JP2642721B2 - ヒト免疫不全ウイルスに対する抗体の検出方法 - Google Patents

ヒト免疫不全ウイルスに対する抗体の検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、AIDS及びそれに関連する病気の診断に使用
できるヒト免疫不全ウイルスの抗体の検出方法と、この
ウイルスの潜伏性無症候性キャリアの同定方法に関す
る。
背景技術 後天性免疫不全症候群(AIDS)が最初に発見及び報告
されたのは、1981年である。その時以来、臨床及び疫学
データにより、AIDSの発生が世界的に疫学的段階に達し
ていることが明らかになってきている。AIDSの原因物質
は、RNAレトロウイルス、ヒトT−細胞白血球ウイルス
タイプIII(HTLV−III)(リンパ節疾患関連ウイルス
(LAV)としても知られている)及びAIDS関連レトロウ
イルス(ARV)であことが確認され、最近ヒト免疫不全
ウイルス(HIV)と改名された。AIDS患者は、日和見性
病原菌ニューモシスティスカリネイ、カンジダアルビカ
ンス、ヘルペスシンプレックスウイルスのような広範囲
の日和見性感染源に罹患し、そして腫瘍(特にカポジ肉
腫)を患うことが多い。推定では、米国内のAIDS患者の
数はほぼ12カ月毎に倍増し続けている。
推定上のAIDSウイルスHIVは、末梢血液単核細胞、脳
脊髄液、精液、神経組織、唾液、涙、そして稀には尿か
ら分離されている。全人口におけるHIVへの感染率を調
べるために、AIDSウイルスに対する抗体の存在に関する
集団スクリーニングを試みることが提案された。しか
し、抗体物質は一般には人間の血液及び血清の中にしか
見つからないので、このスクリーニングでは被験者から
血液または血清のサンプルを採取する必要があった。
様々な血清学的検査法が、AIDS患者やAIDS関連症候群
(ARC)患者や健康な(つまり無症候性の)ウイルスキ
ャリアの血液中からHIVに対する抗体(この抗体の存在
は、HIV感染の事実を示すものである)を検出するため
に開発されてきた。食品医薬品局(FDA)公認のELISA
(酵素結合免疫吸収検定法)や、HIVに対する抗体の測
定用の実験的ウエスタンブロット用具が、今日利用可能
である。これらの用具の中には、ウイルス膜蛋白質(gp
41即ちENV)及びウイルス核蛋白質(p24即ちCORE)に対
する特定の抗体の検出用の最新の(しかしまだ実験用
の)ELISA検定用具や、HIVの多数の抗原蛋白質の検出用
のウエスタンブロット法を利用する用具がある。更に、
ガラス内で培養でしたHIV感染細胞の組織培養液中から
これらのウイルス抗原を検出する方法も最近開発されて
いる。
今日の全てのAIDS検出法は、HIVウイルスに対する抗
体の存在に関する分析対象である血液又は血清のサンプ
ルを採取するために、健康な組織を冒す(invasive)処
置、つまり静脈か動脈かまたは皮下の腔に注射針を刺し
て血液のサンプルを抜き取るという処置を採用してい
る。これらの処置は、サンプルを採取及び分析するヘル
スケア職員に対する或る程度の危険を伴っている。何故
なら、注射針に不注意に触れることによってAIDSに罹る
おそれがあるからである。その上、今日AIDSに罹る可能
性が高いとみなされている人(同性愛者及び静脈薬使用
者)とその危険の高くない被験者とは、検査中にAIDSに
罹るのではないかという根拠のない危惧を抱いているこ
とが多く、そのせいで、針を使用した血液の抜取りを伴
うあらゆる処置を受けることを避けている。
これらの問題は、健康な組織を冒さない方法によって
HIVの抗体に関するスクリーニングを行なうことによっ
て克服されるであろう。こうした方法は、集団スクリー
ニングでの使用に適しており、従来の健康な組織を冒す
血清学的検定法の固有の欠点を回避するのに適してい
る。
発明の開示 HIVに対する抗体をHIVに暴露または感染した者の尿の
中から検出できることが、思いがけなく発見された。こ
れはとりわけ驚くべき発見である。何故なら今日まで
は、一定の腎臓病患者を除いてはヒトの尿中から抗体を
