JP2644027B2 - チタン合金 - Google Patents

チタン合金

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JP2644027B2
JP2644027B2 JP63506349A JP50634988A JP2644027B2 JP 2644027 B2 JP2644027 B2 JP 2644027B2 JP 63506349 A JP63506349 A JP 63506349A JP 50634988 A JP50634988 A JP 50634988A JP 2644027 B2 JP2644027 B2 JP 2644027B2
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    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、規則正しい(ordered)金属間化合物Ti3Al
をベースとするか又はそれを含む、高温が適用される使
用に適した特性を有するチタン合金に係わる。特に、本
発明は、それだけに限定されるわけではないが、ガスタ
ービンエンジンのコンプレッサー部の構成要素として使
用するための材料に向けられる。
チタンをベースとする合金は、その重量比強度が鋼の
ような他の使用可能な材料を上回るという利点の故に、
コンプレッサー部の材料として著しく使用されてきた。
しかし、従来のチタンベースのタイプの既存の市販チタ
ン合金は、耐クリープ性及び耐酸化性に関して、制限さ
れた温度許容範囲を有する。これら制限のために、通常
のチタン合金の使用は、その構成要素が540℃を著しく
越える温度を受けることのないコンプレッサーの低圧力
段に制限される。コンプレッサーのより高圧の段の中で
は、鉄又はニッケルをベースとする超合金のような耐火
性のより高い材料が、それらのもたらす重量的な不利益
にもかかわらず使用される。鉄又はニッケルをベースと
する超合金から成る構成要素を取り除くことによって重
量を軽減するために、「オールチタン」コンプレッサー
を求める工業的な要求がある。またエンジンの総体的な
効率を改善するためにコンプレッサーの圧力比を増加さ
せる要求も存在し、このことはコンプレッサー部の構成
要素に対してより高い温度負荷を負わせることになろ
う。
通常のチタン合金は、純粋チタンに見出される2つの
相の一つから成るか、又はその2つの相の混合から成る
マトリックスを基礎とする。これらの相は、より低温の
相であり且つ六方最密(hcp)構造であるα相と、体心
立方(bcc)構造のβ相である。β相は転移温度(trans
us temperature)882℃から融点まで安定している。合
金添加物はαからβへの転移が生じる温度を変化させ
る。幾つかの元素がβ転移温度を低下させ、これらの元
素はβスタビライザーと呼ばれる。β転移温度を上昇さ
せる他の元素はαスタビライザーと呼ばれる。合金は普
通は、室温におけるその優勢な微細構造並びにその合金
成分の性質及び特性に関して、αタイプの合金、βタイ
プの合金、並びにα+βタイプの合金に区分される。α
グループは近α合金と呼ばれる合金をも含む。
本題から逸れるが、本発明を定義し及び説明する上
で、本文書では主に原子百分率法が使用され、この率で
与えられる組成は「at%」で示されるということを、こ
こで説明しておく。工業上の習慣では、重量百分率法で
組成を特定することが常套的であるが、重量百分率法は
本文書では、出典資料において重量で明示された従来技
術の合金を参照する場合に用いられる。重量によって特
定された組成は「重量%」で示される。
IMI829は、高温特性に関してクリープ強さ及び耐酸化
性の点で最も優れた、既存のガスタービンエンジン用チ
タン合金を代表する工業用合金である(IMI829はIMI T
itaniumの商標である)。この近α合金は、Ti−5.5Al−
3.5Sn−3Zr−1Nb−0.25Mo−0.3Si(at%)の公称組成を
