り、また、該導電体はドナーシートの前記他方の側を横
切って移動してイメージを現像するようにされる。

【００２２】ジョン・マクシミアック(John Maksymiak)
に対して１９７５年１０月２１日に許可された米国特許
第３，９１４，４６０号明細書に開示されているもの
は、トナー装荷ドナーに対して動作するある一つの形状
の電界であって、現像ゾーンに入ったときにドナー部材
からトナーを分離するための、および、現像ゾーンから
離れたときにドナー部材に対して任意の余剰のトナーを
再堆積するためのものである。

【００２３】ガンドラック(Guntlach)らに対して１９７
６年１２月１４日に許可された米国特許第３，９９７，
４６０号明細書に開示されている静電写真装置において
は、光導電体の表面上の正電荷のイメージはブレード形
状の導電体をもって現像され、また、非導電性でフレキ
シブルなドナーシートはその一方の側に負に帯電された
トナー層を有するようにされている。ここで、ドナーシ
ートは該層が光導電体から離れてはいるがその近傍にな
るように搭載されており、また、シートが光導電体に最
も近くなっている領域においてドナーシートの他方の側
に接しており、導電体のエッジがスライドできるように
搭載されている。その結果として、該エッジに最も近い
イメージの部分により、該イメージとエッジとの間の非
一様な電界が設定される。該非一様な電界はエッジに最
も近いイメージにおいて最強のものであって、該層から
光導電体へのトナーの転写の原因になるものである。一
つの実施例においては、ドナーシートはベルト形式のも
のであり、それがエッジを越えてスライドするように駆
動されるものである。光導電体は回転可能なドラムの表
面上に配置されており、該ドラムが回転するとそのイメ
ージが現像される。現像操作の間に用いられるトナーを
補充するための手段が設けられている。別の実施例にお
いては、ドナーシートと光導電体とは平行に支持されて
おり、また、該導電体はドナーシートの前記他方の側を
横切って移動してイメージを現像するようにされる。

【００２４】ドナーロール上でトナー層に接するワイヤ
は、排掃不要式の静電写真現像方法において実証される
ものである。このワイヤには次のような問題がある。即
ち、それらは首尾一貫して再現可能な態様で搭載するこ
とは困難であり、固まりまたはクズからの汚れを生じや
すいという点で問題がある。このような汚れの結果とし
て、出力コピー上にバンディング(banding) やストリー
ク(streak)が生じることになる。

【００２５】ドナーロール上のトナー層もその達成が困
難なものである。高く帯電された小さいトナー粒子の累
積に基づく履歴効果を回避するために、使用されないト
ナーが連続して除去され、新たに堆積されたトナーを追
従させねばならない。トナーはブレードをもってドナー
からかき落すことができるけれども、これは、溜めが小
さい現像システムの能力を越えてトナーの効果を強制す
ることになる。トナーの電荷分布の劣化および背景密度
の出現により、ストレスのかかった現像が自ずから明白
になる。ブラシクリーナも高いスループットをもって扱
うことはできず、また、ブラシをクリーンに維持するこ
とは困難かつ繁雑なことである。

【００２６】〔発明の簡単な概要〕概略的にいえば、本
発明で用いられる排掃不要の現像システムにおいてドナ
ーベルトからトナーを除去することは、該ベルトの後部
に静止して支持された少なくとも一対の電極を用いるこ
とで効果のあるものにされる。電極に対して加えられる
交流電圧は、ベルトの表面からトナーを解放するように
作用して、トナー粒子のクラウドを形成するようにされ
る。ベルトおよび潜像受容体は互いに相関的に配置され
て、現像用ニップの輪郭を描くようにされる。イメージ
受容体における静電潜像により、ニップにおけるこのよ
うな粒子のクラウドからトナー粒子が引き付けられる。

【００２７】ドナーベルトのループで配置されたブラシ
式の現像用電極は、ブラシ式の現像用電極として作用す
るものであり、これに対して、ブラシクリーナ用の電極
も、該ベルトによって輪郭が描かれたループ内に配置さ
れるものであって、履歴効果を回避するために不使用の
トナーをベルトから除去するように作用するものであ
る。

