JP2639251B2 - 真空開閉装置 - Google Patents

真空開閉装置

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JP2639251B2 JP25375091A JP25375091A JP2639251B2 JP 2639251 B2 JP2639251 B2 JP 2639251B2 JP 25375091 A JP25375091 A JP 25375091A JP 25375091 A JP25375091 A JP 25375091A JP 2639251 B2 JP2639251 B2 JP 2639251B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、絶縁媒体を密封する
容器内に真空スイッチ管(以後VSTと書く)を収納し
た真空開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8(a),(b) は定格電圧12kV、定格の全
開極距離LS =8mmの遮断器用真空開閉装置の全開極状
態を示す図で、図8(a) は上面図、図8(b) は側面図で
ある。図において1は、絶縁媒体であるSF6 ガス2を密
封する容器であって、一般にキュービクルと呼ばれ、内
部にVST3、その他図示しない高電圧機器を収納して
いる。SF6 ガスの封入圧力は、容器を負圧にしないため
一般に大気圧以上であり、またVST3の図示しないベ
ローズの特性との関係から最高2気圧以下が用いられ
る。3a,3b はVST3の固定電極、可動電極で、LS
全開極距離または全開極位置を表わす。4a,4b はケーブ
ルヘッドで、それぞれ固定電極3a、可動電極3bと電気的
に接続され、密封容器1外部の大気7側に引出されてい
る。8は真空開閉装置のフレーム、10はこのフレーム8
に設けられ、可動電極3bを開閉動作するための操作機構
である。開極動作の場合は、図示しない開放ばねのばね
力がピン11に加わり、駆動レバー12が駆動するシャフト
13を回転中心として回動し、この駆動レバー12の回動力
が継手14を介して主レバー15に伝達され、主レバー15は
主シャフト16の中心を回転中心として主シャフト16とと
もに回動する。この主シャフト16の回動によって可動電
極3bは閉極位置から全開極位置まで移動し、前記の全開
極距離LS に保持される。17は主シャフト16の回動を自
在にするとともに、SF6 ガス2と大気7とを隔離するガ
スシールである。尚、閉極動作は図示しない別の閉極ば
ねのばね力が主シャフト16に伝達されて、可動電極3bを
閉極させる。通常使用状態では、開・閉動作はともに高
速で行われ、可動電極3bの停止位置は閉極位置または全
開極位置LS の2位置に限られ、途中の中間開極位置で
停止することはできない構造になっている。
【0003】次に、VST電極間の放電開始電圧特性を
図9について説明する。図9は全開極距離LS を8mmと
して、VST内部圧力Pを10-4Torr以下の高真空から大
気圧(760 Torr)以上の高気圧まで変化させたときのV
ST極間の放電開始電圧Vの変化を示したもので、一般
にパッシェン曲線と呼ばれている。VSTの限界真空度
は、真空開閉装置の定格電圧3.6 〜36kVに対応してやや
異なるが、ほぼP=10-3Torrのオーダで、圧力がそれ以
上になると耐電圧、遮断性能を満足しなくなる。従来大
気中で使用されるVSTにおいては、真空良否判定する
ための耐電圧試験電圧V1 はこの限界真空度から空気大
気圧までをカバーできる電圧値が採用され、定格電圧12
kV用には20kVが標準とされている。しかし、VSTをSF
6 ガス中で使用する場合、パッシェン・ミニマム点から
左側の低気圧側では空気よりも放電開始電圧が低いの
で、試験電圧V1 により真空良否判定できて問題はな
い。しかも、図中に示したようにSF6 ガスの高気圧領域
では試験電圧V1 よりも放電開始電圧が上回るので、真
空良否判定はできない。特に大気圧よりも高い圧力PT
では放電が起っても高真空との判別ができない。電圧V
2 は、この電圧を印加するとVST極間以外の部分で放
電して真空開閉装置の絶縁物を脅かすので、印加しては
ならない課電制限電圧である。従って、SF6 ガスが密閉
される容器内1にVST3を収納した真空開閉装置で、
仮に真空洩れを起してVST内に密封容器1内の封入圧
力PT のSF6 ガスが充満した場合は、従来広く普及して