有する。この合金の特性は、本明細書の様々な箇所で比
較のための基準として使用される。この合金は、高温酸
化のために及び疲労特性に対するその有害な作用のため
に、550℃以上の温度に曝される必要のない応用にのみ
限定される。
この既存のチタンベース合金に使用される合金化元素
の1つはアルミニウムであり、これはαスタビライザー
である。アルミニウムが適切な比率でチタンに加えられ
るならば、規則正しい金属間化合物Ti3Alが形成され
る。これはα相と呼ばれ、規則正しいhcp構造を有す
る。この既存の合金では、マトリックス材料によって示
される延性等に関してα相がその脆化とみなされるが
故に、アルミニウム含量は、実験的規則に基づいて、α
相が生じ始めるレベルを下回るレベルに制限される。
しかし、Ti3Alの特性は、改善された高温特性を有する
種類のチタン合金のために使用可能なベースとして、こ
こ数年の間、注目を集めてきた。α相は、良好な耐ク
リープ性及び耐酸化性と組み合わされた、特に高い剛性
(stiffness)を有することが知られている。アルミニ
ウムはチタンよりも比重が低く、従って、高いアルミニ
ウム含量はその結果としての比重の減少という利点によ
って魅力的である。しかし、αベース合金系を研究す
る技術的文献に多くの言及があるにもかかわらず、そう
した合金で多少とも工業生産されていることが知られて
いるのはTimet Corporation(USA)によって生産されて
いるものただ1つである。この合金については本明細書
の中で後述する。一般的に、他のα合金は低温度(外
界温度又はそれにより高い温度)において延性の不足と
いう欠点を有し、及び従来のチタン合金に比べて相対的
に高い比重を有している。
Ti3Alベース合金の分野の初期の研究は、1960年代に
出版された幾つかの報告書の中でMcAndrews他によって
報告されている。これらの合金はTi−Al−Nb系をベース
とし、三成分合金並びにHf、Zr、C及びBを添加した合
金に対して試験が行われた。試験された合金は、7.5〜1
7.5重量%のAl含量及び15〜35重量%のNb含量をその範
囲に含むものであったが、その各々の組合せは試験範囲
内に全く含まなかった。その報告は、Hf及びZrと混合し
た、Nb及びAl含量の高い合金が最も有望であると結論付
けた。
米国特許第3411901号(米国特許第1041701号)には、
Nb含量がAl含量の(重量で)8/7±5%で、10〜30重量
%のAl及びNbを含むチタンベース合金が開示されてい
る。Si(2重量%まで)が、高温強度及び耐酸化性を強
化するための有用な添加物として開示されている。少量
のHz、Zr又はSnが加工性及び高温強度の改善のために含
まれることが可能である。上記のような特許明細書の中
では、これらの合金の微細構造に関して示された唯一の
解説は前記米国特許の中で与えられているが、その合金
がα−βタイプである前記英国特許ではこの解説は与え
られていない。我々の知る限りでは、これらの特許明細
書は請求範囲内の合金によって得られる特性に関して僅
かしか情報を提供せず、又、これらの合金が工業的規模
で実際に生産されているとしても、これらの合金が工業
的に受け入れられる様子は全くない。
英国特許第2060693A号(United Technologies Corpor
ation)には、一連のTi3Alベース合金が開示される。そ
の発明の特許請求の範囲は、Tiベース−24〜27Al−11〜
16Nb(at%)であり、その好ましい範囲は、Tiベース−
24.5〜26Al−12〜15Nb(at%)である。これらの組成物
は重量%で表される時には、広い範囲については、Tiベ
ース−13.5〜14.7Al−21.4〜30Nbに、好ましい範囲につ
いてはTiベース−13.7〜14.5Al−23.2〜28.3Nbにほぼ該
当する。アルミニウム含量がより低い2つの比較用組成
物が開示され、これらはTi−22Al−10Nb及びTi−22Al−
