JP2643971B2 - ヒューム管とその製造方法 - Google Patents

ヒューム管とその製造方法

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JP2643971B2 JP63042791A JP4279188A JP2643971B2 JP 2643971 B2 JP2643971 B2 JP 2643971B2 JP 63042791 A JP63042791 A JP 63042791A JP 4279188 A JP4279188 A JP 4279188A JP 2643971 B2 JP2643971 B2 JP 2643971B2
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Aoki Construction Co Ltd
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Koransha Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) この発明は、ヒューム管とその製造方法に関するもの
である。さらに詳しくは、この発明は内周面の劣化を抑
制し、かつ安価に製造できるようにしたヒューム管とそ
の製造方法に関するものである。
(背景技術) 型枠にコンクリートを投入し、遠心力を利用していわ
ゆる遠心成形によりコンクリートヒューム管を製造する
ことが行われている。この遠心成形によるニューム管は
比較的薄くて密な管であるので下水管等に広く使用され
ている。
しかしながら、このヒューム管は遠心成形に起因し
て、次のような組織構造に関する問題点を有していた。
すなわち、遠心成形により製造した従来のヒューム管
(ア)の組織構造は、第2図に示す断面図のように、外
周面(イ)の近傍はコンクリートの構成材料のうちの質
量の大きな粗骨材(ウ)が集まり、比較的強度の大きな
ものになるが、反対に、内周面(エ)近傍は質量の小さ
いモルタル成分(オ)が集まる。さらに、このような内
周面(エ)には、遠心成形後の水分の蒸発により、収縮
時に中心から内周方向に向う無数のクラック(カ)が生
じやすい。
このようなヒューム管(ア)を下水管として使用した
場合、硫化水素等の酸性成分やその他の腐食性のガス
が、内周面(エ)の近傍の組織構造が疎となっているモ
ルタル成分(オ)から毛細管現象により、あるいは内周
面(エ)近傍に無数に生じたクラック(カ)を通ること
により、ヒューム管(ア)の内部に容易に浸透する。こ
のため、ヒューム管(ア)は急速に劣化する。
このようなヒューム管(ア)の劣化を抑制するため、
内周面に補強用のモルタル層を形成したり、樹脂コーテ
ィングを施すことがこれまでに試みられてきている。
しかしながら、補強用のモルタル層を形成しても十分
に劣化を抑制することはできず、また樹脂コーティング
を施すと、モルタル層の形成に比べて劣化を抑制するこ
とはできるが、樹脂被膜に生じるピンホールからの劣化
を避けることはできないので、劣化の抑制効果を長期間
持続させることはできない。加えて、ヒューム管の製造
コストを増大させる。
このため、劣化が生じにくく、かつ低コストに製造で
きる新たなヒューム管の開発が望まれてきた。
(発明の目的) この発明は、以上の通り従来技術の問題点を解決し、
ヒューム管の内周面の劣化を抑制し、安価に製造するこ
とのできるヒューム管とその製造方法を提供することを
目的としている。
(発明の開示) 上記の目的を実現するため、この発明のヒューム管
は、ヒューム管の外周面近傍の厚み範囲内には相対的に
より多くの粗骨材が含まれているとともに、内周面近傍
の厚み範囲内には、長辺または一辺の長さが数mm以下の
フィルム状のフレーク材が集積されて全周にわたるフレ
ーク分散層が形成されていることを特徴としている。
また、この発明は、遠心成形するヒューム管の製造方
法において、前記フレーム材をコンクリートに投入して
遠心成形し、内周面近傍に前記フレーク層を形成する方
法をも提供する。
この発明のヒューム管は、たとえば、第1図に示す実
施例のように構成する。
第1図に示したヒューム管(1)は、第2図に示した
従来のヒューム管と同様に、外周面(2)の近傍の厚み
範囲内に粗骨材(3)を多く含有し、その内側の内周面
(4)近傍にモルタル成分に富むという断面構造をして
いるが、さらにその内周面(4)の近傍の厚み範囲内に
は内周面全周にわたって形成されたフレーク分散層
(5)を有している。
この内周面(4)の近傍のフレーク分散層(5)は、
フィルム状の微小フレーク材がその平面を相互に重ね合
わせた構造のようにコンクリート中に分散させるため、