【００２８】〔図面の簡単な説明〕図１は、本発明の進
歩的な特徴を組み込んでなるプリント操作装置の概略的
例示図である。図２は、本発明による現像装置の断片的
な概略的例示図である。

【００２９】〔発明の好適な実施態様の詳細な説明〕図
２に示されているように、本発明を構成するプリント操
作機器において用いることができる電荷保持部材の形式
の光導電ベルト１０は、光導電性の表面および導電性の
基体からなるものであって、帯電ステーションＡ，露光
ステーションＢ，現像剤ステーションＣ，転写ステーシ
ョンＤおよびクリーニングステーションＦを通して移動
するように搭載されている。ベルト１０は矢印１６の方
向にその連続的な部位が移動して、その移動の経路の周
囲に配置された種々の処理ステーションを通して前進す
るようにされる。ベルト１０は複数のローラ１８，２０
および２２の周囲に搭載されており、その前者は駆動ロ
ーラとして用いることができ、また、その後者は光導電
ベルト１０に適当な張力を付与するために用いることが
できる。モータ２３はローラ１８を回転させて、ベルト
１０を矢印１６の方向に前進させる。ローラ１８はベル
トドライブのような適当な手段によってモータ２３に結
合されている。

【００３０】図２を更に参照して認められるように、ま
ず、ベルト１０の連続的な部位は帯電ステーションＡを
通過する。帯電ステーションＡにおいては、スコロトロ
ン、コロトロンまたはディコロトロンのようなコロナ放
電デバイス２４により、ベルト１０を、高い一様な正ま
たは負の電位Ｖ₀ に選択的に帯電させる。好適にはその
帯電は負のものである。当該技術分野において周知であ
るように、コロナ放電デバイス２４を制御するためには
任意の適当な制御部を採用することができる。

【００３１】次に、感光体表面の帯電部位が露光ステー
ションＢを通して前進する。露光ステーションＢにおい
ては、一様に帯電された感光体または電荷保持表面１０
が、レーザに基づく入力および／または出力走査デバイ
ス２５に対して露光される。この走査デバイス２５のた
めに、該電荷保持表面が、走査デバイス２５からの出力
に従って放電されることになる。該走査デバイスは好適
には３レベルのレーザ式ラスタ出力スキャナー（ＲＯ
Ｓ）である。代替的に、このＲＯＳは通常の静電写真的
な露光デバイスで置換することができる。

【００３２】該感光体は、これは始めは電圧Ｖ₀ に充電
されているが、約−９００ボルトに等しいレベルＶ_ddp
まで減衰していく。露光ステーションＢにおいて露光さ
れたときには、約−１００ボルトに等しいＶ_c まで放電
されるが、これはイメージのハイライト（即ち、ブラッ
ク以外のカラー）カラー部分におけるゼロ電位または接
地電位に近いものである。感光体も−５００ボルトに等
しいＶ_w まで放電されて、背景（ホワイト）のイメージ
領域におけるような状態になる。

【００３３】現像ステーションＣにおいては、現像シス
テム３０が現像材料を前進させて静電潜像と接触する。
この現像システム３０を構成するものは、第１の現像装
置３２および第２の現像装置３４である。現像装置３２
を構成するものは、一対の磁気ブラシローラ３５および
３６を含んでいるハウジングである。該ローラは現像材
料４０を前進させて、電圧レベルＶ_c にある電荷保持表
面上の潜像に接触させる。この現像材料４０には例えば
レッドトナーが含まれている。現像装置３２に対して電
気的に接続された電源４１を介して、適切な電気的バイ
アスがかけられている。電源４１を介して、約４００ボ
ルトの直流バイアスがローラ３５および３６に加えられ
る。

【００３４】現像装置３４（図２）を構成するものは、
ベルト４２（図１）の形式のドナー構造体である。この
ドナー構造体４２によれば、その上に堆積された帯電ト
ナー粒子４４が現像ゾーン４６に搬送される。この現像
ゾーン４６においては、電荷保持表面に含まれているイ
メージ上での選択的な堆積のために、該トナー粒子はト
ナークラウドに形成される。この場合における現像剤は
ブラックトナーである。この現像装置３４の更に詳細な
事項については以下に説明される。