検出することはできないと信じられていたからである。
本発明は、被験者がHIVウイルスに感染しているか否か
を尿中からのHIVに対する抗体の検出によって決定す
る、健康な組織を冒さない検定法を開示するものであ
る。
従って、本発明の目的のひとつは、健康な組織を侵す
ことなく病原性物質に対する抗体に関するスクリーニン
グを行なう方法を提供することにある。
別の局面では、本発明は、健康な組織を冒すことなく
被験者が特定のウイルス性物質に暴露されたか否かを決
定する方法を提供することにある。この方法は、特定の
ウイルス性物質に対する免疫されていない患者の尿中か
ら該ウイルス性物質に対する抗体を検出する過程を含ん
でいる。
図面の簡単な説明 第1図は本発明の濃縮尿サンプルの典型的なウエスタ
ンブロット分析、 第2図はHIV感染者の尿中におけるHIVに対する抗体の
存在に関する二重拡散勾配免疫電気泳動分析を示す図で
ある。
発明を実施するための最良の形態 AIDSウイルス(HIV)の抗体がAISD患者及びHIV感染者
(腎臓に疾患のない者を含む)の尿の中に存在するとい
うことが、思いがけなく発見された。更に本発明者は、
これらの抗体がIgG,IgAクラスの免疫グロブリンである
ことを、免疫拡散法によって確認した。この発見は、驚
くべきものである。何故なら、これまでは、抗ウイルス
抗体の有意味な滴定量は、腎臓病疾患またはポリオウイ
ルスワクチン接種により免疫性を与えられた者の尿の中
にしか存在しないと考えられていたからである。
フランクリン E.C.(J.Clin.Invest.38:2159−216
7、1959)は、蛋白質(アルブミン、アルファグロブリ
ン、ベータグロブリン及びガンマグロブリンを含む)が
健康なヒトの尿の濃縮液の中に存在していることを発表
している。しかし、これらの破片は、成熟した免疫グロ
ブリンの6分の1の大きさしかなく、抗体の分子が自然
に分解してできた産物であると考えられた。特異抗体は
調査されなかった。
ラーナー A.M.他による論文(J.Clin.Invest.41:805
−815、1962)には、ポリオウイルスワクチン接種によ
り免疫性を与えられた健康なヒトの尿の中からポリオウ
イルスに対する抗体が検出されたことが報告されてい
る。しかし、抗体を検出された全ての被験者は3回以上
ワクチン接種を受けたことのある者であり、しかも尿は
ワクチン接種後すぐに採取及び分析されている。免疫さ
れていない者の尿中における抗ウイルス抗体の存在は、
これまで医学文献に報告されていない。実際、本発明者
は、サイトメガロウイルス(CMV)または肝炎ウイルス
の感染者の尿の中からこれらのウイルスに対する抗体を
検出することはできなかった。CMVに関していえば、抗C
MV抗体の血清滴定量が1:1,500ないし1:20,000であるAID
S患者の尿の中からは、ELISAを用いて検定した場合、抗
CMV抗体を検出することはできなかった。
HIVに対する完全な抗体(または抗体の破片)が感染
者の尿中に存在するという事実は、これまで医学文献に
報告されたことはない。尿中に抗体が検出されるのは、
通常、免疫されていない腎臓または肝臓病(ネフローゼ
症候群、糸球体腎炎、肝腎症候群等)患者または多発性
骨髄腫、免疫増殖性疾患患者の場合だけである。
HIVに対する抗体の尿中における存在量は、血清の中
から検出された抗体の量の約20分の1であり、現在利用
可能な全ての診断法の検出可能最低量よりも少ない。従
って、こうした抗体に関する検定の前に尿を濃縮、すな
わち、その体積を最初の排泄時体積よりも減少させなけ
ればならない。一層感度の高い抗体検出法が利用可能に
なった場合には、尿の濃縮過程は省略できると考えられ
る。
本発明の方法は、HIV暴露に関するスクリーニングの
被験者の尿サンプルを採取する過程と、このサンプルを
排泄時の20倍以上に濃縮する過程と、濃縮したサンプル
をHIVに対する抗体の存在に関して検定する過程とを含
んでいる。この検定は、血清中からのこうした抗体の検
出法としてよく知られた方法を用いて行なう。論理上
は、1ないし5ミリリットルという少量の尿があれば抗