いる標準の耐電圧試験法を採用できず、特別の工夫が必
要である。
【0004】図9で、全開極距離LS よりも小さい開極
距離にした場合の特性はV字形曲線全体が右側にほぼ水
平移動するので、SF6 ガスの特性はLS =8mmの空気の
特性に近付く。その上で従来のSF6 ガスの封入圧力PT
を下げて大気圧に近付けるか、あるいはVSTの電極を
工夫して小開極距離での高真空耐電圧を高く維持しつつ
SF6 ガス耐電圧を下げるなどの手段によって従来標準の
耐電圧試験法を採用できる可能性が考えられる。
【0005】図10は従来、大気中で使用されるVSTの
耐電圧試験法を示す試験回路図で、真空開閉装置の使用
現場で簡便・確実に真空良否判定ができるので広く普及
している。図10において同一符号は図8〜図9と同等を
示す。30は試験装置で高圧トランス31と、VSTが極間
放電すればこれを検出する電流計32からなり、33は交流
電源である。今、VST3の真空良否を試験する場合
は、真空開閉装置を使用中の電路から切離して、全開極
距離のLS の開極状態で試験装置30に接続し、両電極3
a,3b 間に試験電圧V1 =20kVを印加したときの、極間
放電の有または無を電流計32により検知して、真空は不
良または良と判定する。しかし、SF6 ガス中で使用され
るVSTでは前述のように真空良否の判定できない圧力
範囲がある。また、特開昭62-208521 号公報で提案され
る方法は、VST極間に一定の高電圧を印加しておき、
極間放電が起る回数を一定時間にわたって測定し、単位
時間当たりの放電回数の経過時間に対する変化を観測し
て、時間的減少または増大のパターンに対応して真空は
良または不良と判定する。しかしこの方法も繁雑で熟練
を要する欠点があった。
【0006】一般に6年毎に実施される真空開閉装置の
定期点検においては、真空良否判定のほかにVSTの電
極消耗量、電極接触抵抗、三相のVSTの開閉不揃など
の点検も必要である。真空開閉装置は高機能・多機能化
する程、点検の高信頼化が要求されるが、密封容器1に
収納されてVST3が外部から直接観察も触れることも
できない装置では特にその要求が強く、またケーブルヘ
ッド4a,4b の絶縁物の脱着作業もわずらわしいので、点
検時に作業性が優れた真空開閉装置の開発が望まれてい
る。更に、定期点検周期の延長化の要請から、たとえ極
微量の真空洩れが起ったとしても真空耐用寿命の長い真
空開閉装置の出現が強く期待されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】VSTをSF6 ガス中で
使用する従来の真空開閉装置は以上のように構成されて
いるので、真空洩れを生じた場合、簡便・確実で従来広
く普及している耐電圧試験法では真空良否判定のできな
い圧力範囲があって、試験電圧を高くするとVST極間
以外で放電が起って絶縁物を損傷する恐れがあり、しか
も高真空の正常VSTとVST内にSF6 ガスが充満した
不良VSTの極間放電開始電圧が同程度なので良否判定
ができない。特別の試験回路を用いても試験法が繁雑で
熟練を要する。また真空良否のほか各種点検の際に、そ
の都度ケーブルヘッドの絶縁物の脱着を要するなど点検
時の作業性が劣るなどの問題点があった。
【0008】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、圧力および絶縁耐力がともに大
気圧空気よりも高い絶縁媒体を密封する容器内にVST
を収納した真空開閉装置の据付現場で真空良否や電極消
耗、電極開閉不揃など各種の点検試験が簡便・確実にで
きて点検作業性が優れるとともに、仮に極微量の真空洩
れが起ったとしても真空耐用寿命の長い真空信頼性の高
い真空開閉装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る絶縁媒体
を密封する容器内に開極距離1mmで交流電圧20kV以上の
真空絶縁耐力を有するVSTを収納した真空開閉器は、
圧力および絶縁耐力が大気圧空気よりも高い上記絶縁媒
体がVST内に充満したときのVST極間の絶縁耐力は
開極距離1mm以上で交流電圧20kV未満となる圧力を最高
圧力とし、且つ操作機構に、開極距離が全開極位置から
閉極位置まで縮小自在の開極距離調整装置を備えたもの
である。また、SF6 ガスよりも分子量の小さいガスとSF
6 ガスとの混合ガスで絶縁媒体を構成し、混合ガス中の
SF6 ガスの分圧を大気圧以下に限定したものである。
【0010】