5Nb(at%)である。前記文書では、アルミニウム含量
が特に重要視される。その中で「延性及びクリープ強さ
は、非常に狭い範囲内のアルミニウム含量に亘って互い
に逆比例的に変化し、従って、アルミニウム含量が非常
に重要であることが見出される」と述べられている。ア
ルミニウム含量についての最小数値24at%は、室温時の
特性に対するアルミニウム含量の増加による著しく不利
な作用にも係わらず、(その請求範囲内のトレンドデー
タ及び22at%アルミニウム合金の貧弱な特性から見て)
少なくともこの含量が満足すべきクリープ強さを確保す
るために必要であるという確信に基づいている。アルミ
ニウム含量の上限は、室温延性の許容可能な最小レベル
及びNb含量によって決定せされる。ニオブ含量の範囲は
比重を考慮して上限が決められ、室温延性の許容可能な
最小レベルによってその下限が決められる。
英国特許第2060693A号の合金の請求範囲内には、重要
であると考えられる他の成分を含まない基本合金を実証
付ける6つの合金実施例が挙げられている。室温におけ
る引張り伸び及び650℃において380MPaの応力で試験さ
れる時のクリープ破断寿命に関して、これらの合金の特
性が前記参考文献の4ページの表2に示されている。こ
の表に挙げられた組成及びこれらの主要な合金の特性が
次に転載する。
Ti−24Al−11Nb(at%)−伸び4.0% クリープ寿命20
時間、 Ti−24Al−11Nb(at%)+非開示のSi含量−伸び3.0%
クリープ寿命65時間、 Ti−25Al−15Nb(at%)−伸び3.0% クリープ寿命130
時間、 Ti−26Al−11Nb(at%)−伸び1.5% クリープ寿命80
時間、 Ti−26Al−12Nb(at%)−伸び1.4% クリープ寿命143
時間、 Ti−27Al−13Nb(at%)−伸び1.0% クリープ寿命21
時間、 上記で取り上げられたこれらの合金は、時効なしなβ
相溶体化処理条件で試験され、従って、十分なレベルの
引張り強さを確保し及びその使用温度における使用に対
し冶金学的安定性をもたらすために一般的には時効処理
が必要とされるであろうことから、引張り伸びに関して
得られたその試験結果は、多少なりとも良好であると言
うことができる。人工的な時効処理又はそれに代わる使
用中の時効は、予備時効された材料に関してその延性を
減少させるだろうということが予想されるし、更に、上
記の組成の範囲内から取った合金に対する我々自身の試
験は、この合金を熱処理され及び時効した場合に、後述
するように、この予想を裏付ている。引張り伸び又は降
状データが、これらの非時効合金に対して与えられてい
ないことにも留意すべきである。
英国特許第2060693A号は幾つかの添加成分をも開示し
ている。バナジウムは最も有益と見なされる成分であ
り、ニオブの部分的な代用物として4at%までの含量で
バナジウムを含む合金が特許請求されている。言及され
る他の成分はSi、C、B(いずれもTiの代用物)、Mo、
W(いずれもNbの代用物)及びSi、In(いずれもAlの代
用物)である。これらの添加成分は、特許請求される合
金に有益であり得る、従来技術の合金に含まれる成分と
して挙げられている。1つのケイ素含有合金が試験され
ているが、それが有益であり得るという可能性は否定さ
れはしなかったものの、言及に値するような有益さは全
く見出されなかった。
αベース合金がTimet Corporation(USA)によって
生産されているということを前述した。この合金が入手
不可能であるとする見解は確かなものではないが、しか
し米国以外では入手は不可能であろう。その特性データ
は殆ど開示されておらず、その組成さえ明確ではない。
ある短い新聞記事が、当該の合金がTi−24Al−11Nb(at
%)であることを示しているようであるが、これが正し
ければ、この合金はUnited Technologicsの特許に従っ
て作られた合金のように思える。この組成Ti−24Al−11