体を検出することがてきる。しかし、現在利用可能な検
出法を用いる場合には、40ないし100ミリリットルの尿
を採取及び検査することが望ましい。濃縮した尿は、す
ぐに検査してもよいし、4℃で24時間以上保存してから
検査してもよいし、冷凍してもよい(しかし冷凍及び解
凍により質は悪化する)。
よく知られた多数の濃縮方法のうちどの方法を用いて
尿のサンプルを濃縮してもよい。本発明の方法の実施に
おいて用いる濃縮方法の例としては、空気蒸発法や膜透
析や回転脱水法があるが、以下の例1で詳述するよう
に、60,000ドルトンの膜フィルターを備えたミニコンB1
5濃縮器(マサチューセッサ州ダンンバースのアミコン
社製)を用いるのが好ましい。また、凍結乾燥法を用い
て尿を濃縮してもよい。しかし、この方法では一層大き
な量(例えば少なくとも200ミリリットル)の尿が必要
である。
尿のサンプルを十分に濃縮しさえすれば、HIVに対す
る抗体の存在に関してそのサンプルを検定することがで
きる。
「十分な濃縮」とは、尿の濃縮に関して本発明書で使
用する場合、排泄時の20倍以上に濃縮することを意味
し、好ましくは40倍ないし200倍に濃縮することを意味
する(排泄時の40ミリリットルの尿を2ミリリットルに
まで濃縮すれば、20倍に濃縮したことになる)。また、
このサンプルを乾燥凍結及び再懸濁(例えば等張性の食
塩水中で)させてもよいが、しかし上述のようにこれは
一層多量の尿が必要である。このように濃縮したサンプ
ルは、標準的な抗体検出方法(例えば、ELISA、ウエス
タンブロット法、標識免疫検定法、免疫拡散法)を用い
ることにより、HIV蛋白質に対する抗体に関して検定す
ることができる。
本発明の好適な実地例では、よく知られたウエスタン
ブロット分析法を、抗HIV抗体の検出用に採用してい
る。この分析法は、哺乳動物の尿中からHIVに対する抗
体を検出するための現在利用可能な最も信頼性の高い方
法であることがわかっている。一般にこの分析法は、ゲ
ル電気泳動法によって分子量の相違に基づいて蛋白質
(この場合にはHIV蛋白質)を分離する過程と、分離し
た蛋白質を適宜の固体の支持体(ニトロセルロース製フ
ィルターまたはナイロン製フィルター等)に移す過程
と、HIV感染者の血清(または尿)をこの蛋白質と一緒
に培養する過程とを含んでいる。この培養により、血清
(または尿)中に存在する特異HIV抗体が、蛋白質に結
合する。それからHIV抗体を、標識した抗ヒトHIV抗体を
用いて検出する。この検出法は、感度がよくしかもウイ
ルス性蛋白質に対する特定の抗体を検出できるので、好
ましい方法である。ELISA検定法に固有の偽陽性結果の
発生は、ウエスタンブロット分析法を用いることによっ
てかなり減少する。
本発明の他の実施例は、酵素結合免疫吸収検定法(EL
ISA)を、HIVに対する抗体の検出法として用いる。この
検定法は、(E.エングバールにより Methods in Enzym
ology、70:419439に記載された通り、)競合的なもので
あっても非競合的なものであってもよい。
ELISAは、免疫学的検定法であり、本発明ではサンプ
ル中に存在する抗体の定量化のために用いる。この検定
法では、色原体(色素を産出する物質)を抗体検出用に
採用し、抗原複合体が生成される。ELISAで使用される
抗体は、オルト−フェニレンジアミンやオルト−ジアニ
シジンのように、色原体と共有結合する。オルト−フェ
ニレンジアミンは、過酸化物(過酸化水素等)の存在下
で赤橙色の生成物を作り出し、オルト−アニシジンは、
過酸化物の存在下で黄橙色の生成物を作り出す。これら
の色は、特定の波長(オルト−フェニレンジアミンでは
429ナノメートル、オルト−アニシジンでは400ナノメー
トル)の光を吸収するので、分光光度計を使って検出及
び定量することができる。
非競合的ELISAでは、あらゆる抗体と、検出対象の抗
体を生み出す生物種に対する第2の抗体(酵素で標識し
たもの)とを獲えるために、固定化した抗原を用いる。
もしも例えばヒトの抗体が検出対象であれば、マギまた
はウサギの標識抗ヒト抗体を第2抗体とする。抗体の存