【００３５】シート状の支持材料５８（図２）は転写ス
テーションＤにおけるトナーイメージに接触するように
移動される。該シート状の支持材料は、通常のシート給
送装置（図示せず）によって、転写ステーションＤに向
けて進行される。好適には、該シート給送装置に含まれ
ているフィードロールはスタックコピーシートの中の最
上位シートに接触している。フィードロールは回転して
スタックからの最上位シートをシュートに向けて進行さ
せるようにする。このシュートにおいては、進行してい
るシート状の支持材料が時間的なシーケンスをもってベ
ルト１０の光導電表面に接触するようにされる。そし
て、その上に現像されたトナーパウダーのイメージが、
転写ステーションＤにおいて、進行しているシート状の
支持材料に接触するようにされる。

【００３６】感光体上に現像された合成イメージは正の
トナーおよび負のトナーの双方からなることから、転写
前コロナ放電部材５６が設けられて、負のコロナ放電を
用いることによる基体への効果的な転写のための条件付
けをするようにされる。

【００３７】転写ステーションＤに含まれているコロナ
発生デバイス６０によれば、シート５８の裏面に対して
適当な極性のイオンが吹きかけられる。このために、帯
電されたトナーパウダーのイメージがベルト１０からシ
ート５８へと引き付けられる。転写の後で、シートは矢
印６２の方向に移動を続行して、該シートを融着ステー
ションＥに進行させるコンベア（図示せず）に向かわせ
る。

【００３８】融着ステーションＥに含まれている融着組
立体６４は、転写されたパウダーイメージをシート５８
に対して永久的に定着させるものである。融着組立体６
４を構成するものは、好適には、加熱された融着ローラ
６６およびバックアップローラ６８である。シート５８
は、トナーパウダーのイメージを融着ローラ６６に接触
させながら、融着ローラ６６とバックアップローラ６８
との間を通過する。この態様において、該トナーパウダ
ーのイメージがシート５８に対して永久的に定着され
る。融着操作の後で、シュート（図示せず）の進行ガイ
ドにより、シート５８がキャッチトレイ（これも図示せ
ず）に向かうようにされて、オペレータによりプリント
操作機器から後で取り除かれる。

【００３９】シート状の支持部材がベルト１０の光導電
表面から分離された後で、該光導電表面上の非イメージ
領域において搬送されている残余のトナー粒子は、そこ
から取り除かれる。これらの粒子はクリーニングステー
ションＦにおいて取り除かれる。磁気ブラシ式のクリー
ナのハウジングはクリーニングステーションＦに配置さ
れている。クリーナ装置を構成するものは通常の磁気ブ
ラシ式のロール構造体であり、クリーナのハウジング内
の搬送トナーについて、該ロール構造体および電荷保持
表面に関してブラシ様の方位を形成するためのものであ
る。ブラシから残余のトナーを取り除くための一対の階
調解除ロールもそれには含まれている。

【００４０】クリーニング操作の後で、放電ランプ（図
示せず）により光導電表面が射光されて、連続的なイメ
ージ操作サイクルのために、その帯電操作に先立ち、あ
らゆる残余の静電荷を消散するようにされる。

【００４１】図１に例示されているように、ドナーベル
ト４２は、ドライブロール８０，アイドラロール８２お
よび現像シュー８４により、現像ゾーン４６（即ち、電
荷保持表面とドナーベルトとの間のスペース）を通して
の移動のために支持されている。ドライブローラ８０
は、周知の態様でそれに対して動作的に接続されている
ドライブモータ８６によって駆動される。電荷保持表面
とドナーベルトとの間のスペースまたはギャップは、５
〜２０ミル（０．１３〜０．５ｍｍ）の程度のものであ
る。ベルト４２はシームレス構成のものであり、好適に
は１〜３ミル（０．０２５〜０．０８ｍｍ）の厚みのも
のであって、１０⁷ Ω−ｃｍの程度の固有抵抗を有する
カーボンロード型のテドラー（Ｔｅｄｌａｒ）またはカ
プトン（Ｋａｐｔｏｎ）（イー・アイ・デュポン・デ・
ニモアス（E. I. duPont de Nemours & Co.）の商標）
から構成される。