【作用】この発明における真空開閉装置は、開極距離を
VST定格の全開極距離よりも縮小自在の開極距離調整
装置を設けることにより、縮小開極状態で従来広く普及
している20kV耐電圧試験法を適用して真空良否判定がで
きるようにするとともに、更に縮小開極1mmにおける高
真空VSTの耐電圧下限と絶縁媒体が充満したVSTの
耐電圧上限とを限定することにより上記の真空良否判定
をより簡便・確実にできるようにする。また、絶縁媒体
をSF6 ガスより分子量の小さいガスとSF6 ガスとの混合
ガスにするとともに、混合ガス中のSF6 ガスの分圧を大
気圧以下に限定することにより、放電開始電圧とVST
内部圧力との関係曲線におけるパッシェン・ミニマム点
より低気圧側の絶縁耐力を向上し、SF6 ガス中で使用さ
れるVSTの限界真空度10-4Torrを大気中使用のVST
の限界真空度10-3Torrに近付けるように拡大する。
【0011】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例1を図について説明
する。図1は開極距離調整装置を備えた真空開閉装置を
示し、(a) は上面図、(b) は側面図である。図2は開極
距離調整装置の斜視図である。図3(a) は実施例1の電
極Aを示す縦断面図である。図4は放電開始電圧と開極
距離との関係図である。図中の同一符号は従来例の図8
〜図10と同等である。まず図1は定格電圧12kVの遮断器
用の真空開閉装置であり、密封容器1内に絶縁媒体であ
るSF6 ガスが従来例図8の圧力PT よりも低く、大気圧
以上の圧力PS で密封されており、定格の全開極距離L
Sは8mmであるが、図1では点検試験のため縮小開極距
離L=LV〜LG に調整完了状態を示してある。操作機
構10には開極距離を全開極位置から閉極位置まで縮小自
在の開極距離調整装置20が設けられている。
【0012】図1、図2において21は中央部に穴を有し
フレーム8に当接する当板、22は中央部にめねじを有し
操作機構10の一部である駆動レバー12に固定されている
ピン11を引掛けるためのフック、23は当板21の穴を貫通
しフック22のめねじと係合するボルトである。このボル
ト23を右回転させるとフック22が当板21に近付くように
引寄せられ、従ってピン11、駆動レバー12および駆動シ
ャフト13が駆動シャフト13の中心を回転中心として回動
することによって、図8で記述したと同様にして主シャ
フト16に回動力が伝達されて、可動電極3bを閉極方向に
移動させることができる。逆にボルト23を左回転させる
と図8と同様に開放ばね力がピン11に作用しているので
可動電極3bは開極方向に移動する。この開極距離調整装
置20は開極距離を精密に微調整できるもので、予じめボ
ルト23の回転数Nと開極距離Lの変化との関係を較正し
ておき、テスターで可動電極3bと固定電極3aとの導通を
みながら導通がなくなったところを開極距離L=0mmと
して、開極距離Lが後述する縮小開極距離LV とLG
中間値になるようにボルト23を左回転させて調整が完了
する。
【0013】この開極距離調整装置20は操作機構10から
脱着可能で、真空良否の判定試験のほか、真空不良と判
定した場合はそのVSTの圧力が図9のパッシェン曲線
上の低気圧側か、高気圧側であるかの判別に用いたり、
電極消耗量の測定、あるいは三相間の電極開閉不揃など
の各種の点検試験に用いるので、通常の真空開閉装置の
使用状態では取外しておくことができる。図2に示す補
助ばね24をボルト23に挿入して装着すれば、補助ばね24
のばね力でフック22を当板21から遠ざけて、通常使用状
態でピン11、駆動レバー12の回動動作を妨げることはな
く、点検試験の都度、開極距離調整装置20を着脱する必
要はない。尚、開極距離調整装置による開極位置の変更
可能範囲は、必要に応じて、定格の全開極距離よりも大
きくすることができる。
【0014】開極距離Lを、LVとLGの中間の距離LV
<L≦LGの状態に調整した真空開閉装置を、図10と同
様に従来と同じ耐電圧試験器30に接続し、従来と同じく
試験電圧V1=20kVを印加する。VST3が正常で高真
空であれば極間放電は起らず、従って電流計32には高圧
トランス31の僅かな励磁電流のみが流れる。若しも、V
ST3が不良でSF6ガスが充満している状態であれ
ば、極間放電が起って電流計32には高圧トランス31の短
絡電流が流れる。短絡電流は励磁電流に比べて桁違いに
大きいので、VST3の極間放電の有無が明確に判断で
きる