在量は、結合した第2抗体の量に正比例する。競合的な
ELSAには、未標識抗体(被検生物試料)と酵素標識第2
抗体とが限られた既知の抗原に対して競合する反応が含
まれている。この反応は平衡状態に達するまで続き、未
知の抗体の濃度は、結合した第2の抗体の量に逆比例す
る。例えば、もしもサンプルの中に未知の抗体が全く存
在していなければ、全ての標識抗体が抗原と結合するの
で、増加した色によって示された高い値が酵素標識の量
の測定時に得られる。
この実施例の実施に使用できる市販のELISAキット
は、アボットラブス社(イリノイ州シカゴ)からカタロ
グナンバー1037の下に入手することができ、また、ENVA
COR(ヒューマン T セル リンフォトロピックウイ
ルス III、EIA、カタログ No.2791−22、アボット
インターナショナル ディアグノスティック社、ヴァイ
スバーデン、西ドイツ)として入手することができる。
カタログナンバー1037による検定は、以下の例3に記載
のように非競合的ELISAを用い、ENVACORによる検定は、
以下の例2に記載のように競合的ELISAを用いる。これ
らのキットは、以下の例2及び3に列挙する部品を含ん
でおり、HIVに対する抗体に関する血清(尿ではない)
の検定用に販売されているものである。
本発明の方法の1つの重要な利点は、サンプル(尿)
を健康を組織を冒すことなく容易に採取することがで
き、従って、研究所やヘルスケアの職員が(例えば汚染
された注射針が誤って刺されることにより)HIVに感染
する危険が本質的になくなることである。
本発明の方法は、迅速に実施することができ、尿のサ
ンプルの濃縮に要する時間によって迅速化が制限される
だけである。おおまかにいえば、サンプルを200倍に濃
縮する場合には、濃縮に要する時間は90分未満である。
20倍ないし40倍の濃縮であれば、60分未満で行なうこと
ができる。濃縮したサンプルは、それから市販のHIV用
血清検査装置を用いて分析する。
本発明を、特定の実験例によって一層詳細に説明する
ことにする。
例1:尿の濃縮 血清のサンプル及び60ないし100ミリリットルの尿の
サンプルを、次の患者グループから採取した(そして、
患者のプライバシー保護のために数字で識別することに
した)。即ち、28人のAIDS関連カポジ肉腫(AIDS−KS)
患者と、21人のARC患者と、HIVへの感染の可能性の高い
48人の無症候群(37人の同性愛者、静脈投与薬を使用し
た5人の女性、輸血を受けた1人の女性を含む)と、AI
DS関連日和見性感染源(AIDS−OI)(ニューモシスティ
スカーリナイやサイトメガロウイルス等)に感染した16
人の患者とから成るグループである(表1には、識別数
字と検定結果を記載している)。更に、AIDS以外の病気
に罹った17人の患者(肝硬変及び肝癌患者1人、肝炎患
者1人、狼瘡患者3人、糸球体腎炎患者3人、ネフロー
ゼ症候群患者1人、狼瘡腎炎患者1人、心不全患者1
人、らい腫らい患者1人、結核患者2人、DMネプロパシ
ー患者1人)の尿及び血清と、明らかに正常で健康な30
人の異性愛者の尿及び血清も採取した。全ての正常な対
照とAIDS患者とから採取した尿のサンプルは、よく知ら
れた標準的な尿検査方法を用いて検定したとき、蛋白質
に関して本質的に正常な値を示した。蛋白尿(異常に高
い濃度の蛋白質が尿中に存在すること)を、高い(150
ミリグラム以上)の濃度の尿蛋白の存在を表示する「デ
ィップスティック」を用いて検出した。蛋白尿はディッ
プスティックの色の変化によって示されるので、その色
の変化を標準と比較することによって蛋白尿の定量化を
行なった。
採取した尿のサンプルを、円錐形のチューブ内に入
れ、室温で、毎分1500回転の速度で15分間遠心分離機に
かけた。そして、上澄をデカンテーションして保管し、
ペレットを捨てた。
このようにして得た上澄を、60,000ドルトンの薄膜を
備えたミリコンB15濃縮器(マサチューセッツ州ダンバ
ーのアミコン社製)を用いて、排泄時の20倍ないし200
倍に濃縮した。この濃縮器は、60,000ダルトンよりも大
きい分子量の物質を全て薄膜フィルターで捕らえると共