第2図に示した従来のヒューム管(ア)において無数に
発生していたクラック(カ)は、このフレークによって
拡大が阻止され、たとえ内周面(4)にクラックが発生
してもそのクラックは深く大きく拡大することは防止さ
れる。従って、この発明のヒューム管(1)によれば、
ヒューム管の遠心成形後の水分の蒸発による収縮時にお
いても、その内周面(4)近傍には従来のように多数の
クラックが生じることはない。僅かにクラックが生じた
としても、そのクラックは層状に幾重にも重なったフレ
ーク材によって、大きく拡大することも、あるいは深く
なることも阻止される。このため、このようなヒューム
管(1)を下水管等として使用した場合には、内周面か
ら腐食性のガスや液体が浸透するのを有効に防止するこ
とができ、従来は避けられなかったヒューム管の劣化を
抑制することができる。
この発明のヒューム管(1)において、フレーク材と
しては、ヒューム管の遠心形成時に内周面(4)の近傍
の所望深さ(厚み)範囲内に集まるように、モルタル成
分よりも軽く、小さな比重を有したものを使用する。ま
た、その形状は、内周面(4)近傍に層状に重なるよう
に形成できる薄片状のものであれば特に制限はなく、ヒ
ューム管(1)の内径、フレーク材の材質等に応じて適
宜なものとすることができる。ただ、長径または一辺の
長さが数mm以下のフィルム状のものを使用する。
フレーク材の材質としては、コンクリートのセメント
成分と反応せず、溶解しないものを使用することが必要
である。また、下水管等としての用途に使用できるよう
に、耐薬品性、耐酸性に優れたものを使用するのが好ま
しい。このようなフレーク材としては、たとえば、耐薬
品性のプラスチック、ゴム、あるいは雲母、グラファイ
ト、窒化ほう素等無機物をあげることができる。
フレーク材の使用量は、製造するヒューム管の内径、
そのコンクリートの種類、遠心形成時の遠心力の大きさ
等に応じて、所定の劣化抑制効果が発揮されるように決
めることができる。たとえば、通常のヒューム管材料を
使用し、遠心形成時の遠心力を30〜40Gにする場合に
は、バインダーも含めてフレーク材層が内周面から厚さ
約10mmの層状になるように添加することができる。
また、この発明のヒューム管(1)は、上記のような
フレーク材を使用して、従来と同様の方法により、容易
に、かつ低コストに製造することができる。すなわち、
粗骨材とモルタル成分を含有するコンクリートを型枠に
投入し、遠心力を利用して管状に成形するにあたり、上
記のようなフレーク材を混入させる。これにより遠心成
形時に粗骨材(3)やモルタル成分に比べて比重の小さ
いフレーク材が内周面(3)近傍に層状に集まり、外周
面(2)近傍にはヒューム管(1)の強度を高めるため
の比重の大きい粗骨材(3)が集まる。この場合も、使
用するフレーク材は安価に入手できるものが使用でき、
遠心成形に使用する設備も従来のものがそのまま使用で
きるので、低コストでのヒューム管製造が可能となる。
(発明の効果) この発明により、ヒューム管の内周面近傍にフレーク
分散層を形成することにより、従来内周面近傍において
避けられなかったクラックの発生を防止または抑制し、
ヒューム管の劣化を有効に抑制することができる。
また、この発明の製造方法によれば、従来のヒューム
管の製造工程においても、安価に入手できるフレーク材
を使用し、容易に、かつ低コストでコンクリートヒュー
ム管を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明のヒューム管の一例を示した断面図
である。第2図は、従来のヒューム管を例示した断面図
である。 1……ヒューム管、2……外周面、3……粗骨材、4…
…内周面、5……フレーク分散層

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面近傍の厚み範囲内には相対的により
    多くの粗骨材が含まれているとともに、内周面近傍の厚
    み範囲内には、長辺または一辺の長さが数mm以下のフィ
    ルム状のフレーク材が集積されて全周にわたるフレーク
    分散層が形成されていることを特徴とするヒューム管。
  2. 【請求項2】長辺または一辺の長さが数mm以下のフィル
    ム状のフレーク材を、粗骨材を含むコンクリートに注入
    して遠心成形し、外周面近傍の厚み範囲内には相対的に
    より多くの粗骨材が含まれているとともに、内周面近傍
    の厚み範囲内にはフレーク材が全周にわたって集積され
    たフレーク分散層が形成されたヒューム管を製造するこ
    とを特徴とするヒューム管の製造方法。
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