Nbは、我々の請求する合金の比較のための基準として、
我々が使用してきたものである。
本発明の目的は、ガスタービンコンプレッサー部及び
その類似物における、(既存の慣用されるチタン合金が
有する)そうした合金の有用性の範囲を600℃を越える
ものに拡大することが可能なチタン合金を提供すること
であり、Ti3Al及びその類似物をベースとする従来技術
の合金の特性を上回る特性を有するような合金を提供す
ることである。コンプレッサー用合金として有用である
ためには、この合金は、問題となる温度(600℃以上)
で良好な強度、耐酸化性及びクリープ強さを発揮しなけ
ればならない。使用可能なTi3Al合金は、これらの特性
を示されなければならず、鍛造後において、更なる加工
を可能にするために、室温で十分な延性を有しなければ
ならない。適切な調製によって、本発明の合金は、(Ti
−24Al−11Nbに関する、前記特許明細書に開示されたデ
ータと我々自身の試験データとの比較によって明らかな
ように)United Technologiesの特許に開示された合金
を上回る高温強度及び所与のレベルの室温延性を保つク
リープ寿命を有することが可能である。
この本発明の合金で達成される改善は、特許請求され
る組成が、アルミニウム含量に関して前記特許明細書に
示されたこの企業の指示を尊重していないこと、及び、
前記文献ではケイ素を全く重要視していなかったのに対
して、本特許請求の組成はケイ素を有益な及び不可欠な
成分と見なしていることから、少なくともUnited Techn
ologiesの特許に関する限りは、予想外なものと見られ
るに違いない。
本発明は、ガスタービンエンジンのコンプレッサー部
の構成要素としての使用に適し、金属間相Ti3Alをベー
スとするか又は含む、熱処理可能なチタン合金であり、
この合金は原子百分率で示される次の範囲内の組成 アルミニウム 20〜23 %, ニオブ 9〜15 %, ケイ素 0.5〜 1.0%, ジルコニウム 0〜 3 %, バナジウム 0〜 3 %, モリブデン 0〜 3 %,及び、 残りは実質的にチタン、 を有し、この組成において、ジルコニウム、バナジウム
及びモリブデンから成るグループから取られた成分の合
計は5%を越えない。適切に熱処理され時効を受けた場
合には、従来技術の合金を上回る特性を有する合金が基
本的な四成分合金Ti−20〜23Al−9〜15 Nb−0.5〜1.0
Siから生成されるので、上記のジルコニウム、バナジウ
ム及びモリブデンから成るグループからの成分を合金内
に含むことは不可欠であるというわけではない。
クリープ破断寿命と室温延性との間のバランスに関し
ては、約11at%のニオブ含量が最良の特性をもたらすこ
とが判明した。請求範囲全体の範囲内では、この点に関
して、ニオブ含量のほうがアルミニウム含量よりも重要
であるように考えられる。従って、普通は、好ましい合
金の範囲は公称上は、11%のNb、20〜23%のAl、0.5〜
1.0%のSi及び残りは実質的にTiから成る範囲である。
本発明の合金の本質的な特徴であるケイ素は、この合
金の特性に対して重要な寄与をなす。最適なケイ素含量
は特許請求の範囲内の組成で変化することが可能であ
り、またその合金に必要とされる特性のバランスそのも
のに依存し得る。一般的には、0.9%のSiが0.5%のSiよ
り良好な特性をもたらすことが判明した。通常の種類の
従来技術の合金では、高いケイ素含量は望ましくないと
見なされることから、この本発明の合金ではケイ素含量
を最大値で1.0%に制限することが賢明と我々は考え、
好ましいケイ素含量の範囲は0.8〜1.0at%となる。
Ti−23 Al−11 Nb−0.9Si(at%)から成る好まし
い合金が、ジルコニウム、バナジウム及びモリブデンか
ら成るグループからの添加成分の有効性を試験するため
の基準として使用した。Nbの代わりに、2at%のZrを含
む合金は、室温強度及び室温延性とクリープ破断寿命と
の改善された組合せをもたらした。2at%のVもまた、N