に溶液を蒸発させことにより、濃縮を行なうものであ
る。この濃縮には、約1時間かかる。(この濃縮器を用
いて尿を200倍に濃縮するのには、約90分かかる。)濃
縮した尿のサンプルは、4℃で30日間保存してもよい
し、あるいは直ちに以下の例2ないし5に記載の検定用
に使用してもよい。ウエスタンブロット分析法または免
疫拡散法に関しては、サンプルを200倍以上に濃縮する
ことが好ましい。各サンプルの濃縮倍数は、以下の表
1、2及び4に列挙した通りである。
例2:濃縮した尿のサンプルのELISA検定 例1の血清サンプル及び濃縮済み尿サンプルを、ENVA
COR検定キットを用いて、ENVに対する抗体及びCOREHIV
抗原に対する抗体の存在に関して検定した(アライン、
J.P.他、ランセットI:1233−1236、1986年)。この検定
は、既知の量のHIV蛋白質と抗体とをサンプルに加える
競合的ELISAである。サンプル中の抗体の存在は、対照
血清の対照抗体への結合の減少によって示される。更
に、血液のサンプルを同時に採取及び分析した。
この検定用具は、希釈剤(ウシ及びギヤの血清と0.1
%のアジ化ナトリウムとを含有)と、HIV膜蛋白質及び
核蛋白質に対するポリクローナル抗体(酵素と共役した
もの)と、遺伝子組替えgp41またはgp24HIV蛋白質で被
覆したビードと、オルト−フェニレンジアミン(OPD)
基質と、陽性及び陰性のHIV抗体対照とを含んでいる。
50マイクロリットルのサンプルまたは対照を、20マイ
クロリットルの希釈剤及び200マイクロリットルのポリ
クローナル抗体と一緒に培養した。ビードを、HIV膜蛋
白質またはHIV核蛋白質のいずれかに対する抗体を入れ
た分離ウェルに入れた。室温で16ないし22時間培養した
後、ビードを洗浄して適宜の反応チューブに移した。30
0マイクロリットルのオルト−フェニレンジアミン基質
を各チューブに加え、反応を30分続けさせた後、1ミリ
リットルの1規定硫酸を加えることによって反応を停止
させた。こうしてできた溶液の吸光度値は、アボットラ
ブス社からクァンタムII、ナンバー3303−11の商品名で
販売されている分光光度計を用いて測定すると、492ナ
ノメートルであった。HIVp24またはgp41蛋白質のいずれ
かに対する抗体の血清または尿中での存在に関する陽性
の結果が、平均陰性対照(メーカーにより提供されたも
の)の光学濃度(O.D.)に平均陽性対照(メーカーによ
り提供されたもの)の光学濃度を加えた光学濃度総計の
0.5倍以下の吸光度値を示したサンプルの全てについて
現われた。
本発明によってスクリーニングした患者の識別番号と
検定結果とを、表1及び2に掲載し、表3に要約した。
表1及び2を見ると、AIDS関連カポジ肉腫患者の71.4
%と、ARC患者の81%と、HIV感染の可能性の高い者の6
9.7%と、日和見性感染源感染者の68.8%とがHIVの膜蛋
白質(gp41)に対する抗体を尿の中に持っていること
と、こうした抗体が本発明の方法を用いて検出されたこ
ととがわかる。HIVの膜蛋白質に対する抗体が検出され
た患者の全体でのパーセンテージは、72.2%であった。
核抗原は、6人の無症候性者の尿の中から検出されただ
けであった。AIDS以外の病気に罹った患者と正常で健康
な異性愛者の全ての血清及び尿は、HIV膜蛋白質に対す
る抗体とHIV膜蛋白質に対する抗体との双方に関して陰
性であった。
例3: 例2で分析した尿のサンプルの一部を、2種類の市販
の非競合的HIV ELISA検出キットを用いて再検査した。
キットI(イリノイ州シカゴのアボットラボラトリーズ
社製のHTLV III EIA用具、Lot No.1590HR00)は、食
品医薬局(FDA)公認の臨床診断キットである。キットI
I(イリノイ州シカゴのアボットラボラトリーズ社製のE
IA臨床診断用具、カタログ No.1037)は、研究用のキ
ットである。
これら2種類の用具の各々は、HIV抗原で被覆したビ
ードと、セイヨウワサビのペルオキシダーゼに共役した
ヤギの抗ヒト抗体と、陽性の対照と、陰性の対照と、サ