【００４２】帯電されたトナー粒子は、静止型の磁石組
立体９０および回転可能なスリーブ９２からなる磁気ブ
ラシデバイス８８を用いて、ロード操作ゾーン８７に対
して搬送される。該静止型の磁石組立体は、複数の交番
して極性化するポールピース９４によって構成される。
キャリアビーズ９３およびトナー粒子４４からなる２構
成部の現像剤は供給用溜め９６に収められており、スリ
ーブ９２によりロード操作ゾーン８７に対して搬送する
ようにされている。

【００４３】ドナーベルト４２の後部に配置されている
導電ブラシ式の現像用電極１００は、該ドナーベルト上
に帯電されたトナー粒子を効果的に配置する作用を果た
す。この目的のために、負に帯電されたトナーが用いら
れるときには、直流電源１０１によって生成される２０
０〜４００ボルトの正の直流電圧が、導電ブラシ１００
に対して加えられる。該トナー粒子はベルトにより現像
ゾーン４６に向けて搬送される。ここでのトナー粒子は
トナークラウドに形成されて、電荷保持表面上での静電
潜像について排掃不要の現像操作を施すようにされる。
ベルトの厚みに依存して６００〜８００ボルトの程度の
ピークがある交流電圧が、交流電源１０４により一対の
電極１０２に対して加えられる。該電極は現像シュー８
４に埋め込まれており、この現像シューは、電極１０２
を電気的に絶縁するように構成される誘電性材料その他
のものからなるものである。

【００４４】導電ブラシ式のクリーニング電極１０６も
ドナーベルト４２によって形成されるループ内に配置さ
れている。そして、このクリーニング電極１０６は、不
使用のトナー粒子をドナーベルトからスリーブ９２上に
押し戻すための作用をする。該導電性のクリーニングブ
ラシ１０６は直流電源１０８を用いて−２００〜−４０
０ボルトの程度の負の電圧に電気的にバイアスされてい
る。ドナーベルトからのトナーのこのような除去に続け
て、現像用電極１００によるフレッシュなトナーの堆積
がなされる。かくして、ドナーロール上には安定なトナ
ー層が生成され、ドナー上で高く帯電された小さいトナ
ー粒子の累積に起因する履歴効果の回避がなされる。

【００４５】現像装置３２は磁気ブラシ式のシステムと
して開示されているけれども、現像装置３４をそれに置
換して用いることができる。また、放電された領域のイ
メージの現像操作が帯電された領域の現像操作に先だっ
てなされるとして説明されているが、このイメージの現
像操作のシーケンスを逆転させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の進歩的な特徴を組み込んでなるプリ
ント操作装置の概略的例示図である。

【図２】 本発明による現像装置の断片的な概略的例示
図である。

【符号の説明】

１０ 光導電性ベルト、４２ ドナーベルト、４４ 帯
電されたトナー粒子、４６ 現像ゾーン、８０ ドライ
ブロール、８２ アイドラロール、８４ 現像シュー、
８６ ドライブモータ、８７ ロード操作ゾーン、８８
磁気ブラシデバイス、９０ 静止型の磁石組立体、９
２ 回転可能なスリーブ、９３ キャリアビーズ、９４
ポールピース、９６ 供給用の溜め、１００ 現像用
電極、１０１ 直流電源、１０２ 電極、１０４ 交流
電源、１０６ ブラシクリーニング電極、１０８ 直流
電源