bの代わりに取り入れられた時には有益な結果をもたら
したが、Tiの代わりとして取り入れられた時にはその有
効性は劣るものだった。「鍛造されたままの」条件での
み試験したTi−23 Al−11 Nb−0.9Si−1.0Mo(at%)
から成る合金もまた、同一の条件の基本合金を上回る改
善された特性の組合せをもたらした。これら個々の添加
成分の各々に対する3at%の制限及びこれら全体での5at
%の制限が、有益性の限界を越えることを避けるために
賢明であると考えられる。
本発明の合金の特性並びにこの合金を調製し及び熱処
理するための方法は、以下で幾つかの実施例の組成物を
参照して説明する。また、本発明の範囲の外にあるが、
しかし知られている限りでは従来技術の範囲内にはな
い、幾つかの比較用組成物を参照する。2つの従来技術
の組成物も比較の目的で参照するが、これらは、 a. 確立された従来の合金の代表としてのIMI829及び、 b. Timet Corporation(USA)の従来の「市販の」Ti3A
l合金の特性の評価のための、Ti−24Al−11Nb(at%)
である。
作り出され及び試験された合金試料の全ては真空アー
ク溶融によって200gのボタンとして調製した。第1の溶
融からの凝固及び冷却の後で、そのボタンを均質性の改
善のために回転させて(真空アークプロセスによって)
再溶融した。その後、これらのボタンを歪み率0.001/se
cで当初の厚さの半分にまで1000℃で等温鍛造した。こ
れらの鍛造したボタンを幾つかの部分に分割した。幾つ
かの部分を「鍛造したままの」条件の引張り試験及びク
リープ試験用の試料を与えるために機械加工した。他の
部分は、試験用試料の形状に機械加工する前に、個別に
熱処理にかけた。
調査された四成分組成物及びこれらの各々に与えられ
た呼称の詳細は下記の表1に示す。2つの三成分Ti−Al
−Nb合金及びIMI829もこの表に挙げる。 表 1 合金組成(at%)−(すべて残余分としてのTiを含む) Al Nb Si 合金呼称 20 11 0.5 5F 20 11 0.9 5A 20 13 0.5 8A 20 15 0.9 4A 23 11 0.9 7A 23 15 0.5 9A 比較合金 17 15 0.9 C 1A 18 13 0.9 C 6A 19 10 0.9 C 2A 20 11 0 C 5G 21 8 0.9 C 3A 24 11 0 C12A 鍛造後の処理に関して様々な合金条件を調べた。これ
らは次の表2に示す。
表 2 合金条件 条件呼称 鍛造したまま(自然冷却)。 A 800℃で真空下で24時間の時効、その後に 急速なガス冷却。 B β範囲内の温度で真空下で1時間の溶体化 処理、その後、急速ガス冷却の後、700℃で 真空下で 24時間の時効、その後に再び急 速なガス冷却。 C 625℃で2時間の時効を除いてCと同様。 D1 700℃で2時間の時効を除いてCと同様。 D2 α及びβ範囲内の温度で1時間の 溶体化処理。 E α及びβ範囲内の温度で1時間の溶体化 処理、その後、625℃で2時間の時効、 その後自然冷却。 F1 時効温度が700℃であることを除いて F1と同様。 F2 注 1.急速ガス冷却はすべてアルゴンによって約6℃/secの
速度で行われる。
2.処理E、F1及びF2では、自然冷却段階での酸素混入を
防止するために、排気しその後アルゴンで満した石英カ
プセル内で試料が処理される。
慣用の示差熱分析技術によって、各々の主要な合金に
ついてβ転移温度を測定した。β溶体化処理試料はβ転
移温度を上回る温度で溶体化処理した。その組成に応じ
て溶体化処理温度は1050℃〜1125℃に変化させた。α及
びβ溶体化処理試料は、β転移温度を下回る温度で溶体
化処理した。これらの試料に対する溶体化処理温度はそ
の組成に応じて900℃〜1050℃の範囲内にあった。
本発明の合金の特性は、他のTi3Al合金と同様に、合
金予備処理によって著しい影響を受けることが判明し
た。この特性の変化は、下記の表3の中に、合金5A及び