ンプル希釈剤(ウシ及びヤギの血清を含んだもの)と、
OPD並びにOPD希釈剤(クエン酸−リン酸塩緩衝剤と0.02
%の過酸化水素を含んだもの)と、反応トレイと、検定
チューブとを含んでいる。
HIVに対する抗体の尿中での存在に関する検定は、次
のようにして行なった。10マイクロリットルの対照また
は希釈済みサンプルを、反応トレイの予め選択した複数
のウェルの中に夫々配合した。各ウェルには、流体を40
0マイクロリットルまで入れることができるようになっ
ている。200マイクロリットルのサンプル希釈剤と1個
のビードとを、各ウェルに加えた。これらの反応物質
を、40℃で約1時間培養した。その後、上澄(つまり液
体)を捨てて、4ないし6ミリリットルの蒸留水または
イオンを除去した水でビードを3回洗浄した。200マイ
クロリットルのヤギの抗ヒト抗体(標識したもの)を加
えて、40℃で約2時間培養した。上澄を取り除き、ビー
ドを上述のようにして洗浄した。ビードを検定チューブ
に移して300マイクロリットルのOPD基質溶液を加え、こ
の溶液を約30分間培養した。1ミリリットルの1規定の
硫酸を加え、この溶液の吸光度を標準型アボットラブス
分光光度計(アボットラブス製のモデル3303−11)で測
定すると、429ナノメートルであった。サンプルが平均
陽性対照の0.5ないし1.5倍の範囲内にある場合には、陽
性の値が表示される。
これらの検定の結果を、以下の表4に掲載してある。
表4に示した結果は、尿中におけるHIVに対する抗体
は、一層感度の高いELISA検定キット(キットII)を用
いた場合には一層容易に検出できることを示している。
この事実は、血清中の抗体に関しても同じである。これ
らのサンプルの幾つかを、以下の例4に記載のようにウ
エスタンブロット法を用いて更に分析した。
例4:濃縮した尿のサンプルのウエスタンブロット分析 HIVに対する抗体の存在に関するウエスタンブロット
分析を、HIV血清−陽性者59人(表1及びに2に掲載さ
れた者の中から選ばれた18人のAID−KS、27人のHIV感染
の可能性の高い者、6人のARC、8人のO.I.患者)とエA
IDS以外の病気に罹った患者30人の尿及び血清のサンプ
ルに対して行なった。この分析には、市販の用具(デラ
ウェア州ウィルミントンのDUPONT DE Nemours and Co.,
Inc.が販売するバイオテック/デュポン社製HTLV−III
ウエスタンブロットキット)を使用した。この用具は、
予め切ったニトロセルロースの薄膜細片(ナトリウム
ドデシル基 硫酸塩/ポリアクリルアミド ゲル電気泳
動(SDS−PAGE)によって分離した固定されたウイルス
性抗原を、薄膜上にエレクトロブロットしたもの)と、
対照血清(陰性の対照、弱陽性の対照及び強陽性の対照
を含んだもの)と、ブロット緩衝剤(3重に緩衝剤で処
理した塩類に5%の脱脂乾燥ミルクを混ぜ、更に、熱不
活性化した健康なヤギの血清を含めたもの)と、洗浄緩
衝剤(3重に緩衝剤で処理した塩類にtween−20洗浄剤
を含めたもの)と、ビオチンヤギ抗ヒトIgGと、アビジ
ン−セイヨウワサビ ペルオキシダーゼと、4−クロロ
−1−ナフトール溶液と、過酸化水素と、培養トレイと
を含んでいる。
洗浄トレイのウェルの中に入れた2ミリリットルの洗
浄緩衝剤に、薄膜細片を室温で30分間浸した。そして、
この緩衝剤を流し出して捨て、この細片を2ミリリット
ルのブロット緩衝剤で5ないし10分間洗浄した。200倍
に濃縮した尿サンプル20マイクルリットルを、この細片
及びブロット緩衝剤の入ったウェルに加え、反応物質
を、室温で1晩培養した。その後、ウェルの中に混合物
を吸引して捨て、ウェルを2ミリリットルの洗浄緩衝剤
で1回洗浄した。そして、新たな2ミリリットルの洗浄
緩衝剤での洗浄を、洗浄してから緩衝剤を捨てるまでの
間の細片を5分間ずつ浸しながら、室温で2回繰り返し
た。
2ミリリットルの抗ヒトIgGをウェルに加え、揺動装
置または回転装置上で室温で60分間培養した。次に、1
本の細片につき2ミリリットルの洗浄緩衝剤で、細片を
5分間洗浄した。そしてこの洗浄過程を、各過程毎に緩