【0015】実施例1の電極3a,3b は遮断器用のもので
従来例と同等の電極Aは材料Aで構成され、その構造は
図3(a) に示される。電極Aの放電開始電圧特性を示す
図4において、試験電圧V1 を印加したとき、正常の高
真空VSTは開極距離LV で放電が起り、大気圧以上の
圧力PS のSF6 ガスが充満したVSTは開極距離LG
放電が起ることを表わしている。LV は約1mm、LG
約2.5mm であって、その差は僅かである。真空良否の判
定試験は、LG とLV の差が大きい程、試験作業が容易
で良否判定の信頼性が高くなる。LG とLV との中間の
精密調整は図1、図2の開極距離調整装置20によって確
実にできるようになった。
【0016】実施例2.図5は定格電圧12kVの真空リン
グメインユニットの側面図であり、同一符号は図1と同
様である。真空リングメインユニットは配電網に設置さ
れる区分開閉装置であって、装置の各種の点検性を高め
るため試験用端子6a,6b を密封容器1の大気7側に設け
て、切替断路器5a,5b によりVST電極3a,3b をそれぞ
れ直接外部に引出せる構造になっている。また高い耐電
圧性能を要求されるので、図3(b)に示すように実施例
1の遮断器用電極Aよりも耐電圧の高い材料Bで構成さ
れている。試験用開極距離LV 〜LG は開極距離調整装
置20により、実施例1よりも短かい1〜2mmに調整され
ている。図4は大気圧以上の圧力PS のSF6 ガスを密封
する容器内に電極BのVSTを収納した真空リングメイ
ンユニットの放電開始電圧Vと開極距離Lの関係図で、
実施例1の電極Aとの比較を示す。試験電圧V1 =20kV
で放電するSF6 ガス中の開極距離LG は、高耐電圧電極
の方が短くなって、LG とLV との距離差は1mmに減少
する。実際の真空良否判定はLG とLV の中間距離で行
うが、このように微細な距離調整でも開極距離調整装置
20によって可能である。また、LG とLV との距離差を
大きくするには試験電圧を高めればよいが、真空リング
メインユニットでは試験用端子6a,6b が大気7に露出し
ており、その課電制限電圧V2 は実施例1と同様であり
経済的に安価に構成されている。
【0017】実施例3.図3(c) はVSTの電極Cの構
造を示す断面図である。電極A,Bがそれぞれ材料A,
Bで一体に構成されているのに対して、実施例3におけ
る電極Cは電極の中央部を材料Cで電極周辺部を材料A
で構成したものである。材料的にみると耐電圧性能は材
料Bが最も高く、材料Cは最も低い。以上のように複合
構成した電極Cの極間放電開始電圧特性は、図6に示す
ように、大気圧以上の圧力PS のSF6 ガスがVST内に
充満した場合の開極距離の短い領域で放電開始電圧が特
に低くなる。SF6 ガスに対する開極距離の長い領域や、
VST内に大気圧空気が充満した場合およびVSTが高
真空の場合においては電極Aの放電開始電圧特性と殆ん
ど変わらない。電極Cのように、電極周辺部を高耐電圧
材料で電極中央部を低耐電圧材料で複合構成した電極を
有する真空開閉装置によれば、真空の良否判定のための
試験用開極距離LV は約1mm、LG は約5mmとなり、図
6の放電開始電圧特性からわかるように、電極周辺部と
電極中央部を同じ材料で構成した電極AよりもLV とL
G との距離差を大幅に拡大できる効果がある。従って、
真空良否判定の試験が極めて簡便となり、良否判定の信
頼性を向上することができる。尚、この複合構成の電極
Cを適用すれば、従来例のガス圧力PT と同じ値まで高
めることも可能である。
【0018】実施例4.図7の放電開始電圧特性は、SF
6 ガスに代えて、SF6 ガスと乾燥空気との混合ガス中で
VSTを使用した実施例を示す。SF6 ガス単独の場合と
比べて、試験用開極距離LG が大きくなってLV との距
離差を拡大できる効果がある。また図9のパッシェン・
ミニマム点より低気圧側の絶縁耐力を高めることになっ
てVSTの限界真空度の領域を拡大できる。従って、仮
にVSTが極く微量の真空洩れを生じた場合の真空耐用
寿命を長くする効果がある。この効果を更に大きくする
ため、SF6 ガスの分圧は従来例の最高圧力2気圧の1/
2にすれば真空耐用寿命を従来例の2倍にできる。極く
微量の真空洩れを生じたときの、VST内部へのガス洩
れ速度はVST外部の圧力に比例するからである。
【0019】実施例5.実施例4のSF6 ガスに混入する
第2ガスは乾燥空気に限らず、分子量MがSF6 の146 よ