7Aに関して示される。表3及び後続の表で使用される特
性測定は、室温における延性測定としての室温(通常は
20℃)における引張り伸び、室温における引張り強さ、
及び250MPaの応力によって625℃で空気中においてクリ
ープ試験するクリープ破断寿命である。クリープ破断試
験は、1000時間後の時点でも損なわれない試料について
は、1000時間で中止した。
幾つかの合金については、650℃における引張り伸び
及び引張り強さもこの表に示す。
一般に、D1で示される合金条件が総合的に最良の結果
をもたらすことが判明した。このことは、それがすべて
の合金にとって最良であるということを意味するのでは
なく、本発明内の合金とその範囲外の合金との相対的特
性をそれに基づいて比較するのに適した基準であるとい
うことを単に意味するにすぎない。下記の表4は、本発
明の合金と比較用合金とに関する主要な特性の比較を示
す。
本発明の合金はすべて、表4に示される3つの特性の
有用な組合せを有する。それらはすべて、従来のIMI829
号金を著しく上回るクリープ破断寿命と、予想されたよ
うな有用なレベルの室温引張り伸びとを有し、これは従
来のIMI829号金とは比較にならないレベルにある。
本発明内のすべての合金に関する引張り伸びとクリー
プ破断寿命とのバランスは、条件D1において良好なクリ
ープ破断寿命特性を示しながらも引張り伸びがゼロであ
る市販のTi−24Al−11Nbを含む、本発明外のTi3Alタイ
プ合金を上回る。この条件においては、室温時の引張り
強さは本発明内の合金すべてで良好である。幾つかの合
金には、この点に関し、従来のIMI829合金を越える顕著
な有益性がある。本発明内の主要な合金と比較用合金と
に関する特性の更に包括的な表を、次の表5として示
す。
本発明の合金に関する特性に組成との相互関係は条件
D1における合金の種々のアルミニウム、ニオブ及びケイ
素の含量に対するその特性を示す、次の表6、7及び8
を参照すれば、より容易に理解することが可能である。
測定された、より高いレベルのケイ素の有益な効果
は、表8から直ちに明らかである。United Technologie
s特許(英国特許第2060693号)はこの効果を予想してい
ない。実際に、その文書の第3図は、ケイ素が室温時の
伸びを低下させることを示しているようにも思える。ケ
イ素が引張り強さを低下させずに室温延性及びクリープ
破断寿命を向上させることを我々は発見したものであ
る。以前に考えられていたものより低いアルミニウム含
量で確保されるSiからのこの有益な効果によって、これ
は、同一条件の下で試験された従来技術のTi3Al合金Ti
−24Al−11Nbに比較して著しく改善させた室温引張り伸
びという、明らかに有益な効果をもたらす。
耐酸化性に関する本請求の合金の特徴を次の表9に示
す。空気中における700℃で100時間の繰返し酸化試験で
合金を試験した。25時間毎に1回、試験試料を炉から取
り出し、室温まで自然冷却し、その後高温の炉の中に再
び入れた。酸化浸透の度合いは、酸化の結果として生じ
る硬化に起因する、試験試料断面の微小硬度横断線(mi
crohardness traverse)によって測定した。
本発明の合金の2つの実施例が、従来のIMI829チタン
合金と比べて、酸化浸透の度合いにおいて著しい減少を
示すということ、及び、前記2つの実施例が、本発明外
の組成を有する組成Ti3Alの合金C1Aよりも、この点にお
いて著しく優れているということが理解されるだろう。
本発明の四成分合金に対する様々な添加物の効果が、
比較の基準として合金7A(Ti−23Al−11Nb−0.9Si at
%)を使用して調べた。試験対象の様々な組成の合金試
料は、前述の手順を用いて調製し、前述の材料に対して
使用したのと同一の試験にかけた。これらの部分的に変
更された合金及び基準合金7Aが次の表10に示す。
Nbの代わりに2at%のZrを含む合金7Bは、条件D1にお
いて、基準合金を上回る、改善された室温時の引張り強