Claims (10)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電荷保持表面上にトナーをもって静電潜
   像を現像するための装置であって、次のものを含む前記
   装置： トナーの供給手段； 前記電荷保持表面から間隔をおかれたドナーベルト構造
   体であって、前記トナーの供給手段から前記電荷保持表
   面と前記ドナーベルト構造体との中間の現像ゾーンに対
   してトナーを供給するためのもの； エンドレスの経路における移動のために前記ベルトを支
   持する手段であって、これにより前記ベルトが輪郭を描
   いてエンドレスループにするためのもの； 前記支持用手段はその中に埋め込まれた電極構造体を有
   する現像用シューを含んでおり、前記現像用シューは前
   記ループ内に支持されていて、前記現像用シューに隣接
   した前記ドナーベルトに接触しているもの； ロード操作ゾーンにおける前記ドナーベルト構造体上に
   トナー粒子をロードするための手段；前記ドナーベルト構造体に対してフレッシュなトナーを
   ロードするのに先立ち、前記ドナーベルト構造体から不
   使用のトナー粒子を連続的に除去するためのブラシクリ
   ーニング電極手段； および 前記現像ゾーンにおいてトナー粒子のクラウドを形成す
   るために、前記電極構造体に対して電圧を加えるための
   電気的バイアス手段。
2. 【請求項２】 ロード操作ゾーンにおける前記ドナーベ
   ルト構造体上に前記トナー粒子をロードするための手段
   には、前記ループ内で前記ベルトに接触して支持されて
   いる導電性の現像用ブラシ、および、荷電されたトナー
   粒子を前記ベルトから前記ロード操作手段に引き付ける
   ために、前記導電性の現像用ブラシに電気的なバイアス
   をかけるための手段が含まれている、請求項１に記載の
   現像装置。
3. 【請求項３】 前記ドナーベルトに対してフレッシュな
   トナーをロードするのに先立ち、前記ドナーベルトから
   不使用のトナー粒子を連続的に除去するための前記手段
   には、前記ループ内で前記ベルトに接触して支持されて
   いる導電性のクリーニングブラシ、および、前記ドナー
   ベルトからトナー粒子を押し戻すために、前記クリーニ
   ングブラシに電気的なバイアスをかけるための手段が含
   まれている、請求項２に記載の現像装置。
4. 【請求項４】 前記電極構造体に対して電圧を加えるた
   めの前記電気的なバイアス手段には交流電源が含まれて
   いる、請求項３に記載の現像装置。
5. 【請求項５】 前記現像用ブラシおよびクリーニングブ
   ラシに対して電気的なバイアスをかけるための前記電気
   的なバイアス手段には、互いに反対の極性を有する直流
   電源が含まれている、請求項４に記載の現像装置。
6. 【請求項６】 電荷保持表面上にトナーをもって静電潜
   像を現像するための方法であって、次のことを含む前記
   方法： トナーの供給手段を備えること； 前記電荷保持表面に隣接して配置されたドナーベルト構
   造体を用いて、前記トナーの供給手段から前記電荷保持
   表面と前記ドナーベルト構造体との中間の現像ゾーンに
   対してトナーを搬送すること； エンドレスの経路における移動のために前記ドナーベル
   トを支持して、これにより前記ベルトが輪郭を描いてエ
   ンドレスループにすること； 内部に埋め込まれた電極構造体を有する現像用シューに
   おいて前記ドナーベルトに接触すること； ロード操作ゾーンにおける前記ドナーベルト構造体上に
   トナー粒子をロードすること；前記ドナーベルト構造体に対してフレッシュなトナーを
   ロードするのに先立ち、前記ドナーベルト構造体から不
   使用のトナー粒子を連続的に除去すること； および 前記現像ゾーンにおいてトナー粒子のクラウドを形成す
   るために、前記電極構造体に対して電気的にバイアスを
   かけること。
7. 【請求項７】 ロード操作の前記ステップには、荷電
   されたトナー粒子を前記ベルトから前記ロード操作手段
   に引き付けるために、前記ループ内で前記ベルトに接触
   して支持されている導電性の現像用ブラシに電気的なバ
   イアスをかけることが含まれている、請求項６に記載の
   現像方法。
8. 【請求項８】 前記ベルトに対してフレッシュなトナー
   をロードするのに先立ち前記ドナーベルトから不使用の
   トナー粒子を連続的に除去するための前記のステップに
   は、前記ループ内で前記ベルトに接触している導電性の
   クリーニングブラシに電気的なバイアスをかけることが
   含まれている、請求項７に記載の現像方法。
9. 【請求項９】 前記電極構造体に対して電気的なバイア
   スをかける前記のステップには、それに対して交流電圧
   を加えることが含まれている、請求項８に記載の現像方
   法。
10. 【請求項１０】 前記現像用ブラシおよびクリーニング
    ブラシに対して電気的なバイアスをかける前記のステッ
    プには、互いに反対の極性を有する直流電源を用いるこ
    とが含まれている、請求項９に記載の現像方法。