りも小さいガスであればよく、パッシェン・ミニマム点
よりも低気圧側の絶縁耐力をSF6 ガスよりも高めること
ができる。 たとえば、N2(分子量M=28、以下同様),
CO2(44),あるいはCF4(88) などの炭化フッソ系ガス、あ
るいはHe(4),Ne( 20),A(40),Kr(83.8),Xe(131.3) など
の希ガスを用いてSF6 ガスとの混合ガスとし、全圧力が
大気圧よりも高く、パッシェン・ミニマム点の右側の高
気圧側における絶縁耐力が大気圧空気よりも高い範囲に
おいて各成分の分圧を定めることができる。
【0020】実施例6.以上の実施例では、VST周囲
の絶縁媒体がSF6ガスを含む気体である場合について説
明したが、これらの気体に代えて、たとえば真空式固体
絶縁開閉装置や真空式負荷時タップ切替器におけるシリ
コン油や変圧器油、あるいは超電導用真空開閉器におけ
る液体窒素や液体水素、液体ヘリウムなどの液体絶縁媒
体中でVSTを使用する場合もVSTが真空洩れを起し
た場合は先ず気体として侵入するので、上記の開極距離
調整装置20を備えた真空開閉装置はVSTの真空良否判
定を正確に行うことができるものである。
【0021】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば絶縁媒
体を密封する容器内に収納されたVSTの真空絶縁耐力
を開極距離1mmで交流電圧20kV以上とし、絶縁媒体がV
ST内に充満したときの絶縁耐力を開極距離1mm以上で
交流電圧20kV未満となる圧力を最高圧力とし、且つ操作
機構に開極距離が全開極位置から閉極位置まで縮小自在
の開極距離調整装置備えたので、従来広く普及している
耐電圧試験法を適用して簡便に真空良否判定できるとと
もに、各種点検試験の作業性の優れた真空開閉装置が得
られる効果がある。
【0022】また、絶縁媒体をSF6 ガスよりも分子量の
小さいガスとSF6 ガスとの混合ガスにするとともに混合
ガス中のSF6 ガスの分圧を大気圧以下に限定したので、
たとえ極く微量の真空洩れが生じてもVSTの真空耐用
寿命を従来より2倍以上に延長する真空開閉装置が得ら
れる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す真空開閉装置の(a)
は上面図、(b)は側面図である。
【図2】この発明の実施例1〜実施例6に共通の開極距
離調整装置の斜視図である。
【図3】この発明の実施例1〜実施例3の電極の縦断面
図で、(a) は実施例1、(b)は実施例2、(c) は実施例
3を示す。
【図4】この発明の実施例1、実施例2に共通の放電開
始電圧と開極距離の関係図である。
【図5】この発明の実施例2を示す真空開閉装置の側面
図である。
【図6】この発明の実施例3の放電開始電圧と開極距離
の関係図である。
【図7】この発明の実施例4の放電開始電圧と開極距離
の関係図である。
【図8】従来のVCBの(a) は上面図、(b)は側面図で
ある。
【図9】従来の真空開閉装置の放電開始電圧とVST内
部圧力の関係図である。
【図10】従来の真空良否判定用の耐電圧試験法を示す
試験回路図である。
【符号の説明】
1 密封容器 2 絶縁媒体 3 真空スイッチ管 LV 開極距離 LG 開極距離 LS 全閉極距離 PS 最高圧力 10 操作機構 20 開極距離調整装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体または液体であって圧力および絶縁
    耐力が大気圧空気よりも高い絶縁媒体を密封する容器内
    に、開極距離1mmで交流電圧20kV以上の真空絶縁耐力を
    有する真空スイッチ管を収納し、この真空スイッチ管内
    に前記絶縁媒体が充満したとき極間絶縁耐力は開極距離
    1mm以上で交流電圧20kV未満である圧力を前記絶縁媒体
    の最高圧力とし、且つ開極距離が全開極位置から閉極位
    置まで縮小自在の開極距離調整装置を操作機構に備えた
    ことを特徴とする真空開閉装置。
  2. 【請求項2】 全圧力および絶縁耐力が大気圧空気より
    も高い混合ガスを密封する容器内に真空スイッチ管を収
    納し、前記混合ガスをSF6 ガスよりも分子量の小さいガ
    スとSF6 ガスで構成するとともに前記SF6 ガスの分圧を
    大気圧以下に限定したことを特徴とする真空開閉装置。
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