さ及び引張り伸びを有し、基準合金と同等のクリープ破
断寿命を有する。Nbの代わりに2at%のVを含む合金7D
は、条件D1において、基準合金に比べて更に高い引張り
伸びと、基準合金と同等の引張り強さ及びクリープ破断
寿命とを有する。
Moを含む合金7Jは、「鍛造したままの」条件において
すべての中で最高の特性を示す。この合金は他の条件で
はまだ試験されていない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウツド,マイケル・イアン イギリス国、サリー・アール・エイチ・ 5・6・イー・エイチ、ニア・ドーキン グ、ミツクルハム、ロンドン・ロード、 アボツツ・コテージ (番地なし) (56)参考文献 米国特許3411901(US,A) 英国公開1179445(GB,A)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属間相Ti3Alをベースとするか又は含む
    タイプのチタン合金であって、前記合金は改良された高
    温特性を有し且つ原子百分率で示す場合に、 アルミニウム 20〜23 %, ニオブ 9〜15 %, ケイ素 0.5〜 1.0%, ジルコニウム 0〜 3 %, バナジウム 0〜 3 %, モリブデン 0〜 3 %,及び、 実質的にチタン 残 部 の範囲内の組成を有し、前記組成において、ジルコニウ
    ム、バナジウム及びモリブデンから成るグループからの
    成分の合計が5%を越えないチタン合金。
  2. 【請求項2】原子百分率で示す場合に、 アルミニウム 20〜23 %, ニオブ 9〜15 %, ケイ素 0.5〜 1.0%,及び 実質的にチタン 残 部 の範囲内の組成を有する請求項1に記載のチタン合金。
  3. 【請求項3】原子百分率で示す場合に、ケイ素0.8〜1.0
    %を含む請求項1又は2に記載のチタン合金。
  4. 【請求項4】原子百分率で示す場合に、 アルミニウム 20〜23 %, ニオブ 11 %, ケイ素 0.9 %,及び、 チタン 付随的な不純物を除いた残部 の成分から実質的に成る請求項2に記載のチタン合金。
  5. 【請求項5】原子百分率で示す場合に、 アルミニウム 20〜23 %, ニオブ 9〜15 %, ケイ素 0.5〜 1.0%, ジルコニウム 1〜 3 %,及び、 チタン 付随的な不純物を除いた残部 の成分から実質的に成る請求項1に記載のチタン合金。
  6. 【請求項6】原子百分率で示す場合に、 アルミニウム 20〜23 %, ニオブ 9 %, ケイ素 0.5〜 1.0%, ジルコニウム 2 %,及び、 チタン 付随的な不純物を除いた残部 の成分から実質的に成る請求項5に記載のチタン合金。
  7. 【請求項7】原子百分率で示す場合に、 アルミニウム 20〜23 %, ニオブ 9〜15 %, ケイ素 0.5〜 1.0%, バナジウム 1〜 3 %,及び、 チタン 付随的な不純物を除いた残部 の成分から実質的に成る請求項1に記載のチタン合金。
  8. 【請求項8】原子百分率で示す場合に、 アルミニウム 20〜23 %, ニオブ 9 %, ケイ素 0.5〜 1.0%, バナジウム 2 %,及び、 チタン 付随的な不純物を除いた残部 の成分から実質的に成る請求項7に記載のチタン合金。
  9. 【請求項9】原子百分率で示す場合に、 アルミニウム 20〜23 %, ニオブ 9〜15 %, ケイ素 0.5〜 1.0%, モリブデン 1〜 3 %,及び、 チタン 付随的な不純物を除いた残部 の成分から実質的に成る請求項1に記載のチタン合金。
  10. 【請求項10】原子百分率で示す場合に、 アルミニウム 20〜23 %, ニオブ 9 %, ケイ素 0.5〜 1.0%, モリブデン 2 %,及び、 チタン 付随的な不純物を除いた残部 の成分から実質的に成る請求項9に記載のチタン合金。
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