衝剤を捨てながら、室温で更に3回繰り返した。1本の
細片につき2ミリリットルのアビジン−セイヨウワサビ
ペルオキシダーゼを加えて、揺動装置または回転装置
上で室温で60分間培養した。細片を上述のようにして3
回洗浄した。4−クロロ−1−ナフトール溶液と過酸化
水素との50対50の混合液2ミリリットルを加え、10ない
し15分間または色が現われるまで室温で培養した。細片
上に色が現われたことは、HIVに対する抗体を含んだ尿
にこの細片が触れたことを示している。
これらの細片を、メーカーから供給された対照を用い
て、HIVに対する抗体の存在に関し、陰性(−)つまり
抗体不検出か、弱陽性(±)か、または強陽性(+)と
して記録した。その結果、表5及び第1図に掲載してあ
る。
表5を参照して、p17はp55のp24への分裂時に生成さ
れる蛋白質構成要素であり、p24はウイルス性蛋白質で
あり、p31はウイルス性エンドヌクレアーゼであり、p41
は成熟した膜蛋白質であり、p51及びp66はウイルス逆転
写酵素の構成要素であり、p55はウイルス核蛋白質の前
駆物質であり、p160は膜蛋白質の前駆物質であり、p110
/120はこのゲル系内を共に遊走する2つの蛋白質の混合
体であり、p120はp160蛋白質のgp41への成長時に生成さ
れる蛋白質構成要素であり、p110は未だ機能の解明され
ていないウイルスの蛋白質構成要素である。
本発明の方法の実施によって得た濃縮済み尿サンプル
及び血清サンプルの典型的なウエスタンブロット分析の
一例を、第1図に示してある。第1図を参照して、レー
ン22は陰性対照であり、レーン23は弱陽性対照であり、
レーン24は強陽性対照である。右側の数字は、上述の様
々はHIV蛋白質を表わしている。レーン12から16及び18
から21は、表5の対応する数字の患者のサンプルであ
る。例えば、ARC患者No.956(第1図のレーン16)から
採取した尿は、p24(核)とp17とを除く全てのHIV蛋白
質に対する抗体を含んでいる。この発見の意義は今日ま
だ知られていない。
表5のデータ及び表6の要約データからわかる通り、
HIV抗原に対する抗体は、この一層感度のよい検定法を
用いることにより、濃縮した尿の中から容易に検出する
ことができる。特に、p160に対する抗体は、検査したHI
V血清−陽性者59人のうち55人(93.2%)から検出され
た。これらの結果は、本発明のこの好適な実施例におけ
る濃縮済み尿の使用が偽陽性に帰着しないことをも表わ
している。何故なら、特異ウイルス蛋白質が同定される
からである。
例4:HIVに対する抗体を含んだ尿サンプルの二重拡散勾
配免疫電気泳動分析 濃縮済み尿サンプルNo.959(表1)(これは、ウエス
タンブロット分析によりHIV抗原に関して陽性と判定さ
れ、ELISAにより膜蛋白質に対する抗体を検出されてい
る)を、更に200倍に濃縮して、二重拡散勾配免疫電気
泳動法(DDG−IEP)により、J.V.チューバがJ.App.Bioc
hem.1:37−50,1979年に記載した通りに分析した。この
患者の血清サンプルも、陽性対照として、尿サンプルと
並行して採取及び分析した。
概略としては、3マイクロリットルの尿と血清の複製
サンプルの夫々を、市販の0.5%のアガロース薄膜ゲル
(カリフォルニア州ブレアのベックマンインスツルメン
ツ社製のパラゴン)の中で電気泳動させた。ゲルに直角
に溝を設置して、そこに抗血清を入れた。電気泳動は、
僅かに改造したハイランドパワーパック(カリフォルニ
ア州メサのコスタ社製)によりゲルに40ミリアンペアの
直流を20分間流すことによって行なった。流動緩衝剤
は、バルビタール緩衝剤B−2(0.075M、pH8.6であ
り、0.2%(w/v)のアジ化ナトリウムを含有)に同量の
3.0mM水性カルシウム乳酸塩溶液を混ぜたものである。
電気泳動の後、予め切ったスリットの間の対応のゲル
型を取り除くことにより、抗血清の溝を仕上げた。そし
て、通常の平行溝免疫拡散を行なった。抗ヒトIgG、IgM
及びIgA(カリフォルニア州サンディエゴのベーリング
ダイアグノスティック社製)を5.5マイクログラム/ミ
リリットルの濃度で溝に7.5マイクロリットル加えて、
室温で20分間培養した。その後、ゲルを染色してペルシ
ピチン線の発生に関して検査した。抗ヒト抗体は、陽性
対照としての血清サンプル中に含めた。
第2図に示したように、IgG(11)及びIgA(13)免疫
グロブリンが、No.956の患者の尿サンプル中に同定され
た。IgMは、血清中には存在していたが、尿(12)中に
は現われなかった。しかし、IgMの大きさ(約900,000ド
ルトン)からすれば、このことは驚くにはあたらない。
(10)は、抗アルブミン抗体が血清サンプルと反応して
鋭い識別ペルシピチン線を形成したものと考えられる
(レーン1)。これらの結果は、ELISA及びウエスタン
ブロット検出処置によって得られた陽性の結果を裏書き
するものであり、その陽性の結果が濃縮済み尿サンプル
の使用を原因とする人為構造によるものでないことを表
わしている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ボルコウスキ,ウィリアム アメリカ合衆国 ニューヨーク 10016 ニューヨーク ファースト アヴェニ ュ 550 (56)参考文献 特開 昭58−182556(JP,A) 国際公開86/2930(WO,A1)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】採取した哺乳動物の尿サンプルを、ヒト免
    疫不全ウイルスに対する抗体の存在に関して検定するこ
    とを特徴とする、ヒト免疫不全ウイルスに対する抗体の
    検出方法。
  2. 【請求項2】前記検定の前の前記尿サンプルの体積を所
    定レベルにまで調節することを特徴とする、請求の範囲
    第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】前記尿サンプルを最初の排泄時体積の20分
    の1以下に減少させることを特徴とする、請求の範囲第
    2項記載の方法。
  4. 【請求項4】前記検定を酵素結合免疫吸収検定法を用い
    て行うことを特徴とする、請求の範囲第1項記載の方
    法。
  5. 【請求項5】前記抗体をウエスタンブロット分析法を用
    いて検出することを特徴とする、請求の範囲第1項記載
    の方法。
  6. 【請求項6】前記抗体を免疫拡散法を用いて検出するこ
    とを特徴とする、請求の範囲第1項記載の方法。
  7. 【請求項7】前記抗体が、ヒト免疫不全ウイルスのウイ
    ルス性タンパク質に対する抗体を含むことを特徴とす
    る、請求の範囲第1項記載の方法。
  8. 【請求項8】前記抗体が、ヒト免疫不ウイルスのウイル
    ス性タンパク質gp41に対する抗体であることを特徴とす
    る、請求の範囲第7項記載の方法。
  9. 【請求項9】前記抗体が、ヒト免疫不全ウイルスのウイ
    ルス性タンパク質p24に対する抗体を含むことを特徴と
    する、請求の範囲第1項記載の方法。
  10. 【請求項10】前記抗体が、ヒト免疫不全ウイルスのウ
    イルス性タンパク質p160に対する抗体を含むことを特徴
    とする、請求の範囲第7項記載の方法。
  11. 【請求項11】前記抗体が免疫グロブリンGであること
    を特徴とする、請求の範囲第1項記載の方法。
  12. 【請求項12】前記抗体が免疫グロブリンAであること
    を特徴とする、請求の範囲第1項記載の方法。
  13. 【請求項13】採取したヒトの尿サンプルを、ヒト免疫
    不全ウイルスに対する抗体の存在に関して検定すること
    を特徴とする、請求の範囲第1項記載の方法。
  14. 【請求項14】前記抗体が、p17、p24、gp41、p31、gp4
    1、p51、p55、p66、p110、p120及びp160からなる群から
    選択された少なくとも1つに対応することを特徴とす
    る、請求の範囲第1項記載の方法。
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